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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2002年度 − III 研究活動 社会構造分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.33 2002年度の活動

III 研究活動

社会構造分野

森明雄,大澤秀行,杉浦秀樹

研究概要
A) ヒヒ類の研究

森明雄,杉浦秀樹

サウジアラビア・タイフ市のダムとアル・ルーダフ公園を利用するマントヒヒの群で,個体群動態,行動学的,社会学的調査を行なった.イヤー・タッグで標識した個体の生存と所属するユニットを調べ,前年度のユニット構成との異同を明らかにした.ユニットが不安定であるという昨年度の結果が支持された.また,今年度は,ユニットより上の社会構造の解明に努めた.行進のカウントによれば,ダムサイト群の全個体数は500頭を越え,様々なサイズのサブグループが見られた.また,識別個体の確認に基づくと,少なくとも3つのバンドから構成されていることが分かった.これまで行ってきたタイフ市のゴミ埋め立て場に集まる巨大なマントヒヒの群れの社会構造とダムサイト群との比較を行っている.また,エチオピア南部アルシ州に生息するゲラダヒヒのポピュレーションの研究を引き続き行っている.

B) 中央アフリカ乾燥サバンナにおける霊長類の社会生態学的野外研究

大澤秀行

カメルーン北部でパタスモンキーの野外研究を1986年以来行っている.今年度は,2年ぶりに野外調査を行い,継続調査中の群の所属個体の生存確認,新生個体の記録など,人口学および社会変動に関する基礎資料の収集を行った.また,これまで記録を続けてきた調査地における哺乳類,鳥類のチェックリストを作成し,調査地の長期環境変遷の資料とした.国内では,まず単雄群の雄の交代に関して調査開始からの資料を整理し,単雄群の維持と社会変動の機構について総括して論文とした.

C) ニホンザルの個体群動態・生活史・繁殖とその生態学的決定要因の研究

大澤秀行,杉浦秀樹,深谷もえ(大学院生),森明雄,高橋弘之(日本学術振興会特別研究員)

高崎山の餌付け集団を対象に継続個体数調査を行い,得られた人口学的基礎資料をもとに人口学的諸変数を求め,個体群動態の研究を進めている.昨年度に引き続き,出産率と個体群密度,オトナ雌数の間の相関性を分析した(大澤).また宮城県・金華山,鹿児島県・屋久島西部海岸地域の野生群を対象に,個体群動態の継続調査を実施した(杉浦).

宮崎県幸島では,主群を避けて島の片隅に生きる小さな分裂群の観察を前年度に引き続き行った.採食樹の秋の結実とサルによる利用の年変動を10月,11月に観察して検討している.本年度の秋の実りは著しく悪いという結果だった.(森)さらにニホンザルの採食場所の選択を,サルの利用と食物利用可能度と比較することによって調べた(深谷).また,思春期オスの群からの離脱が,年齢によって決まるのか,体重から見た成長で決まるのか検討している(森).

宮城県・金華山の野生群を対象に,オスの順位と交尾成功を実効性比の観点から研究した(高橋).

D) 移入タイワンザルの生息状況と交雑化の現状の研究

大澤秀行

和歌山市周辺に生息する移入タイワンザルの調査を1998年から行っている.調査は,研究所内の集団遺伝分野,ニホンザル野外観察施設の教官および所外の研究者と広く協力しながら行っている.今年度は,7月には日本霊長類学会タイワンザルワーキンググループと共に個体数調査を行い,239−250頭のタイワンザルとその交雑個体の生息を確認した.その後,和歌山県により一部の個体が捕獲されたため,捕獲個体を対象とした生態的資料収集(胃内容物検査,栄養状態の指標としての皮下脂肪測定)を行った.

E) ウガンダのカリンズ森林におけるチンパンジーと他種霊長類の生態学的研究

橋本千絵(教務補佐員),田代靖子(日本学術振興会特別研究員)

食物生産量と社会的因子がチンパンジーの集団編成パターンにどのような影響を与えるかを調査し,さらに哺乳類コミュニティの中でチンパンジーの占める生態的地位について調査・解析を行った.また霊長類とその他の哺乳類の採食生態と環境利用に関するデータを分析した.

F) コンゴ森林における野生ボノボの社会及び行動の研究

橋本千絵(教務補佐員),田代靖子(日本学術振興会特別研究員)

コンゴ民主共和国(旧ザイール)ジョル地区ルオ保護区ワンバ森林のボノボの継続調査を行っている.本年度は渡航自粛勧告のため現地調査はできなかったが,過去に収集された資料に基づき行動の分析を行った.

G) 野生オランウータンの保全のための遺伝学的・採食生態学的および繁殖生理学的研究

高橋弘之(日本学術振興会特別研究員)

インドネシア・西カリマンタン州ブトゥン・カリフン国立公園西部地域で野生オランウータンの野外調査を行った.今年度はオランウータンの直接観察に成功した.しかしながら,違法伐採による森林破壊が昨年度よりも深刻になっていた.違法伐採者のキャンプがある川岸には,オランウータンのネストはほとんどみられなかった.

H) グルーピングの研究

下岡ゆき子(大学院生),杉浦秀樹

コロンビア・マカレナ地域の野生ケナガクモザルを対象に,離合集散の動態を研究した(下岡).

ニホンザルの群の空間的な広がりについてデータの収集と解析を行った(杉浦).

I) 発達の研究

上野有理(大学院生),柏原将(大学院生)

霊長類研究所のチンパンジーを対象に,採食行動の発達と母子間伝播を研究した(上野).嵐山のニホンザルを対象に,子どもの社会関係の発達に,母親や他個体が及ぼす影響について研究した(柏原).

J) 雄ニホンザルにおけるホルモンと行動の関連

Gordon M. Barrett(大学院生)

雄ニホンザルにおけるホルモンと行動の関連を,生化学的な手法を用いて研究した.

K) 協力行動の研究

中山桂(大学院生)

霊長類研究所のフサオマキザルを対象に,協力行動をしらべるための実験装置を作成し,予備実験を行った.

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研究業績
論文
  1. Bardi, M., Shimizu, K., Barrett G. M., Borgognini-Tarli S. M., Huffman, M. A. (2002) Peripartum cortisol levels and mother-infant interactions in Japanese macaques. American Journal of Physical Anthropology 119(3): 296-304.
  2. Bardi, M., Shimizu, K., Borgognini-Tarli, S. (2003) Mother-infant relationships and maternal estrogen metabolites changes in macaques (Macaca fuscata, M. mulatta). Primates 44: 91-98.
  3. Barrett, G., Shimizu, K., Bardi, M., Asaba, S., Mori, A. (2002) Endocrine correlates of rank, reproduction and female-directed agression in male Japanese macaques (Macaca fuscata). Hormones and Behavior 42: 85-96.
  4. Takahashi, H. (2002) Changes of dominance rank, age, and Tenure of wild Japanese macaque males in the Kinkazan A troop during seven years. Primates 43: 133-138.
  5. Takahashi, H. (2002) Female reproductive parameters and fruit availability: factors determining onset of estrus in Japanese macaques. American Journal of Primatology 57: 141-153.
  6. Takahata, Y., Huffman, M. A., Bardi, M. (2002) Long-term trends in matralineal inbreeding among the Japanese macaques of Arashiyama B Troop. International Journal of Primatology 23(2): 399-410.
総説
  1. 橋本千絵 (2002) パーティサイズの定義とその選び方. 霊長類研究 18(3): 320-325.
  2. 橋本千絵 (2002) フィールドにおけるDNA試料の採集法. 霊長類研究 18(3): 311-313.
報告
  1. 和歌山タイワンザルワーキンググループ, 和秀雄, 川本芳, 大澤秀行, 白井啓, 室山泰之 (2002) 和歌山県に生息するタイワンザル個体群生息実態調査. 2001年度WWF・日興グリーンインベスターズ基金助成事業報告書 : pp.56
分担執筆
  1. Furuichi, T., Hashimoto, C. (2002) Why female bonobos have a lower copulation rate during estrus than chimpanzees. “Behavioural Diversity in Chimpanzees and Bonobos”: 156-167, (ed. Boesch, C., Marquardt, L.) Harvard Univ. Press, Harvard.
  2. 森明雄 (2002) 多雨林に住む人びとの罠猟と観察学習.“アフリカを歩く−フィールドノートの余白に”: 223-240, (加納隆至, 黒田末寿, 橋本千絵 編) 以文社, 東京.
  3. 大澤秀行 (2002) サヘルの動物たち−調査小屋を取り巻く生態系.“アフリカを歩く−フィールドノートの余白に”: 116-128, (加納隆至, 黒田末寿, 橋本千絵 編) 以文社, 東京.
編集
  1. .加納隆至, 黒田末寿, 橋本千絵 編 (2002) アフリカを歩く−フィールドノートの余白に−. pp.412, 以文社, 東京.
その他本
  1. 橋本千絵 (2002) オトナたちから学ぶ性と社会行動〜ボノボの子供の成長過程から〜. 人類学と霊長類学の新展開: 17-21, 石田英實, 中務真人, 荻原直道 編, 金星舎, 京都.
学会発表等
  1. .橋本千絵, 古市剛史 (2002) チンパンジーの乱婚システムの再検討:ウガンダ共和国カリンズ森林からの報告. 第18回日本霊長類学会大会 (2002年7月, 東京) 霊長類研究 18(3): 374.
  2. 森明雄, 渡辺邦夫 (2002) オスのヒトリザル化の要因. 第18回日本霊長類学会大会 (2002年7月, 東京) 霊長類研究 18(3): 418.
  3. 杉浦秀樹, 田中俊明, 松原幹, 半谷吾郎, 早石周平, 早川祥子, 香田啓貴, 室山泰之, 揚妻直樹, 相場可奈, 小山陽子, 柳原芳美 (2002) 屋久島における野生ニホンザルの個体数・出産率の変動. 日本哺乳類学会2002年度大会 (2002年10月, 富山) プログラム・講演要旨集 : 136.
講演
  1. Kawamoto, Y., Ohsawa, H., Muroyama, Y., Shirai, K., Araki, S., Maekawa, S., Nigi, H., Maruhashi, T., and other members of the Working Group of Wakayama Taiwan macaques. (2002) Hybridization problem between native and introduced monkeys in Japan. International Symposium: Application of Non-human Primates in Biotechnology for Conservation and Biomedical Research (Jul. 2002, Bogor, Indonesia).
  2. Ohsawa, H., Kawamoto, Y., Shirai, K., Nigi, H., Maruhashi, T., Maekawa, S., Muroyama, Y., Araki, S., other members of the Working Group of Wakayama Taiwan macaques. (2002) Invasion of Taiwan macaques into Wakayama prefecture, Japan, and their hybridization with Japanese macaques: its history and the present state of the population. COE Internatinal Symposium (Nov. 2002, Inuyama, Japan)Abstracts: 105.

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