ENGLISH トップ 所長挨拶 概要 教員一覧 研究分野・施設 共同利用・共同研究 大型プロジェクト 国際集会 教育,入試 広報,公開行事,年報 新着論文,出版 教員,職員公募 国際共同事業 霊長類研究基金 リンク アクセス HANDBOOK FOR INTERNATIONAL RESEARCHERS Map of Inuyama サイトマップ
トピックス
コラム・連載 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ

京都大学霊長類研究所
郵便番号484-8506
愛知県犬山市官林
TEL. 0568-63-0567(大代表)
FAX. 0568-63-0085

本ホーム・ページの内容の
無断転写を禁止します。
Copyright (c)
Primate Research Institute,
Kyoto University All rights reserved.


お問い合わせ

京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2007年度 − III 研究活動 行動発現分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.38 2007年度の活動

III 研究活動

行動発現分野

三上章允 (教授), 宮地重弘 (准教授), 脇田真清 (助教),井上雅仁 (教務補佐員), 纐纈大輔 (学振特別研究員), 猿渡正則, 半田高史, 石川直樹, 平井大地, 酒井朋子, 鴻池菜保, 小野敬治, 禰占雅史 (大学院生)


<研究概要>
A-1) 霊長類の色覚の遺伝子,生理,行動研究

三上章允, 後藤俊二 ( (有) 日本野生動物研究所), 小池智 (東京都神経研), 斎藤慈子 (国立精神・神経センター), 長谷川寿一 (東京大), 河村正二 (東京大), Widayati KA. (ボゴール農科大学), Perwitasari-Farajallah D. (ボゴール農科大学), Malaivijitnond S. (チュラロンコーン大学)

カラー写真を用いたカテゴリー識別実験をカニクイザルでおこなった. また, テナガザルの視物質遺伝子の多型を調べる目的でインドネシアおよびタイ各地のテナガザルのサンプルを採取し解析した.


A-2)チンパンジー脳の発達過程

三上章允, 酒井朋子, 西村剛 (系統発生分野), 田中正之, 友永雅己, 松沢哲郎 (以上、思考言語分野), 鈴木樹理, 加藤朗野, 松林清明, 宮部貴子 (以上、人類進化モデル研究センター)

チンパンジー脳形態の発達をMRI計測し, 脳サイズの拡大と髄鞘化の進行を調べた.


A-3) サッカード課題遂行中のニューロン活動の時間特性とニューロン・タイプ判定

三上章允, 片井聡 (信州大), 石川直樹, 海野俊平 (日本大), 加藤啓一郎 (洛星高校), 姜英男 (大阪大), 井上雅仁

サッカード課題遂行中に細胞外記録したニューロン活動のバースト発射を手掛かりとして大脳皮質内局所回路を解析し, 抑制性介在細胞を識別する手法を検討した.

A-4) 高次脳機能障害者の行動テスト

三上章允, 鈴木恒夫 (大阪身障センター), 細川貴之 (東京都神経研)

高次脳機能に障害のある患者さんおよび障害者で,様々な高次脳機能をテストし, 障害部位と各種機能障害との関係を解析した.

A-5) 順序情報の情報処理機構の研究

井上雅仁, 三上章允

視覚刺激の提示順序の情報の記憶を必要とする課題遂行時のサルの前頭連合野および側頭連合野から, 神経細胞活動を記録し, 解析を行った.

A-6) V1からLGNへのフィードバック経路の機能の解明

纐纈大輔, 宮地重弘, 三上章允

視覚情報処理過程におけるフィードバック・ネットワークの役割を明らかにするために, サルのV1からLGNへフィードバック投射している神経細胞の選択的破壊技術の開発を行った.

A-7) 視覚探索課題遂行中の第四次視覚野の神経細胞活動

猿渡正則, 井上雅仁, 三上章允

視覚探索課題の脳内情報処理機構を第四次視覚野から神経細胞活動を記録して解析した.

A-8) 動きを手掛かりとした形態認知における背側経路と腹側経路の役割の研究

半田高史, 海野俊平, 片井聡, 井上雅仁, 三上章允

図形弁別課題・方向弁別課題を訓練したサルに, Shape-from-motionによる図形を用いた課題を行わせ,運動情報を扱うMT野と4次視覚野から課題遂行中の神経細胞活動を記録・解析した.

A-9) 色弁別課題遂行中のサル前頭連合野におけるニューロン活動の解析

石川直樹, 片井聡, 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允

色弁別と記憶を伴う眼球運動課題遂行中のサル前頭連合野から, ニューロン活動を記録し, バースト発火の有無とパターンの違いを手掛かりとしてタイプ分類を行った. その後, 各タイプの細胞と課題との関連性を解析した.

A-10) 報酬及び嫌悪刺激の予測に関わる脳内機序の解明

平井大地, 細川貴之, 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允

遅延色見本合わせ課題遂行中のサル扁桃体からニューロン活動を記録し, 結果の相対的な選考性に依存した反応をするニューロンが存在することを示した.

A-11) チンパンジーの前頭葉および扁桃核の発達過程の研究

酒井朋子, 西村剛(系統発生分野), 田中正之, 友永雅己, 松沢哲郎(以上、思考言語分野), 鈴木樹理, 加藤朗野, 松林清明, 宮部貴子(以上、人類進化モデル研究センター), 三上章允

ヒトで顕著に発達している前頭葉, 前頭連合野, および, 情動, 社会行動を司る扁桃体の発達過程を全脳の発達過程と比較した. また, チンパンジーの脳形態と比較するため, ヒト, ヒヒ, ニホンザルの脳形態もMRI計測し解析した.

A-12) 注意シフトの継時変化とその脳内機構の解析

小野敬治, 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允

日常生活では複数の対象に同時に注意を向けたり, ある対象から別の対象に注意をシフトする場面がある.注意のシフトの継時変化とその脳内機構を調べる目的で, サルに2種類の手がかりを用いた視覚検出課題をトレーニングし, 図形の輝度変化検出の反応時間と正答率を解析した.

B-1) カルビンディン強制発現によるパーキンソン病抑制の研究

宮地重弘, 澤田香織, 岡戸晴生(以上、東京都神経研), 南部篤(生理研), 高田昌彦(東京都神経研)

パーキンソン病によるドーパミン細胞死を防御するため, ウイルスベクターを用いてサル黒質ドーパミンニューロンにカルビンディンを強制発現させ, MPTPによるパーキンソン症状を抑制すること, およびドーパミンニューロンの脱落が減少することを検証した.

B-2) サルを用いた行動発達の神経機構の解析

宮地重弘, 井上謙一, 小林和人 (福島県立医大), 高田昌彦 (東京都神経研)

発達におけるドーパミン神経系の役割を解明することを目標に, ウイルスベクターを用いた神経回路の改変を行なうため, サルの黒質等深部構造に正確にベクターを注入し, 高効率で遺伝子を発現させる技術開発を行なった. アデノウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターによる逆行性および順行性遺伝子発現の効率を解析した.

B-3) リズム制御の神経機構の研究

鴻池菜保, 宮地重弘, 三上章允

リズムは, 人の知覚や運動制御の重要な要素である.本研究では, 運動リズム制御の神経機構を単一神経活動および神経回路レベルで明らかにするため, ヒトに近い発達した脳を持ち, 複雑な行動課題を学習できるマカクサルにリズム課題を訓練し, 行動データを収集した.

B-4) 記憶のメカニズムに関わる前頭前野, 側頭連合野, 海馬をつなぐ神経回路の解剖学および生理学的研究

禰占雅史, 宮地重弘, 井上雅仁, 三上章允, 澤田香, 平田快洋, 井上謙一, 今西美知, 高田昌彦 (以上、東京都神経研)

記憶に基づいた行動判断には, 前頭前野, 側頭連合野,海馬などの領域が重要であることが指摘されている. これらの領域を結ぶ神経回路を明らかにするため, 狂犬病ウイルスを用いた逆行性越シナプス神経トレーシング法を用いて側頭葉から前頭前野への多シナプス性神経入力を解析した. また, これらの回路の行動順序判断に置ける役割を明らかにするため, 長期記憶および短期記憶に基づく行動順序判断課題を開発し, サルに訓練した.

C-1) ヒトブローカ野における観察した行為の処理様式の解明

脇田真清

ヒト被験者にいくつかの条件で視覚刺激を呈示し, そのときの下前頭領域を光トポグラフィー装置で測定した. 結果, ヒトが観察する他者の行為することでブローカ野が活動するのは, この領野が行為の目的や行為者の意図を表現しているのではなく, この領野の主要な機能が階層処理であるためであることを示唆した.


<研究業績>
原著論文 

1) Inoue M, Mikami A. (2007) Top-down signal of retrieved information from prefrontal to inferior temporal cortex. Journal of Neurophysiology 98: 1965-1974.

2) Kato S, Inoue K, Kobayashi K, Yasoshima Y, Miyachi S, Inoue S, Hanawa H, Shimada T, Takada M, Kobayashi K. (2007) Efficient gene transfer via retrograde transport in rodent and primate brains using a human immunodeficiency virus type 1-based vector pseudotyped with rabies virus glycoprotein. Human Gene Therapy 18(11): 1141-51.

3) Kitagawa R, Miyachi S, Hanawa H, Takada M, Shimada T (2007) Differential characteristics of HIV-based versus SIV-based lentiviral vector systems: Gene delivery to neurons and axonal transport of expressed gene. Neuroscience Research 57: 550-558.

4) Lu X, Miyachi S, Ito Y, Nambu A, Takada M. (2007) Topographic distribution of output neurons in cerebellar nuclei and cortex to somatotopic map of primary motor cortex. European Journal of Neuroscience 25: 2374-2382.

5) Nishimura T, Mikami A, Suzuki J, Matsuzawa T. (2007) Development of the laryngeal air sac in chimpanzees..International. Journal of Primatology 28: 483-492.

6) Yasuda, T, Miyachi, S, Kitagawa, R, Wada, K, Nihira, T, Ren, Y, Hirai, Y, Ageyama, N, Terao, K, Shimada, T, Takada, M, Mizuno, Y, Mochizuki, H. (2007) Neuronal specificity of alpha-synuclein toxicity and effect of Parkin COExpression in primates. Neuroscience 144(2): 743-753.

7) Saruwatari M, Inoue M, Mikami A. (2008) Modulation of V4 shifts from dependent to independent on feature during target selection. Neuroscience Research 60: 327-339.

学会発表等 

1) Hirai D, Hosokawa T, Inoue M, Miyachi S, Mikami A. (2007) Context-dependent representation of reinforcement in monkey amygdala and orbitofrontal cortex. The 37th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2007/11, San Diego, USA). 

2) Hirata Y, Miyachi S, Inoue K-I, Hoshi E, Takada A. (2007) Organization of multisynaptic inputs from temporal and parietal lobes to prefrontal cortex in macaque monkeys. 37th annual meeting of Society for Neuroscience (2007/11, San Diego).

3) Lu X, Miyachi S, Ito Y, Nambu A, Kitazawa S, Takada A. (2007) Arrangement of cerebellar interpositus nucleus neurons projecting multisynaptically to primary motor cortex vs prefrontal cortex. 37th annual meeting of Society for Neuroscience (2007/11, San Diego).

4) Miyachi S, Konoike N, Mikami A. (2007) Learning of motor rhythms in the monkey. 37th annual meeting of Society for Neuroscience (2007/11, San Diego).

5) Takahara D, Hoshi E, Hirata Y, Inoue K, Miyachi S, Nambu A, Takada M. (2007) A neuronal pathway for conditional motor behavior: organization of multisynaptic input to dorsal premotor cortex from inferior temporal cortex in macaque monkeys. 37th annual meeting of Society for Neuroscience (2007/11, San Diego).

6) Yumoto N, Lu X, Miyachi S, Nambu A, Fukai T,Takada A. (2007) Effect of prefrontal cortex inactivation on reproduction of memorized time. 37th annual meeting of Society for Neuroscience (2007/11, San Diego).

7) Hirai, D., Inoue, M., Miyachi, S., Mikami, A. (2008) Neuronal mechanism of decision making in trade-off condition. The 1st International Symposium of the biodiversity Global COE Project (2008/03, Kyoto).

8) Ishikawa N, Saruwatari M, Inoue M, Miyachi S, Mikami A. (2008) The roles of inhibitory interneurons in the monkey prefrontal cortex. The 1st International Symposium of the biodiversity, Global COE Project (2008/03, Kyoto).

9) Sakai T, Mikami A, Nishimura T, Toyoda H, Miwa T, Matsui M, Tanaka M, Tomonaga M, Matsuzawa T, Suzuki J, Kato A, Matsubayashi K, Goto S, Miyabe T. (2008) Development of brain and temporalis in chimpanzees First step: Development of brain in chimpanzees. The 1st International Symposium of the Global COE Project. (2008/03, Kyoto).

10) Sakai T, Mikami A, Nishimura T, Toyoda H, Miwa T, Matsui M, Tanaka M, Tomonaga M, Matsuzawa T, Suzuki J, Kato A, Matsubayashi K, Goto S, Miyabe T. (2008) Mapping of prefrontal development during infancy and childhood in chimpanzees. The 85th Annual Meeting of the Physiological Society of Japan (2008/03, Kyoto).

11) 平田快洋,宮地重弘,井上謙一,今西美知子,高田昌彦 (2007) マカクザルにおける頭頂葉から前頭前皮質への多シナプス性入力様式. 第30回日本神経科学大会 (2007/09, 横浜).

12) 鴻池菜保, 宮地重弘, 三上章允 (2007) サルにおけるリズム学習 Rhythm learning in the monkey. 第30回日本神経科学大会 (2007/09, 横浜).

13) 宮地重弘, 陸暁峰, 今西美知子, 高田昌彦 (2008) 前頭葉皮質―大脳基底核多シナプス神経回路〜狂犬病ウイルスを用いた解析. CREST合同研究会 (2008/1, 山形県刈田郡蔵王町).

14) 小野敬治, 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允 (2007) 図形識別の必要性からみた注意の分配の継時変化. 第54回中部日本生理学会・第100回近畿生理学談話会合同大会 (2007/10, 三重).

15) 酒井朋子, 三上章允, 西村剛, 豊田浩士, 田中正之, 友永雅己, 松沢哲郎, 鈴木樹理, 渡邊朗野, 松林清明, 後藤俊二, 宮部貴子 (2007) チンパンジーの前頭前野の発達過程;核磁気共鳴断層画像法(MRI)を用いて. 第23回日本霊長類学会大会 (2007/07, 彦根).

16) 澤田玲子, 土居裕和, 脇田真清, 正高信男 (2007) 知覚的特徴と認知的特徴の統合についての検討. 日本視覚学会2007年夏季大会 (2007/07, 豊橋).

17) 脇田真清 (2007) IFG activity in observing music performance. 第30回日本神経科学大会 (2007/9, 横浜).

18) 湯本直杉,陸暁峰,宮地重弘,南部篤,深井朋樹,高田昌彦 (2007) 時間認知におけるサル前頭前野の役割. 第30回日本神経科学大会 (2007/09, 横浜).

19) 纐纈大輔 (2008) 選択的投射ニューロン破壊法の開発〜脳の処理機構の詳細な解明を目指して〜. 第37回ホミニゼーション研究会 (2008/03, 犬山).

20) 纐纈大輔 (2008) 大脳皮質―大脳基底核連関と前頭葉機能. 生理研研究会 (2008/01, 岡崎).

講演

1) 三上章允 (2007) サルの脳とヒトの脳. 東京公開講座 (2007/09, 東京).

2) 三上章允 (2007) 作業記憶の脳内機構. 東京都精神医学研究所 (2007/10, 東京).

3) 三上章允 (2007) 脳のしくみ. 岐阜高校 (2007/11, 岐阜).

4) 宮地重弘 (2007) 体が脳をつくる. 京都公開講座 (2007/06, 京都).

5) 宮地重弘 (2007) 神経科学者の遺伝子技術への期待. 京都大学霊長類研究所共同利用研究プログラム「霊長類ゲノムと脳・感覚研究の最前線」 (2007/09, 犬山).

↑このページの先頭に戻る

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会