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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2005年度 − III 研究活動 集団遺伝分野

京都大学霊長類研究所 年報

年報 Vol.36 2005年度の活動

III 研究活動

集団遺伝分野

川本芳(助教授),田中洋之(助手)

川本咲江(技能補佐員)

川合静(大学院生)

研究概要
A) ニホンザルの集団遺伝学的研究

川本芳, 川合静, 川本咲江

共同利用研究の計画研究「野生霊長類の保全生物学」のとりまとめ研究会を催した. 共同利用研究の成果に基づきミトコンドリア遺伝子変異の命名を統一し, 各地の分布情報をとりまとめ, 変異記載に関する基準化を進めた.またニホンザルの成立過程に関する研究成果を博物館公開講座(京都大学,神奈川県立博物館),国際学会等で発表した.さらにニホンザルにみられるY染色体マイクロサテライトDNA多型の調査結果について第21回日本霊長類学会で発表した.

B) マカカ属サルの系統関係

川本芳

アッサムモンキーとアカゲザルの地域集団分化の分析を進めた.アッサムモンキーではミトコンドリア遺伝子の多様性に関してブータンとインドシナ(タイとラオス)の集団比較を行った結果をまとめ,インド東北部アルナチャールプラデシュで発見された新種 *Macaca munzala*との関係,ヒマラヤ山岳地帯でのアカゲザルとの生息地分化の問題点を検討した。10月にバングラデシュを訪れ,ダッカ市内のアカゲザル群を観察し,現地研究者と今後の共同研究計画について検討を行った。

C) マカカ属サルの交雑に関する遺伝学的研究

川本芳, 川合静, 川本咲江

12月に千葉県房総半島でアカゲザルとニホンザルの交雑群の生息実態調査に参加し,糞試料を用いた遺伝的モニタリングを進めた.また,和歌山県ではタイワンザル交雑群の遺伝学的調査を継続している.倉敷で開催された第21回日本霊長類学会で自由集会を催しこれらの研究結果を発表した.また,札幌で開催された第9回国際哺乳類学会、タイのバンコクで開催された国際シンポジウムでも交雑問題に関する研究成果を発表した.さらに,交雑評価に利用できるNRAMP1(natural resistance-associated macrophage protein 1)のDNA変異について論文を公表した。下北半島のタイワンザル群の交雑状況に関する研究成果を論文として公表した.

D) マダガスカル産原猿類の遺伝学的研究

川本芳

市野進一郎氏(京大アジアアフリカ地域研)との共同利用研究で,ベレンティー保護区のワオキツネザル群のマイクロサテライト遺伝子変異の分析を継続している.今年度は父子判定にもとづくオスの繁殖状況の解析結果を第21回日本霊長類学会で発表した.郷康広氏(総合研究大学院大学)によるアイアイの主要組織適合性抗原遺伝子の進化に関する研究に協力し、その成果を論文公表した。

E) 閉鎖集団として維持される実験用サル類の集団遺伝学的研究

田中洋之, 森本真弓(人類進化モデル研究センター), 釜中慶朗(人類進化モデル研究センター), 松林清明(人類進化モデル研究センター), 川本芳

本研究は,当研究所のニホンザルおよびアカゲザルの閉鎖集団を対象にして,家系の解明と集団の遺伝的変異性および近交度の変化を明らかにすることを目的にすすめている.今年度は,引き続き,マイクロサテライトDNA分析を継続し,また.定期検診で採集したサルの血液試料からDNA試料を調製した.さらに古い保存血液からのDNA抽出を可能にする機器を整えた.

F) 家畜化現象と家畜系統史の研究

川本芳

10月にブータンを訪れ,農業省との共同研究でウシ科のミタンと家畜牛の交雑状況を調査した.また同省の研究施設で乳タンパク質の等電点電気泳動分析を行い,交雑評価に有効な遺伝標識の開発を行った.現在この標識を利用して集団調査が進んでいる.調査の概要について福岡市で開催された日本畜産学会第106回大会で発表した.また昨年度まで調査をおこなってきた南米アンデス高地におけるラクダ科動物(リャマとアルパカ)の家畜化に関する研究成果を報告書にして公表し,書籍の出版準備を進めている.

G) ハナバチの歴史生物地理学的研究

田中洋之

本研究は,ボルネオ島及びスラウェシ島に生息するミツバチ属の系統地理を研究し,これらの島の生物多様性をかたちづくった生物地理学的進化のプロセスを明らかにすることを目的にしている.今年度は,マレーシア・サラワク州に2回,21世紀COE共同プロジェクトでサバ州に1回の調査を行い,ミツバチを採集した.現在,分子遺伝学的解析を進めている.ボルネオミツバチの遺伝的分化に関する論文が出版された.また,スラウェシ島に分布する3種のミツバチの系統地理について分析結果をまとめ,日本生態学会第53回大会で発表した.

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研究業績
  1. Go, Y., Rakotoarisoa, G., Kawamoto, Y., Shima, T., Koyama, N., Randrianjafy, A., Mora, R., Hirai, H. (2005) Characterization and evolution of major histocompatibility comple class I genes in the aye-aye, Daubentonia madagascariensis. Primates 46(2): 135-139.
  2. Hirai, H., Wijayanto, H., Tanaka H., Mootnick, A., Hayano, A., Perwitasari-Farajallah D., Iskandriati D., Sajuthi, D. (2005) A whole-arm translocation (WAT8/9) separating Sumatran and Bornean agile gibbons, and its evolutionary features. Chromosome Research 13: 123-133.
  3. Kawamoto, Y. (2005) NRAMP1 polymorphism in a hybrid population between Japanese and Taiwanese macaques in Wakayama, Japan. Primates 46(3): 135-139.
  4. Suka, T., Tanaka, H. (2005) New mitochondrial CO1 haplotypes and genetic diversity in the honeybee *Apis koschevnikovi* of the Crocker Range Park, Sabah, Malaysia. Journal of Tropical Biology and Conservation 1(1): 1-7.
  5. 川本芳, 川本咲江, 川合静 (2005) 下北半島におけるタイワンザルとニホンザルの交雑. 霊長類研究 21(1): 11-18.
報告
  1. Kurachi, M., Yamagata, T., Kawamoto, Y., Mannen, H., Kurosawa, Y., Tanaka, K., Nishibori, M., Nomura, K., Namikawa, T., Samphors, E., Sattya, E., Sidoeun, B., Srun, E., Vath, K., Valy, C., Bundoeun, S., Bunthon, C., Tean, B., Loan, C.P. (2006) Morphological, mitochondrial DNA and blood protein variants of wild musk shrews (Suncus murinus) in Cambodia. Report of the Society for Researches on Native Livestock 23: 125-143.
  2. 稲村哲也, 川本芳 (2005) アンデスのラクダ科動物とその利用に関する学際的研究 −文化人類学と遺伝学の共同−. 国立民族学博物館調査報告 55: 119-174.
分担執筆
  1. 川本芳 (2005) ケモノたちはどのように定着したか. “日本の動物はいつどこからきたのか:生物地理学の挑戦” : 40-46, (京都大学総合博物館 編) 岩波書店, 東京.
  2. 川本芳 (2005) 遺伝子からみた多様性と人間の特徴. “生物多様性はなぜ大切か?” : 73-96, (日高敏隆 編) 昭和堂, 京都.

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学会発表等
  1. Kawamoto, Y., Ohsawa, H., Muroyama, Y., Goto, S., Shirai, K., Morimitsu, Y., Araki, S., Maekawa, S., Nigi, H., Torii, H., Maruhashi, T., Nakagawa, N., Other members of the Working Group of Wakayama Taiwanese macaques. (2005) Hybridization of introduced Taiwanese macaques with native Japanese macaques in Wakayama prefecture, Japan. 第9回国際哺乳類学会大会 (Jul. 2005, 札幌).
  2. Kawamoto, Y., Ohsawa, H., Muroyama, Y., Goto, S., Shirai, K., Morimitsu, Y., Araki, S., Maekawa, S., Nigi, H., Torii., H., Maruhashi, T., Nakagawa, N., the Working Group of Wakayama Taiwanese Macaques. (2005) Hybridization of introduced Taiwanese macaques with native Japanese macaques in Wakayama Prefecture, Japan. International Symposium on Southeast Asian Primate Research (Oct. 2005, Bangkok, Thailand) The Natural History Journal of Chulalongkorn University Supplement(1): 94.
  3. Kawamoto, Y. (2005) Population genetics and its application for conservation with examples of Japanese macaques. International Symposium on Southeast Asian Primate Research (Oct. 2005, Bangkok, Thailand) The Natural History Journal of Chulalongkorn University October 2005(Supplement 1): 85-86.
  4. Kawamoto, Y. (2005) Population genetics and phylogeography of Japanese macaques. IX International Mammalogical Congress (Jul. 2005, 札幌, ) Abstracts : 37.
  5. Ohsawa, H., Morimitsu, Y., Kawamoto, Y., Muroyama, Y., Maekawa, S., Nigi, H., Tori, H., Goto, S., Maruhashi, T., Nakagawa, N., Nakatani, J., Tanaka, T., Hayakawa, S., Yamada A., Hayaishi, S., Seino, H., Saeki, M., Kawai, S., Hagiwara, H., Suzuki, K., Suzuki, K., Uetsuki, S., Okano, M., Okumura, T., Yoshida, A., Yokoyama, N. (2005) Population explosion of Taiwanese macaques in Japan. , 1: , Chulalongkorn University. International Symposium on Southeast Asian Primate Research (Oct. 2005, Bangkok, Thailand) The Natural History Journal of Chulalongkorn University Supplement(1): 55-60.
  6. 市野進一郎, 川本芳, 宮本直美, 小山直樹, 平井啓久 (2007) マイクロサテライトDNAマーカーを用いたワオキツネザルの父子判定. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Suppl.): S8.
  7. 川本芳, 庄武孝義, 野澤謙, 川本咲江, 高木直樹 (2005) Y染色体マイクロサテライトDNA多型からみたニホンザルの遺伝的分化. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Suppl.): S6-S7.
  8. 森光由樹, 白井啓, 岡野美佐夫, 奥村忠誠, 吉田敦久, 横山典子, 清野紘典, 和秀雄, 川本芳, 大沢秀行, 後藤俊二, 室山泰之, 早川祥子, 田中俊明, 山田彩, 中川尚史, 早石周平, 鳥居春己, 丸橋珠樹, 前川慎吾, 仲谷淳, 川合静, 鈴木邦彦, 植月純也, 萩原光, 鈴木克哉, 佐伯真美, 和歌山タイワンザルワーキンググループ (2005) 和歌山タイワンザルの現状報告. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷).
  9. 中川尚史, 後藤俊二, 清野紘典, 森光由樹, 和秀雄, 大沢秀行, 川本芳, 室山泰之, 岡野美佐夫, 奥村忠誠, 吉田敦久, 横山典子, 鳥居春己, 前川慎吾, 他和歌山タイワンザルワーキンググループのメンバー (2005) 無人ビデオ撮影によるタイワンザル交雑群のカウント成功例. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷).
  10. 並河鷹夫, Dorji, T., Thering, G., 川本芳, 山本義雄 (2006) ブータンにおける在来家畜および近縁野生種の遺伝資源学的研究 3.牛の伝統的交配様式とその遺伝学的検証の必要性. 日本畜産学会第106回大会 (2006年3月, 福岡).
  11. 大沢秀行, 森光由樹, 川本芳, 室山泰之, 前川慎吾, 和秀雄, 鳥居春己, 後藤俊二, 丸橋珠樹, 中川尚史, 仲谷淳, 田中俊明, 早川祥子, 山田彩, 早石周平, 清野紘典, 佐伯真美, 川合静, 萩原光, 鈴木克哉, 鈴木邦彦, 植月純也, 岡野美佐夫, 奥村忠誠, 吉田敦久, 横山典子 (2005) 和歌山県下の交雑タイワンザル集団の第5回調査報告(2004年9月)および今後の予測. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement): 36-37.
  12. 大澤秀行, 川本芳, 中川尚史, 伊谷源一 (2005) ニホンザルをめぐる外来種問題の現状と課題. 第21回日本霊長類学会大会 自由集会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement): x.
  13. 田中美希子, 田中洋之, 平井百合子, 平井啓久 (2006) チャイロキツネザル種間雑種個体群の染色体分析. 第53回日本生態学会大会 (2006年3月, 新潟) 第53回日本生態学会大会講演要旨集 : 355.
  14. 田中洋之, 須賀丈, Kahono, S., 渡邊邦夫, Roubik, D. (2006) インドネシア・スラウェシ島に生息するミツバチ属の系統地理. 第53回日本生態学会大会 (2006年3月, 新潟) 第53回日本生態学会大会講演要旨集 : 377.
講演
  1. 川本芳 (2005) ケモノたちの来た道 −ニホンザルを中心に−. 京都大学総合博物館第18回公開講座「日本の動物はいつどこからきたのか」 (2005年11月, 京都).
  2. 川本芳 (2005) 最近のサル学〜遺伝子からニホンザルとヒトを見る〜. 神奈川県立生命の星・地球博物館講演会 中津層群のサル化石とサル学 (2005年8月, 小田原).
その他
  1. 川本芳 (2005) 遺伝学と厩猿. 平成16年度牛の博物館友の会シンポジウム 牛馬の守護神 厩猿信仰 : 9-14.
  2. 川本芳 (2006) フィールド調査における遺伝学的試料収集の方法−バングラデシュにおける事例. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会 アジア・アフリカ圏哺乳類現地調査におけるマテリアルエビデンスの可能性 .
  3. 川本芳 (2006) ミトコンドリアDNA変異からみたニホンザルの地域性. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会 野生霊長類の保全生物学 .
  4. 川本芳 (2006) 遺伝子から見たニホンザルの地域分化. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会 霊長類野外研究の将来 .
  5. 川本芳 (2006) 遺伝子による管理単位の判定とモニタリング. 農林水産省プロジェクト「野生鳥獣による農林業被害軽減のための農林生態系管理技術の開発」成果の紹介 : 2.

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このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会