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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2001年度 − III 研究活動 器官調節分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.32 2001年度の活動

III 研究活動

器官調節分野

林基治,目片文夫,清水慶子

研究概要
A) 霊長類脳内生理活性物質−分布特性と発生・発達・加齢

林基治,森琢磨(大学院生),清水慶子,伊藤麻里子(教務補佐員)

1) ニホンザルの海馬における脳由来神経栄養因子 (BDNF) の加齢変化を,免疫組織化学法を用いて調べた.その結果,歯状回の顆粒細胞,CA3, CA1および海馬台の錐体細胞において,老齢期(26, 30, 32歳)のサルでは成熟期(10, 12歳)のサルより顕著にBDNF量が減少していた.CA2の錐体細胞のBDNF量は減少しなかった.BDNFは脳の可塑性や記憶・学習に関与する重要な脳内機能分子である.したがって脳内のBDNFの減少が,老齢サルの記憶・学習能力の低下を引き起こす可能性が考えられる.現在,前頭前野についてもBDNFの加齢変化を調べている.

(2) マカクサルの中枢神経系におけるBDNFとNT4/5の分布と発達をELISAを用いて調べた.その結果,BDNFは海馬に最も多く,また大脳皮質の中では前頭連合野,頭頂連合野,側頭連合野に視覚野の約2倍存在した.一方NT4/5は小脳に多く,また大脳皮質にはBDNFの約1/5しか存在しなかった.また発達過程を調べると,BDNFはシナプス形成期の生後2~6ヶ月に最も多く,一方,NT4/5はソマトスタチンの多い胎生140日に最も多かった.発達期のマカクサルの大脳皮質において,BDNFはシナプス形成に,NT4/5はソマトスタチンの発現に関与していることが示唆された.

B) イオンチャネルの開閉機構

目片文夫

細胞膜に存在し,細胞内外の電位差の保持の役割をするイオンチャネルの開閉がいかなる機構により行われるかは,現在の電気生理学上の最大の注目点である.本機構の解明のために,パッチクランプ法による平滑筋細胞膜 MaxiK チャネル単一電流の解析を行っている.

C) 霊長類の生殖リズムの発現に関する研究

清水慶子,伊藤麻里子(教務補佐員),林基治

(1) 各種霊長類の成長に伴う性腺系の変化および季節繁殖リズムの発現機構を知る目的で,視床下部?下垂体?性腺系に着目し,胎生期から性成熟に達するまでの血中生殖関連ホルモン動態を調べた.本年度はチンパンジーとニホンザルにおいて,繁殖期,妊娠期のインヒビン,アクチビンの血中動態を調べ,インヒビンA及びBとアクチビン,また他の生殖関連ホルモンとの連関について明らかにした.さらにレプチン,リラキシン動態についても検索をおこなった.また,併せて視床下部,下垂体,性腺,胎盤の組織学的解析を行った.

(2) マカクザルおよび類人猿の尿,糞を用いて,生殖関連ホルモンを測定した.尿,糞中プロジェステロン及びエストロジェン,テストステロン,コルチゾールに加え,尿中mCG,FSHの測定をおこない,マカクとチンパンジー,オランウータン,ゴリラのホルモン動態を明らかにした.

(3) メスマカクザルの育児行動や母子間関係と生殖関連ホルモン動態,また,オスザルの社会関係と生殖関連ホルモン動態を調べ,ホルモンと行動との連関を検討した.

(4) ニホンザルの卵巣および精巣における神経栄養因子NGFおよびそのレセプターTrkA,p75LNGFRの局在を免疫組織化学的に調べた.NGFは卵胞の顆粒膜細胞,卵胞膜細胞に,TrkA,,p75LNGFRは卵胞の顆粒膜細胞と間質細胞に局在が観察された.

(5) マカクザル脳,性腺におけるステロイドレセプターの局在を免疫組織化学的に調べた.内分泌動態と合わせ,マカクザルの内分泌系の特徴を検討している.

D) 内分泌攪乱物質と生殖生理

清水慶子,伊藤麻里子(教務補佐員),林基治

内分泌攪乱物質の一種といわれる植物性エストロゲン様物質がマカクザルの生殖リズムおよび胎児に及ぼす影響について内分泌学的,解剖学的に調べた.

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研究業績
論文
  1. Bardi, M., Shimizu, K., Fujita, S., Borgognini-Tarli, S., & Huffman, M. A. (2001) Hormonal correlates of maternal style in captive macaques (Macaca fuscata and M. mulatta). International Journal of Primatology 22 (4) : 647-662.
  2. . Bardi, M., Shimizu, K., Fujita, S., Borgognini-Tarli, S., & Huffman, M. A. (2001) Social behavior and hormonal correlates during the perinatal period in Japanese Macaques. Hormones and Behavior 39: 239-246.
  3. Barrett, G., Shimizu, K., Bardi, M., & Mori, A. (2002) Fecal testosterone immunoreactivity as a non-invasive index of functional testosterone dynamics in male Japanese macaques (Macaca fuscata). Primates 43 (1) : 29-39.
  4. Fujita, S., Mitsunaga, F., Sugiura, H., & Shimizu, K. (2001) Measurement of urinary and fecal steroid metabolites during the ovarian cycle in captive and wild Japanese Macaques, Macaca fuscata. American Journal of Primatology 53 (4) : 167-176.
  5. Hayashi, M., Itoh, M., & Shimizu, K. (2001) The spindle neurons are present in the cingulate cortex of chimpanzee fetus. Neuroscience Letter 309: 97-100.
  6. Hayashi, M., Mitsunaga, F., Ohira, K., & Shimizu, K. (2001) Changes in BDNF-immunoreactive structures in the hippocampal formation of the aged macaque monkey. Brain Research 918: 191-196.
  7. . Kishi, H., Ohshima, K.-I., Itoh, M., Tsukada, J., Arai, K.Y., Nakano, S., Watanabe, G., & Taya, K. (2002) Changes in expression of inhibin subunits in the cyclic golden hamster (Mesocricetus auratus) and the regulation of inhibinαsubunit production by luteinizing hormone. Zoological Science 19: 225-232.
  8. Ohira, K., Shimizu, K., & Hayashi, M. (2001) TrkB dimerization during development of the prefrontal cortex of the macaque. Journal of Neuroscience Research. 65: 463-469.
  9. Ohshima, K., Arai, K. Y., Kishi, H., Itoh, M., Watanabe, G., Terranova, P. F., Arai, K., Uehara, K., Groome, N. P., & Taya, K. (2002) Potential role of activin A in follicular development during the second half of pregnancy in the golden hamster: utero-placental source of activin A. American Journal of Endocrinology 172: 247-253.
  10. Ohshima, K., Kishi, H., Itoh, M., Arai, K. Y., Watanabe, G., Arai, K., Uehara, K., Groome, N. P., & Taya, K. (2002) Secretory pattern of inhibin A, inhibin B and inhibin pro-αC during induced follicular atresia and subsequent follicular development in the golden hamster (Mesocricetus auratus). Journal of Endocrinology 172: 575-581.
  11. Shimizu, K., Lohstroh, P. N., Laughlin, L. S., Gee, N. A., Todd, H., Shideler, S. E., & Lasley, B. L. (2001) Non-instrumented enzyme-linked immunosorbant assay for detection of early pregnancy in macaques. American Journal of Primatology 54 (1) : 57-62.
  12. 光永総子, 中村伸, 平野真, 清水慶子, 今村隆寿 (2001) 霊長類胎盤構造の特徴:遺伝子治療薬剤の胎盤通過の視点から. 霊長類研究 07(2):51-61.

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学会発表等
  1. Bardi, M., Shimizu, K., Barrett, G., Borgognini-Tarli,AM., Huffman, MA. (2002) Perinatal stress and maternal behavior in Japanese macaques (Macaca fuscata). Inuyama International COE Symposium Research on Long-lived Animals (Jan. 2002, Inuyama). Abstracts p. 54.
  2. Bardi, M., Shimizu, K., Huffman, M.A., Borgognini-Tarli, S. M. (2001) Endocrine, social and environmental factors affecting maternal behavior in macaques. XIVth Annual Meeting of the American Society of Primatologists (Aug. 2001, Savannah, Georgia). American Journal of Primatology, 54: 28-29.
  3. Higo, N., Oishi, T., Yamashita, A., Matsuda, K., & Hayashi, M. (2001) Expression of protein kinase C substrate (GAP-43, MARCKS and neurogranin) mRNAs in the cerebellum of macaque monkey. The 31st Annual Meeting of the Society for Neuroscience (Nov. 2001, San Diego). Society for Neuroscience Abstract Vol.27 Program No. 516.13.
  4. Mekata, F. (2001) Properties of Novel Potassium channel current in intact endothelial cells of guinea pig aortic muscle strip (Apr. 2001, USA ). Annual Meeting of FASEB.
  5. . Mekata, F. (2001) The correlation of open-closed events between neighbouring BK channels in the longitudinal smooth muscle of a guinea pig rectum (Dce. 2001, UK) Meeting of Physiological Society.
  6. Mori, T., Shimizu, K., & Hayashi, M. (2001) Distribution and development of BDNF and NT-4/5 in the primate central nervous system. The 31st Annual Meeting of the Society for Neuroscience. (Nov. 2001, San Diego) Society for Neuroscience Abstract Vol.27 Program No.136.8.
  7. 林基治 (2001) 霊長類脳の発達・脳内機能分子の観点から. 第55回日本人類学会大会, 第17回日本霊長類学会大会連合大会 シンポジューム「21世紀日本人の脳と身体の成長」(2001年7月, 京都). 霊長類研究17(2) : 112.
  8. 肥後範行, 大石高生, 山下晶子, 松田圭司, 林基治 (2001) サル小脳におけるプロテインキナーゼC基質の遺伝子発現. 第24回日本神経科学, 第44回日本神経化学合同大会(2001年9月, 京都). プログラム抄録集p.299.
  9. 平野真, 中村伸, 光永総子, 岡田真紀, 清水慶子, A, Bennett, R.Eberie (2001) Bウィルスに対するDNAワクチンの開発. 第55回日本人類学会大会・第17回日本霊長類学会大会連合大会 (2001年7月). 霊長類研究pp. 137.
  10. 児嶋千尋, 近藤昌弘, 金万珠, 清水慶子, 伊藤麻里子, 渡辺元, 田谷一善(2001)ニホンザルの妊娠期におけるインヒビンとアクチビン分泌. 第94回日本繁殖生物学会(2001年11月, 東京). The Journal of Reproduction and Development 47 (supplement) December: a34
  11. 近藤昌弘, 児嶋千尋, 金万洙, 鵜殿俊史, 清水慶子, 伊藤麻里子, 渡辺元, 田谷一善(2001)チンパンジー, ニホンザル, およびヒトの妊娠期におけるインヒビンとアクチビン分泌様式の差異. 第6回日本生殖内分泌学会(2001年11月, 東京).
  12. 光永総子, 中村伸, 林隆志, N. L. Miranda, 長文昭, 清水慶子, 植田昌宏, R. Eberie (2001)改良HVP2-ELISA の確立およびBウィルスSPFモニタリングへの応用. 第55回日本人類学会大会・第17回日本霊長類学会大会連合大会 (2001年7月). 霊長類研究pp.136.
  13. 森琢磨, 清水慶子, 林基治 (2001) 霊長類におけるNeurotrophin4/5の個体発達. 第7回日本生理学会大会(2001年3月, 京都). 第78回日本生理学会大会予稿集p.299.
  14. 森琢磨, 清水慶子, 林基治(2001) 発達期マカクサルの小脳におけるニューロトロフィンの分布. 第24回日本神経科学, 第44回日本神経化学合同大会(2001年9月, 京都). プログラム抄録集p.318.
  15. 大平耕司, 本間光一, 林基治 (2001) チロシンキナーゼ欠損型TrkBによるアクチン細胞骨格とMAPキナーゼの制御. 第24回日本神経科学, 第44回日本神経化学合同大会(2001年9月, 京都). プログラム抄録集 p.216.
  16. 大島健一, 伊藤麻里子, 岸久司, 新井浩司, 新井克彦, 上原孝吉, 渡辺元, 田谷一善(2001)ゴールデンハムスターの卵胞退行過程におけるインヒビンA,インヒビンBおよびインヒビンpro-αCの分泌. 第94回日本繁殖生物学会(2001年11月, 東京). The Journal of Reproduction and Development 47 (supplement) December: a36
  17. 清水慶子, 伊藤麻里子, 林基治(2002)植物性エストロゲン様物質が霊長類の内分泌機能に及ぼす影響. 平成13年度科学研究費補助金研究成果報告会(2002年1月, 京都). 研究成果報告会要旨集 pp.98-99.
  18. 清水慶子, 吉村有実絵, 光永総子, 林基治, 熊崎清則, 前田典彦, 加藤朗野, 松林清明, 道家千聡, 田中正之, 友永雅己, 松沢哲朗 (2001) 尿中ホルモン動態からみたチンパンジーの人工受精. 第55回日本人類学会大会・第17回日本霊長類学会大会連合大会 (2001年7月). 霊長類研究 pp. 165.
  19. 杉浦秀樹, 藤田志歩, 光永総子, 清水慶子 (2002) 雌ニホンザルにおける交尾相手の選択性. 49回日本生態学会大会(2002年3月, 仙台). 予稿集p.181.
  20. 竹之下祐二, 清水慶子, 浅葉慎介 (2001) 合成プロゲステロン製剤を経口投与された餌付けニホンザルメスの性行動とホルモン動態. 第55回日本人類学会大会・第17回日本霊長類学会大会連合大会 (2001年7月). 霊長類研pp.127.

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