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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2006年度 − III 研究活動 遺伝子情報分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.37 2006年度の活動

III 研究活動

遺伝子情報分野

平井啓久(教授),今井啓雄(助教授)

中村伸(助手),淺岡一雄(助手)

光永総子(教務補佐員)

平井百合子(技能補佐員)

橋本寛之,出井早苗,早矢仕みか(技術補佐員)和田晃(受託研究員)

田中美希子,Jeong,A-Ram,村田貴朗(大学院生)

<研究概要>
A-1)テナガザルの高染色体変異維持機構の探索

平井啓久

テナガザル類はほ乳類のなかで最も多くの染色体変異を蓄積している.それはマカク類の17倍にもなる.その機序を解明する緒として,マカク類とテナガザルの減数分裂太糸期の核サイズを計測した.

A-2)テナガザル類の系統地理学

平井啓久, 早野あづさ(非常勤研究員)

平井百合子,Hery Wijayanto (ガジャマダ大学講師),DyahPerwitasari-Farajallah (ボゴール農科大学講師), Yong Hoi Sen (マラヤ大学名誉教授),桐原陽子(いしかわ動物園)

スマトラとマレー半島のテナガザル類の系統地理学を解析する目的で,昨年に引き続きスマトラ由来のシロテテナガザル,フクロテナガザル,アジルテナガザルの血液試料を収集し染色体とDNA精製をおこなった.国内で見つかったテナガザルの属間雑種(Hylobates/Nomascus)個体の染色体解析から両親の種を推定した.

A-3)ヨザルの染色体変異の解析

平井百合子, 釜中慶朗, 兼子明久,森本真弓(人類進化モデル研究センター), 平井啓久

染色体数の異なる異種間雑種個体に生じた染色体変異の形成機序を,染色体顕微切断技術を用いて行った.相互転座,トリソミー等のメカニズムが明らかになりつつある.

A-4)チャイロキツネザル種間雑種集団の生態学的および遺伝学的研究

田中美希子, 田中洋之(集団遺伝分野), 平井啓久

本研究は,マダガスカルのベレンティ私設保護区に生息するチャイロキツネザル雑種集団の生態学的および遺伝学的特徴を明らかにすることを目的としている.今年度は,この集団の雑種化の状況を調査するため, マイクロサテライト DNA 分析をおこない,雑種集団とその創始者である2種の純粋集団を比較した結果をまとめた.また,生息地利用と社会構造についての分析結果をまとめた論文を投稿し,ウェブ公開された(2007年中に雑誌に掲載予定).


A-5)新世界ザルにおけるY染色体特異的DNAプローブの作製と解析

村田貴明, 平井百合子,今井啓雄, 平井啓久

矮小化した新世界ザルのY染色体の進化を解析する目的で,染色体顕微切断法を用いて5種(コモンマーモセット,ワタボウシタマリン,コモンリスザル,フサオマキザル,ケナガクモザル)のY染色体特異的プローブを作製した.そのプローブを用いて5種間相互の反応特性を解析した.

B) 霊長類の感覚に対する分子レベルからのアプローチ

今井啓雄

様々な霊長類の主に視覚・嗅覚などの受容体の生物物理化学的理解を目指し,遺伝子クローニングとタンパク質発現による機能解析を行った.

C-1) 霊長類機能遺伝子の網羅的発現プロファイルに関する研究

中村伸, 光永総子, 出井早苗, Jeong,A-Ram

i) 霊長類の機能ゲノム特性を明らかにする一環として,ヒトとマカク類の種特異的およびマカク類での発達・加齢(胎仔期,新生仔期,成熟期,老齢期)に伴う主要機能遺伝子の発現プロファイルを比較検討している.

ii) カニクイザルにおいてSRV-D感染時に,Th1/Th2サイトカインとその受容体について,遺伝子発現および血中タンパク質レベルでの亢進が見られた(ジョン・アラム)(高野 淳一朗,藤本浩二 (予防衛生協会)らとの共同研究)

C-2) 霊長類でのバイオメディカル研究

中村伸, 光永総子, 出井早苗

サルモデルを活用した以下のバイオメディカル研究を展開している.

i) ディゼル排気微粒子成分などナノ粒子の安全性・生体影響に関するゲノム・バイオメディカル研究を展開している.(武田健(東京理科大学薬学部),菅又昌雄(栃木臨床病理研究所)らとの共同研究)

ii) 疾病(ガン・糖尿病)個体における特定機能遺伝子の探索など,疾病に関わるゲノムイベントを検討している.

iii) 機能性食品(イヌリン,ダイズ成分など)体調機能・作用の分子基盤解析を通じて,そのハイスループト評価試験系の確立を進めている.

?) 腸内細菌叢(フローラ)の動態について糞便を用いたPCR解析法を検討している.

C-3) サルBウイルスおよび関連ヘルペスウイルスに関する研究

光永総子, 中村伸, Richard Eberle(オクラホマ大)

HVP2-ELISAの改良法を確立し,飼育下マカクサルのストレス負荷に伴うBVの再活性化について検討し,移送,ケージ替および繁殖期(放飼場)におけるBVの再活性化の可能性を示した.

C-4) 組織因子(Tissue Factor : TF, CD142)に関する分子細胞生物学的研究

中村伸

TF遺伝子発現の低酸素応答(hypoxia response)やエピゲネティック調節などについて,細胞株あるいは末梢血白血球を用いた解析を進めている.

D-1)霊長類の胎生期における分子発現および転写調節の研究

淺岡一雄, 早矢仕みか,釜中慶朗(人類進化モデル研究センター),鈴木樹理(人類進化モデル研究センター),脇田真清(行動発現分野)

環境化学物質の霊長類への影響は胎生期に特に大きいことが知られた.このため,霊長類の胎生発達期における分子発現や転写調節を明らかにするためにグロビン分子および転写因子などの核酸プールについて調べ報告を行った.

D-2)植物エストロゲンの癌細胞や骨代謝への生理的影響の研究

淺岡一雄, 早矢仕みか,濱田穣(形態進化分野)

タイのチュラルンコン大学の研究者との共同研究において植物成分ゲニスタインの癌細胞への影響およびタイ薬草の骨代謝への影響を研究している.タイ薬草の植物成分は骨細胞の減少を防ぐ効果を示し論文にまとめた.

<研究業績>
原著論文 

1) Fitzpatrick, J., Hirai ,Y., Hirai, H., Hoffman KF. (2007) Schistosome egg production is dependent upon the activities of two developmentally regulated tryosinases. FASEB Journal 21: 823-835.

2) Hirano, T., Fujioka, N., Imai, H., Kandori, H., Wada, A., Ito, M., Shichida, Y. (2006) Assignment of the Vibrational Modes of the Chromophores of Iodopsin and Bathoiodopsin : Low-Temperature Fourier Transform Infrared Spectroscopy of 13C- and 2H-labeled Iodopsins. Biochemistry 45: 1285-1294.

3) Imai, H., Kefalov, V., Sakurai, K., Chisaka, O., Ueda, Y., Onishi, A., Morizumi, T., Fu, Y., Ichikawa, K., Nakatani, K., Honda, Y., Chen, J., Yau, K., Shichida, Y. (2007) Molecular properties of rhodopsin and rod function. Journal of Biological Chemistry 282(9): 6677-6684.

4) Mitsunaga, F., Nakamura, S., Hayashi, T., Eberle, R. (2007) Change in the Titer of Anti-B Virus Antibody in Captive Macaques. Comp. Med. 57: 37-41.

5) Terai, Y., Seehausen, O., Sasaki, T., Takahashi, K., Mizoiri, S., Sugawara, T., Sato, T., Watanabe, M., Konijnendijk, N., Mrosso, H., Tachida, H., Imai, H., Shichida, Y., Okada, N. (2006) Divergent Selection on Opsins Drives Incipient Speciation in Lake Victoria Cichlids. PLoS Biol. 4(12): e433.

6) Ueda, Y., Tammitsu, N., Imai, Y., Honda, Y., Shichida, Y. (2006) Recovery of Rod-mediated a-wave during Light-Adaptation in mGluR6-deficient Mice.Vision Research 46: 1655-1664.

7) Urasopon, N., Hamada, Y., Asaoka, K., Cherdshewasart, W., Malaivijitnond, S. (2007) Pueraria mirifica, a phytoestrogen-rich herb, prevents bone loss in orchidectomized rats. Maturitas 56: 322-331.

8) Wu, W., Niles EG, Hirai H, LoVerde PT. (2007) Identification and characterization o a nuclear receptor subfamily I member in the Platyhelminth Schistosoma mansoni (SmNR1). FEBS Journal 274: 390-405.

9) Yamate, J., Tomita, A., Kuwamura, M., Mitsunaga, F., Nakamura, S. (2007) Spontaneous Peritoneal mesothelioma in a Geriatric Japanese Macaque (Macaca fuscata). Exp. Anim. 56: 155-159.

総説 

1) 光永総子, 中村伸 (2006) 霊長類を用いた胎仔遺伝子導入,サルとヒヒを用いた

心・肺移植と遺伝子導入法. (川内基裕編,日本医学館) : 73-80.

2) 中村伸 (2007) ニホンザルのアレルギーに学ぶこと,喘息 . 20 26-31.

3) 中村伸 (2006) サルのアレルギーモデルの特徴,アレルギー・免疫. 13 64-73.

報告 

1) 中村伸, 光永総子, 橋本寛之, 出井早苗, 林隆志, Joseph, G. (2006) 大豆食

品・成分による閉経性/加齢性機能障害の予防作用. サルモデルでのゲノム医生物

学的研究(III)ダイズタンパク質研究 9: 1-8.

学会発表等 

1) Asaoka, K., Hayashi, M., Kamanaka, Y., Suzuki, J., Wakita, M., Hirayama, K., Okamura, H. (2006) Transcription factors for the switching of globins during embryo-fetus by the analyses of clonings and DNA chips. 20th IUBMB International Congress of Biochemistry and Molecular Biology and 11th FAOBMB Congress (Jun. 2006, Kyoto, 日本).

2) Asaoka, K., Hayashi, M., Kamanaka, Y., Suzuki, J., Wakita, M., Hirayama, K., Okamura, H. (2006) Usage of the network of purine and pyrimidine nucleotides in an embryo-fetus on primate and its DNA chip development. International Roundtable on Nucleoside, Nucleotides and Nucleic Acids (Sep. 2006, Bern, Switzerland).

3) Hirai, H. (2007) Chromosome differentiation of agile gibbons. Symposium of Asian Primatology and Mammalogy. (Feb. 2007, Inuyama, Japan).

4) Jeong, A., Mitsunaga, F., Nakamura, S. (2006) Comparison of gene expression of TH1/TH2 cytokines and their receptors in human and non-human primates. 6th International Cytokine Conference 2006 (Aug. , Vienna).

5) Nakamura, S., Mitsunaga, F., Yamauchi, H., Jeong, A., Hashimoto, H., Hayashi, T. (2006) -Conglycinin in Traditional Health Food, Soy Bean, Using?Studies on Efficacy of OVX-Monkey Model,. 2nd AFLAS Congress in 2006 (Aug. , Jeju, ).

6) 淺岡一雄, 早矢仕みか, 釜中慶朗, 鈴木樹理, 脇田真清, 平山幸一, 岡村浩 (2006) 胎児期にヘモグロビンの発現を切り替える転写因子のクローニングと検出. 第7回 Pharmaco-Hematology Symposium (2006年6月, 東京).

7) 平井啓久, 平井百合子,早野あづさ, 堂前弘志,桐原陽子 (2006) テナガザルの属間雑種個体について. 日本霊長類学会大会 (2006年7月, 吹田) 霊長類研究 22(増補版): S-9.

8) 平井啓久 (2007) アジルテナガザルの染色体分化. 平成18年度共同利用研究会/流動部門中間評価発表会 (2007年3月, 犬山).

9) 光永総子, 中村伸 (2006) ニホンザル野生・餌付け群におけるBウイルスおよびサイトメガロウイルス感染率. 第53回日本実験動物学会総会 (2006年5月, 神戸).

10) 光永総子, 中村伸 (2006) ニホンザルにおけるBウイルスの自然感染率. 第22回日本霊長類学会 (2006年7月, 大阪).

11) 光永総子, 中村伸, 林隆志, Eberle, R. (2006) 飼育下マカクザルのストレスに伴う抗Bウイルス抗体価上昇. 予防衛生協会セミナー2006 (2006年12月, つくば).

12) 中村伸, 光永総子, 山内英典, ジョン・アラム, 橋本寛之, 林隆志 (2006) OVXサルを用いたダイズ蛋白質(β-コングリシニン)の代替医療効果の解析. 第53回日本実験動物学会総会 (2006年5月, 神戸).

13) 中村伸, 光永総子, 出井早苗, 西濱啓一郎, 板垣伊織, 山手丈至 (2006) 遺伝子発現プロファイルによるニホンザル自然発症がんの分子病理解析. 予防衛生協会セミナー2006 (年12月, つくば).

14) 中村伸, 光永総子, 出井早苗, 橋本寛之, 林隆志 (2006) 閉経サルモデルにおけるダイズ機能成分のゲノム評価試験. 第8回日本補完代替医療学会 (2006年10月, 大阪).

15) 田中洋之, Wijayanto, H., Mootnick, A., Perwitasari-Farajallah, D., 早野あづさ, 平井啓久, Sajuthi, D. (2006) アジルテナガザル(Hylobates agilis)の亜種間関係とその系統的位置づけ. 第22回日本霊長類学会 (2006年7月, 吹田) 霊長類研究 22(Supplement): S9-S10.

16) 田中美希子, 田中洋之, 平井百合子, 平井啓久 (2006) チャイロキツネザル種間雑種集団の遺伝分析. 第22回日本霊長類学会大会 (2006年7月, 吹田) 霊長類研究 22(Supplement): S32-S33.

17) 田中美希子, 田中洋之, 平井啓久 (2007) チャイロキツネザル種間雑種個体群のマイクロサテライトDNA分析. 第54回日本生態学会大会 (2007年3月, 松山) 第54回日本生態学会大会講演要旨集 : 202.

18) 和田晃, 高間一行, 出井早苗, 光永総子, 草野眞行, 中村伸 (2006) 整腸作用を目的とするサプリメントのヒト腸内細菌フローラへの影響. 第8回日本補完代替医療学会 (2006年10月, 大阪).

講演 

1) 淺岡一雄 (2006) 胎児期に活動するサルの遺伝子. 第10回薬物動態談話会セミナー (2006年8月, つくば).

2) 平井啓久 (2007) テナガザル類の染色体進化. 大阪大学微生物病研究所マラリア学セミナー (2007年1月, 吹田).

3) 平井啓久 (2006) 染色体って何? 岐阜県本巣小中学校理科教育研究会 (2006年8月, 岐阜).

その他 

1) 平井啓久 (2006) 「テナガザルの並外れて高い染色体多様性の謎」. 生物多様性研究ーその魅力と楽しみー : 58-60.

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