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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2008年度 − III 研究活動 遺伝子情報分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.39 2008年度の活動

III 研究活動

分子生理研究部門

遺伝子情報分野

平井啓久(教授),今井啓雄(准教授),中村伸(助教),

平井百合子(技能補佐員),光永総子(教務補佐員),

松井淳(研究員(グローバルCOE)),菅原亨(研究員(研究機関)),

上岩美幸(リサーチレジデント),永友寛一郎,細川和也(受託研究員),

渡邊正孝(学外非常勤講師),田中美希子(大学院生)

<研究概要>

A) レトロトランスポゾン様反復配列複合構造(RCRO)のゲノム内機能の解析

平井啓久,松林清明(人類進化モデル研究センター)
RCROが存在するチンパンジー第7染色体をモデルとして,RCROがおよぼすキアズマ抑制に関する解析をおこなった.チンパンジー雄の減数分裂細胞を,FISH法およびPAINT法を用いて観察したところ,RCROが存在する7q31ならびにセントロメア近傍領域にはキアズマが起こっていないことが明らかになった.

 

B) 新世界ザル類の染色体進化

平井百合子,平井啓久

クモザルの全染色体の彩色プローブを,染色体顕微切断法を用いて作製し,各種新世界ザル類の染色体分化を分析した.

 

C) 光受容蛋白質の研究

寺井洋平,二階堂雅史,岡田典弘(以上,東京工業大学),今元泰(京都大学大学院理学研究科),片山耕大,古谷祐詞,神取秀樹(以上,名古屋工業大学),菅原亨,今井啓雄


様々な動物種について視覚光受容蛋白質の比較機能解析を行った.まず,カワスズメ科魚類シクリッドの赤色光受容蛋白質が生息環境依存的に変異していることを明らかにした.また,ロドプシンに広く保存されているアミノ酸残基の変異が中間体の反応速度を変化させ,生息環境特異的な細胞応答を引き起こす可能性を示唆した.さらに,HEK293培養細胞を用いてカニクイザル赤色感受性光受容蛋白質を大量に発現させ,フーリエ変換赤外分光法により分子内の構造変化を観測することを試みた.

 

D) チンパンジー苦味受容体の多型解析と摂食行動との関係


菅原亨,郷康広(グローバルCOE),鵜殿俊史,森村成樹(以上,チンパンジーサンクチュアリ宇土),友永雅己(思考言語),平井啓久,今井啓雄

苦味は植物等に含まれる毒性物質の摂取を防ぐために重要な役割を果たしているが,一方で生体機能に重要な成分の認識にも関わる.ヒトやチンパンジーではPTCという化学物質に対する個体差があることが知られており,その要因はT2R遺伝子群の1つであるT2R38の一塩基多型(SNP)であることが明らかにされている.しかし,それ以外のT2R受容体についてはほとんど調べられていない.本研究では,霊長類研究所とチンパンジーサンクチュアリ宇土で飼育している約100個体のチンパンジーでT2R遺伝子群の種内多型を解析し,T2R遺伝子群の進化から味覚機能の進化や摂食行動との関連性を考察した.

 

E) マカク類の苦味受容体の多型解析


鈴木南美(岐阜大学),菅原亨,松井淳,郷康広(グローバルCOE),平井啓久,今井啓雄

研究所内で飼育しているニホンザル,アカゲザルについて苦味受容体T2Rの遺伝子多系解析を行った.特にT2R38について多くの遺伝子多系が発見され,食性との関係が示唆された.

 

F) 霊長類機能遺伝子の網羅的発現プロファイルに関する研究

中村伸,光永総子

霊長類の機能ゲノム特性を明らかにする一環として,胎仔・新生仔・成熟・加齢個体における主要機能遺伝子の発現プロファイルを,DNAチップおよび Real Time RT-PCRで継続展開している.

 

G) 霊長類でのゲノムバイオメディカル研究

中村伸,光永総子,上岩美幸

サルモデルを活用した以下のバイオメディカル研究を継続している.
i) 自然発症のガン・糖尿病について疾病関連遺伝子を特定し,これら病態・疾病のゲノムイベントを検討している.
ii) 腸内細菌叢(12種の腸内細菌)の動態について糞便試料を用いたゲノム解析法を確立し,医薬品・漢方・機能性食品の新たな評価系として検討している.
iii) 母体血流中に存在する微量胎仔DNAに着目した,Nested PCRでの胎仔雌雄判別法を確立し,下記の胎仔研究に活用した.

 

H) DEPなどナノマテリアルの生体影響に関する研究

中村伸・光永総子,上岩美幸,永友寛一郎(受託研究員),武田健(東京理科大学・薬学部),菅又昌雄(栃木臨床病理研究所)

厚生労働科研費により,ディゼル排気浮遊微粒子など関連ナノマテリアルの胎仔・新生仔への影響について,ゲノミックス解析を通じた分子レベルでの研究を進めている.

 

I) サルBウイルスおよび関連ヘルペスウイルスに関する研究

光永総子,中村伸,リチャード・エバリー(オクラホマ大)

BV特異的血清診断法として,BV-gDのC末ペプチドを用いたELISA法を確立して,ヒトBV感染患者でのBV特異的抗体の測定を試みた.

 

J) Tissue Factor(TF)に関する研究

中村伸

TFに関して,新規蛍光ELISA法の確立と臨床応用,DNAメチル化などepigenicイベントおよびRNAスプライシングなどの研究を進めている.

 

<研究業績>
原著論文

1) Jeong AR, Nakamura S, Mitsunaga F (2008) Gene expression profile of Th1 and Th2 cytokines and their receptors in human and nonhuman primates. Journal of Medical Primatology 37(6):290-296.

2) Roger E, Grunau C, Pierce RJ, Hirai H, Gourbal B, Galinier R, Emans R, Cesari TM, Cosseau C, Mitta G (2008) Controlled chaos of polymorphic mucins in a metazoan parasite (Schstosoma mansoni) interacting with its invertebrate host (Biomphalaria glbrata). PLoS Neglected Tropical Diseases 2:e330.

3) Seehausen O, Terai Y, Magalhaes IS, Carlton KL, Mrosso HDJ, Miyagi R, Sulijs I, Schneider MV, Maan ME, Tachida H, Imai H, Okada N (2008) Speciation through sensory drive in cichlid fish. Nature 455:620-627.

 

4) Tsutsui K, Imai H, Shichida Y (2008) E113 Is Required for the Efficient Photoisomerization of the Unprotonated Chromophore in a UV-Absorbing Visual Pigment. Biochemistry 47:10829-10833.

5) Honjo H, Akari H, Fujiwara Y, Tamura Y, Hirai H, Wada K (2009) Molecular cloning and charcterization of the common marmoset huntingtin gene. Gene 432:60-66.

総説

1) 光永総子, 中村伸 (2008) サルモデルを用いた機能食品の評価試験. FFIジャーナル 213(3):719-726.

著書(分担執筆)

1) 平井啓久 (2008) でくのぼうのゴミ箱. 「生き物たちのつづれ織り 第1巻」 (高瀬桃子, 村角智恵編) p.122-128 京都大学グローバルCOEプログラム.

学会発表

1) Nakamura S, Mitsunaga F, Goto H (2008) Genomics study on efficacy of an oriental medicine, Toki-Shakuyaku, using monkey model. the 3rd AFLAS Congress (2008/09, Beijing).

2) 早野あづさ, Dyah PF, Hery W, 宮部貴子, Alan M, Diah I, Joko P, 平井啓久 (2008) マイクロサテライト解析からみたスマトラ産フクロテナガザル Symphalangus syndactylus の遺伝的組成. 2008年度日本哺乳類学会大会 (2008/09, 山口).

3) 今井啓雄 (2008) ノックインマウスと霊長類のGPCR型感覚受容. 第46回日本生物物理学会大会シンポジウム (2008/12, 福岡).

4) 今井啓雄, 針貝美樹, 今元泰, 七田芳則 (2008) 霊長類光受容タンパク質の性質 −ヒドロキシルアミン感受性と視細胞ノイズに関する考察−. 視覚科学フォーラム第12回大会 (2008/08, 豊中).

5) 今井啓雄, 菅原亨, 松井淳, 郷康広, 平井啓久 (2008) チンパンジー苦味受容体の遺伝子多型解析. 第42回日本味と匂学会大会 (2008/09, 富山).

6) 今井啓雄, 菅原亨, 松井淳, 郷康広, 平井啓久 (2008) 霊長類G蛋白質共役型感覚受容体の遺伝子多型. 日本動物学会第79回大会 (2008/09, 福岡).

7) 今井啓雄, 菅原亨, 松井淳, 郷康広, 平井啓久 (2008) 霊長類感覚受容体の遺伝子多型. 第24回日本霊長類学会大会 (2008/07, 東京).

8) 松山武, 今井啓雄, 山下高廣, 七田芳則 (2008) 活性状態の生成におけるロドプシンとレチナールの共有結合の役割. 第46回日本生物物理学会年会 (2008/12, 福岡).

9) 光永総子, 中村伸 (2008) マカクザルにおけるサルBウイルス感染の特色. 第55回日本実験動物学会 総会 (2008/05, 仙台).
10) 宗近功, 田中洋之, 田中美希子, 川本芳 (2008) マイクロサテライトDNAによるクロキツネザルの父子判定. 第24回日本霊長類学会大会 (2008/07, 東京).

11) 中村伸, 光永総子, 中村諭香, 甲田彰, 関あずさ, 中山繁雄 (2008) イヌリンの体調機能:サルモデルでのゲノミクス評価試験. 第11回日本補完代替医療学会学術集会 (2008/11, 横浜).

12) 中村伸, 光永総子, 中村諭香, 甲田彰, 関あずさ, 中山繁雄 (2008) サル閉経モデルを用いたイヌリンの体調機能評価試験. 第55回日本実験動物学会 総会 (2008/05, 仙台).

13) 菅原亨, 二階堂雅人, 今元泰, 七田芳則, 今井啓雄, 岡田典弘 (2008) 東アフリカ産カワスズメ科魚類におけるロドプシンの適応的進化. 日本分子生物学会第31回年会 (2008/12, 神戸).

14) 鳥居寛律, 竹中晃子, 中村伸, 光永総子, 村山(井上)美穂, 鵜殿俊史 (2008) 霊長類のエネルギー倹約遺伝子UCP1について. 第24回日本霊長類学会大会 (2008/07, 東京).

15) 筒井圭, 今井啓雄, 山下高廣, 七田芳則 (2008) 脊椎動物の紫外光感受性視物質における高効率な光異性化の機構. 第46回日本生物物理学会年会 (2008/12, 福岡).

16) 片山耕大, 古谷祐詞, 今井啓雄, 神取秀樹 (2009) 低温赤外分光解析による霊長類色覚視物質の研究. 平成20年度生物物理学会中部支部講演会 (2009/03, 名古屋).

17) 田中美希子, 田中洋之, 平井啓久 (2009) チャイロキツネザル種間雑種個体群の遺伝分析. 第56回日本生態学会大会 (2009/03, 岩手).

講演

1) Hirai H (2008) Evolution of ZW of Schistosoma mansoni. 2008 Schistosome genome meeting Hixton, (2008/06, UK).

2) Hirai H (2008) Chromosomology and genetic differentiation of small apes. Science seminar of Pusan National University Pusan, Korea(2008/07,Pusan).

3) 平井啓久 (2008) 遺伝学・ゲノム科学の視点から−第24回日本霊長類学会大会公開シンポジウム「霊長類学はヒトの見方をどう変えたか」. 日本の霊長類学60周年シンポジウム (2008/07, 東京).

4) 今井啓雄 (2008) 遺伝子で食べ物の好き嫌いがわかる? 第24回全国飼育の集い (2008/12, 長野).

5) 中村伸 (2008) 機能性食品の安全・安心に向けて:サルモデルを用いた新評価系. 第1回健康・長寿を支える 食・薬・医の研究会 (2008/07, 名古屋).

6) 中村伸 (2008) サルのアレルギーモデルとその応用. プロジェクト創出研究会 (2008/10, 各務原).

 

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