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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2003年度 > VIII. HOPEプロジェクト 

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.34 2003年度の活動

VIII HOPEプロジェクト

日本学術振興会先端研究拠点事業HOPE

2004年2月1日から,日本学術振興会先端研究拠点事業として,HOPEプロジェクト(「人間の進化の霊長類的起源」の研究)が始まった.先端研究拠点事業は,我が国と複数の学術先進諸国における先端研究拠点間の交流を促進することにより,国際的な先端研究ネットワーク構築の基盤形成を図ることを目的とするものである.その第1号として,京都大学霊長類研究所とドイツのマックスプランク進化人類学研究所の共同プロジェクトが始まった.平成15年度(2003年度)の事業としては,実質的にはわずか2か月間の活動しかない.本稿では,HOPE成立の経緯や背景や展望を解説するとともに,平成15年度の活動報告をおこなう.

1 日本学術振興会先端研究拠点事業

独立行政法人・日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science: 略称JSPS)は,学術の国際交流に関する諸事業の一環として,我が国において重点的に研究すべき先端分野における,我が国と複数の学術先進諸国の中核的研究拠点をつなぐ持続的な協力関係を確立することにより,21世紀の国際的な先端研究ネットワークを形成することを目的とした事業を2003年秋に開始した. これが先端研究事業(Core-to-core program)と呼ばれるものである.

実施形態として,JSPSと各関係国の学術振興機関による共同支援に基づく大規模かつ長期間実施型の「先端研究国際戦略型」と,大規模・長期型への基盤形成のための短期間実施型の「拠点形成促進型」の2つを設け,2003年10月に全国に向けて公募をおこなった.なお,今回の募集は「拠点形成促進型」のみだった.

日本学術振興会は,我が国の中核的研究拠点となる機関に対し,セミナー・研究者交流・共同研究の実施に要する経費を支援する.対象分野は,我が国の各学術領域において先端的と認められる分野であり,かつ,交流相手国においても先端的と認められている分野である.なお,共同事業の対象国は,米国,カナダ,オーストリア,ベルギー,フィンランド,フランス,ドイツ,イタリア,オランダ,スペイン,スウェーデン,スイス,英国,オーストラリア,ニュージーランドの15か国に限定されている.次の要件を満たす必要がある.1)コーディネーター(コーチェアと称して各国1名)は,対象分野における国際的に主導的立場にある研究者であること.2)若手研究者養成を考慮した国際的人脈の形成・強化・拡大への貢献が明確であること.3)中心課題である共同研究に国際性・独創性・社会への還元性・将来の発展性・当該計画の実現可能性があること.4)本事業実施のための事務体制が,終了後5年間の調査期間も含め,機関として確保できること.5)本事業により創成・強化された情報ネットワークに基づき,新たな研究領域の開拓が見込まれること.

上記の要請に加えて,先端研究拠点事業に基づく課題事業が終了した後も,複数の学術先進諸国との間で,我が国における先端研究交流拠点として,学術国際交流の発展に継続的な活動が期待できることが重視されている.また,相手国側の学術振興機関等からのマッチングファンドが,申請時及び将来的に見込まれているものが重視されている.

先端研究拠点事業には,短期間の募集にもかかわらず,全学問分野から118件の応募があった.京都大学霊長類研究所とマックスプランク進化人類学研究所の共同事業であるHOPEプロジェクトがその第1号に選ばれた.採択された理由としては,以下の4点が重要だったと考えられる.1)日本のユニークな国際的貢献としての霊長類学の存在,2)本研究所とマックスプランク進化人類学研究所との交流や共同研究のこれまでの実績,3)先端研究拠点事業の前身である「日本学術振興会・国際協力重点事業」に,平成14年度からHOPEプロジェクトがノミネートされ実施がすでに検討されており,共同事業の準備が整っていた.4)2003年夏におこなわれた小泉純一郎首相とドイツのシュレーダー首相の首脳会談で日独科学協力の推進がうたわれ,とくに日独間の先端研究拠点事業の推進が望まれていた.

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2 HOPEプロジェクトの事業計画の指針

HOPE事業は,霊長類研究所の観点から言えば,文部科学省(当時文部省)のCOE拠点形成事業(竹中修代表,平成10-14年度)の基礎のうえにたって,それを後継発展するものと位置づけられる.こうした国際的研究拠点の創出は,中期計画・中期目標にそって全所的に取り組む課題と認識されている.そのため,研究組織としての分担者は,4部門2施設の代表者として,茂原信生,竹中修,上原重男,松林清明,渡辺邦夫,松沢哲郎の6名とした.事業の採択通知を受けて,上記6名からなる「HOPE事業推進委員会」を発足させた.その委員会が検討立案した「事業計画の指針」が,平成16年2月協議員会に報告され了承された.以下にその概要を述べる.

HOPE事業は,日本学術振興会が推進する「わが国と複数の学術先進諸国の中核的研究拠点をつなぐ持続的な協力関係を確立することにより,21世紀の国際的な先端研究ネットワークを形成することを目的とした事業」である.霊長類研究所としては,「国内外の多様な共同研究への対応を計りつつ,霊長類学の国際的研究・教育拠点づくりを推進する」という,重点的・中期目標(平成16-21年度)を実現する事業と位置づける.また,本研究所が参加する21COEプログラム「生物多様性研究の統合のための拠点形成」(理学研究科生物科学専攻,平成14-18年度)と連携して研究拠点形成を図る.

以上の目的のために,先端研究拠点事業としては,3年目以降に「拠点形成促進型」から「国際戦略型」事業への移行を視野に入れつつ,最初の2年間(平成16年2月-18年1月)に,以下の4つの事業をおこなう.なお,この指針にしたがって,年度ごとの実施計画(当該年度の研究事業計画とその必要経費を記載したもの)を作成することとした.

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1)共同研究ならびに海外研究拠点形成の支援事業,<略称:共同研究>

共同研究(野外研究を含む)の実施を通じて,先端的研究領域を開拓する.国際的共同研究の実施打ち合わせならびにその予備調査をおこなう.共同研究のために若手研究者を長期に派遣したり招聘したりする.研究基盤としての海外研究拠点の形成・育成を図る.

2) 若手研究者の交流・育成事業,<略称:若手交流>

2-1) 日本人若手研究者の国際学会等での成果発表支援

ポスドクならびに大学院生等の若手研究者の海外での研究成果の発表を支援する.

2-2) 外国人若手研究者の招聘

ポスドクならびに大学院生等の若手研究者を国外から招聘する.

2-3) インターンシップ制度の導入

外国人学生(大学院生ならびに学部学生等)に研究所での実習の機会を与える.外国でおこなわれているサマー・インターン制度と同等のものとする.同様に,日本人学生にマックスプランク進化人類学研究所等での実習の機会を与える.

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3) 国際集会の実施事業,<略称:国際集会>

共同研究の成果発表や情報交換のためのセミナー・レクチャー・ワークショップ・シンポジウム等を企画実行する.開催地は国内外を問わない.他の事業・企画と連携して,わが国における研究拠点としての役割を果たす.こうした国際集会のための招聘費用,海外渡航費用,会議開催費用を支援する.

4) インターネット・出版等による成果の発信事業,<略称:情報発信>

研究拠点機関として,本事業に関わる成果をインターネットで公表する.また出版活動を通じて,研究成果を広く知らしめる.そうした情報発信を通じて,霊長類の保全と福祉に向けた努力を傾注する.

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3 HOPEプロジェクトの概要

人間の心も体も社会も,進化の産物である.「われわれはどこから来たのか」「人間の本性とは何か」,そうした根源的な問いに答えるためには,人間がどのように進化してきたのかを知る必要がある.生物としての人間は,脊椎動物の一種であり,哺乳類の一種であり,その中でも「霊長類」と呼ばれる「サルの仲間」の一種である.では人間は,他のサル類と何が同じでどこが違うのか.本プロジェクトHOPEは,人間と最も近縁な人間以外の霊長類に焦点をあてて,人間の進化の霊長類的起源(Primate Origins of Human Evolution)を探ることを目的としている.HOPEは,その英文題目のアナグラム(頭文字を並べ替えたもの)であると同時に,野生保全への願いも込められている.人間を除くすべての霊長類は,いわゆるワシントン条約で「絶滅危惧種」に指定されている.先端的な科学研究を展開すると同時に,「進化の隣人」ともいえるサル類をシンボルとして,地球環境全体ないし生物多様性の保全に向けた努力が今こそ必要だろう.

日本は,先進諸国の中で唯一サルがすむ国である.そうした自然・文化の背景を活かし,霊長類の研究では,世界に先駆けてユニークな成果をあげ発信してきた.今西錦司(1902-1992)ら京都大学の研究者が野生ニホンザルの社会の研究を始めたのは1948年である.霊長類研究所(略称KUPRI)が幸島で継続しているサルの研究は,すでに55年が経過し,8世代にわたる「サルの国の歴史」が紡ぎだされている.さらに1958年に開始したアフリカでの野生大型類人猿調査を継承し,国内外でチンパンジーの研究を発展させてきた.また,日本が創始した英文学術雑誌「プリマーテス」は,2003年からはドイツのシュプリンガー社から出版されるようになったが,現存する世界で最も古い霊長類学の学術誌である.一方,ドイツは,霊長類研究において,ウォルフガング・ケーラー(1887-1967)によるチンパンジーの知性に関する研究をはじめ長い伝統を有している.とくに,1997年にマックスプランク進化人類学研究所(略称MPIEVA)が創設され,類人猿を主たる対象にして人間の進化的理解をめざす「進化人類学」的研究が急速に興隆し,この分野における西洋の研究拠点になっている.

HOPEプロジェクトは,日本学術振興会<小野元之理事長>とマックスプランク協会<ピーター・グルス理事長>の支援のもとにおこなわれる先端研究拠点事業である.HOPEプログラムは,KUPRIとMPIEVAを日独の拠点研究機関としてその研究協力を推進する.コーチェアは,日本側が松沢哲郎,ドイツ側がマイケル・トマセロとした.それぞれの国の中核的な研究拠点とそれに協力する共同研究者が,ヒトを含めた霊長類を対象に,その心と体と社会と,さらにその基盤にあるゲノムについて研究するものである.「人間はどこから来たのか」「人間とは何か」という究極的な問いに対する答えを探す学際的な共同作業である.それこそが,「人間はどこへ行くのか」という,現代社会が抱える諸問題に対する生物学的な指針を与えることになるだろう.

KUPRIは,野生チンパンジーや野生ニホンザルの長期研究基地,さらにチンパンジーやニホンザルなど飼育霊長類20種を有し,4部門2施設からなる多様な霊長類研究をすすめてきた.一方,MPIEVAは,チンパンジー・ボノボ・ゴリラなどの野生類人猿の長期研究基地と,飼育類人猿の施設であるケーラー記念霊長類センターを有している.また,野生類人猿生態学,認知発達科学だけでなく,霊長類の比較ゲノム科学の領域で,多大な成果をあげてきた.こうした相補的な性格をもつ2つの研究拠点の国際的な協力のもと,霊長類に関する多様な研究分野が相互交流によってさらに活性化し,「人間の進化の霊長類的起源」に関する新たな知見の蓄積と研究領域の創造をめざす.

そのために,生息地での野生霊長類の野外研究を含めた共同研究の実施,若手研究者の交流と育成,国際ワークショップ・シンポジウム等の開催をおこなう.また,インターネットサイトならびにデータベースの充実や,出版活動(とくに英文書籍による研究成果の出版シリーズの発足)を通じて,その研究成果の普及・啓発に努める.以上が,HOPEプロジェクトがめざす事業の展望である.なお,HOPEプロジェクトの具体的な進展状況と最新の情報については,以下のホームページを参照されたい.http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/hope/

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4 平成15年度事業の概要

平成15年度(2月1日から3月31日まで)の事業内容は,着手順に以下の5つである.それぞれについて,概要を述べる.

<事業番号1,共同研究>
  • 実施期間:2004年2月9-16日
  • 訪問地:ドイツ(ベルリン,ミュンヘン,ライプチッヒ)ほか
  • 訪問先:マックスプランク進化人類学研究所ほか
  • 事業者:茂原信生所長,岸本佳典事務長,松沢哲郎HOPEコーチェア

ライプチッヒにおける会談で,マックスプランク進化人類学研究所で共同事業の指針と具体的計画を定めた.HOPE事業のたちあげのために,ドイツ側の対応機関であるマックスプランク協会ならびに拠点研究機関であるマックスプランク進化人類学研究所を訪れた.霊長類研究所所長の茂原信生,研究所事務長でHOPE事務主任である岸本佳典,日本側HOPEコーチェアの松沢哲郎の3名がドイツを訪問した.ベルリンでは,日本大使館に高島有終特命全権大使を表敬訪問した.ミュンヘンでは,マックスプランク協会(MPG)と日本学術振興会(JSPS)の事業協力に関する包括協定(MoUの交換)とHOPE事業にかかわる署名式に出席した.ライプチッヒのマックスプランク進化人類学研究所(MPIEVA)でドイツ側HOPEコーチェアである認知発達心理学部門所長(全体所長を兼務)のマイケル・トマセロらと会談し,事業の主旨を再確認するとともに,今後の共同研究の進め方について討議した.HOPE事業の協力研究者である,進化遺伝学(比較ゲノム科学)部門の所長であるスバンテ・ペーボと,認知発達心理学部門の主任研究員であるジョゼップ・コールも同席した.また認知発達心理学研究施設としての「ウォルフガング・ケーラー記念霊長類センター」と,昨年できたばかりの研究所本棟の見学をした.いずれもすばらしい施設である.なお,MPIEVAには5つめの部門として,「人類進化部門(古人類学・考古学担当)」が2004年1月1日に発足した.所長はフランス人でボルドー大学にいたジャンジャック・ユブランである.茂原のみ,スイスのベルン大学およびチューリッヒ大学で収蔵されている標本資料の調査を行い,19日に帰国した.

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<事業番号2,国際集会>
  • 実施期間:2004年3月6-7日
  • 開催地:京都,第1回HOPE国際ワークショップ

第1回HOPE国際ワークショップ「進化の隣人:ゲノムから心まで」と題する集会を,2004年3月6-7日の2日間にわたって,京都大学時計台記念ホールでおこなった.集会の冒頭に,京都大学霊長類研究所所長・茂原信生から開会の挨拶があった.引き続いて,京都大学総長・尾池和夫,日本学術振興会理事長・小野元之,の来賓2氏から祝辞を賜った.参会者は約80名だった.なお,主催:HOPE「人間の進化の霊長類的起源」プロジェクト(京都大学霊長類研究所・マックスプランク進化人類学研究所共同事業)で,協賛として21COE「生物多様性研究の統合のための拠点形成」(京都大学理学研究科生物科学専攻),21COE「心の働きの総合的研究教育拠点」(京都大学心理学連合),21COE「心とことば:進化認知科学的展開」(東京大学総合文化研究科)のHOPEと関連する3つのCOEプロジェクトが参加した.概要を以下に記す.なお、英語を公用語とした.

  • 3月6日
  • オープニング
  • 開会挨拶,茂原信生,京大霊長類研究所所長
  • 来賓祝辞,尾池和夫,京大総長
  • 来賓祝辞,小野元之,日本学術振興会理事長
  • セッション1 HOPEプロジェクトと展望(座長:ウィリアム・マグルー)
  • 松沢哲郎(京大霊長類研究所) HOPEプロジェクトのめざすもの
  • フランツ・ドゥバール(エモリー大学) 「リビング・リンクス紹介」:人間と動物の二分法を超えて
  • リチャード・ランガム(ハーバード大学) 「キバレ・チンパンジー・プロジェクト紹介」
  • セッション2 言語と認知(座長:藤田和生)
  • 西村剛(京大霊長類研究所) チンパンジーの喉頭下降
  • 林美里(京大霊長類研究所) チンパンジーの対象操作の発達
  • 松野響(京大霊長類研究所) チンパンジーによる運動の視覚探索
  • 3月7日
  • セッション3 比較認知科学 (座長:友永雅己)
  • ニック・マルケイ(マックスプランク進化人類学研究所) 類人猿におけるトラップ・チューブ・テストジュリアン・ブリューアー(マックスプランク進化人類学研究所) チンパンジーとイヌは他者の視点に立つことができる
  • サラ・ダンフィーレリー(ミシガン大学心理学部) チンパンジーにおける「心の理論」:比較研究から見えてきたもの
  • 平田聡(林原類人猿研究センター) チンパンジーにおける協力行動
  • セッション4 ゲノム(座長:竹中修)
  • 藤山秋佐夫(国立情報研) チンパンジーゲノム研究の最近の進展について
  • 斎藤成也(国立遺伝研) Silver Project:ヒトと類人猿のゲノム配列同時比較解析
  • セッション5 生理・脳・化石(座長:林基治)
  • 牛田一成(京都府立大学) 腸内細菌叢の比較ゲノム解析
  • 大石高生(京大霊長類研究所) チンパンジー死後脳の利用
  • 諏訪元(東京大学) 人類化石の最近の話題
  • セッション6 野外研究と野生保全 (座長:山極寿一)
  • マイク・ハフマン(京大霊長類研究所)霊長類の自己治療行動から人間の伝統医療まで
  • ドラ・ビロ(オックスフォード大学) 野生チンパンジーの死と死児の世話
  • エリザベッタ・ビザルベルギ(イタリア認知科学認知工学研究所) 野生キャプチンの道具使用:ジレンマの解決のしかた
  • 竹ノ下祐二(京大理学研究科) ガボン・ムカラバドゥドゥ国立公園の類人猿の生態調査,人づけ,保護の現状
  • 山越言(京大地域研究研究科) 西アフリカの農村環境におけるチンパンジーの保全:ギニア共和国ボッソウの事例から

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<事業番号3,国際集会>
  • 実施期間:2004年3月9日
  • 開催地:名古屋,第1回HOPE国際レクチャー
  • 共催:日本動物心理学会

第1回HOPE国際レクチャー「ハト,サル,類人猿の認知」と題した国際集会を,名古屋のホテル・キャッスルプラザでおこなった.集会の冒頭に,日本心理学会会長・辻敬一郎(中京大)と日本動物心理学会会長・渡辺茂(慶応大)から挨拶があった.引き続いて,ジョゼップ・コール(マックスプランク進化人類学研究所)ら3名の招聘外国人研究者が講演した.参会者約40名.プログラムの概要は以下のとおり.

  • ジョゼップ・コール(マックスプランク進化人類学研究所)大型類人猿における因果の推論
  • エリザベッタ・ビサルベルギ(イタリア,認知科学・認知工学研究所)キャプチン(オマキザル)の採食行動における社会的影響:実験的検討
  • ドラ・ビロ(イギリス,オックスフォード大学動物学部)伝書鳩のナビゲーション:道路を利用している

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<事業番号4,共同研究>
  • 実施期間:2004年3月11-17日
  • 訪問地:アメリカ(サンディエゴ,ラホーヤ)
  • 訪問先:カリフォルニア大学サンディエゴ校,ソーク研究所
  • 事業者:松沢哲郎HOPEコーチェア

アメリカ・カリフォルニアのラホーヤのソーク研究所で,チンパンジー・ゲノムに関する国際会議に出席し講演するとともに,ドイツ側の副コーチェアであるスバンテ・ペーボとHOPE事業に関する打ち合わせをおこなった.2006年からHOPEを日独米の3国間の共同事業に拡張することで合意し,ウィリアム・マグルーほかのアメリカ側研究者と懇談した.なおカリフォルニア大学サンディエゴ校で,チンパンジーの認知機能に関する講演をおこなうとともに,カン・リー博士らと共同研究に関する打ち合わせをおこなった.

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<事業番号5,若手交流>
  • 実施期間:2004年3月29日-4月19日
  • 訪問地:ドイツ(ライプチッヒほか)
  • 訪問先:マックスプランク進化人類学研究所ほか
  • 事業者:西村剛(日本学術振興会特別研究員・PD)

第5回言語の進化に関する国際会議(Fifth International Conference on the Evolution of Language)が3月31日から4月3日まで,ライプチッヒ・マックスプランク進化人類学研究所にて開催されそれに参加した.発表は,MRIを用いたチンパンジー乳幼児を対象とした音声器官形態の成長変化の分析と,ヒトとの比較分析の結果をもとに,音声言語の形態学的基盤の進化を多段階・モザイク的進化の観点から論じたものである.会議終了後,ドイツ国内の3カ所の研究施設(グライフヴァルド・エルンスト−モーリッツ−アーント大学,ミュンヘン・州立動物学コレクション,ベルリン・自然史博物館)を訪問し,チンパンジーの顔面形態の成長変化に関する基礎データの収集,ならびに霊長類骨格標本の収蔵状況の調査をおこなった.

(文責:松沢哲郎)

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このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会