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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2004年度 > III 研究活動 多様性保全研究分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.35 2004年度の活動

III 研究活動

多様性保全研究分野

平井啓久,正高信男,景山節,川本芳,松林清明,室山泰之,高井正成,田中洋之,渡邊邦夫,早野あづさ(非常勤研究員)

研究概要
A) アジルテナガザルの亜種分化に関わる総合調査

平井啓久,田中洋之(集団遺伝分野),早野あづさ(流動部門非常勤研究員),福冨憲司(情報検索室)

スマトラ島のアジルテナガザル,ボルネオ島のアジルテナガザルおよびミューラーテナガザルを染色体,DNA,形態から解析した総合データを報告書としてまとめた.さらに,これらのデータにおける各項目(染色体タイプ,DNAタイプ,形態特性および生息分布)の関連性を検索できるように,一般向けのデータベースを作成した.

B) アジルテナガザルおよびミューラーテナガザルのマイクロサテライトDNA解析

早野あづさ(流動部門非常勤研究員),田中洋之(集団遺伝分野),平井啓久(遺伝子情報分野)

アジルテナガザルの亜種分化に関する研究の一環として,インドネシアスマトラ島およびボルネオ島で採集されたテナガザルサンプルを用いて,マイクロサテライトDNA多型解析を行った.この結果,アジルスマトラ亜種,カリマンタン亜種,ミューラーテナガザルの3者は遺伝的に明瞭に区別され,独立の保全単位として重要であることが明らかになった.また,集団サイズの変動解析からアジルスマトラ亜種が過去にボトルネックを受けた可能性を示し,この亜種に特異的な染色体変異は,祖先集団の縮小分断時に生じ,その後個体数の回復に伴って遺伝的浮動によりこの亜種内に急速に固定したことを示唆した.

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C) テナガザル類における種特異的音声の多様性に関する研究

正高信男(認知学習分野),杉浦秀樹(社会構造分野),田中俊明(野外施設教務補佐員),親川千紗子(大学院生),香田啓貴(大学院生)

インドネシアに生息する野生アジルテナガザルを対象にテナガザルの音声の多様性に関する研究を行っている.本年度はスマトラ島集団,カリマンタン島集団の音声収集,音響分析を行った.分析の結果,音声には音響的に頑健な個体差があることと地域差が存在することが明らかとなった.

D) テナガザルの音声の柔軟性やその発達

親川千紗子(大学院生),香田啓貴(大学院生),田中俊明(野外施設教務補佐員),杉浦秀樹(社会構造分野),正高信男(認知学習分野)

テナガザルのコドモの歌がどの程度親の歌の影響を受けるか検証するために,発声行動が未熟なコドモを持つグループを対象に,1)コドモの発声時の状況,2)コドモの音声がどのように親の影響を受けているか音響的な類似性を分析した.

その結果,1)コドモが発声する場面はほとんど親がデュエットをおこなっている状況であること,2)親とコドモは発声のタイミングを合わせて同じ様なパターンの音声を発声しその音声パターンは非常に類似性が高いこと,などが明らかになった.

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E) マカカ属サルの系統関係

川本芳(集団遺伝分野)

インドネシアのボゴール農科大学の研究者と共同で,8月に西部ジャワ州のインド洋上にあるTinjil島繁殖コロニーのカニクイザル人為導入群の遺伝的特性を調査した.

F) タイ国ロブリのカニクイザルで見られた道具使用行動について

渡邊邦夫(ニホンザル野外観察施設)

タイ国ロブリ市において,カニクイザルがヒトの髪の毛を使って歯磨きをする行動を観察した.遺跡に棲む神聖化された一群でのみ頻繁に見られる行動であり,特殊な環境で獲得された道具使用を含んだ文化的行動であると考えられ,現在分析を行っている.

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研究業績
論文
  1. Amano, M., Oi, T., Hayano, A. (2004) Morphological differentiation between adjacent population of Japanese Asiatic black bear, Ursus thibetanus japonicu, in northern Japan. Journal of Mammalogy 85(2): 311-315.
  2. Guillen, A., Hirai, Y., Tanoue, T., Hirai, H. (2004) Transcriptional repression mechanisms of nucleolus organizer regions (NORs) in humans and chimpanzees. . Chromosome Research 12(3): 225-237.
  3. Hayano, A., Yoshioka, M., Tanaka, M., Amano, M. (2004) Population differentiation in the Pacific white-sided dolphin Lagenorhynchus obliquidens inferred from mitochondrial DNA and microsatellite analyses. Zoological Science 21(4): 989-999.
  4. Hirai, H., Matsubayashi, K., Kumazaki, K., Kato, A., Maeda, N. (2005) Chimpanzee chromosomes: retrotransposable compound repeat DNA organization (RCRO) and its influence to meiotic prophase and crossing over. . Cytogenetic and Genome Research 108: 248-254.

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報告
  1. 平井啓久, 田中洋之, 早野あづさ (2004) インドネシアにおけるテナガザルの遺伝学的調査. 霊長類研究 20: 123-127.
  2. 平井啓久 (2004) アジルテナガザルの亜種分化に関する総合調査. 平成14−15年度科学研究費補助金研究成果報告書 : pp.106.

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学会発表等
  1. Hirai, H., Hirai, Y. (2004) Chimpanzee chromosomes: rDNA silencing due to position effects heterochromatin. XX Congress of the International Primatological Society:Post-congress workshops, Primate cytogenetics and comparative genomics. (Aug. 2004, Firenze, Italy) Folia Promatologica 75(Supplement ): 5.
  2. Hirai, H., Wijayanto, H., Tanaka, H., Mootnick, A., Iskandriati, D., Perwitasari-F, D., Sajuthi, D. (2004) A chromosome landmark seoarating Sumatoran and Bornean agile gibbons. XX Congress of the International Primatological Society (Aug. 2004, Torino, Italy) Folia Promatologica 75(Supplement ): 112-113.
  3. Oyakawa, C., Tanaka, T., Koda, H. (2004) Variability in the duet of wild agile gibbons. Primate Reseach Institute, Kyoto University 21cCOE International Symposium :「Recent Perspectives on Diversity and Evolution of Primates」(Mar. 2005, Inuyama, Japan).
  4. Tanaka, H., Wijayant, H., Mootnick, A., Iskandriati, D., Perwitasari-Fallajallah, D., Sajuthi, D., Hirai, H. (2004) Molecular phylogenetic analyses of subspecific relationships in agile gibbons (Hylobates agilis) using mitochondrial and TSPY gene sequences. XX Congress of the International Primatological Society (Aug. 2004, Torino, Italy) Folia Plimatologica 75(Suppl. 1): 418.
  5. Watanabe, K., Urasopon, N. (2005) Monkey use human hair as dental floss. Primate Research Institute, Kyoto University 21COE International Symposium:「Recent Perspectives on Diversity and Evolution of Primates」(March 2005, Inuyama, Japan)
  6. 早野あづさ(2005)マイクロサテライトDNA解析からみたアジルテナガザルおよびミューラーテナガザルの遺伝的組成. 京都大学21世紀COEプログラム:生物多様性研究の統合のための拠点形成研究成果発表会(平成17年2月18日−19日,京都大学理学研究科)
  7. 早野あづさ, 田中洋之, Wijayanto, H., Perwitasari -Farajallah, D., Mootnick, A.R.,平井啓久 (2004) マイクロサテライト解析からみたアジルテナガザルおよびミューラーテナガザルの遺伝的組成. 第20回日本霊長類学会大会. (2004年7月,犬山).
  8. 早野あづさ, 吉岡基, 天野雅男, 鳥羽山照夫, 内田詮三, 濱崎英治, 中村雅之, 漁野真弘, 篠原正典, 白木原美紀, 原口涼子, 菱井徹, 森恭一 (2004) ミトコンドリアDNA解析からみた日本近海に生息するハンドウイルカの遺伝的組成. 日本哺乳類学会2004年度大会 (2004年10月,厚木).
  9. 平井啓久(2005)チンパンジーのゲノム不毛地帯の機能.京都大学21世紀COEプログラム:生物多様性研究の統合のための拠点形成研究成果発表会(平成17年2月18日−19日,京都大学理学研究科)
  10. 平井啓久, 平井百合子, アナ・カリナ・ザバラギレン, 田上哲也 (2004) ヒトとチンパンジーにおける核小体形成部位の不活性化機構. 第20回日本霊長類学会大会 (2004年7月,犬山) 霊長類研究 20(第20回日本霊長類学会大会プログラム・発表抄録集): 17.
  11. 平井啓久, Wijayanto, H., 田中洋之, Mootnick, A.R., 早野あづさ, Perwitasari-Farajallah, D., Iskandriati, D., Sajuthi, D. (2004) スマトラおよびボルネオアジルテナガザルを区別する顕著な染色体標識. 第76回日本遺伝学会大会 (2004年9月,大阪).
  12. 田中洋之(2005)TSPY遺伝子及びミトコンドリアDNAの系統分析によるアジルテナガザルの亜種間関係. 京都大学21世紀COEプログラム:生物多様性研究の統合のための拠点形成研究成果発表会(平成17年2月18日−19日,京都大学理学研究科)
  13. 田中洋之 (2005) TSPY遺伝子及びミトコンドリアDNAの系統分析によるアジルテナガザルの亜種間関係. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会:分子遺伝学による霊長類進化研究の現状と展望 (2005年3月,犬山市).
  14. 渡邊邦夫(2005)タイ,ロブリの歯磨きザル:旧世界ザルで見られた道具使用行動の例. 京都大学21世紀COEプログラム:生物多様性研究の統合のための拠点形成研究成果発表会(平成17年2月18日−19日,京都大学理学研究科)

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このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会