ENGLISH トップ 所長挨拶 概要 教員一覧 研究分野・施設 共同利用・共同研究 大型プロジェクト 国際集会 教育,入試 広報,公開行事,年報 新着論文,出版 教員,職員公募 国際共同事業 霊長類研究基金 リンク アクセス HANDBOOK FOR INTERNATIONAL RESEARCHERS Map of Inuyama サイトマップ
トピックス
コラム・連載 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ

京都大学霊長類研究所
郵便番号484-8506
愛知県犬山市官林
TEL. 0568-63-0567(大代表)
FAX. 0568-63-0085

本ホーム・ページの内容の
無断転写を禁止します。
Copyright (c)
Primate Research Institute,
Kyoto University All rights reserved.


お問い合わせ

京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2002年度 − III 研究活動 生態機構分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.33 2002年度の活動

III 研究活動

生態機構分野

上原重男,M. A. Huffman

研究概要
A) アフリカに生息する野生チンパンジーの生態と行動

上原重男,M. A. Huffman,藤田志歩(大学院生),竹元博幸(教務補佐員)

タンザニア国マハレ山塊国立公園にすむチンパンジー(M集団)の研究を継続した.彼らが捕食する動物(哺乳類と一部昆虫類)の分布量について,センサス等により資料を収集した. 同じ方法で,ウガンダ国カリンズ森林のチンパンジーが利用する可能性のある昆虫相に関して,比較のための資料を集めた.またタンザニア国ルボンド島国立公園でも研究を継続し,チンパンジーの寄生虫感染症とSIVcpzウイルスによる感染の調査を行った.同所では島全域の植生及びチンパンジーが採食する植物の分布調査を開始した.野生チンパンジーのメスの繁殖パラメータは,地域集団間において差のあることが知られている.生息地の環境要因は活動パターンに影響を及ぼし,栄養状態を介してメスの生殖能力に差を生じさせると予測される.生態学的要因が生殖能力に及ぼす影響について検討するため,タンザニア国マハレ山塊及びギニア共和国・ボッソウ地域に生息するチンパンジーのメスを対象に,活動パターン及び糞中生殖関連ホルモン濃度の比較を行なった.西アフリカ,ボッソウ地域および東アフリカ,カリンズ地域で,チンパンジーが森林内で利用する高さと森林内微気象の関係を調べ,体温調節のコストという観点から検討を加えた.チンパンジーの糞分析・発芽実験を行い,ボッソウ森林における種子散布者としての役割を解析した.中央アフリカの赤道ギニア国及びカメルーン国で掘り棒についての調査を行い,道具製作,使用の特徴を考察した.

B) 野生チンパンジーの音声コミュニケーションに関する基礎研究

保坂和彦(共同利用研究員)

1991年以来,タンザニア国マハレ山塊国立公園のチンパンジーを対象に収集してきた音声・映像資料をデジタル変換した上で,音声エソグラム及びデータベースの完成に向けての整理作業を昨年度に引き続き進めた.狭義の目的としてはパントフート,パントグラント及びラーコールの構造・機能の解明を目指しているが,地域間比較も視野に入れ,すべてのレパートリーを網羅したエソグラムの作成に配慮している.

C) 野生ニホンザルの行動学的・生態学的研究

上原重男,M. A. Huffman,藤田志歩(大学院生),早川祥子(大学院生),西村宏久(大学院生)

野生ニホンザルにおいて,個体レベルでの生殖に関するデータは少ない.そこで,宮城県金華山に生息するニホンザルのメスを対象に,糞中ステロイドホルモン濃度を測定することによって生殖生物学的特徴を調べた.これにより,野生ニホンザルでは不明であった排卵と受胎の時期および妊娠期間についてのデータを得ることができた.また,交尾や顔の赤さといった発情の兆候が内分泌動態に依存しており,排卵周辺期にピークとなることがわかった.さらに九州の南(大隅諸島)の屋久島においては,2つのニホンザル野生群を対象に発情メスの交尾行動を解析した.この研究により,メスの配偶者選択は発情メス数や群れオス数,群れ外オス数の影響を受けることが示唆された.さらに糞や尿のような非侵襲的な試料を用いて父親を判定した結果,生まれたアカンボウの半数が群れ外オスの子であることが分かった.霊長類研究所の放飼場群と京都嵐山餌付け群,宮城県金華山野生群のニホンザルを対象に,コドモの遊び行動の機能を探るための比較研究をおこなっている.

↑このページの先頭に戻る

研究業績
論文
  1. Bardi, M., Shimizu, K., Barrett G. M., Borgognini-Tarli S. M., Huffman, M. A. (2002) Peripartum cortisol levels and mother-infant interactions in Japanese macaques. American Journal of Physical Anthropology 119(3): 296-304.
  2. Carrai, V., Borgognini-Tarli, S. M., Huffman, M., Bardi, M. (2003) Increase in tannin consumption by sifaka (Propithecus verreauxi verreauxi) females during the birth season: a case for self-medication in prosimians? Primates 44(1): 61-66.
  3. Cousins, D., Huffman, M. A. (2002) Medicinal properties in the diet of gorillas: an ethnopharmacological evaluation. African Study Monographs 23(2): 65-89.
  4. Dupain, J., van Elsaker, L., Nell, C., Garcia, P., Ponce, F., Huffman, M. A. (2002) Oesophagostomum infections and evidence for leaf swallowing in bonobos (Pan paniscus): indication for self-medicative behavior? International Journal of Primatology 23 (5): 1053-1062.
  5. Nishida, T., Corp, N., Hamai, M., Hasegawa, T., Hiraiwa-Hasegawa, M., Hosaka, K., Hunt, K., Itoh, N., Kawanaka, K., Matsumoto-Oda, A., Mitani, J. C., Nakamura, M., Norikoshi, K., Sakamaki, T., Turner, L., Uehara, S., Zamma, K. (2003) Demography, female life history and reproductive profiles among the chimpanzees of Mahale. American Journal of Primatology 59(3): 99-121.
  6. Shimizu, D., Gunji, H., Hosaka, K., Huffman, M. A., Kawanaka, K., Matsumoto, A., Nishida, T. (2002) The four chimpanzee skulls collected in the Mahale Mountains, Tanzania. Anthropological Science 110(3): 251-266.
  7. Takahata, Y., Huffman, M. A., Bardi, M. (2002) Long-term trends in matralineal inbreeding among the Japanese macaques of Arashiyama B Troop. International Journal of Primatology 23(2): 399-410.
  8. Uehara, S. (2002) Evidence of the leaf-clipping behavior by a chimpanzee of an unhabituated group at Mahale. Pan Africa News 9(1): 3-4.

↑このページの先頭に戻る

報告
  1. 保坂和彦 (2002) 臆病な森の隣人:チンパンジーにおける「不安」. 学際 7: 68-70.
その他雑誌
  1. Moscovice, L. R., Huffman, M. A. (2002) The chimpanzees of Rubondo Island. Tanzania Wildlife Kakakuona 27(4): 56-60.
  2. 竹元博幸, 平田聡 (2002) 野外調査におけるチンパンジーの「道具使用」の発見. 霊長類研究 18(3): 334-339.

↑このページの先頭に戻る

分担執筆
  1. Boesch, C., Uehara, S., Ihobe, H. (2002) Variations in chimpanzee-red colobus interactions. “Behavioural Diversity in Chimpanzees and Bonobos” : 221-230, (ed. Boesch, C., Hohmann, G., Marchant, L. F.) Cambridge University Press, Cambridge.
  2. Huffman, M. A. (2002) Animal origins of herbal medicine. (Origines animales de la medicine par les plantes). “From the sources of knowledge to the medicies of the future (Des sources du savoir aux medicaments du futur” : 31-54, (ed. Fleurentin, J., Pelt, J., Mazars, G.) IRD Editions, Paris.
  3. ハフマン・マイケル A., 大東肇, 小清水宏一 (2002) 自己治療行動の学際的研究.“マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の三七年”: 261-288, (西田利貞, 上原重男, 川中健二 編) 京都大学学術出版会, 京都.
  4. 保坂和彦, 西田利貞 (2002) オストラシズム:アルファ雄,村八分からの復権.“マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の三七年”: 439-471, (西田利貞, 上原重男, 川中健二 編) 京都大学学術出版会, 京都.
  5. 保坂和彦 (2002) 狩猟・肉食行動. “マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の三七年”: 219-244, (西田利貞, 上原重男, 川中健二 編) 京都大学学術出版会, 京都.
  6. 西田利貞, 上原重男 (2002) 附録2:マハレ山塊国立公園の哺乳類リスト.“マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の三七年”: 480-481, (西田利貞, 上原重男, 川中健二 編) 京都大学学術出版会, 京都.
  7. 西田利貞, 上原重男 (2002) 附録4:マハレ欧文献総目録.“マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の三七年”: 521-547, (西田利貞, 上原重男, 川中健二 編) 京都大学学術出版会, 京都.
  8. 上原重男 (2002) コンゴ盆地の熱帯多雨林の動物たち:湿原での観察を中心に.“アフリカを歩く:フィールド・ノートの余白に”: 339-353, (加納隆至, 黒田末寿, 橋本千絵 編) 以文社, 東京.
  9. 上原重男, 五百部裕 (2002) 昼行性哺乳類の分布と生息密度.“マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の三七年”: 129-152, (西田利貞, 上原重男, 川中健二 編) 京都大学学術出版会, 京都.
編集
  1. 西田利貞, 上原重男, 川中健二 編 (2002) マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の37年. pp.598+xxi, 京都大学学術出版会, 京都.
その他本
  1. 川中健二, 上原重男 (2002) あとがき. マハレのチンパンジー:<パンスロポロジー>の三七年 : 549-553, 西田利貞, 上原重男, 川中健二 編, 京都大学学術出版会, 京都.

↑このページの先頭に戻る

学会発表等
  1. Uehara, S., Nakamura, M. (2002) What does diversity in cultural behaviour of chimpanzees tell us with respect to their conservation? 3rd TAWIRI (Tanzania Wildlife Research Institute) Annual Scientific Conference: Application of Research Results in the Conservation of Wildlife Resources. (Dec. 2002, Arusha, Tanzania) Abstracts : 36.
  2. Huffman, M. A. (2002) Self-medication by primates and man: exploitation of medicinal properties of plants. Nutrition Society Summer Meeting (Jul. 2002, Leeds, U.K) Abstracts of Original Communications Summary 13.
  3. 五百部裕, 上原重男 (2002) アカコロブスの対チンパンジー戦略の地域差. 第18回日本霊長類学会大会 (2002年7月, 東京) 霊長類研究 18(3): 380.
  4. 竹元博幸 (2002) チンパンジーによる種子散布. 種子散布研究会−種子散布研究:日本から世界へ− (2002年12月, 大阪).
  5. 竹元博幸, 平田聡, 杉山幸丸 (2002) チンパンジーによる房付き掘り棒の製作と使用. 第18回日本霊長類学会大会 (2002年7月, 東京) 霊長類研究 18(3): 373.
  6. 杉浦秀樹, 田中俊明, 松原幹, 半谷吾郎, 早石周平, 早川祥子, 香田啓貴, 室山泰之, 揚妻直樹, 相場可奈, 小山陽子, 柳原芳美 (2002) 屋久島における野生ニホンザルの個体数・出産率の変動. 日本哺乳類学会2002年度大会 (2002年10月, 富山) プログラム・講演要旨集 : 136.
  7. 竹元博幸 (2002) チンパンジーはなぜ雨期に樹上性が強くなるのか. 日本哺乳類学会2002年度大会・自由集会「哺乳類学の展望:野外生態の直接観察でみえること・みえないこと」 (2002年10月, 富山).
  8. 上原重男, 中村美知夫 (2002) マハレのチンパンジーの対角毛づくろいにおける組み手. 日本アフリカ学会第39回学術大会 (2002年5月, 仙台) 研究発表要旨 : 78.
講演
  1. Huffman, M. A. (2002) Featured Speaker: The evolution of medicinal plant use in African great apes and traditional human societies. American Society of Primatology 25th Annual Meetings (Jun. 2002, Oklahoma City, U.S.A) American Journal of Primatology 57(Supplement 1): 81.
  2. Huffman, M. A. (2002) 1) Self-medication in the great apes 2) Primate culture. Public Lecture Series (Dec. 2002, Taipei Zoological Gardens, Taiwan).
  3. Huffman, M. A. (2003) Primate Behavioral Traditions:Social & Biological Foundations of Culture. Distinguished Speakers Series (Mar. 2003, Lethbridge, Canada).
  4. Huffman, M. A. (2003) The Evolution and Development of Self-medication in Great Apes and Humans. Behaviour & Evolution Distinguished Speakers Series (Mar. 2003, Lethbridge, Canada).

↑このページの先頭に戻る

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会