ENGLISH トップ 所長挨拶 概要 教員一覧 研究分野・施設 共同利用・共同研究 大型プロジェクト 国際集会 教育,入試 広報,公開行事,年報 新着論文,出版 教員,職員公募 国際共同事業 霊長類研究基金 リンク アクセス HANDBOOK FOR INTERNATIONAL RESEARCHERS Map of Inuyama サイトマップ
トピックス
コラム・連載 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ

京都大学霊長類研究所
郵便番号484-8506
愛知県犬山市官林
TEL. 0568-63-0567(大代表)
FAX. 0568-63-0085

本ホーム・ページの内容の
無断転写を禁止します。
Copyright (c)
Primate Research Institute,
Kyoto University All rights reserved.


お問い合わせ

VI 共同利用研究

3. 共同利用研究会

第28回ホミニゼーション研究会「人間と家畜」

日時:1999年3月17日 (水)〜18日 (木)

場所:京都大学霊長類研究所1階大会議室

参加者:約100名

プログラム

3月17日(水)

第1部 座長:茂原信生(京都大学霊長類研究所)

 藤井純夫 (金沢大学)

群れ単位の家畜化説:西アジア考古学との照合

 太田克明 (信州大学)

家犬の起源に関する一考察 

− イヌとオオカミ類の繁殖季節の違い −

第2部 座長:片山一道(京都大学霊長類研究所)

 篠原 徹 (国立歴史民俗博物館)

野生をたわめる− 養蜂・鵜飼・養蚕にみる民俗の技術 −

 楠瀬 良 (中央競馬会競走馬総合研究所)

日本人が育てる馬の行動特性:馬産地日高での調査

3月18日(木)

第3部 座長:川本 芳(京都大学霊長類研究所)

 並河鷹夫・田中和明 (名古屋大学)

家畜牛及び家畜水牛の集団間遺伝分化と近縁野生種との系統関係

 野澤 謙 (中京大学)

日本の馬の起源と系統

 伊藤愼一・井上(村山)美穂 (岐阜大学)

ウズラと係わってきた日本人

第4部 座長:清水慶子(京都大学霊長類研究所)

 細井美彦 (近畿大学)

動物の人工繁殖における先端技術

 長嶋比呂志(大阪大学)

クローニングとトランスジェニック動物による畜産革命

 峰澤 満 (農林水産省農業生物資源研究所)

家畜ゲノム研究の現状と実用化への展望

総合討論      座長:片山一道、川本 芳

 指定討論者   菅 豊 (北海道大学)

世話人: 片山一道・川本 芳・茂原信生・清水慶子・庄武孝義・友永雅己

   第28回ホミニゼーション研究会は家畜と人間の関係の諸相を考える会を企画し、タイトルを「人間と家畜」とした。特定の研究分野や研究事象に限定した研究会ではなく、家畜をめぐる様々な分野の研究者を招いて、過去から未来におよぶ人間と家畜の関係を勉強し、議論する会となった。

   全体は4部構成とした。第1部では家畜化をめぐる話題提供があった。藤井氏は西アジアの発掘調査に基づき、少なくとも西アジアでは定住的な農耕狩猟民による野生の群れの切り取りがヤギやヒツジの家畜化のはじまりであるとする考古学的証拠を紹介した。太田氏は比較繁殖生理学の立場から、周年繁殖もしくは秋に繁殖期を迎える家犬は、他の多くのイヌ科動物と異なっており、繁殖性に対する家畜化の影響を考えるとイヌの起源問題は複雑であることを紹介した。第2部では民俗学、行動学の研究紹介があった。篠原氏は、技術を定式化し、養蜂、鵜飼、養蚕を具体例として、自然と技術の関係性ないしは人間の自然利用には、3つのレベルがあるとの考えを紹介した。楠瀬氏は競走馬の行動観察より、人間の与える環境で馬の行動が規定され、3ヶ月齢までの人間との接触時間といった飼育環境が馬の個性、行動特性に強い影響を与えていることを紹介した。第3部では畜産学、遺伝学からの家畜の起源と系統に関する研究紹介があった。並河氏はウシ、スイギュウとその家畜化に関与した野生種に関する近年の遺伝子分析から、系統関係の研究成果を紹介した。野澤氏はアジア各地の在来馬集団の血液蛋白変異を調査し、日本在来馬が大陸由来の単系起源であるとの証拠を紹介した。伊藤氏は文学、民俗学、芸術等の文献を渉猟し、ウズラに対する日本人の思いを紹介し、ウズラ研究の現状についても紹介した。第4部では家畜を中心とした生物工学、ゲノム研究の現状および今後の問題点の紹介があった。細井氏は動物の人工繁殖における先端技術を紹介し、細胞質への精子注入法、体細胞核注入法を詳細に解説した。長嶋氏は遺伝子導入動物とクローン動物の生産技術を紹介し、これら技術の実用化が引き起こす倫理的な問題点を指摘した。峰沢氏は家畜を中心としたゲノム研究の現状を紹介し、育種改良事業の向上にとってゲノムプロジェクトの果たす意義を説明した。

   本研究所では家畜をとりあげる研究会がしばらく催されていなかった。保全や倫理にまつわる近年の議論も、生物資源をめぐる人間の問題とみなすことができる。本研究会の総合討論では、生命工学の技術発展により、これまでになかった人間と家畜の関係が今まさに展開しつつあること、そして新しい関係の中で生命倫理の重要な問題が生まれつつあることが指摘された。人間が他生物とどのような関係をもちながら変化、そして進化してゆくかを議論するうえで、家畜は具体的な問題を提起しつづける存在である。

(文責:川本 芳)

 


共同利用研究会目次(年報抜粋)

研究成果目次(年報抜粋)

年報目次

霊長類研究所トップページ