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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2004年度 > X 共同利用研究・研究成果−計画研究3「霊長類の発達加齢に関する多角的研究」

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.35 2004年度の活動

X 共同利用研究

2 研究成果 計画研究3「霊長類の発達加齢に関する多角的研究」

3-1 霊長類における内性器の発達及び機能に関する研究−発情周期に伴う前立腺特異抗原(PSA)の変動−

佐藤至(神奈川県警察・科学捜査研究所),清水慶子(京都大・霊長研)

【目的】「男児は出生後1ヶ月で母を介して異性の存在を知る−男は女より性的に早熟である」と言う仮説を将来的に立証する為,ヒトのモデルとなる霊長類レベルで実験を想定し,成獣においてもヒト男性と同じ性的成長を遂げているか調べた.

【研究方法】ケージ飼育環境(25℃前後,12時間照明)下の通年発情猿(ヒトモデル:アカゲサル3頭)と季節発情猿(ニホンサル3頭)の尿(蓄尿)を毎週1回ずつ1年間採取し,PSAとテストステロン(T)を測定した.

【研究成果】通年発情サルのPSAは,1年を通してその活性が認められた.季節発情サルのPSAはおおむね10月から1月までの間高く推移し,その後6月頃まで弱まり,8月以降再び活性は強まる傾向が認められた.季節発情サルのT値は,ほぼPSAとパラレルな変動を示した.季節発情サルの発情期(10〜2月)と非発情期(3〜9月)のPSAとTを比較した場合,両者とも発情期の方が非発情期より有意に高い値を示した.

季節発情サル3頭の内,メスのケージが両サイドに位置する1頭のT値は他2頭の約2倍高く,PSA活性も高い傾向を示した.また,そのPSA活性はメスの月経血観察日に連動して高くなる傾向が認められた.

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3-2 霊長類の各種の組織の加齢変化

東野義之,東野勢津子(奈良県立医科大・第一解剖)

心臓の加齢変化を明らかにするため,生後10日から33歳までの30頭のアカゲザルと日本ザルの心臓弁と心臓壁(主に心筋)の元素含量の加齢変化をプラズマ発光分析法により研究した.

サルの4種の心臓弁は共に1歳以下ではカルシウム,燐,イオウ,亜鉛の含量が非常に高く,その後成長に伴い急激に減少する.なお,20歳以上でも心臓弁にカルシウムや燐が全く蓄積されない.対照的に,60歳以上のヒトでは4種の心臓弁のうち大動脈弁と僧帽弁に多量のカルシウムと燐が蓄積される.これらの結果はアカゲザルや日本ザルの心臓が老齢期になってもほとんど障害されないことを示している.

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3-4 霊長類における脳の領域形成及び神経回路形成に関する研究

高橋浩士(三菱化学生命科学研究所),大石高生(京都大・霊長研)

脳の領域化および神経回路形成について,げっ歯類では分子レベルで多くの知見が得られているが,霊長類ではほとんどわかっていない.特に霊長類では前脳から派生する終脳の複雑化が生じているが,領野形成と遺伝子発現の相関すらわかっていない.そこでげっ歯類で領域特異的に発現する分子のサル相同遺伝子が,幼若サル脳(生後1ヵ月以内)において,どのように発現しているかin situハイブリダイゼーションを用いて検討した.げっ歯類において脳の領域特異的発現を示す遺伝子の相同遺伝子の多くは,サル脳においても機能的に相同とされる脳領域に発現していることが判明した.昨年,ヒトの遺伝性の言語障害の原因遺伝子であるFOXP2は,サル,ラットとも大脳皮質,基底核に,類似した発現パターンをする事を明らかにしたが,本年は同じファミリーに属する分子であるFOXP1,FOXP4の発現を調べたところ,大脳皮質および海馬ではサル,ラットで微妙な相違が見られた.また大脳皮質の領野或いは基底核の亜核に特異的に発現する遺伝子に関しては,サル,ラット脳での発現に不一致も散見された.今後さらに多くの遺伝子について詳細な検討を加える予定である.

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3-5 サルにおける成長ホルモンとその関連因子の機能解析

片上秀喜(宮崎大・医),清水慶子(京都大・霊長研)

グレリンは摂食とGH分泌促進作用を有する消化管ホルモンで,広く種属を超えて存在するが,その標的臓器はいまだ明らかではない.

これまで,私たちはヒトと近縁のマカクザルを用いて,血中および髄液中グレリン分泌動態とその分泌源について明らかにしてきた(H15年度報告書).今回,さらに,その分泌源について免疫組織化学とreal-time PCR法を用いて,視床下部GHRH産生neuronと比較検討した.対象は成熟オスマカクザルで,視床下部のグレリン・GHRHの含量・遺伝子発現量を定量し,胃全摘後の血中グレリン・GHRH・ソマトスタチン・GH濃度の変化について既報のintactグレリン1-28・GHRH・ソマトスタチン・GHの超高感度あるいは高感度測定法を用いて検討した.

グレリン産生細胞は胃体部粘膜層に多く分布し,遺伝子発現量は107-8コピー/μg全RNAと著しい発現が観察されたが,視床下部,大脳皮質や下垂体には産生細胞はみられず,遺伝子発現量も測定限界以下(102コピー/μg全RNA)であった.一方,GHRHは視床下部弓状核・正中隆起にほぼ限局的に分布し,大脳皮質や胃には観察されなかった.血中グレリンの由来を明らかにする目的で胃全摘をおこなうと,術後60分後の血中グレリン値は前値の1/20に低下した.一方,GHRH,ソマトスタチンやGH血中濃度は胃全摘術後も有意な変動を示さなかった.さらに,胃グレリンと視床下部GHRHの分子構造をあきらかにするため,RT-PCR,5’と3’RACEをおこなった.サルグレリンとGHRHはヒトグレリン(1-28)OHとGHRH(1-44)NH2とはそれぞれ11位部と34・38位のアミノ酸残基がことなっていることを明らかにした.

以上の成績から,グレリン産生細胞はマカクザルにおいても胃ペプタイドであり,視床下部や大脳には存在しないこと,末梢中グレリンの主な分泌源は胃体部であること,ペプチドの一次構造はGHRHと同様に種差があることが明らかとなった.

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このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会