ENGLISH トップ 所長挨拶 概要 教員一覧 研究分野・施設 共同利用・共同研究 大型プロジェクト 国際集会 教育,入試 広報,公開行事,年報 新着論文,出版 教員,職員公募 国際共同事業 霊長類研究基金 リンク アクセス HANDBOOK FOR INTERNATIONAL RESEARCHERS Map of Inuyama サイトマップ
トピックス
コラム・連載 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ

京都大学霊長類研究所
郵便番号484-8506
愛知県犬山市官林
TEL. 0568-63-0567(大代表)
FAX. 0568-63-0085

本ホーム・ページの内容の
無断転写を禁止します。
Copyright (c)
Primate Research Institute,
Kyoto University All rights reserved.


お問い合わせ

社会生態研究部門

生態機構分野

杉山幸丸・森 明雄・松村秀一

〈研究概要〉

A) 西および東アフリカに生息する大型類人猿の行動・生態学

杉山幸丸・Michael A. Huffman1)・竹元博幸2)・松原 幹2)

  

 全頭個体識別のもとに長期追跡してきたギニア国ボッソウの野生チンパンジーについて、?遊動域内の植物季節と糞分析による採食量の季節変化調査を継続した。?全個体の糞、尿、巣内の毛をDNA分析のため採集した。現在分析中である。?近隣個体群との遺伝的類縁度を明らかにするため、ニンバ山のチンパンジー生息地における上記資料の収集を開始した(集団遺伝分野・嶋田 誠との共同研究)。?野外実験も含めた道具使用行動のVTR記録の分析・整理を進め、その発達と伝播の分析をおこなった。

   さらに、ウガンダ国ブドンゴ森の野生チンパンジーについて,寄生虫感染に対する自己治療行動の行動生態学的調査を行い、採食品目と非栄養的摂取物の薬効作用について研究した(京都大・大東 肇、近畿大・小清水弘一、村上 明、オランダ国ライデン大・A.Poldermanとの共同研究)。

B) ヒヒ類の研究

森 明雄

   エチオピア南部アルシ州に生息するゲラダヒヒのポピュレーションの研究を行っている。エチオピア北部の集団とは隔離されたこのゲラダヒヒの小ポピュレーションは、ユニット構成が不安定で、各ユニットの独立性が高い。両地域の生態的、社会的特徴の比較から、ゲラダヒヒのバンドを成立させる諸要因の検討を行っている。また、昨年度に続いて、サウジアラビアのマントヒヒの調査を行った。サウジアラビアのタイフ市のゴミ埋め立て場に集まる巨大なマントヒヒの群れの行動学的・社会学的調査を行なった。この群れではメスの自由度が高く、エチオピアのマントヒヒとはかなり異なった社会構造を持つことが予測された。水場周辺に集まるマントヒヒの行動を至近距離から観察記録した。これらの研究は、重層社会を持つゲラダヒヒとマントヒヒの行動の系の比較から重層社会の特質を明らかにしようとするものである。

C) 東南アジアに生息する霊長類の生態および社会行動に関する研究

松村秀一・岡本暁子3)

   マカクの社会行動の進化に関する比較研究の一環として、インドネシア・スラウェシ島に生息するムーアモンキーの野外研究を続けている。10年間の継続観察で得られた生活史や繁殖についての資料をまとめた。また、サルと鳥が混群を作っていることを明らかにし、鳥が得ている利益について検討した。一方、タイにおける短期間の野外調査もおこなった。野外観察と同時に、サルの社会行動に関するゲーム理論的研究、個体の空間分布に関するシミュレーション研究をおこなった。

D) ニホンザルの採食・繁殖生態と個体群動態の研究

杉山幸丸・森 明雄・松村秀一・

Joseph Soltis4)・

Vanessa J. Hayes5)・

栗田博之2)・松原 幹2)・

早川祥子2)・藤田志歩2)  

   ニホンザル個体の社会的地位と採食・繁殖戦略との関係の解明のため、宮城県金華山、長野県地獄谷、大分県高崎山、宮崎県幸島、鹿児島県屋久島の自然群および餌づけ群を対象に研究を進めてきた。金華山では雌の外見的発情や性行動とホルモン測定による生理的発情の関係を調べた。高崎山では体重、体長と出産率・幼児死亡率の性差や年変動を雌の社会的地位と関連して分析した。幸島では、若いオスと性成熟を迎えたオス、ヒトリザル、小さな分裂群のそれぞれの遊動域を食物分布と関連させながら研究している。屋久島では、交尾季における発情雌と雄の近接関係、雌の交尾相手の選択と社会関係の変化、雄の交尾頻度と父性などを社会的地位と関連させて調査・検討した。

E) 霊長類の採食メニューに含まれている薬効成分の研究

Michael A. Huffman1)・

松原 幹2)・藤田志歩2) 

   霊長類の採食行動・健康維持との関係の解明のため、ニホンザル(屋久島、金華山、嵐山)、チンパンジー(タンザニア国マハレ、ウガンダ国ブドンゴ)、ワオキツネザル、シファカ(マダガスカル国ベレンティ)の自然群および餌づけ群を対象に薬用作用分析のため採食物の採集を開始した(集団遺伝分野・平井啓久、京都大・大東肇、京都大・James Wakibara、近畿大・小清水弘一、村上 明との共同研究)。

〈研究業績〉

論文

−英文−

1) Furuichi, T., Idani, G., Ihobe, H., Kuroda, S., Kitamura, K., Mori, A., Enomoto, T., Okayasu, N., Hashimoto, C. & Kano, T. (1998) Population dynamics of wild bonobos (Pan paniscus) at Wamba. International Journal of Primatology 19 (6):1029-1043.

2) Matsumoto-Oda, A., Hosaka, K., Huffman, M. A. & Kawanaka, K. (1998) Factors affecting party size in chimpanzees of the Mahale Mountains. International Journal of Primatology 19 (6): 999-1011.

3) Matsumura, S. (1998) Relaxed dominance relations among female moor macaques (Macaca maurus) in their natural habitat, South Sulawesi, Indonesia. Folia Primatologica 69: 346-356.

4) Matsumura, S. (1999) The evolution of “egalitarian”and“despotic”social systems among macaques. Primates 40 (1): 23-31.

5) Matsumura, S. & Okamoto, K. (1998) Frequent harassment of mounting after a take-over in a group of Macaca maurus. Primates 39 (2): 225-230.

6) Okamoto, K. & Matsumura, S. (1998) A preliminary study on the variables correlated to the emission of the loud calls in wild moor macaques (Macaca maurus). Folia Primatologica 69: 277-283.

7) Soltis, J., Mitsunaga, F., Shimizu, K., Yanagihara, Y. & Nozaki, M. (1999) Female mating strategy in an enclosed group of Japanese macaques. American Journal of Primatology 47:263-278.

8) Sugiyama, Y. (1999) Socioecological factors of male chimpanzee migration at Bossou, Guinea. Primates 40 (1): 61-68.

9) Takahata, Y., Huffman, M.A., Suzuki, S., Koyama, N. & Yamagiwa, J. (1999) Male-female reproductive biology and mating strategies in Japanese macaques. Primates 40 (1): 143-158.

総説

−英文−

1) Hofer, A., Huffman, M.A. & Zeisler, G. (1998) Mahale - Begegnung mit Schimpansen. PAN Edition im Verlag Navalon, Fussen, 159pp.

2) Huffman, M.A., Elias, R., Balansard, G., Ohigashi, H. & Nansen, P. (1998) L’automediation chez les singes anthropoides: une etude multidisciplinaire sur le comportement, le regime alimentaire et la sante. Primatologie 1:179-204.

−和文−

1)松村秀一 (1998) 霊長類の社会・生態研究の未来を考える. 霊長類研究 14 (3): 201-208.

2)杉山幸丸 (1999)『サルの生き方 ヒトの生き方』 農文協.

報告・その他

−英文−

1) Bercovitch, F. & Huffman, M.A. (1999) The Macaques. In: The Nonhuman Primates. P. Dolhinow & A. Fuentes (eds.), Mayfield Press, California, pp. 77-85.

2) Huffman, M.A. (1998) Control of nematode infections by African great apes: A new paradigm for treating parasite infection with natural medicines. American Society of Veterinary Parasitologists Newsletter 20 (2): 3-7.

3) Huffman, M.A., Ohigashi, H., Kawanaka, M., Page, J.E., Kirby, G.C., Gasquet, M., Murakami, A. & Koshimizu, K. (1998) African great ape self-medication: A new paradigm for treating parasite disease with natural medicines. In: Towards Natural Medicine Research in the 21st Century. H. Ageta, Y. Ebizuka, T. Fujita & G. Honda (eds.), Elsevier Science B.V., Amsterdam, pp. 113-123.

−和文−

1)松村秀一 (1998) ベトナムにおける霊長類およびその研究・保護活動の現状. 霊長類研究14 (1): 35-42.

2)松村秀一 (1998) 霊長類の社会生態学. 遺伝 1998年7月号, pp. 96-99.

3)松村秀一 (1998) ゲーム理論がなぜ大切か. 霊長類研究14 (3): 209-211.

4)岡本暁子 (1998) 霊長類の社会行動研究へのゲーム理論の適用. 霊長類研究 14 (3): 217-219.

5)杉山幸丸 (1998) 豊かな社会の科学技術不信. 生物科学 50 (4): 239-240.

6)杉山幸丸 (1999) 地域で異なるチンパンジーの道具使用の謎. サイアス 2月号, pp. 79-81.

書評

−英文−

1)Matsumura, S. (1998) Book review: Machiavellian Intelligence II. A. Whiten & R. Byrne (eds.), Cambridge University Press. Primates 39: 386-388.

学会発表

−英文−

1) Iwamoto, T. & Mori, A. (1999) A hypothesis on the distribution and adaptation of Theropithecus gelada, based on ecological comparisons among three populations. Inuyama Symposium“Adaptation and Evolution of Cercopithecidae in Africa” (Jan. 1999, Inuyama). Abstracts p. 28.

2) Mori, A. & Iwamoto, T. (1999) The characteristics of the gelada“band“. Inuyama Symposium“Adaptation and Evolution of Cercopithecidae in Africa” (Jan. 1999, Inuyama). Abstracts p. 29.

3) Soltis, J., Mitsunaga, F., Shimizu, K., Yanagihara, Y. & Nozaki, M. (1998) Female mating strategy in Japanese macaques. American Society of Primatologists (June-July 1998, Georgetown, Texas). American Journal of Primatology 45: 209.

4) Sugiyama, Y. (1998) Variability of tool-using behaviors in wild chimpanzees. 17th Congress of the International Primatological Society (Aug. 1998, Antananarivo, Madagascar). Abstracts p. 203.

−和文−

1) 松村秀一 (1998) 東南アジアにおけるマカクの生息状況. 第14回日本霊長類学会大会 (1998年6月, 岡山). 霊長類研究14 (3): 248.

2) 松村秀一 (1998) ゲーム理論がなぜ大切か. 第14回日本霊長類学会大会自由集会III「社会行動とゲーム理論」(1998年6月, 岡山). 霊長類研究14 (3): 209-211.

3) 松村秀一 (1999) サルのグループについていくトリ. 第43回日本生態学会大会(1999年3月, 松本). 要旨集 p. 239.

4) 森明雄 (1998) サウジアラビアに生息するマントヒヒ社会の特徴. 日本ナイル・エチオピア学会第7回学術大会(1998年9月19日, 犬山). 要旨集 p. 12.

5) 岡本暁子 (1998) 霊長類の社会行動研究へのゲーム理論の適用. 第14回日本霊長類学会大会自由集会III 「社会行動とゲーム理論」(1998年6月, 岡山). 霊長類研究14 (3): 217-219.

6) 岡本暁子・松村秀一・渡邊邦夫 (1998) 野生ムーアモンキーの個体数変動と生活史. 第14回日本霊長類学会大会(1998年6月, 岡山). 霊長類研究14 (3): 248.

7) 杉山幸丸 (1998) ボッソウ・チンパンジー研究の20年: 雄も出てゆく.第14回日本霊長類学会大会(1998年6月, 岡山). 霊長類研究14 (3): 243.


年報目次

生態機構分野紹介ページ

霊長類研究所トップページ