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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2001年度 − III 研究活動 集団遺伝分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.32 2001年度の活動

III 研究活動

集団遺伝分野

庄武孝義,川本芳,田中洋之

研究概要
A) ニホンザルの集団遺伝学的研究

川本芳,庄武孝義,山根明弘(COE非常勤研究員),泊賢一朗(大学院生),川本咲江(技術補佐員)

京都市で開催された第55回日本人類学会・第17回日本霊長類学会連合大会でミトコンドリアDNAの調査結果について口頭発表した.また,ニホンザルの成立過程について分析をおこない,科学研究費成果報告書として出版した.さらに,ミトコンドリアDNAを標識にして,ニホンザルの亜種分岐について検討した結果についても,別途科学研究費成果報告書として出版した.

ヤクニホンザルとホンドザルの遺伝的変異性をマイクロサテライトDNAを標識にして定量し,両者の遺伝的特性の比較結果を科学研究費成果報告書にして出版した.

B) Macaca属サルの系統関係

川本芳,庄武孝義

インドネシアに生息するカニクイザルの地域遺伝分化について,血液タンパク質ならびにミトコンドリアDNAを標識にして検討した結果を論文にして公表した.

また,和歌山県で発生したタイワンザルとニホンザルの交雑に関する遺伝学的分析をおこない,両種の交雑状況,ニホンザル個体群への影響等について論文を公表した.さらに,日本国内におけるMacaca属サルの種間交雑の現状を調査するために,糞試料を用いた遺伝子分析により下北半島,房総半島,伊豆大島等に人為的に導入されている外来種の同定を進めている.

C) ヒヒ類の種分化に関する集団遺伝学的研究

庄武孝義,山根明弘(COE非常勤研究員)

平成13年度は海外調査は行わず,これまでに収集した試料の解析にあたった.まず,サウジアラビアのマントヒヒの社会構造を遺伝的側面から検証するため,ユニット内のコドモの父性をtetra-repeat microsatellite DNAを用いて分析した.その結果,16頭のコドモのうち14頭はユニットのαオスのコドモではないことが明らかになった.この研究成果を論文にして投稿した.次に,サウジアラビアにおける3ヶ所からの30個体の試料を用いてミトコンドリアDNAのDループ上流領域430 bpの塩基配列を決定した.少なくとも6種類のハプロタイプが検出され,現在アフリカ本土のタイプと比較しつつある.

D) 閉鎖集団として維持される実験用サル類の集団遺伝学的研究

田中洋之,松林清明(人類進化モデル研究センター),川本芳,庄武孝義

霊長類研究所で30年以上地域別に閉鎖集団として維持されているニホンザル及びアカゲザルについて,マイクロサテライトDNAマーカーによる父子判定と人類進化モデル研究センターで記録されている母系図データに基づいて集団設立時から現在までの完全家系の解明を行い,近交度の変化を調べる研究を開始した.今年度は,凍結保存されている血液試料や定期検診時に採集した血液からのDNA調製を行った.また,父子判定を行うため当研究所のサル閉鎖集団で多型的なマイクロサテライト遺伝子座の探索を行ったところ,少なくとも11種類のマイクロサテライト遺伝子座が多型的であることがわかった.

E) マダガスカル産原猿類の遺伝学的研究

郷康広(大学院生),平井啓久(人類進化モデル研究センター),平井百合子(技術補佐員),田中洋之,川本芳,小山直樹(京大アフリカ地域研究資料センター)

より詳細に研究を進めるため,今年度もベレンティ保護区で野外調査を行い,チャイロキツネザル及びワオキツネザルから遺伝子分析用の試料を採集した.

F) 家畜化現象と家畜系統史の研究

庄武孝義,川本芳

ブータンの猫の毛色多型に関する観察結果をまとめて報告を公表した.また,新たに南米大陸のラクダ科家畜に関する調査を開始した.今年度はペルーで野外調査をおこない,家畜であるリャマとアルパカ,およびこれら家畜化に関与している野生種のグアナコとビクーニャについて,観察と試料採集をおこなった.

G) ハナバチの歴史生物地理学的研究

田中洋之

ボルネオ島に生息する3種のミツバチにおいて地理的距離に対する遺伝的分化の大きさが種ごとに異なっていることを発見し,その要因を各ミツバチの生態特性とこの地域の古気候により考察し,論文として公表した.また,東マレーシア・キナバル山に生息するキナバルヤマミツバチの系統的位置づけを分子系統により明らかにし,論文として公表した.

東アジアに生息するマルハナバチの中での日本産種の位置づけを分子系統により分析し,日本のマルハナバチ相が種分化及び日本への移入時期の異なる4つのグループから成ることを明らかにした.この研究成果を第49回日本生態学会大会で口頭発表し,現在投稿論文を執筆中である.

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研究業績
論文
  1. Gotoh, S., Takenaka, O., Watanabe, K., Hamada, Y., Kawamoto, Y., Watanabe,T., Suryobroto, B. & Sajuthi, D. (2001) Hematological values and parasite fauna in free-ranging Macaca hecki and the M. hecki/ M. tonkeana hybrid group of Sulawesi Island, Indonesia. Primates 42: 27-34.
  2. Perwitasari-Farajallah, D., Kawamoto, Y., Kyes, R. C., Lelana, R. P. A. & Sajuthi, D. (2001) Genetic characterization of long-tailed macaques (Macaca fascicularis) on Tabuan Island, Indonesia. Primates 42: 141-152.
  3. Takemura, T., Yamashita, M., Shimada, M. K., Ohkura, S., Shotake, T., Ikeda, M., Miura, T. & Hayami, T. (2002) High prevalence of simian T-lymphotropic virus type L in wild Ethiopian baboons. Journal of Virology 76: 1642-1648.
  4. Tanaka, H., Suka, T., Roubik, D. W. & Maryati, M. (2001) Genetic differentiation among geographic groups of three honeybee species, Apis cerana, A. koschevnikovi and A. dorsata, in Borneo. Nature and Human Activities 6: 5-12.
  5. Tanaka, H., Roubik, D. W., Kato, M., Liew, F. & Gunsalam, G. (2001) Phylogenetic position of Apis nuluensis of northern Borneo and phylogeography of A. cerana as inferred from mitochondrial DNA sequences. Insectes Sociaux 48: 44-51.
  6. 川本芳, 大沢秀行, 和秀雄, 丸橋珠樹, 前川慎吾, 白井啓, 荒木伸一(2001) 和歌山県におけるニホンザルとタイワンザルの交雑に関する遺伝学的分析. 霊長類研究 17: 13-24.
報告・その他
  1. 早石周平, 川本芳, 山極寿一(2002)ヤクシマザル(Macaca fuscata yakui)のミトコンドリアDNAハプロタイプの地理的分布と群れ内分布について(予報). 平成9年度−平成12年度科学研究費補助金基盤研究(A)(2)「ヤクニホンザルの実験動物化」研究成果報告書 pp. 22-28. 研究代表者: 庄武孝義.
  2. 川本芳 (2001) 遺伝子研究とフィールドワーク. エコソフィア8: 46-53.
  3. 川本芳, 野澤謙, T. Wangchuk, Sherub(2002)ブータンの猫の毛色変異. 在来家畜研究会報告20: 55-64.
  4. 川本芳, 庄武孝義, 早石周平(2002)ヤクニホンザルの遺伝的特性:ミトコンドリア遺伝子の亜種分化.平成9年度−平成12年度科学研究費補助金基盤研究(A)(2)「ヤクニホンザルの実験動物化」研究成果報告書 pp. 14-21. 研究代表者: 庄武孝義.
  5. 川本芳 (2002) ニホンザルの成立に関する集団遺伝学的研究.平成11年度−平成13年度科学研究費補助金基盤研究(B)(1)「後氷期におけるニホンザルの成立過程の総合的研究」 研究成果報告書 pp. 55-73. 研究代表者: 茂原信生.
  6. 松林清明, 庄武孝義, 三輪宣勝 (2002) ヤクシマザルの血液・血液生化学的性状「ヤクニホンザルの実験動物化」平成9年−平成12年度科学研究費補助金基盤研究(A)(2) 研究成果報告書pp. 57-59.研究代表者: 庄武孝義.
  7. 庄武孝義, 山根明弘(2002)ヤクニホンザルとホンドザルのマイクロサテライトDNAを標識にした遺伝的変異性の比較「ヤクニホンザルの実験動物化」平成9平成―12年度科学研究費補助金基盤研究(A)(2) 研究成果報告書pp. 1-13. 研究代表者: 庄武孝義.
学会発表等
  1. 郷康広, 平井啓久, 川本芳, G. Rakotoarisoa, A. Randrianjafy, 小山直樹(2001)マダガスカル産原猿類におけるMHC遺伝子の多様性. 第55回日本人類学会・第17回日本霊長類学会連合大会(2001年7月, 京都). 霊長類研究 17: 131.
  2. 川本芳(2001)ニホンザルのミトコンドリア遺伝子変異の地理的分布. 第55回日本人類学会・第17回日本霊長類学会連合大会(2001年7月, 京都). 霊長類研究 17: 144.
  3. 川本芳(2001)遺伝子は語る. 公開講座「サルとわたしたち」東北ニホンザルフォーラム2001 in 宮城(2001年10月, 仙台).
  4. 川本芳(2002)遺伝子変異からみたニホンザルの成立と分布域の展開. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会「日本産哺乳類相の成立と変遷」(2002年2月, 犬山).
  5. 田中洋之, 伊藤誠夫, 湯本貴和, 井上民二(2002)東アジア産マルハナバチの分子系統(日本のマルハナバチ相を構成する要素).第49回日本生態学会大会(2002年3月,仙台).講演要旨集 p. 141.
  6. 山根明弘, 庄武義孝, 森明雄, Bough, A, 岩本俊孝 (2001) サウジアラビアのマントヒヒにおけるExtra-Unit Paternity. 第45回日本哺乳類学会. (2001年10月, 沖縄).
  7. 山根明弘 (2002) サウジアラビアのマントヒヒにおけるExtra-Unit Paternity. 霊長類遺伝子に関する総合的研究会. (2002年3月,三島).

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