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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2005年度 − III 研究活動 社会構造分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.36 2005年度の活動

III 研究活動

社会構造分野

森明雄(教授),大澤秀行(助教授),杉浦秀樹(助手)

郷(深谷)もえ,鈴木真理子(大学院生)

研究概要
A) ヒヒ類の研究

森明雄, 杉浦秀樹

サウジアラビア・タイフ市のダムとアル・ルーダフ公園を利用するマントヒヒの群で,個体群動態,行動学的,社会学的調査を行なってきた.2004年で現地調査は終了し,2005年度はまとめを行った.イヤー・タッグで標識した個体の生存と所属するユニットを調べて社会構造の経年変化の分析を進めてきた.調査対象のダム・サイト集団は巨大な集団を作って生活している.ワン・メイル・ユニットの存在は明瞭であるが,クランやバンドといったエチオピアで見られた重層社会の上部構造の輪郭は不明瞭だった.エチオピア群と較べて個体はユニット間を容易に移動し,地域間の移動も起きているという証拠が得られた.

B) 中央アフリカ乾燥サバンナにおける霊長類の社会生態学的野外研究

大澤秀行

カメルーン北部でパタスモンキーの野外研究を1986年以来行っている.今年度は最終年であるため,これまでに取り貯めたパタスモンキーの行動および環境の写真とビデオのデジタル化を行い,共用に供するためそのデータベースを作成中である.またパタスモンキーの社会変動に関する進化的安定戦略の考察をはじめ,その予報を小論に記した.

C) ニホンザルの個体群動態・生活史・繁殖とその生態学的決定要因の研究

森明雄, 大澤秀行, 杉浦秀樹, 郷もえ, 鈴木真理子

宮崎県幸島では,主群を避けて島の片隅に生きる小さな分裂群の観察を前年度に引き続き行った.採食樹の秋の結実とサルによる利用の年変動を10月,11月に観察して検討している.2005年度の秋の実りは,10月の中心的食物であるムベの採食が下旬にも見られた.また,海岸斜面に大量のシャリンバイの実がなったため,サルにとっては豊富な食物条件だったと考えられる.ただ,過去6年間の観察では果実は実っていても採食のほとんど見られなかったシロダモの実が11月の重要な食物となったのは,それほど食物条件が良かったとはいえないのかもしれない.6年間の秋の調査を振り返ってみると,採食条件は毎年毎年変化しており,果実採食には不安定要因がつきまとっていることが分かった(森).幸島のニホンザルの採食場所の選択を,サルの利用と食物利用可能度の観点から分析した(深谷).高崎山の餌付け集団を対象にその継続個体数調査資料から,給餌量の変化と個体数増加率変化の関係を,出産率,幼児死亡率,初産年令など様々な人口学的変数との関わりで分析した.分析は高崎山の管理者である大分市の教育委員会栗田博之氏が中心になって行い,その結果をタイ国チェラロンコン大学の紀要に投稿した(大澤).宮城県・金華山,鹿児島県・屋久島西部海岸地域の野生群を対象に,個体群動態の継続調査を実施した(杉浦,鈴木).

D) 交雑タイワンザル群の生息状況と交雑化の現状の研究

大澤秀行

1950年代に野生化したと思われる和歌山市周辺のタイワンザル集団の調査を1998年から行っている.調査は,集団遺伝学,保全生態学,形態学,獣医学の研究者らと広く協力しながら行っている.今年度は,2004年度に行った個体数センサスとこれまでに得た人口学的変数から個体数増加の予測を行ない,タイ国チェラロンコン大学の紀要に投稿した.

E) タイ国における5種のマカクの分布および分布要因の研究

大澤秀行

タイ国には5種のマカクが分布しており,中部のファイカーケン地域では5種全てが生息しているといわれている.昨年度に引き続きこの5種のマカクの分布記録を分析,とくにアカゲザルの分布南限とカニクイザルの分布北限の分析を行い,2006年度の調査を策定した.分析結果の一部は共同利用研究会で発表した.

F) ウガンダのカリンズ森林における霊長類の生態学的研究

郷もえ

混群(異種どうしがともに移動し採食する現象)が形成されるメカニズムを明らかにするために,2004年ウガンダ共和国カリンズ森林にて収集した,アカオザル,アオザル,ロエストザルの遊動と採食に関するデータを解析した.

G) ニホンザルにおける群れの空間的なまとまりに関する行動学的研究

鈴木真理子, 杉浦秀樹

屋久島に生息するヤクシマザルを対象に、ニホンザルの群れの空間的まとまりがいつ,何によって保たれているかを明らかにするため、他個体との位置関係とそれに関連した行動のデータ収集と解析を行った.その結果、群れが広がると視覚的な探索が増え、発声頻度も上がることが示唆された(鈴木).ニホンザルの群の空間的な広がりや,サブグルーピングを同時個体追跡によって記録し、解析した(杉浦).

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研究業績
原著論文
  1. Barrett, G.M., Bardi, M., Zavala Guillen, A.K., Mori, A., Shimizu, K. (2006) Regulation of sexual behaviour in male macaques by sex steroid modulation of the serotonergic system. Experimental Physiology 91: 445-456.
  2. Nakayama, K., Goto, S., Kuraoka, K., Nakamura, K. (2005) Decrease in nasal temperature of rhesus monkeys (Macaca mulatta) in negative emotional state. Physiology & Behavior 84: 783-790.
  3. Tanaka, T., Sugiura, H., Masataka, N. (2006) Cross-Sectional and longitudinal Studies of the Development of Group Differences in Acoustic Features of Coo Calls Two Groups of Japanese Macaques. Ethology 112: 7-21.
  4. Ueno, A. (2005) Development of co-feeding behavior in young wild Japanese macaques (Macaca fuscata). Infant Behavior & Development 28: 481-491.

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総説
  1. 大澤秀行 (2005) 霊長類社会の多様性とその進化. 化学と生物 43(5): 305-309.
分担執筆
  1. Ueno, A. (2006) Food sharing and referencing behavior in chimpanzee mother and infant. “Cognitive development in chimpanzees” : 172-181, (ed. Matsuzawa T., Tomonaga M., Tanaka M.) Springer-Verlag, Tokyo.

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学会発表等
  1. Fukaya, M. (2005) Movement patterns and related associations of three sympatric Cercopithecus species, in the Kalinzu Forest, UGANDA. 第9回国際哺乳類学会 (Aug. 2005, 札幌, ).
  2. Kawamoto, Y., Ohsawa, H., Muroyama, Y., Goto, S., Shirai, K., Morimitsu, Y., Araki, S., Maekawa, S., Nigi, H., Torii, H., Maruhashi, T., Nakagawa, N., Other members of the Working Group of Wakayama Taiwanese macaques. (2005) Hybridization of introduced Taiwanese macaques with native Japanese macaques in Wakayama prefecture, Japan. 第9回国際哺乳類学会大会 (Jul. 2005, 札幌, 日本).
  3. Kawamoto, Y., Ohsawa, H., Muroyama, Y., Goto, S., Shirai, K., Morimitsu, Y., Araki, S., Maekawa, S., Nigi, H., Torii., H., Maruhashi, T., Nakagawa, N., the Working Group of Wakayama Taiwanese Macaques. (2005) Hybridization of introduced Taiwanese macaques with native Japanese macaques in Wakayama Prefecture, Japan. International Symposium on Southeast Asian Primate Research (Oct. 2005, Bangkok, Thailand) The Natural History Journal of Chulalongkorn University Supplement(1): 94.
  4. Koda, H., Shimooka, Y., Sugiura, H. (2005) Do wild Japanese macaques modify their rate of contact calls in response to the environment? IX International Mammalogical Congress (Aug. 2005, Sapporo, Japan).
  5. Kurita, H., Sugiyama, Y., Ohsawa, H. (2005) Population dynamics of Japanese macaques (Macaca fuscata) at Takasakiyama, Japan. International Symposium on Southeast Asian Primate Research "Biodiversity Study from DNA to Ecosystem" (Oct. 2005, Bangkok, Thailand) The Natural History Journal of Chulalongkorn University Supplement(1): 99.
  6. Ohsawa, H., Morimitsu, Y., Kawamoto, Y., Muroyama, Y., Maekawa, S., Nigi, H., Tori, H., Goto, S., Maruhashi, T., Nakagawa, N., Nakatani, J., Tanaka, T., Hayakawa, S., Yamada A., Hayaishi, S., Seino, H., Saeki, M., Kawai, S., Hagiwara, H., Suzuki, K., Suzuki, K., Uetsuki, S., Okano, M., Okumura, T., Yoshida, A., Yokoyama, N. (2005) Population explosion of Taiwanese macaques in Japan. , 1: , Chulalongkorn University. International Symposium on Southeast Asian Primate Research (Oct. 2005, Bangkok, Thailand) The Natural History Journal of Chulalongkorn University Supplement(1): 55-60.
  7. Oyakawa, C., Koda, H., Tanaka, T., Sugiura, H. (2005) Variability in the duet of wild agile gibbons. IX International Mammalogical Congress (Aug. 2005, Sapporo, Japan).
  8. Shimooka, Y., Sugiura, H., Tsuji, Y. (2005) Subgrouping of wild Japanese macaques on Kinkazan Island - simultaneous observation on two individuals using GPS. Kyoto conference - Delphinid and Primate Social Ecology: A Comparative Discussion (Jul. 2005, Kyoto, Japan).
  9. Shimooka, Y., Sugiura, H., Yamato, T. (2005) Subgrouping of wild Japanese macaques on Kinkazan Island - simultaneous observation on two individuals using GPS. IX International Mammalogical Congress (Aug. 2005, Sapporo, Japan).
  10. 藤田志歩, 杉浦秀樹, 佐藤静枝, 高橋弘之, 辻大和, 風張喜子 (2006) 野生ニホンザルの繁殖パラメータに影響を及ぼす要因 . 第53回日本生態学会大会 (2006年3月, 新潟).
  11. 深谷もえ (2005) 同所的に生息するCercopithecus属3種の遊動パターンと混群形成. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 岡山) 霊長類研究 21(Supplement).
  12. 深谷もえ (2006) 2種のオナガザルの遊動ルートと混群形成. 第53回日本生態学会 (2006年3月, 新潟).
  13. 香田啓貴, 下岡ゆき子, 杉浦秀樹 (2005) 野生ニホンザルにおける発声頻度の地域差. 日本霊長類学会第21回大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement).
  14. 森明雄, 山根明宏, 岩本俊孝, 杉浦秀樹, 庄武孝義, ブーク・アフメド (2005) サウジアラビアのマントヒヒ共生群の社会構造:地域集団. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement).
  15. 森光由樹, 白井啓, 岡野美佐夫, 奥村忠誠, 吉田敦久, 横山典子, 清野紘典, 和秀雄, 川本芳, 大沢秀行, 後藤俊二, 室山泰之, 早川祥子, 田中俊明, 山田彩, 中川尚史, 早石周平, 鳥居春己, 丸橋珠樹, 前川慎吾, 仲谷淳, 川合静, 鈴木邦彦, 植月純也, 萩原光, 鈴木克哉, 佐伯真美, 和歌山タイワンザルワーキンググループ (2005) 和歌山タイワンザルの現状報告. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷).
  16. 中川尚史, 後藤俊二, 清野紘典, 森光由樹, 和秀雄, 大沢秀行, 川本芳, 室山泰之, 岡野美佐夫, 奥村忠誠, 吉田敦久, 横山典子, 鳥居春己, 前川慎吾, 他和歌山タイワンザルワーキンググループのメンバー (2005) 無人ビデオ撮影によるタイワンザル交雑群のカウント成功例. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷).
  17. 大沢秀行, 森光由樹, 川本芳, 室山泰之, 前川慎吾, 和秀雄, 鳥居春己, 後藤俊二, 丸橋珠樹, 中川尚史, 仲谷淳, 田中俊明, 早川祥子, 山田彩, 早石周平, 清野紘典, 佐伯真美, 川合静, 萩原光, 鈴木克哉, 鈴木邦彦, 植月純也, 岡野美佐夫, 奥村忠誠, 吉田敦久, 横山典子 (2005) 和歌山県下の交雑タイワンザル集団の第5回調査報告(2004年9月)および今後の予測. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement): 36-37.
  18. 大澤秀行, 川本芳, 中川尚史, 伊谷源一 (2005) ニホンザルをめぐる外来種問題の現状と課題. 第21回日本霊長類学会大会 自由集会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement): x.
  19. 大澤秀行 (2006) タイの国立公園・野生生物サンクチュアリーでの分布生息実態調査. アジア・アフリカ圏哺乳類現地調査における マテリアルエビデンスの可能性 京都大学霊長類研究所共同利用研究会 (2006年2月, 犬山).
  20. 親川千紗子, 香田啓貴, 田中俊明, 杉浦秀樹 (2005) アジルテナガザルのデュエットにおける変異性. 21回日本霊長類学会 (2005年7月, 倉敷).
  21. 下岡ゆき子, 杉浦秀樹, 辻大和 (2005) ニホンザルの群れの広がりII:近接の維持とコミュニケーション. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement).
  22. 杉浦秀樹, 下岡ゆき子, 辻大和 (2005) ニホンザルの群れの広がりI:広がりに影響する要因. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement).
  23. 鈴木真理子, 長谷川雅美 (2005) ニホンザルの泊まり場選択における温度環境の影響. 第21回日本霊長類学会大会 (2005年7月, 倉敷) 霊長類研究 21(Supplement).

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