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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2006年度 > III 研究活動 多様性保全研究分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.37 2006年度の活動

III 研究活動

流動部門

多様性保全研究分野

香田啓貴(助手)

早野あづさ(非常勤研究員10月31日まで)

推進代表者:平井啓久,正高信男

推進者:景山節,川本芳,松林清明,室山泰之,高井正成,田中洋之,渡邊邦


協力研究者:杉浦秀樹,西村剛(京都大学理学研究科自然人類学研究室)

協力大学院生:親川千紗子(認知学習分野)

<研究概要>
A)テナガザルの高染色体変異維持機構の探索

平井啓久

テナガザル類はほ乳類のなかで最も多くの染色体変異を蓄積している.それはマカク類の17倍にもなる.その機序を解明する緒として,マカク類とテナガザルの減数分裂太糸期の核サイズを計測した.

B)テナガザル類の系統地理学

平井啓久, 早野あづさ(非常勤研究員),

平井百合子(技能補佐員), 桐原陽子(いしかわ動物園)

スマトラとマレー半島のテナガザル類の系統地理学を解析する目的で,昨年に引き続きスマトラ由来のシロテテナガザル,フクロテナガザル,アジルテナガザルの血液試料を収集し染色体とDNA精製をおこなった.国内で見つかったテナガザルの属間雑種(Hylobates/Nomascus)個体の染色体解析から両親の種を推定した.

C)スマトラ中部における霊長類保全のための研究

Rizaldi, 渡邊邦夫

インドネシア西スマトラ州およびリアウ州ジャンビ州において,各種霊長類や大中型ほ乳類の分布変遷の様子を明らかにすることを目的として,現地住民への聞き取り調査を行った.

D)スマトラ島におけるアジルテナガザルの野外調査

香田啓貴, 親川千紗子, Rizaldi, 田中俊明(梅光学院大学), 早川祥子, 正高信男

インドネシア,西スマトラ州パダン市近郊のLimau Manisにおいてアジルテナガザルを対象とした野外調査を2004年より行っている.現在までに調査基地周辺に8群程度のグループを確認し,調査地近傍が高密度な環境にあることを確認している.

E)テナガザルの音声の変異性に関する研究

香田啓貴, 親川千紗子, 杉浦秀樹, 田中俊明(梅光学院大学)

野性アジルテナガルを対象として,音声に変異性に関して以下の検討している.1)個体に関わる変異性.Limau Manisに生息する7グループのメスを対象に,音声の個体差が生み出されやすい音声の領域を特定した.また,個体の中で柔軟に変化しうる音声のパターンも見出した(親川,香田,杉浦).2)集団に関わる変異性.野生アジルテナガザルの複数集団の音声を収集し,地域間比較を行っている.結果,地域間で音声に頑健な差を見出し,またそれが生み出されやすい領域が明らかになりつつある(香田,親川,田中).

F)テナガザルの音声発達調査

香田啓貴, 親川千紗子, 加藤朱美, 早川祥子, 正高信男

日本モンキーセンターにて2005年に生まれたフクロテナガザルのオス個体の音声を縦断的に記録している.またカリフォルニア州のテナガザル保全研究センターにおいて4種の母子ペアの観察を行い,コドモの音声発達に母親が与える影響を検討している.

G)テナガザルの発声行動の条件付けの試み

親川千紗子, 香田啓貴, 加藤朱美, 正高信男

福知山動物園で飼育されているシロテテナガザルのコドモ個体を対象に,発声行動が任意の手がかりにより引き出せるかオペラント条件付けを行った

H)テナガザルの純音生成メカニズムの検討

香田啓貴, 西村剛(京都大学理学研究科自然人類学教室), 親川千紗子, 正高信男

テナガザルの純音的な音声が生成される物理的なメカニズムを検討している.今年度はヘリウム酸素混合気体を利用してテナガザルの音声を一時的に変化させる実験を行った.

I)ユーラシアのマカク類の進化に関する古生物学的研究

高井正成

ユーラシア大陸におけるマカク類の進化プロセスを古生物学的観点から研究している.特にオランダのライデン自然史博物館に保管されていたカリマンタン島北部のニア洞窟やスラウェシ島などから見つかっていたマカク類化石の歯牙の計測を行った.現在,これらのデータをヨーロッパや中国を中心とした東アジアでみつかっているマカク化石のデータと比較しながら解析を進めている.

J)旧世界ザルにおける上顎洞の形態学的研究

高井正成, 西村剛(京都大学理学研究科自然人類学教室)

ユーラシア産の旧世界ザルを対象に,頭骨内部の上顎洞の形態をCT機器を用いて観察しその形態の進化について考察を行っている.具体的には神奈川県の後期鮮新世の地層から見つかっているコロブス類の頭骨化石とベトナム北部の前期更新世の洞窟堆積物から見つかっているマカク類の頭骨化石のCT画像を撮影し,上顎洞の存在を確認した.

<研究業績>
原著論文 

1) Higashino, A., Fukuhara, R., Tezuka, T., Kageyama, T. (2006) Molecular cloning and gene expression of endoplasmic reticulum stress proteins in Japanese monkey, Macaca fuscata. Journal of Medical Primatology 35: 376-387.

2) Kawamoto, Y., Aimi, M., Wangchuk, T., Sherub. (2006) Distribution of Assamese macaques (Macaca assamensis) in the Inner Himalayan region of Bhutan and their mtDNA diversity. Primates 47(4): 388-392.

3) Masataka, N. (2007) Music, Evolution and Language. Developmental Science 10: 35-39.

4) Muroyama, Y., Kanamori, H., Kitahara, E. (2006) Seasonal variation and sex differences in the nutritional status in two local populations of wild Japanese macaques. Primates 46: 355-364.

5) Muroyama, Y., Shimizu, K., Sugiura, H. (2007) Seasonal variation in fecal testosterone levels in free-ranging Japanese Macaques. American Journal of Primatology 69: 1-8.

6) Takahashi, T., Higashino, A., Takagi, K., Kamanaka, Y., Abe, M., Morimoto, M., Kang, K., Goto, S., Suzuki, J., Kageyama, T. (2006) Characterization of obesity in Japanese monkeys (Macaca fuscata) in a pedigreed colony. Journal of Medical Primatology 35: 30-37.

総説

1) 室山泰之 (2006) 里に下りてきたサル. エコソフィア 17: 18-22.

報告 

1) 川本芳 (2007) サル地域個体群維持に関わる遺伝的構造と個体群管理のための遺伝的モニタリング法の研究. 野生鳥獣による農林業被害軽減のための農林生態系管理技術の開発 研究成果441(農林水産省農林水産技術会議): 28-34.

2) 香田啓貴, 親川千紗子 (2007) インドネシア・スマトラ島におけるアジルテナガザルの生息実態調査-音声を手がかりとして. 霊長類研究 22: 117-122.

3) 室山泰之 (2006) ニホンザルの保全と管理.大会シンポジウム記録. 哺乳類科学 46: 61-62.

書評 

1) 田中洋之 (2006) 「遺伝子の窓から見た動物たちーフィールドと実験室をつないでー」(竹中企画,村山・渡邊・竹中編,京都大学学術出版会). 霊長類研究 22(2): 142-145.

著書(単著) 

1) 正高信男 (2006) ヒトはいかにヒトになったか. pp.238, 岩波書店, 東京.

編集

1) 竹中修企画, 村山美穂, 渡邊邦夫, 竹中晃子編 (2006) スラウェシ調査行.「遺

伝子の窓から見た動物たち−フィールドと実験室をつないで」.

分担執筆 

1) 渡邊邦夫 (2006) スラウェシ調査行. 「遺伝子の窓から見た動物たち−フィールドと実験室をつないで」 : 405-416, 竹中修企画,村山美穂,渡邊邦夫,竹中晃子編,京都大学出版会, 京都.

学会発表等 

1) Hirai, H. (2007) Chromosome differentiation of agile gibbons. Symposium of Asian Primatology and Mammalogy. (Feb. 2007, Inuyama, Japan).

2) Rizaldi B.C., Watanabe, K. (2006) Social development of aggressive behavior in a captive group of Japanese macaques (Macaca fuscata). 21th Congress of International Primatological Society,abstract #39 (Jun. 2006, Entebbe, Uganda).

3) Takai, M., Maschenko, E.N., Nishimura, T. (2006) Phylogenetic relationships and biogeographic history of Paradolichopithecus, a large-bodied cercopithecine monkey from the Pliocene of Eurasia. INQUA (Aug. 2006, Ulan-Ude, Russia) Stratigraphy, paleontology and paleoenvironment of Pliocene-Pleistcene of Transbaikalia and interregional correlations Volume of Abstracts: 88.

4) Takai, M. (2007) Evolutionary history of cercopithecine monkeys in Eurasia. Symposim of Asian Primatology and Mammalogy (Feb. 2007, Inuyama, ) Symposium of Asian Primatology and Mammalogy Abstract : 88.

5) Yonezawa, S., Nakayama, A., Masaki, S., Hanai, A., Yoshizaki, N., Kageyama, T., Moriyama, A. (2006) Fates of Cdh23/CDH23 with mutations affecting the cytoplasmic region. 20th IUBMB International Congress of Biochemistry and Molecular Biology and 11th FAOBMB Congress (Jun. 2006, Kyoto, Japan).

6) 東濃篤徳, 米澤敏, 景山節 (2006) ELISA法を用いたニホンザルの脳および他の組織におけるCalreticulin発現解析. 日本動物学会第77回大会 (2006年9月, 松江).

7) 東濃篤徳, 米澤敏, 景山節 (2006) ニホンザルのストレス評価のためのCalreticulin ELISA法の確立とその応用. 第22回日本霊長類学会大会 (2006年7月, 吹田).

8) 平井啓久, 平井百合子,早野あづさ,堂前弘志, 桐原陽子 (2006) テナガザルの属間雑種個体について. 日本霊長類学会大会 (2006年7月, 吹田) 霊長類研究 22(増補版): S-9.

9) 平井啓久 (2007) アジルテナガザルの染色体分化. 平成18年度共同利用研究会/流動部門中間評価発表会 (2007年3月, 犬山).

10) 景山節, 東濃篤徳, 米澤 敏, 一瀬雅夫 (2006) ペプシンの分子進化と酵素機能多様性の解析ープロテアーゼの機能進化のモデルとして. 日本動物学会第77回大会 (2006年9月, 松江).

11) 香田啓貴 (2007) スマトラ島におけるアジルテナガザルの音声を手がかりとした野外調査. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会:アジア霊長類の生物多様性と進化 (2007年3月, 犬山).

12) 森光由樹, 白井啓, 吉田敦久, 清野紘典, 和秀雄, 鳥居春己, 川本芳, 大沢秀行, 室山泰之, 和歌山タイワンザルワーキンググループ (2006) 和歌山タイワンザル(特定外来生物)の現状報告. 第22回日本霊長類学会大会 (2006年7月, 吹田) 霊長類研究 Suppl: S-16.

13) 室山泰之 (2007) ニホンザルの保全と管理−動きはじめた被害管理−.京都大学霊長類研究所共同利用研究会:アジア霊長類の生物多様性と進化 (2007年3月, 犬山).

14) 親川千紗子, 香田啓貴, 杉浦秀樹, 正高信男 (2007) テナガザルにおける音声の変異性. 霊長類研究所共同利用研究会「アジア霊長類の生物多様性と進化」 (2007年3月, 犬山).

15) 親川千紗子, 香田啓貴, 杉浦秀樹 (2007) テナガザルの音声の変異性. 第143回日本動物心理学会例会 (2007年3月, 名古屋).

16) 杉浦秀樹, 田中俊明, 揚妻直樹, 早川祥子, 香田啓貴, 柳原芳美, 半谷吾郎, 藤田志歩, 松原幹, 宇野壮春, 清野美恵子, 鈴木真理子, 西川真理, 室山泰之 (2006) 屋久島におけるニホンザルの個体数変動. 第22回日本霊長類学会大会 (2006年7月, 大阪) 霊長類研究 22 Suppl: S-17.

17) 杉浦秀樹, 田中俊明, 揚妻直樹, 早川祥子, 香田啓貴, 早石周平, 柳原芳美, 半谷吾郎, 藤田志歩, 松原幹, 宇野壮春, 清野未恵子, 鈴木真理子, 西川真理, 室山泰之 (2007) 野生ニホンザルの個体数変動. 第54回日本生態学会大会 (2007年3月, 松山).

18) 高井正成, 西村剛, Evgeny, M. (2006) Paradolichopithecusは上顎洞を持つか. 第22回日本霊長類学会大会 (2006年7月, 吹田) 霊長類研究 22(Suppl.): S-6.

19) 高井正成, E. N. マシェンコ., 西村剛, 名取真人, 鈴木智起, 姉崎智子 (2007) ユーラシア大陸の鮮新統から出土するParadolichopithecus(霊長目オナガザル科)の系統的位置と拡散経路について. 日本古生物学会第156回例会 (2007年2月, 徳島) 日本古生物学会第156回例会予稿集 : 14.

20) 田中洋之, Wijayanto, H., Mootnick, A., Perwitasari-Farajallah, D., 早野あづさ, 平井啓久, Sajuthi, D. (2006) アジルテナガザル(Hylobates agilis)の亜種間関係とその系統的位置づけ. 第22回日本霊長類学会 (2006年7月, 吹田) 霊長類研究 22(Supplement): S9-S10.

21) 田中洋之 (2007) アジルテナガザル(Hylobates agilis)の亜種間関係とその系統的位置づけ. 共同利用研究会:アジア霊長類の生物多様性と進化 (2007年3月, 犬山).

22) 渡邊邦夫 (2006) 野生ニホンザルの個体群コントロールはどうあるべきか? 平成18年度京都大学霊長類研究所「第15回ニホンザルの現況」共同利用研究会 (2006年9月, 京都大学霊長類研究所).

講演 

1) Watanabe, K. (2006) Cultural Behavior of Monkeys. . Special lecture in the Biological Department,Shaanxi University of Technology,(中国漢中市陜西理工大学生物学系特別講義) (Nov. 2006, Hanzhong, China).

2) Watanabe, K. (2006) Cultural Behavior of Monkeys. Special lecture in the Biological Department, Northwest Univresity(中国西安市西北大学生物学系特別講義) (Oct. 2006, Xian, China).

3) Watanabe, K., Rizaldi., Kamilah, S., Bakar, A. (2006) Present Distribution of 26 Mammal Species in Sumatra, Indonesia and Its Historical Changes? Preparation of the Database for Monitoring. JSPS-LIPI Core-University Program: International Symposium on Nature and Land Management of Toropical Peat Land in South East Asia (Sep. 2006, Bogor, Indonesia).

4) 平井啓久 (2007) テナガザル類の染色体進化. 大阪大学微生物病研究所マラリア学セミナー (2007年1月, 吹田).

5) 川本芳 (2006) 種をめぐる2つの話題:マカクの新種と外来種問題 . 京都大学霊長類研究所公開講座 (2006年8月, 犬山).

6) 渡邊邦夫 (2006) アジアのサル:現状と危機の構造. 第22回日本霊長類学会大会自由集会「野生霊長類の保全と保護活動の動向」 (2006年7月, 大阪大学人間科学研究科).

7) 渡邊邦夫 (2006) ニホンザル−山積する課題と個体群コントロール. 哺乳類学会・京都大学公開シンポジウム「特定鳥獣保護管理計画の現状と課題」,日本哺乳類学会・環境省主催 (2006年9月, 京都大学百周年時計台記念館).

8) 渡邊邦夫 (2006) スマトラ島における現生中大型哺乳類の分布現状およびその歴史的変遷に関する調査研究. 第12回プロ・ナトゥーラ・ファンド助成成果発表会.Amsir Bakar博士への助成に対する推薦者としての内容紹介発表. (2006年12月, 東京 主婦会館プラザF).

9) 渡邊邦夫 (2006) ニホンザルと里山の自然. 犬山市民総合大学 (2006年10月, 犬山里山学センター).

10) 渡邊邦夫 (2006) 失敗した国立公園の運営:インドネシア,中部スラウェシ州ローラ・リンドゥ国立公園の例から. 第178回中部人類談話会 (2006年11月, 椙山女学園大学椙山人間学研究センター).

その他 

1) 平井啓久 (2006) 「テナガザルの並外れて高い染色体多様性の謎」. 生物多様

性研究ーその魅力と楽しみー : 58-60.

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