京都大学霊長類研究所 Primate Research Institute, Kyoto University

  公開講座「サルから学ぶ」 8月23日、24日実施

参加者募集案内:参加申込み受付期間は7月31日までです。


京都大学霊長類研究所 公開講座 「サルから学ぶ」

日 時:8月23日(木)、24日(金)、10:00-16:20
場 所:
名古屋経済大学(犬山市内久保)にて実施、
    名鉄小牧線田県神社前駅から徒歩15分
     今年度は霊長類研究所本棟耐震改修のため、
    例年とは実施場所、実習内容が異なります。

定 員:60名(定員を超える場合は抽選)
受講料:6,200円

プログラム

    8月23日(木)

10:00〜10:15  所長挨拶、説明
10:20〜11:50 講義:渡邊 邦夫
「サル社会の社交術:”猿”間関係の理解とその発達」
13:00〜14:30 講義:濱田 穣
「ニホンザルとその近縁のマカクの進化史」
14:40〜16:20 実習 ・セミナー

    8月24日(金)

10:15〜11:45 講義:友永 雅己
「チンパンジーのこころの世界をさぐる」
13:00〜14:30 講義:今井 啓雄
「ポストゲノムの霊長類学」
14:40〜16:20 実習・セミナー



講義内容

渡邊 邦夫 ニホンザルは、数十から時には百頭を超える同種個体を含む群れで生活している。そして彼らは、一頭一頭お互い区別しながら、適切な社会関係を維持していると思われる。ニホンザル社会の中にはたらくもっとも大きな桎梏は順位と血縁であるが、まずこうしたニホンザル社会にはたらく社会的な力関係の実態にふれ、その上でニホンザルのコドモがどのようにこうした力関係に適合した行動を身につけていくのかを紹介したい。特に、彼らがどのように母親等の順位変動にあわせて自らの地位を上げていくのか、また他個体の援助を獲得する行動がどのように発達していくのかについて述べる。
濱田  穣 ニホンザルは桃太郎伝説にもでてくるほど、私たちになじみの動物で、その近縁のサルたち(マカク類)は現在、アジアに広く分布しています。マカクは7-800万年前に東アフリカで起源したと化石資料から推定されています。その後、アフリカを出てユーラシアに広まり、現在、19種を数えるほどに繁栄しているのですが、化石が少ないのでその進化過程を追跡することができません。私たちは、ニホンザルとその近縁マカク(タイワン、アカゲ、カニクイザル)の進化過程を明らかにしようと遺伝・形態特徴の地域変異性を調査しています。彼らは氷河期と間氷期の気候変動の影響を受け、あるいは利用して、今見るような分布と生物学的特徴を獲得したのです。
友永 雅己 チンパンジーとヒトはいまから500から700万年前に共通の祖先から枝分かれし、それぞれに独自の進化を遂げてきた隣人同士です。枝分かれした後、それぞれの「こころ」はどのように進化してきたのでしょうか。私たちはこころのどのような側面を共有し、そしてどのような側面を特殊化させていったのでしょうか。このような問いに答えようとする研究領域を「比較認知科学」と呼んでいます。本講義では、霊長類研究所に暮らすチンパンジーたちをパートナーとしてこれまでにすすめてきた研究からわかってきた両者の類似と相違について、特に社会的な場面で発揮される知性の基盤となる能力の進化と発達についてわかりやすく解説して行きたいと思います。
今井 啓雄

ヒトゲノム、チンパンジーゲノムに続き、この4月にはアカゲザルのゲノムも報告されるなど、霊長類学もポストゲノムの時代を迎えつつある。ゲノム情報を有効に活用することにより、これまで当研究所などで蓄積されてきた様々な霊長類の特性の遺 伝的基盤を明らかにできる可能性がでてきた。本講座では、ゲノム中の遺伝子と、体の中で実際に働くタンパク質、生物の特性との関係を感覚受容体を例に解説したい。また、一般に公開されているゲノム情報の活用方法などについても例を示し、霊長類学を含めた生物学が、もはや一部の研究者だけのものでない段階に来ていることもお伝えしたい。


実習・セミナーの内容(2つ選択)

形態学実習
(遠藤秀紀)
頭骨のもつ意味を考えることにします。たとえばニホンザルやほかの霊長類を見ながら、食肉類、齧歯類、偶蹄類などを比較対象に選んでみたいと思います。動物の頭の骨は、長い進化の歴史を引きずっていて、その強い「制約」を受けて、自由に形を変えることはできません。一方で、新しい生き方に「適応」しようと、許容される範囲内で大きさや形を変えるのが進化の妙です。まずは進化における「制約」と「適応」のバランスから学んでみましょう。頭骨は「食べるための形」と「考えるための形」を兼ね備えていますので、それらが「制約」と「適応」のなかでどういう運命をたどってきたかを、現物の骨格標本を見ながら考察してみたいと思います。
染色体観察実習
(平井啓久)
 染色体はDNAの糸が何十にも折りたたまれ、毛糸の束の様に絞りあげられたらせん構造しています(下図参照)。その形と大きさは各染色体で特異的です。実習ではその形を顕微鏡で観察し、写真に焼かれた染色体をハサミで切り取り、形と大きさが同じもののペアを作り、標準染色体を作ります。さらに、染色体上にマッピングしたDNAのシグナルを蛍光顕微で鏡観察します。
社会生態ディスカッション・セミナー
(渡邊邦夫、マイク・ハフマン他)
 今回はサルの観察ができません。そこでいくつかの最近社会を賑わしている問題を中心に、自由に話し合える時間をもうけることにしました。ニホンザルの猿害やそれに対する対応のありかた、あるいはボノボの人間の会話を理解する能力など、いくつかのテーマを考えていますが、もしこの機会に話してみたいというテーマがありましたら、事前にメールなどでお知らせください。自由にさまざまな問題について議論してみたいと思います。(今年度は、会場が霊長類研究所ではないため、野外のサルを実際にご覧いただくことはできません。ご注意ください
心理学実習
(田中正之)
 実験で使用しているのと同様の装置を用いて、現在チンパンジーが取り組んでいる同じ課題を体験することができます。また、霊長類研究所HPに掲載されているビデオライブラリを使って、チンパンジーたちの行動目録について説明します。今年度は、会場が霊長類研究所ではないため、チンパンジーを実際にご覧いただくことはできません。ご注意ください
脳科学実習
(三上章允)
ヒトやサルの本物の脳標本を観察します。また、コンピュータを用い前頭葉の働きを調べるために開発したたテスト課題を体験します。

 (実習・セミナーも例年とは多少異なります。企画内容については霊長類研究所ホームページをご覧ください)


申し込み方法  参加申込み受付期間は7月31日までです。

(1)郵送:官製往復葉書の往信用に、
 1.「公開講座申込」の旨、
  2.住所、
  3.電話番号、
  4.氏名(よみがな)、
  5.年齢、
  6.性別、
  7.職業、
  8.希望する実習・セミナー科目(形態学、染色体観察、心理学、社会生態、脳科学から2つ選択)
を明記し、7月31日(消印有効)までに、下記宛先にお送りください。
受講の採否をお知らせしますので、返信用に住所と名前をお書きください。なお、申し込みは1人1葉とします。

(2)インターネット:霊長類研究所のホームページの「公開講座」の項目からフォームに従って入力してください。連絡の都合上、電子メールアドレスをお持ちの方に限ります。

連絡先:484ー8506 愛知県犬山市官林41 京都大学霊長類研究所、「公開講座」係
電話:0568-63-0512、FAX: 0568-63-0085、電子メール: 

公開講座に参加希望の方は、以下のフォームをメールにコピーしてE-mail: まで申し込んで下さい。E-mailの題名は、「公開講座申し込み」としてください。なお、このフォームによる申し込みは確実に連絡できる電子メールアドレスをお持ちの方に限らせていただきます。電子メールアドレスをお持ちでない方は郵送による申し込みをして下さい。

電子メールでの申し込み用フォーム

氏名(ふりがな):
年齢:
性別:
職業(学生の方は大学、学部、○回生;○○高校生物担当教員;主婦など):
電子メールアドレス:
郵便番号:
住所:
電話番号:
希望する実習科目(形態学、分子生理、心理学、社会生態、脳科学から二つ選択してください): 

 *フォーム受信後、「申し込み受付完了」を確認するメールをお送りします。申し込み後、数日経っても確認メールが届かない場合は、総務掛 まで電子メール(E-mail: )でお問い合わせ下さい。

 参加希望者多数の場合は抽選となります。フォームで申し込んだ方への採否の通知は、締切日(2006年7月17日)以降に電子メールでお知らせします。

 


アクセス

名古屋経済大学(犬山市内久保、名鉄小牧線田県神社前駅から徒歩15分)

無料バスもあります。

名経大アクセスマップ

http://www.nagoya-ku.ac.jp/jim/somu/g-map/map/01.html

名経大キャンパスマップ

http://www.nagoya-ku.ac.jp/jim/somu/map/index.html

1)野球場、2)ゴルフ練習場、3)市邨記念体育館、4)クラブハウス、5)駐車場

6)PLAZAII、7)図書館、8)南門、9)7号館、10)情報センター、

11)コミュニティプラザ、12)1号館、13)附属市邨幼稚園、14)呉竹寮

15)テニスコート、16)開田高原研修センター、17)バンクーバー・セミナーハウス

18)2号館、19)3号館、21)5号館、22)6号館



平成16年度の公開講座の写真
(今年度は耐震工事のため、野外観察、チンパンジーの実験室での実習は行われません。)

講義


遺伝学実習


形態学実習


野外観察


心理学実習


心理学実習


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