セミナー


2009年度
「カリンズ森林におけるチンパンジーと植生の関係に関するセミナー」
開催期間  2009年6月17日、 2009年7月14日〜7月18日(5日間)
開催地    ウガンダ共和国 カンパラ市、カリンズ森林保護区(ブシェニ県)
報告書

2.「ボッソウとニンバ山におけるチンパンジー研究に関するセミナー」
開催期間  2009年7月1日〜7月2日(2日間)
開催地    ギニア共和国 ボッソウ環境研究所(ボッソウ村)
報告書

3.「野生ボノボの生態学的研究:研究方法と最近の研究の成果」
開催期間  2009年10月7日〜10月9日(3日間)
開催地    コンゴ民主共和国 生態森林研究センター(赤道州マバリ)
報告書


2010年度
1.「ボノボとチンパンジーの行動学的比較研究の最近の進展」
開催期間  2010年9月14日〜9月15日(2日間)
開催地    京都大学(京都市)
報告書

2.「霊長類生態学・行動学概論、及び野生ボノボ研究の最近の動向」
開催期間  2010年10月12日〜10月14日(3日間)
開催地    コンゴ民主共和国 生態森林研究センター(赤道州マバリ)
報告書

2011年度
1.「類人猿の環境適応機構の比較研究」
開催期間  2011年8月11日〜8月12日(2日間)
開催地    コンゴ民主共和国 生態森林研究センター(赤道州マバリ)
報告書

生態森林研究センター


2012年度
1.「霊長類個体群の保全に関する研究手法」
開催期間  2012年10月25日〜11月16日(23日間)
開催地    京都大学霊長類研究所(愛知県犬山市)

〈目的〉
セミナーでは、共同研究のために用いる糞サンプルからのDNAと病原抗体の抽出と分析の方法、住民の森林資源利用のモニタリングの方法のトレーニングを行う。また、アメリカのMeryland大学からGIS(地理情報システム)の専門家を招き、保全計画の立案に不可欠なGISのデータ解析についての講習を行う。さらに、ケニアのAfrican Wildlife Foundationからアフリカの保全計画立案の責任者を招き、立案に際しての地元利害関係者の意見聴衆や政府および地元自治体との交流の進め方についての講習を行う。


〈成果〉
アフリカの研究機関の若手研究者の育成を目的とし、6 つの研究拠点の研究者各1 名を霊長類研究所に招き、10月25日〜11月16日に京都大学霊長類研究所でトレーニングワークショップを開催した。ワークショップでは、共同研究に関連する霊長類の生態、行動等の研究方法や保護計画のプラニングの方法論等に関する抗議、GISを利用した生息地分析方法の講義と実習、糞サンプルからのDNAの抽出と分析の実習等、計50時間のレクチャーを行った。また、京都の嵐山モンキーパーク、京都市立動物園、京都市立水族館、犬山市の日本モンキーセンター、リトルワールド等を訪れ、動物の生態や観察法、資料の展示方法等についてのレクチャーを行った。
レクチャーは、本事業に参加するメンバーの他、京都大学霊長類研究所の教員、京都大学から提供された他経費でスコットランド、アメリカ、ギニア、コンゴ民主共和国の研究者などが担当した。また、期間中の29日〜30日には、上記の他経費で招いた研究者も含めて、Conservation of isolated primate populations(霊長類孤立個体群の保護)と題するシンポジウムを開催し、京都大学内外の研究者多数の参加を得た。
 招へいしたアフリカの若手研究者にとっては、生態学、行動学、保全学の先端の講義や実習を集中に受けるまたとない機会になった。期間中ほとんど全日朝から夕方までのプログラムになったが、参加者の意欲は高く、研究に対する関心と情熱も日々高まりを見せた。ワークショップの後半には、今後の研究の進め方について具体的な相談を持ちかけられることが多くなり、この点からも研究者としての大きな成長が見られた。また、普段あまり顔を合わせることのないアフリカ人研究者間のつながり、日本人若手研究者とアフリカ人研究者のつながりが大いに強化され、将来にわたる共同研究のための大きな資産となった。

ワークショップ (犬山)                 
孤立個体群の保護に関するシンポジウム (犬山)             GIS講習会 (犬山)
嵐山モンキーセンター (京都)                         清水寺 (京都)
天竜寺 (京都)                                 京都市立水族館


2013年度
1.「チンパンジー属類人猿の孤立個体群の保全に関する研究 ギニアワークショップ2013:チンパンジー孤立集団の総合的保護計画」
開催期間  2013年12月16日〜12月24日(9日間)
開催地    ギニア共和国 コナクリ大学(コナクリ市)、ボッソウ環境研究所(ボッソウ村)

〈目的〉
今日、パン属(チンパンジーとボノボ)の生息地の持続性が脅かされている。急速な経済発展による影響の拡大が熱帯林の劣化と減少の原因とされている。とりわけチンパンジーやボノボのような大型獣は広い遊動域を必要とするため、生息地の断片化と孤立化の影響は大きい。本セミナーでは、コンゴ、ウガンダ、ギニアの3国の保全の現場から経験と教訓を持ち寄り、生息地孤立化の困難な現状のなかで、効果的なパン属の統合的保全への将来像について議論を深める。


〈成果〉
コナクリ大学での公開シンポジウムでは、日本人研究者の 3カ国に おける研究成果発表および3カ国の研究者による発表に対し、参加 した多数のコナクリ大学学生から活発な意見質問があり、有意義な議論を行うことができた。チンパンジーの生息地であるボッソウ村で、参加者による具体的な研究成果の発表およびボッソウの孤立個体群の状況視察、世界自然遺産ニンバ山のチンパンジー保全状況の視察を行い、ギニアのチンパンジーの生息状況についての理解を深めることができた。また、コンゴ、ウガンダからの参加者からの、異なる生息環境でのさまざまな取り組みについての事例紹介から、ギニアの現状への対策についてさまざまな具体的提案を受けるこ とができた。

ワークショップ (コナクリ大学)               
部局間協定の調印式               
                
ワークショップ (ボッソウ村)                
                                          ニンバ山 チンパンジー生息地の視察               

 2014年度
「チンパンジー属類人猿の孤立個体群の保全に関する研究 ウガンダワークショップ2014」:研究成果の発表及び若手研究員の育成、新規コンソーソアムの設立
開催期間  2014年12月15日〜12月23日(9日間)
開催地    ウガンダ共和国 マケレレ大学(カンパラ市)、ブウィンディ原生国立公園(カヌング県)、カリンズ森林保護区(ブシェニ県)
      

〈目的〉
 本事業の3年間の総括としてとして研究成果の報告、今後の活動予定などを定める。また若手研究者を育成すべく、シニア研究者と相互交流を行い、ゴリラとチンパンジーの調査地であるブウィンディ国立公園とチンパンジーの調査地であるカリンズ森林保護区の研究と保護活動の視察をを行う。


〈成果〉
 マケレレ大学のシンポジウムでは本事業の総括としてとして研究成果の報告をした。シンポジウムに参加した日本およびアフリカ6拠点期間の若手研究者は、研究に対する意識きわめて強くなり、その多くは現在それぞれに自主的な研究活動に着手していることが研究報告でわかった。
 またAfrican Consortium of Primate Research and Conservation(仮称)の設立を提言し、目的、組織や運営体制、今後の活動目標などを定めた。このコンソーシアムでは、アフリカ研究者が中心となって発展させることで、アフリカの研究者の自立意識と研究者としての能力の向上が期待される。また、このネットワークは日本や欧米の若手研究者にも、さまざまな研究テーマを共同で進める土俵を提供することになると思われる。

シンポジウムの様子(マケレレ大学)
  


  
                                            (集合写真)中央はウガンダ共和国特命全権大使、藤田順三氏

保護活動の視察の様子

    



 

2015年度

African Primatological Consortium(アフリカ霊長類研究コンソーシアム)の第1回年次総会
開催期間  2015年12月15日〜12月16日(2日間)
開催地    ウガンダ共和国 マケレレ大学(カンパラ市)、ブウィンディ原生国立公園(カヌング県)、カリンズ森林保護区(ブシェニ県)

〈目的〉
 前年度に終了したプロジェクトで、アフリカの7拠点機関と霊長類研究所、およびアフリカ、欧米、日本の関連研究機関の研究者によってAfrican Primatological Consortiumを設立した。本年度はその第1年目にあたり、具体的な共同研究を進める一方で、メーリングリストなどによる研究情報の交換を促進する。また12月にはこのConsortiumの第1回のミーティングをウガンダで開催し、研究協力体制の強化を図る。

〈成果〉
 総会では、アフリカの5つの拠点機関のほか、アフリカ7カ国、アフリカ以外4カ国の研究者が各自の研究成果を発表したほか、今後APCの活動を発展させていくための方針が話し合われた。またこの総会で、あらたに締結された京都大学とコンゴ民主共和国のキンシャサ大学、京都大学とウガンダ共和国のマケレレ大学の大学間協定が紹介され、学術研究協力のネットワークがさらに拡大した。本総会については、開催地となったマケレレ大学内に組織委員会が設置され、演題の募集、プログラム作成、要旨集の作成、当日の会議運営まできわめて精力的な活動が見られ、対等な立場での学術協力ネットワークの形成という本プロジェクトの目標に大きな前進が見られた。

〈その他の主な成果
 学術面の成果
本経費・他経費を含め、ウガンダに日本人研究者4名とウガンダ人研究者1名、コンゴ民主共和国に日本人研究者6名とコンゴ人研究者1名が赴き、類人猿をはじめとする霊長類の生息状況と行動に関する研究と、遺伝学・感染症学的絶滅リスクの評価のための糞・尿サンプルの収集を共同で行った。
これまでに収集したサンプルの分析では、免疫に関係するとされるMHC領域近傍の遺伝的多様性が、ボノボで極端に小さくなっていることなど、いくつか興味深い結果が得られ始めている。これは、ある種の免疫型をもつことがボノボで強く選択されてきた結果である可能性があり、感染症による絶滅リスクの研究に重要な示唆を与えるものである。
また、ボノボの4つの個体群から選んだ各1個体の糞サンプルから全ゲノムの配列を読み取る研究も、順調に進みつつある。これが成功すれば、1個体のゲノム情報から各個体群の遺伝的多様性を推定することができ、個体群ごとの遺伝的劣化による絶滅リスクを比較することができる。

 若手研究者育成

8月に、本経費・他経費を含め、日本人研究者5名、コンゴ人研究者2名、ウガンダ人研究者1名、フランス人研究者1名が参加してウガンダ共和国のマケレレ大学、カリンズ森林、クイーンエリザベス国立公園、エンテベ・ワイルドライフ教育センターでセミナーを行った。保全に関する現状把握、フィールドワークにおける観察方法、糞・尿サンプルの効率的な収集方法などのトレーニングを行った。参加した日本人研究者には大学院生2名と学部学生1名が含まれていたが、これらの学生はいずれもこの経験を活かしてアフリカでの研究を続けており、本プロジェクトの推進する研究協力体制に大きく貢献してくれている。
12月にマケレレ大学で開いたAPCの第1回総会では、マケレレ大学内に実行委員会が組織され、発表演題の募集、要旨集の作成から大会の運営にいたるまで、自主的・積極的な取り組みが見られた。とくにAPCのコーディネーターを務める若手研究者のMoses CHEMULOTは、この経験を通じてオーガナイザーとしての大きな成長を遂げた。
一方共同研究を行ったウガンダ人研究者とコンゴ人研究者は、いずれも若手の大学院生で、本年度の研究成果に基づいて博士論文の執筆に取りかかっている。これらの共同研究を通じて、彼ら自身の研究者としての成長が見られたほか、彼らの所属するマケレレ大学およびキンシャサ大学と霊長類研究所の研究協力体制が大いに強化された。


2016年度
 

霊長類研究・保全トレーニング・セミナー
開催期間  2016年11月27日〜12月10日(14日間)
開催地   京都大学霊長類研究所(愛知県犬山市)、稲盛財団記念館(京都府京都市)他


〈成果〉
 AWFとの共催で「霊長類研究・保全トレーニング・セミナー」を2週間にわたり開催しました。トレーニング・セミナーには欧米から講師4名が招待され、霊長類研究所を主な会場として、アフリカの若手研究者17人が野生動物観察法やハンディ端末を使った観察データの記録法、GISシステムを用いた生息状況の分析法、非侵襲的試料からのDNA・ホルモン分析法、保全政策立案等の講義と実習を受けました。
 またセミナーの一環として、稲盛財団記念館にて「アフリカ霊長類学コンソーシアム・国際シンポジウム」を開催しました。シンポジウムには国内外の研究者など約50人が参加し、アフリカの若手研究者に加え、アフリカでフィールドワークを行っている本学の大学院生が研究内容について口頭やポスターで発表しました。 

シンポジウムの詳細については→こちらをご覧ください。    




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