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III COE としての活動

1. COE研究会報告

平成7年度〜9年度COE研究高度化推進経費

「霊長類の発達の生物学的基礎」

平成7年度〜9年度COEの研究高度化推進経費に関わる研究テーマとして「霊長類の発達の生物学的基礎」が取り上げられた。これは、霊長類の発達の過程で生ずる変化を分子レベルから行動や社会のレベルの変化まで、学際的・総合的に明らかにしょうとするもので、平成7年度、9年度に2回の研究会が開催された。以下に発表の題名と演者を記す。

第1回 

日時:1996年3月4日(月)

場所:京都大学霊長類研究所大会議室

参加者 約40名

サル前頭葉の発達                   

         久保田 競(京都大・霊長研)

サル脳内神経栄養因子の発達              

林 基治(京都大・霊長研)

ニホンザルとチンパンジーの周思春期発育特徴      

濱田 穣(京都大・霊長研)

霊長類の成長様式……歯の成長から          

茂原信生(京都大・霊長研)

言語的音声はいかに獲得されるか            

正高信男(京都大・霊長研)

新しい比較認知発達研究に向けて            

藤田和生(京都大・霊長研)

野性チンパンジーのオスの社会的成長         

          中村美知夫(京都大・理)

マウンテンゴリラの性の発達

山極壽一(京都大・霊長研)

第2回 

日時:1998年3月12日(木)

場所:京都大学霊長類研究所大会議室

参加者 約40名 

発達初期の霊長類各組織におけるカテプシンEの発現と生理機能                    

景山 節 (京都大・霊長研)

霊長類中枢神経系における脳由来神経栄養因子の受容体(TrkB)の発達                  

林 基治 (京都大・霊長研)

サルにおけるMajor Brain Regulator:セロトニンの2A型受容体の免疫組織化学             

岡戸信男(筑波大医)

ニホンザルとチンパンジーの縦断的発育比較        

濱田 穣 (京都大・霊長研)

歯にみられる生活環境を探る手がかり:エナメル質減形成

茂原信生 (京都大・霊長研)

老齢ニホンザルのconcurrent object discrimination learning

中村克樹 (京都大・霊長研)

脳障害患者と若年・老齢健常者の認知・記憶テスト

三上章允 (京都大・霊長研)

チンパンジーにおける生物運動の知覚             

友永雅己 (京都大・霊長研)

チンパンジーの毛づくろい行動の発達             

中村美知夫(京都大・理)

ゴリラの生活史再考:父系コミュニティの成立をめぐって

山極壽一 (京都大・理) 

野性チンパンジーの成熟と寿命                

杉山幸丸 (京都大・霊長研) 

(文責:林 基治)

2. 国際シンポジウム報告

犬山シンポジウム「霊長類社会の生態学」

Inuyama Symposium “Recent Trends in Primate Socioecology”

 1月5日から8日の4日間、犬山市の国際観光センター「フロイデ」において、犬山シンポジウム「霊長類社会の生態学」を開催した。本シンポジウムはその成果と先端的な理論を確立している各国の研究者の成果を結集し、環境の食物供給から社会構造までを一本の論理でつないで討論する目的で行われた。25本の講演が5つのセッションで行われ、その他に4本のポスター発表があった。発表者と演題は以下の通り。

Symposium1: Ecological determinants of behavior and social structure

Colin A. Chapman & Lauren J. Chapman: Small scale variation in ecological conditions and primate group size.

Kunio Watanabe: Group size variation in some species of Macaca: implications of evolutionary processes.

Gen Yamakoshi: Socioecology of Chimpanzees at Bossou during the fruit scarcity.

Peter Henzi: The ecology of social dynamics in female chacma baboons.

Akio Mori & Toshitaka Iwamoto: Socioecological characteristics of Arsi geladas.

Tamaki Maruhashi & Chiemi Saito: Range structure and population density of Japanese macaques in evergreen and deciduous forests.

Charles Janson: Resource patchiness and primate sociality: the role of cognitive maps.

Symposium2: Ecological constraints influencing reproductive parameters

John Berard: Factors influencing mating success and reproductive success in rhesus macaques.

Yukio Takahata, Juichi Yamagiwa, Naoki Koyama, Shigeru Suzuki, & Michael A. Huffman: Reproductive biology, behavior, and strategies of male and female Japanese macaques.

Maria A. van Noordwijk: Determinants of female reproductive success in wild long-tailed macaques.

Akisato Nishimura: Mating and reproduction of wooly monkeys.

Jim Moore: Monkeys, apes, and U-shaped trajectory of violence.

Symposium3: Inter-species relationships and primate communities

Caroline E.G. Tutin: The primate community of the Lope Reserve, Gabon: diversity, diets and biomass in continuous and fragmented forest.

Ronald Noe¨: The use of inter-specific associations in the defence against predators by Colobus monkeys: conditional and unconditional strategies.

Hannah Buchanan-Smith: Distribution and ecological segregation of primates in northern Bolivia.

Symposium4: Variations in social behavior between natural and provisioned conditions

David A. Hill: Effects of provisioning on the social behavior of Japanese and rhesus macaques: implications for socio-ecology.

Masaaki Koganezawa & Hiroo Imaki: Effects of food source on Japanese monkey home range size and location, and troop composition.

Andreas Paul: The socioecology of infant handling: some lessons from a long-term study on provisioned Barbary macaques and some unanswered questions.

Elisabeth H.M. Sterck: The effect of human habitat alteration on langur social organization.

Symposium5: Ecological factors vs. social factors in determining social organization

Carel P. van Schaik: Fission-fusion sociality in Orangutans.

Simon Bearder: Social diversity among nocturnal primates

Yukimaru Sugiyama: Social and demographic variation of wild chimpanzees in different habitats.

Juichi Yamagiwa: Effects of sympatry on social organizations of gorillas and chimpanzees.

Shuichi Matsumura: The evolution of ‘egalitarian’and‘despotic’social systems among macaques.

Karen B. Strier: Predicting primate responses to stochastic events: an oxymoron for behavioral ecology, or the next essential step?

Poster session

Hiroyuki Kurita, Takeshi Matsui & Eishi Tokida: Sex differences in infant mortality of Japanese macaques.

Hideshi Ogawa & Gen’ichi Idani: Habitat use of chimpanzees in the savanna woodland.

Akiko Matsumoto & David S. Sprague: Influence of seasonality on bisexual party size and ranging in Mahale chimpanzees.

Hiroyuki Takahashi: Inter-species relationships between long-haired spider monkeys and wooly monkeys in La Macarena, Colombia: the behavior of spider monkeys when they encountered wooly monkeys.

 第1セッションでは、霊長類の行動と社会構造を左右する生態学的要因について、アカコロブス、マカク類、チンパンジー、チャクマヒヒ、ゲラダヒヒ、ニホンザル、オマキザルを対象とした発表があった。主として食物の分布が個体間、集団間の競合を通じて個体密度や集団密度に影響を与え、それが結果的に社会性の変異をつくり出すという従来の考え方が支持される一方、環境によって集団内の優劣順位システムや集団の編成様式が変化するなどの種内変異が報告され注目を浴びた。

 第2セッションはいずれも10年以上にわたる長期連続観察から、アカゲザル、ニホンザル、カニクイザル、ウーリーモンキー、ラングール、チンパンジーについての発表があり、異なる環境条件に対応して発達させた繁殖戦略について議論された。集団サイズの違いによってメスの繁殖成績が大きく異なること、オスの集団滞在期間が長くなるにしたがい繁殖率が低下するという現象が多くのマカクに共通である可能性が示唆された。

 第3セッションは複数の種を含む霊長類群集の進化についてアフリカと南米から発表があった。これらの研究は、数百万年前から地球環境が幾度も寒冷・乾燥を経験し、森林の縮小・拡大の繰り返しによってさまざまな種が多様な環境への適応能力を発達させたという認識に立って行われた。混群現象など霊長類群集に見られる特徴をそれぞれの生息域の地史的背景と種の能力を踏まえて分析した研究はまだ少なく、重要な示唆を与える討論であった。

 第4セッションでは、自然状態と人為投餌される環境の間に見られる行動や社会の種内変異を分析した発表があった。ニホンザルでは姉妹の間では妹ほど優劣順位が高くなる傾向があるが、自然群ではこの傾向は認められず、人為的に食物が集中分布する環境で発達した現象であると示唆された他、ラングール類における集団編成や子殺し行動の有無が環境条件によって左右されると報告された。

 第5セッションでは、霊長類の社会性に影響する生態的要因と社会的要因について発表があった。今まで社会性が希薄とされていた夜行性の原猿類やオランウータンが、集団生活を営む霊長類に匹敵するほどの社会性を示す例が報告された他、チンパンジーでは地域によって集団を移出入する個体の性が異なる、チンパンジーに比べるとゴリラでは独特な社会性によって生息密度が分布の制限要因になっている、マカク類では平等的、専制的という異なる社会システムが見られる、などが報告された。これらは、環境条件と霊長類の社会性の間に直接的な対応関係があって種の示す社会性は地域を超えて不変であるという従来の考え方に修正を迫るものである。

 全体に、学術的に高い水準の講演と活発な議論が行われ、今後の研究の方向性を示唆する重要な場となった。シンポジウムでの発表と議論は国際学術雑誌に特集として投稿し、出版することが計画されている。

 なおシンポジウム開催にあたっては、文部省COE国際シンポジウム開催経費の他、犬山市の援助を受けた。

実行委員(50音順)

大澤秀行、小川秀司、加納隆至、杉山幸丸(委員長)、田中伊知郎、マイケル・ハフマン、

浜井美弥(日本モンキーセンター)、

松村秀一、森明雄、山極壽一(事務局長)、

山越言(京都大・理)、渡邊邦夫

(文責:松村秀一)

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3. 外国人研究員

氏  名:Iversen, Iver Hans

受入教官:友永雅己

研究課題:チンパンジーの認知機能の実験的分析

招へい期間:9. 5. 12 〜 9. 8. 11

氏  名:Mulabwa, Mbangi Habari

受入教官:加納隆至

研究課題:ザィール森林におけるボノボ及び他種霊長類の森林利用の研究

招へい期間:9. 11. 13 〜 10. 3. 31

氏  名:Anaya, Federico Daza

受入教官:茂原信生

研究課題:南米広鼻猿類化石の形態学的解析

招へい期間:9. 12. 20 〜 10. 3. 19

氏  名:Huffman, Michael Alan

受入教官:杉山幸丸

研究課題:霊長類の薬草利用と文化伝達

招へい期間:9. 4. 1 〜 10. 3. 31

4. 非常勤研究員(氏名、採用期間)

田中伊知郎:平成9年4月1日−平成10年3月31日

伊藤麻里子:平成9年4月1日−平成10年3月31日

長谷川良平:平成9年4月1日−平成10年2月28日

鈴木 修司:平成10年3月1日−平成10年3月31日

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