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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2001年度 − III 研究活動 系統発生分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.32 2001年度の活動

III 研究活動

系統発生分野

茂原信生,相見満,高井正成,本郷一美

研究概要
A) 東アジアの化石霊長類の進化に関する研究

茂原信生,高井正成,江木直子(COE非常勤研究員),鍔本武久(研修員)

中国・タイ・ミャンマーなどの始新世・中新世の地層から産出する真猿類の化石を収集,検討し,真猿類の起源とそのアジアにおける進化に関しての研究をおこなっている.2001年度はミャンマー国中央西部のポンダウン地域に広がる中期始新世末の地層で発掘調査をおこない,Amphiphithecusのほぼ完全な下顎骨と,エオシミアス科の新属と見られる下顎骨を発見した.またこれまでに見つかったポンダウン霊長類の体重推定をおこない,体骨格・系統分類に関する再検討をおこなった.

B)インドネシアの霊長類の研究

相見満

インドネシアの現生および化石霊長類の系統・進化について,詳細な研究を行っている.

C)マダガスカル産原猿類の研究

相見満

マダガスカル産原猿類の形態学的研究を行っている.

D)南アメリカにおける第三紀の化石霊長類の研究

高井正成,茂原信生

(1)ボリビア国のサジャ地域において,後期漸新世(約2500万年前)の化石広鼻猿Branisellaの発掘調査をおこなっている.Branisellaは現在知られている最古の広鼻猿類化石であり,その形態は原始的な広鼻猿類の状態を保っている.この形態を他の化石・現生広鼻猿類と比較することにより,広鼻猿類の起源に関する問題について検討している.

(2)コロンビア国のラベンタ地域において,中期中新世(約1500万年前)の地層の発掘調査を継続している.同地域から見つかる複数の化石種と現生種との関連性をもとに,現在の広鼻猿類の形態的な多様性について系統分類学的研究をおこなっている.

E)古代遺跡から出土したニホンザル形態の時代的な変化,ならびに分布の変遷に関する研究

茂原信生,相見満,本郷一美,川本芳(集団遺伝分野),毛利俊雄(形態進化分野

古代ニホンザルの形態,分布の時代的な変化を研究している.比較資料として現生のニホンザルの形態調査も併行して行っている.おもに歯牙形態の調査を中心にしている.また,奈良文化財研究所と共同でニホンザルが出土する遺跡の分布図を完成した.この研究では形態進化分野との共同研究を,また,古代ニホンザルのDNAに関連した研究では所内の集団遺伝分野との共同研究を,さらには他大学の研究者と共同研究を行っている.

F)イヌやブタを中心とした家畜の系統研究とそれに基づいた日本人の起源に関する研究

茂原信生,本郷一美,Vu The Long(COE外国人研究員)

形態的特徴から日本の在来家畜(特にイヌとブタ)の系統を探り,さらに人間集団の移動および日本列島への渡来について探る研究を行っている.イヌは人とともに移動するので,イヌを追求することによって人の移動の傍証を得ることが出来る.また,中国,ベトナムのイヌやブタの起源や移動に関する研究を,形態ならびにDNAの両面の分析と文化的な観点からの研究を所外の研究者と共同で行っている.

G)地球規模から見た霊長類の進化プロセスに関する包括的研究

高井正成,江木直子(COE非常勤研究員),鍔本武久(研修員)

新生代初頭(約6500万年前)から始まる霊長類の進化プロセスを,地球規模の環境変動といった観点から研究している.即ち,新生代の大陸移動・海流の変化・気候変動にともなう植生や動物相の変化が,いかにして霊長類の進化を促しその分布や形態を変化させるに至ったかという「進化プロセス」を,巨視的な観点から説明するべく研究を行っている.

H)東アジアにおける古第三紀の哺乳類進化の研究

鍔本武久(研修員),江木直子(COE非常勤研究員),高井正成

古第三紀(6500万年前?2400万年前)の東アジア各地の哺乳類相を解析することによって,この時代の哺乳類の進化の実態の解明をめざしている.2001年度は約5500万年前頃の哺乳類相を中心に研究した.その結果,この時代には,(狭義の)霊長類を含むさまざまな種類の哺乳類が東アジアで出現して北米やヨーロッパへ放散していったことがわかった.また,ポンダウンから産出した3属の肉歯類(2属は新属)の系統解析をおこない,肉歯類と初期真猿類の分布との類似性に関して検討をおこなった.

I)脊椎動物各種の体肢骨の機能形態学的研究

江木直子(COE非常勤研究員)

肉食性哺乳類(食肉類・肉食性有袋類)などの上腕骨遠位部の肘関節形態について,系統や運動行動との相関を調べている.具体的には形態測定学的な手法や系統学的比較方法を使って収斂現象などの起きやすい機能に密接した部位と,系統的な違いに制約されやすい部位の特定を行った.またカモノハシ恐竜の上腕骨の形態や上腕骨の相対的な大きさを,2つの亜科での亜成体から成体への成長課程での変化について比較し,形態的な差異を体重増加に対応する行動や四肢構造の変化の違いと関連付けて考察した.

J)ベトナムにおける動物相の変遷とアジア他地域との関係の研究

Vu The Long(COE外国人研究員),茂原信生,高井正成

ベトナム北部の洞穴堆積層から出土した更新世のホミノイドの形態学的研究,ならびに相伴する動物相の研究を行った.その比較資料として現生の哺乳類頭蓋骨の画像データベースの作成を行い,同様の画像データベースをベトナムで作成する準備を行った.また,ベトナム近隣諸地域の発掘報告,地質解析をもとにして,今後のベトナムでの化石ホミノイドの古生物学的調査の可能性を検討した.

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    研究業績
    論文
    1. Bowen, G.J., Clyde, W.C., Koch, P.L., Ting, S., Alroy, J., Tsubamoto, T., Wang, Y. & Wang, Y. (2002) Mammalian dispersal at the Paleocene/Eocene boundary. Science 295 (5562): 2062-2065.
    2. Egi, N. & Weishampel, D.B. (2002) Morphometric analyses of humeral shapes in hadrosaurids (Ornithopoda, Dinosauria). Senckenbergiana lethaea 82 (1): 13-28.
    3. Egi, N. (2001) Body mass estimates in extinct mammals from limb bone dimensions: the case of North American hyaenodontids. Palaeontology 44 (3): 497-528.
    4. Takai, M., Anaya, F., Suzuki, H., Shigehara, N. & Setoguchi, T. (2001) A new platyrrhine from the middle Miocene of La Venta, Colombia, and the phyletic position of Callicebinae. Anthropol. Sci., 109(4): 289-307.
    5. Takai, M., Shigehara, N., Aung, A.K., Aung Naing Soe, Soe Thura Tun, Tsubamoto, T. & Tin Thein (2001) A New Anthropoid from the Late Middle/Late Eocene of Pondaung, Central Myanmar. J. Hum. Evol. 40(5): 393-409.
    6. Watanabe, T., Ishiguro, N., Okumura, N., Nakano, M., Matsui, A., Hongo, H.& Ushiro, H. (2001) Ancient mitochondrial DNA reveals the origin of Sus scrofa from Rebun Island, Japan. Molecular Evolution 52: 281-289
    7. 鍔本武久, 鈴木寿志, 江木直子, 高井正成, 茂原信生(2001)ミャンマーでの哺乳類化石発掘調査.地質学雑誌 107 (9): XVII-XVIII.
    総説
    1. 松井章, 石黒直隆, 本郷一美, 南川雅男(2001)野生のブタ?飼育されたイノシシ?−考古学からみるイノシシとブタ.「イノシシと人間−共に生きる」(高橋春成編),古今書院, pp.45-78.
    2. 高井正成(2002)初期人類の進化:最新の化石と系統仮説について.化石,71:29-43.
    報告・その他
    1. 石黒直隆, 松井章, 本郷一美(2002)ミトコンドリアDNAから探る日本の古代家畜の系譜−イヌとイノシシ・ブタをめぐって−. 平成9年度−平成12年度文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)(1)「日本人および日本文化の起源に関する学際的研究」研究成果報告書 I, pp.214-218. 領域代表者:尾本惠市.
    2. 茂原信生(2001)吉岡遺跡(神奈川県綾瀬市)出土の犬骨.かながわ考古学財団調査報告49「吉岡遺跡宗す融 自然化学分析編」,309-314
    3. 茂原信生(2001)骨や歯からなにがわかるか−ヒトの進化から日本人の時代的変化まで−.愛知県教科教育研究連合会,平成12年度研究集録、No.38: 7-11
    4. 茂原信生(2002)河股城跡IIIa区出土の人骨.川俣町埋蔵文化財発掘調査報告書第19集,河股城跡発掘調査報告書−国道114号川俣バイパス工事関連発掘調査.第4分冊;89-92.

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    学会発表
    1. Egi, N., Holroyd, P.A., Tsubamoto, T., Shigehara, N. & Aung Naing Soe (2001) New hyaenodontid creodont from Eocene Myanmar. The Society of Vertebrate Paleontology, the 61st Annual Meeting (Oct., 2001, Bozeman, USA). Journal of Vertebrate Paleontology 21 (supplement to 3): 47A.
    2. Hongo, H. & Matsui, A. (2002) Zooarchaeology in Japan: Its role in Japanese archaeology and new directions of research. The 67th Annual Meeting of the Society for American Archaeology (March 2002, Denver, USA). Abstract p.144.
    3. Kay, R.F., Williams, B.A., Takai, M., Shigehara, N. & Ross, C. (2001) Phylogenetic analysis of new Asian and African Eocene primates supports Asian origin ypothesis for crown Haplorhini and stem Anthropoidea. Anthropoid Origins Symposium. (April, 2001, Powdermill Nature Reserve, USA)
    4. Shigehara, N. & Takai, M. (2001) The morphology of two maxillae of Pondaung primates (Pondaungia cotteri and Amphipithecus mogaungensis) (Middle Eocene, Myanmar). Anthropoid Origins Symposium. (April, 2001, Powdermill Nature Reserve, USA)
    5. Takai, M. & Shigehara, N. (2001) New specimens of the Pondaung primates (Latest Middle Eocene, Central Myanmar). Anthropoid Origins Symposium. (April, 2001, Powdermill Nature Reserve, USA)
    6. 相見満, 小山直樹 (2001) ワオキツネザルの性差.第55回日本人類学会大会・第17回日本霊長類学会大会連合大会 (2001年7月, 京都) 霊長類研究17(2):139及びAnthropol.Sci.110:87.
    7. 江木直子 (2001) 肉食哺乳類の長骨の形態と運動行動. 日本古生物学会年会 (2001年7月, 新宿区代々木). 日本古生物学会予稿集p. 108.
    8. 江木直子, 高井正成, 茂原信生, 鍔本武久 (2001) ポンダウン霊長類の体重推定. 日本人類学会・日本霊長類学会連合大会 (2001年7月, 京都市左京区). 霊長類研究 17 (2) 153. 及び Anthropological Science 110 (1) 108.
    9. 本郷一美(2001)馬の家畜化ストーリー. 第23回民族自然史研究会(2001年4月, 京都).
    10. 本郷一美(2002)アナトリア(トルコ)南東部における偶蹄類の家畜化.中国社会科学院考古学研究所にて口頭発表(2002年3月, 中華人民共和国・北京).
    11. 本郷一美(2002)動物と人間-動物考古学からの視点. 西アジア考古学会平成13年度定例研究会「西アジアの動物」第3回(2002年1月, 東京).
    12. 松井章, 石黒直隆, 本郷一美, 南川雅男(2001)琉球(沖縄)先史文化におけるブタの移入と系譜. 第4回韓・日新石器文化学術研究会(発表資料集「新石器時代の貝塚と動物遺体」pp.39-48)(2001年7月韓国釜山広域市).
    13. 高井正成, 茂原信生, 鍔本武久, 江木直子, Aye Ko Aung, Soe Thura Tun, Tin Thein, Maung Maung(2001)ミャンマーのポンダウン層(中期始新世)からみつかったアンフィピテクスの前頭骨の形態解析.第55回日本人類学会大会・第17回日本霊長類学会大会連合大会(2001年7月,京都).霊長類研究,17(2): 142 及びAnthropol. Sci., 110: 92.
    14. 高井正成(2001)東アジアの第三紀霊長類の進化.日本古生物学会2001年年会(2001年6月, 東京).講演予稿集,132頁.
    15. 鍔本武久, 高井正成, 江木直子, 茂原信生, Aye Ko Aung, Soe Thura Tun, Aung Naing Soe, Maung Maung(2001)ポンダウン化石哺乳類相(ミャンマー)?東アジア南部における始新世後半の陸生哺乳相の解析?.日本古生物学会2001年年会(2001年6月, 東京).講演予稿集, 130頁.
    16. 鍔本武久, 高井正成, 江木直子, 茂原信生(2002)ポンダウン化石哺乳類相(中期始新世末期;ミャンマー)の古環境.日本古生物学会第151回例会(2002年1月, 鹿児島). 講演予稿集, 63頁

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