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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2007年度 − III 研究活動 系統発生分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.38 2007年度の活動

III 研究活動

系統発生分野

高井正成 (教授), 西村剛 (准教授), 荻野慎太郎 (教務補佐員),

Thaung Htike, Zin Maung Maung Thein, 伊藤毅 (大学院生)


<研究概要>
A) ユーラシア大陸における新第三紀のオナガザル上科霊長類の進化に関する研究

高井正成, 西村剛, 荻野慎太郎, Thaung Htike, Zin Maung Maung Thein, 伊藤毅

ユーラシア大陸におけるオナガザル上科の進化プロセスを古生物学的観点から研究を継続している. 特に, 中央ユーラシアで見つかっているParapresbytis (コロブス亜科), ユーラシア大陸の広域で見つかっている大型オナガザル亜科 (ProcynocephalusParadolichopithecus), 東ユーラシアで見つかっているマカク類などに関して古生物学的な解析を行い, それらの系統位置や古生物地理などを明らかにした.

B) 東アジアの古第三紀の化石霊長類の進化に関する研究

高井正成, 西村剛, Thaung Htike, Zin Maung Maung Thein, 伊藤毅

ミャンマー連邦中央部のポンダウン地域に広がる中期始新世末の地層を対象にして, 霊長類化石の発掘を目的とした調査をおこなっている. 同地域から見つかる化石霊長類は, 原始的な曲鼻猿類と真猿類の中間的な形態を示し, 真猿類の起源地と起源時期に関する論争に大きな貢献をした.


C)南米大陸における第三紀の化石霊長類の研究

高井正成

南米大陸各地の第三紀の地層から発見された化石広鼻猿類の形態学的および系統的な解析をおこなっている. 特にコロンビア国南部のラベンタ地域から発見された中期中新世の複数の化石霊長類と, ボリビア国中部のサジャ地域から発見された漸新世末期の化石霊長類に関して研究を行った.


D) チンパンジーにおける喉頭嚢の発達変化に関する研究

西村剛, 三上章允 (行動発現分野), 鈴木樹理 (人類進化モデル研究センター), 宮部貴子 (人類進化モデル研究センター), 松沢哲郎 (思考言語分野), 友永雅己 (思考言語分野), 田中正之 (思考言語分野)

多くの霊長類では喉頭付近に開口する喉頭嚢という気嚢があるが, ヒト系統でなぜ消失している. その進化や, ヒト系統での消失の進化的要因は, いまだによくわかっていない. チンパンジーの頚部を磁気共鳴画像法(MRI) で撮像し, 喉頭嚢の成長変化を分析し, 喉頭嚢の進化的適応について重要な示唆を与えた.

E) ニホンザルにおける声道形状の発達変化に関する研究

西村剛, 大石高生 (器官調節分野), 鈴木樹理 (人類進化モデル研究センター), 宮部貴子 (人類進化モデル研究センター)

0から3歳までのニホンザルを対象に, 定期的に頭頚部のMRI撮像を行い, 喉頭下降現象を含む声道形状がどのように発達するのかを明らかにした. ニホンザルにおいて, ヒトにみられる喉頭下降の一部を確認した.ヒトの話しことばに関わる生物学的基盤は, 話しことばとは関係なく, 長い霊長類,哺乳類の進化の中でモザイク的に現れたとする進化モデルを支持した.


F) トランスバイカル地域鮮新統産出の哺乳類化石相の解析

荻野慎太郎, 高井正成

シベリアのバイカル湖南東岸のウドゥンガ (Udunga) 地域の鮮新世後半 (およそ350万年前) の地層から産出した哺乳類化石の解析を行っている. 国内外の共同研究者とともに, 霊長類1種, 齧歯類7種, 兎類4種, 食肉類11種, 長鼻類2種, 奇蹄類5種, 偶蹄類9種を含む哺乳類相について古生物学的解析と記載を行った.



G) ミャンマー中部における中新世から更新世の偶蹄類を中心とした進化プロセスに関する古生物学的研究

Thaung Htike, Zin Maung Maung Thein, 高井正成

ミャンマーの新第三紀哺乳類生層序の解明を目指し,中新世から更新世に生息していた哺乳類相の形態,系統と進化に関する研究を行っている. 特にイノシシ科とカバ科の化石種を対象に, 系統分類学的位置とその進化過程について検討をおこなった.

H) ミャンマー中部チャインザウック地域の新第三紀哺乳類相の解析

Zin Maung Maung Thein, 高井正成

ミャンマー中部チャインザウック地域に分布する新第三紀の陸生化石哺乳類相の解析を安定同位体を用いて行っている. またサイ科化石を中心に新第三紀におけるアジアの哺乳類の移動や環境変化に関する解析を行っている.

I) マカク属における鼻腔と上顎洞の形態変異とその系統解析への応用

伊藤毅, 西村剛, 高井正成

現生マカク属の頭骨をCT撮像し, 鼻腔と上顎洞における種間変異を分析してその系統解析への有用性を検討した. これに基きベトナム北部から産出していたマカク頭骨化石を再検討し, ベニガオザルとの近縁性を示唆した.



<研究業績>
原著論文 

1) Egi N, Tsubamoto T, Takai M. (2007) Systematic status of Asian "Pterodon" and early evolution of hyaenaelurine hyaenodontid creodonts. Journal of Paleontology 81(4): 770-778.

2) Nishimura T, Mikami A, Suzuki J, Matsuzawa T. (2007) Development of the laryngeal air sac in chimpanzees. International Journal of Primatology 28: 483-492.

3) Nishimura TD, Takai M, Maschenko EN. (2007) A maxillary sinus of Paradolichopithecus sushkini (late Pliocene, southern Tajikistan ) and its phyletic implications. Journal of Human Evolution 52(6): 637-646.

4) Thaung-Htike, Cuit-Sein, Takai M, Egi N, Tsubamoto T, Zin-Maung-Maung-Thein, Maung-Maung. (2007) New species of large Tetracondon (Mammalia, Artiodactyla, Suidae) from the late Miocene of Myanmar. Paleontological Research 11(4): 307-315.

5) Nishimura T, Oishi T, Suzuki J, Matsuda K, Takahashi T (2008) Development of the superlaryngeal vocal tract in Japanese macaques: Implications for the evolution of the descent of the larynx. American Journal of Physical Anthropology 135(2): 182-194.

6) Ogino S, Otsuka H. (2008) New middle Pleistocene Galictini (Mustelidae, Carnivora) from the Matsugae cave deposits. Paleontological Research 12(2): 159-166.

7) Takai M, Maschenko EN, Nishimura TD, Anezaki T, Suzuki T. (2008) Phylogenetic relationships and biogeographic history of Paradolichopithecus sushkini Trofimov 1977, a large-bodied cercopithecine monkey from the Pliocene of Eurasia. Quaternary International 179: 108-119.

 

 総説

1) 江木直子, 高井正成 (2007) 霊長類の手の把握能力: その起源を探る. 「科学」 77(6): 622-627.

著書 (分担執筆) 

1) 松沢哲郎, 高井正成, 平井啓久 (2007) 霊長類学への招待. 「霊長類進化の科学」 (京都大学霊長類研究所編) p.1-10 京都大学学術出版会.

2) 高井正成 (2007) サルの生まれた日. 「霊長類進化の科学」 (京都大学霊長類研究所編) p.15-28 京都大学学術出版会.

学会発表 

1) Mashchenko EN, Takai M, Kalmykov NP. (2007) Ecology of fossil Cercopithecoidea (Primates, Mammalia) from Mountain territories of Asia. International Specialty Conference on Mammals of Mountain Territories (2007/08, Nalchik, Russia).

2) Takai M, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein, Saegusa H. (2007) Neogene terrestrial mammal fauna in Myanmar. Regional Committee on Pacific Neogene Stratigraphy (RCPNS). IX International Congress on Pacific Neogene Stratigraphy (2007/10, Tsukuba).

3) Takai M. (2007) Evolutionary history of macaques and close relatives in Eurasian continent. HOPE symposium (2007/11, 東京).

4) Thaung-Htike, Takai M, Zin-Maung-Maung-Thein, Tsubamoto T, Egi N, Maung-Maung. (2007) Origin of Sivachoerus (Artiodactyla, Suidae, Tetraconodontinae) from the Pliocene of Myanmar. 日本古生物学会 (2007/06, 大阪).

5) Thaung-Htike, Takai M, Zin-Maung-Maung-Thein, Tsubamoto T, Egi, N. (2007) Plio-Pleistocene dispersal of the Asian fossil hippopotamuses: reevaluation on the evolution and phylogeny. International Symposium on Quaternary Environmental Changes and Humans in Asia and the Western Pacific (2007/11, Tsukuba).

6) Thaung-Htike, Takai M, Zin-Maung-Maung-Thein, Egi N, Tsubamoto T, Mung-Maung. (2007) Neogene Suidae (Mammalia, Artiodactyla) of Myanmar: Evolution, biogeography, and Paleoecology. Regional Committee on Pacific Neogene Stratigraphy (RCPNS). IX International Congress on Pacific Neogene Stratigraphy (2007/10, Tsukuba).

7) Ugai H, Takai M, Tsubamoto T, Egi N, Maung-Maung, Chit-Sein, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein (2007) Freshwater Molluscan Fossils from Myanmar. Regional Committee on Pacific Neogene Stratigraphy (RCPNS). IX International Congress on Pacific Neogene Stratigraphy (2007/10, Tsukuba).

8) Zin-Maung-Maung-Thein, Takai M, Thaung-Htike, Tsubamoto T, Egi N, Maung-Maung. (2007) Plio-Pleistocene mammalian fauna of Myanmar. International Symposium on Quaternary Environmental Changes and Humans in Asia and the Western Pacific (2007/11, Tsukuba).

9) Zin-Maung-Maung-Thein, Takai M, Thaung-Htike, Tsubamoto T, Egi N, Maung-Maung. (2007) Neogene rhinoceros of Myanmar. Regional Committee on Pacific Neogene Stratigraphy (RCPNS). IX International Congress on Pacific Neogene Stratigraphy (2007/10, Tsukuba).

10) Ogino S, Nakaya H, Takai M, Maschenko E, Kalmikov N.(2007) A late pliocene large mustelid Ferinestrix from the Udunga fauna, Transbikal area, Russia. 67th Annual Meeting Society of Vertebrate Paleontology. (2007, Russia).

11) Zin-Maung-Maung-Thein, Takai M, Thaung-Htike, Tsubamoto T, Egi N, Nishimura TD. (2007) Dicerorhinus (Perissodactyla, Rhinocerotidae) from the early Pleistocene of Myanmar. 日本古生物学会 (2007/06, 大阪).

12) Ito T, Takai M, Nishimura T, Koppe T, Senut B, Braga J, Beck A, Treil J. (2008) CT examinations of the fossil macaque cranium from the Pleistocene of northern Vietnam. The 1st International Symposium of the Biodiversity Global COE Project. (2008/03, Kyoto).

13) Sakai T, Mikami A, Nishimura T, Toyoda H, Miwa T, Matsui M, Tanaka M, Tomonaga M, Matsuzawa T, Suzuki J, Kato A, Matsubayashi K, Goto S, Miyabe T. (2008) Development of brain and temporalis in chimpanzees First step: Development of brain in chimpanzees. The 1st International Symposium of the Global COE Project “from Genome to Ecosystem” (2008/03, Kyoto).

14) Sakai T, Mikami A, Nishimura T, Toyoda H, Miwa T, Matsui M, Tanaka M, Tomonaga M, Matsuzawa T, Suzuki J, Kato A, Matsubayashi K, Goto S, Miyabe T. (2008) Mapping of prefrontal development during infancy and childhood in chimpanzees. The 85th Annual Meeting of the Physiological Society of Japan (2008/03, Kyoto).

15) Zin-Maung-Maung-Thein, Takai M, Thaung-Htike, Saegusa H, Tsubamoto T, Egi N, Nishimura TD. (2008) Preliminary analysis on the late Miocene/early Pliocene Chaingzauk fauna, Myanmar. 日本古生物学会第157回例会 (2008/02, 宇都宮).

16) 西村剛, 香田啓貴, 親川千紗子, 正高信男, 二本松俊邦 (2007) テナガザルの音声生成・操作に関する実験的研究. 第61回日本人類学会大会 (2007, 新潟).

17) 西村剛, 高井正成, 樽創, Brigitte SENUT, Jacques TREIL, Arnaud BECK, Jos? BRAGA. (2007) 神奈川県産後期鮮新世コロブス類の頭蓋骨化石のCT分析. 第23回霊長類学会大会 (2007/07,彦根).

18) 荻野慎太郎, 仲谷英夫, 高井正成,マシェンコ EN,カルミコフ NP. (2007) トランスバイカル地域の上部鮮新統ウドゥンガ哺乳動物相中のイタチ上科化石. 日本古生物学会2007年年会 (2007/06, 大阪).

19) 酒井朋子, 三上章允, 西村剛, 豊田浩士, 田中正之, 友永雅己, 松沢哲郎, 鈴木樹理, 渡邊朗野, 松林清明, 後藤俊二, 宮部貴子 (2007) チンパンジーの前頭前野の発達過程; 核磁気共鳴断層画像法(MRI)を用いて. 第23回日本霊長類学会大会 (2007/07, 彦根).

20) 高井正成, エフジェニー・マシェンコ, 西村剛, 名取真人 (2007) ユーラシア大陸における絶滅したオナガザル類の進化史について. 第61回日本人類学会大会 (2007/10, 新潟).

21) 高井正成, 西村剛, B.スニュー, J.ブラガ, A.ベック, J. トレイユ. (2007) ベトナム北部の前期更新世の堆積物から見つかっていたマカク頭骨化石の再検討. 第23回霊長類学会大会 (2007/07, 彦根).

22) 高井正成, 西村剛, 樽創, E. マシェンコ, N. カルミコフ, B.スニュー, J.トレイユ, A. ベック, J. ブラガ. (2007) 東部ユーラシア地域から見つかっている鮮新世のコロブス類化石の系統的位置に関する予備的考察. 日本古生物学会2007年年会 (2007/06, 大阪).

23) 鵜飼宏明, 高井正成, タウンタイ, ジンマウンマウンテイン, 江木直子, 鍔本武久, チットセイン, マウンマウン (2007) ミャンマーにおける淡水生貝類化石の調査. 日本古生物学会第156回例会 (2007/02, 徳島).

24) 鵜澤和宏, 関雄二, 高井正成, 坂井正人, 加藤泰建. (2007) ペルークントゥル.ワシ遺跡から出土したオマキザル骨格. 第61回日本人類学会大会 (2007/10, 新潟).

25) 伊藤毅, 高井正成, 西村剛, T. コッペ, B.スニュー, J.ブラガ, A.ベック、J.トレイユ (2008) ベトナム北部の更新世マカク頭骨化石の再検討. 日本古生物学会第157回 (2008/02 宇都宮).

26) 荻野慎太郎, 大塚裕之, 春成秀爾 (2008) 九州北部の中期更新世松ヶ枝動物群の研究. 日本古生物学会第157回例会 (2008/02, 宇都宮).

27) 高井正成、タウンタイ、ジンマウンマウンテイン (2008) ミャンマーの新第三紀後半の動物相とアジア産旧世界ザル類の拡散経路. 日本古生物学会第157回例会 (2008/02, 宇都宮).

講演

1) 高井正成 (2007) Evolution of Chinese monkeys. 陝西教育学院 (2007/05, 中国陝西省.)

2) 西村剛 (2007) 話しことばの形態学的基盤の霊長類的起源. 葉山セミナー 総合研究大学院大学 (2007/05, 葉山).

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