ヒトを含む霊長類を対象に、身体形質の進化と多様性、直立二足歩行をはじめとするロコモーション様式の発達、感覚器の機能適応、成長・加齢様式の変化などについて、さまざまな手法を用いて総合的にアプローチし、それらの進化の過程とメカニズムを明らかにすることを目指しています。 | 写真:地上性の強いベニオナガザルのロコモーションの3次元動作解析 |
霊長類は約6500万年に出現し、その生息域を世界中に広げ進化してきました。化石をもとに原始的な霊長類から直立二足歩行をする我々ヒトへとつながる進化のプロセスを、地球環境変動の観点から研究しています。 | 写真:ミャンマーでの化石発掘調査 |
日本やアフリカ、東南アジアでフィールドワークをおこない、野生霊長類の個体群動態・採食生態・行動生態を、生息環境との関連に着目して研究しています。霊長類とほかの生物との関係や、保全のための基礎研究も推進しています。 | 写真:抱き合って寒さをしのぐニホンザルの兄妹 |
霊長類社会の進化とホミニゼーションの過程を解明するために、日本・アジア・アフリカなどの調査地で、野生霊長類の行動と生態に関する研究を進めています。 | 写真:枝を使いハチミツをとるチンパンジー |
主としてチンパンジーなどの類人猿を対象として、ヒトを含む霊長類の知性を比較認知科学的視点から検討し、感覚・知覚・思考・道具使用・コミュニケーション・模倣・他者理解・文化伝播等の研究に取り組んでいます。 | 写真:数字の順序を学習する「アユム」 |
ヒトの認知機能、社会性行動、コミュニケーション、ならびに精神疾患に関わるそれらの機能異常の進化的起源とメカニズムの解明に向けて、認知科学、比較行動学、神経精神薬理学、社会遺伝学といった手法を駆使して、実験室から野外の行動観察まで幅ひろい研究を行っています。 | 写真:唇の動きを読むときの脳を調べる |
ヒトとサルを対象として、情動・記憶・知覚・コミュニケーションなどの行動の基盤となる脳機能を、神経細胞活動や神経回路の解析・脳機能イメージング・脳内分子の行動への影響の解析などをおこなって調べています。 | 写真:コモンマーモセットの家族と音声分析の例(右上)および脳切片(右下) |
最先端の遺伝子導入技術を含む、解剖学、生理学、分子生物学などの多面的アプローチによって、脳を構成するさまざまな神経細胞がどのようなネットワークを作り、どのようなメカニズムで働いているかを、特に運動制御や認知機能の観点から解明することを目指しています。 | 写真:認知課題を学習、遂行しているニホンザル |
ゲノムを基盤とした次のような研究を進めています。(1)ゲノムプローブを用いた染色体の進化と霊長類の進化(2)霊長類の感覚に対する分子・細胞・個体・生態レベルの研究(3)iPS細胞を用いた進化生物学/進化医学および霊長類の分子発生生物学 | 写真:DNA解析によるにがみのわからないサル(下)の発見 |
細胞を基盤とした次のような研究を進めています。(1)ヒトに至る進化過程での染色体の構造と機能の変化(2)発生工学的手法を用いた生物多様性の保全(3)内分泌学、行動学、および細胞学を用いた希少動物の保全繁殖 | 写真:飼育下で生まれたオランウータンの仔とその母親 |
本センターでは霊長類の感染症学、臨床獣医学、動物福祉学および保全遺伝学等に関する基礎的研究を推進するとともに、研究所保有サル類の動物福祉に配慮した飼育管理を行っています。 | 写真:病気のサルを治療する |
国際共同先端研究センターは、国際化する研究社会情勢に即し、霊長類研究所を国内のみならず国外にひらけた国際中核拠点とすべく、海外からの学生の獲得、国際共同研究の支援、グローバルリーダーの養成に取り組みます。 | 写真:ギニアの野生チンパンジーの石器使用 |
野生動物を対象に、フィールドワークとライフサイエンス等の多様な研究を統合して、ワイルドライフサイエンスと呼べる新たな学問領域を創ります。 |
チンパンジーの比較認知科学と行動学的研究により、その認知機能の解明を通じて、人間の本性の進化的基盤を探ることを目的としています。 |