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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2009年度 − 形態進化分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.40 2009年度の活動

進化系統研究部門

形態進化分野

濱田穣(教授),毛利俊雄(助教),國松豊(助教),早川清治(技術職員),山本亜由美(教務補佐員)

<研究概要>

A) インドシナ半島およびバングラデシュに分布するマカクの系統地理学的研究
濱田穣,川本芳(ゲノム多様性分野)
ベトナム・ラオス・タイ・ミャンマー・バングラデシュで,各国研究者との共同研究体制のもとに,巡回聞取り・観察調査によるマカクの分布・生息実態データとサンプルの収集を行った.ベトナムではフエ大学との共同で,ベトナム中部で調査を行い,フォンディエン保護区(北緯16.5度)でカニクイザルと,これまでベトナムでは北部に限られていると考えられていたアッサムモンキーの分布を見出した.ラオスではナショナル大学と共同で,中東部のヴィエンチャン県とシェンクワン県,および南部のサバンナケット県以南でマカクの分布と生息実態の調査を行い,マカクの生態学的棲み分けの実態,および分布境界についての情報を収集した.カニクイザルはセコン河(メコン河の支流)沿いに,アルイ地方(ベトナム)まで分布していることを見出した.タイでは東部でマカクの交雑に関する情報を収集した.ミャンマーでは,ヤンゴン大学動物学科との共同で,タニンサリー南半分の地域でマカクの分布と生息実態の調査を行った.ミャンマーでは,ヤンゴン大学動物学科との共同で,ヤカイン地方,カイン,モン地方,およびタニンサリー南半分の地域でマカクの分布と生息実態の調査を行った.バングラデシュではジャハンギルナガール大学との共同でアカゲザルの捕獲調査を行い,形態資料を収集した.
以上の国々で得られたDNA資料を分析し,予備的に系統解析を行った.

B) ニホンザルとチンパンジーの成長・加齢変化
濱田穣,鈴木樹里(人類進化モデル研究センター)
ニホンザル4頭とチンパンジー(未成熟個体3頭とオトナ数頭)について,身体年齢変化調査を継続するとともに,チンパンジーサンクチュアリーでチンパンジーの体組成を含む身体加齢変化に関する調査を行った.またテトリ・ウィダヤニ(インドネシア、ボゴール農科大学)とともに,チンパンジーの手足骨格のX線写真に基づき,骨のサイズと骨密度の成長・加齢変化を横断・縦断混合法的に分析した.チンパンジーでは,骨は15歳ごろに成熟し,40歳までは顕著な縮小や密度低下を示さないことが解った.この方法によって,簡便に骨の状態を診断することが可能となった.

C) タイワンザルとニホンザル,アカゲザルとニホンザルの交雑個体の形態学的検討
濱田穣,毛利俊雄,國松豊,山本亜由美,川本芳(ゲノム多様性分野)
アカゲザル,タイワンザル,ニホンザルはそれぞれに近縁であり,交雑子孫は稔性がある(雑種強勢は不明).和歌山県では施設から逃げだしたタイワンザルと,地域のニホンザルが,千葉県房総地方では出所不明のアカゲザルと地域のニホンザルが,それぞれ交雑し,個体数を増している.これらの外来種と固有種の間の交雑個体は,各自治体によって駆除されている.捕獲個体について計測・観察するとともに標本化し,尾椎の数,相対尾長,四肢プロポーション,頭蓋形態,および歯牙の比較分析によって,交雑程度と形態の関連性を検討している.

D) 霊長類の頭蓋学
毛利俊雄
東北地方厩猿頭蓋骨の計測資料がようやく30個体に達した.うち成メス7個体について予備的に比較をおこなった.6個体はニホンザルとしては大型の部類にぞくし,非隔離集団に由来すると推定された.しかし,秋田市に保存される1個体のみは屋久島のニホンザルなみの大きさしかなかった.

E) 東アフリカ後期中新世霊長類化石に関する古生物学的野外調査
國松豊
2009年夏のフィールドシーズンに,アフリカ東部ケニヤ共和国の大地溝帯沿いにある後期中新世の化石産地ナカリにおいて霊長類化石の発見を主目的とする野外調査をおこなった.大型類人猿化石を産出したNA39地点,および旧世界ザルや齧歯類化石を多く産出するNA60地点において化石発掘作業を実施した.その結果,多くの哺乳類化石を得たが,特にNA60地点からは,コロブス亜科の全身骨格,下顎など状態のよい標本を含む多数の霊長類化石が出土した.これらは現代型オナガザル上科の化石としては,現在知られている最古級のものであり,旧世界ザルの進化を解明する上で重要な標本になると思われる.

F) 東アフリカ中期中新世の化石類人猿Nacholapithecusなどに関する研究
國松豊
北ケニヤの中期中新統からは,日本隊の長年の調査によって化石類人猿Nacholapithecusの大量の標本が発掘されている.昨年度につづき,2010年1月?2月に,ケニヤ国立博物館に保管されているそれらの標本の調査を実施した.これまでに発掘されたNacholapithecusの顎や歯牙の標本を整理し,他地域の類人猿化石と比較検討した.また,同じ産地から出土した旧世界ザル化石の調査もおこなった.

 

<研究業績>

原著論文

1) Kikuchi Y, Hamada Y (2009) Geometric characters of the radius and tibia in Macaca mulatta and Macaca fascicularis. Primates 50: 169 - 183.
2) Malaivijitnond S, Hamada Y (2009) Current Situation and Status of Long-tailed Macaques (Macaca fascicularis) in Thailand. Natural History Journal of the Chulalongkorn University 8: 185-204.
3) Aye Mi San, Hamada Y (2009) Reproductive Seasonality of Myanmar Long-tailed Macaque (Macaca fascicularis aurea). Natural History Journal of the Chulalongkorn University 9: 223-234.

総説

1) Nakatsukasa M,Kunimatsu Y (2009) Nacholapithecus and its importance for understanding hominoid evolution. Evolutionary Anthropology 18(3):103-119.

2) 中務真人,國松豊 (2009) ナカリピテクスと後期中新世の類人猿進化. 霊長類研究 24:313-327.

著書(分担執筆)

1) 濱田穣 (2009) なぜチンパンジーはナックルウォーキングで,ヒトは直立二足歩行なのですか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.32-36 講談社.

2) 濱田穣 (2009) サルにも思春期がありますか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.68-72 講談社.

3) 濱田穣 (2009) 霊長類の成長期間と寿命はどのくらいですか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.46-50 講談社.

4) 國松豊 (2009) チンパンジーやヒトに尻尾がないのはなぜ? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.24-26 講談社

5) 國松豊 (2009) 人類はどこで起源したの? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.26-30 講談社.

6) 毛利俊雄 (2009) オスとメスの顔や体の特徴の違いに,意味があるのでしょうか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.72-75 講談社.

7) 毛利俊雄 (2009) サルを表す言葉は,世界でどう違う? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.76-80 講談社.

その他の執筆

1) 毛利俊雄 (2010) サル学以前. グローバルCOE p.59-60 グローバルCOE.

学会発表

1) Aye Mi San, Maung Maung Gyi, Hamada Y (2009) Distribution and Present Status of Non-Human Primates in Tanintharyi Division, Southern Myanmar. 3rd International Congress on the Future of Animal Research (2009/11, タイ国ナコンパトム県).

2) Hamada Y, Goto S, Malaivijitnond S, Tran Van Hung, Le Van Hoang, Vo Dinh Son (2009) Diversity and Distribution Pattern of Macaques in Southern Vietnam. 日本人類学会第63回大会 (2009/10, 東京都千代田区砂防会館).

3) Hamada Y, Kawamoto Y, Kurita H, Goto S, Oi T, Vo Dinh Son, Pathomthong S, Praxayxombath B, Maung Maung Gyi, Aye Mi San, Md. SU Sarker, Malaivijitnond S (2009) Distribution and Present Status of Macaques in Continental South-east Asia. 3rd International Congress on the Future of Animal Research (2009/11, タイ国ナコンパトム県).

4) Hanta R, Kunimatsu Y, Jintasakul P (2009) Neogene Suidae of Thailand and its implication to biostratigraphy. Asian Mammal Biostratigraphy Conference "Neogene Terrestrial Mammalian Biostratigraphy and Chronology in Asia" (2009/06, 中国).

5) Hirasaki E, Malaivijitnond S, Hamada Y (2009) Locomotor Kinematics of the Assamese Macaques: A Preliminary Report. 3rd International Congress on the Future of Animal Research (2009/11, タイ国ナコンパトム県).

6) Nakatsukasa M, Ikarashi T, Shimizu D, Teaford MF, Ungar PS, Kunimatsu Y (2009) Adaptations of Microcolobus discovered from Nakali, Kenya. 78th Annual Meeting of the American Association of Physical Anthropologists (2009/03-04, Chicago, USA).

7) Nakaya H, Saegusa H, Kunimatsu Y, Fukuchi A, Thasod Y, Hanta R, Ratanasthien B, Nagaoka S, Suganuma Y, Tanaka S, Jintaskul P (2009) Neogene mammalian biostratigraphy of Thailand, Southeast Asia. Asian Mammal Biostratigraphy Conference "Neogene Terrestrial Mammalian Biostratigraphy and Chronology in Asia" (2009/06, 中国).

8) Ogawa H, Malaivijitnond S, Hamada Y (2009) Social interactions among Assamese macaques at Wat Tham Pla, Thailand. 3rd International Congress on the Future of Animal Research (2009/11, タイ国ナコンパトム県).

9) Pathomthong S, Akavongsa K, Pengpet, Praxaysombath B, Malaivijitnond S, Hamada Y (2009) Distribution and Present Status of Non-Human Primates in Central Lao PDR. 3rd International Congress on the Future of Animal Research (2009/11, タイ国ナコンパトム県).

10) Uno KT, Cerling T, Harris JM, Kunimatsu Y, Leakey MG, Nakatsukasa M, Nakaya H (2009) Carbon isotope data from East African fossil teeth of late Miocene to Pliocene herbivores record differential transition from C3 to C4 resources. Portland GSA Annual Meeting (2009/10, Portland, USA).

11) 濱田穣 (2009) ヒトの成長パターン:ユニークさ,チンパンジーとの比較. 公開講演会 (2009/11, 東京都港区国際文化会館).

12) Hamada Y, Kawamoto Y, Kurita H, Goto S,Oi T, Vo Dinh Son, Pathomthong S, Praxayxomabth B, Maung Maung Gyi, Aye Mi San, Md. SU Sarker, Malaivijitnond S (2009) Distribution and Present Status of Macaques in Continental SE Asia. 3rd International Congress on the Future of Animal Research (2009/11, タイ国ナコンパトム県).

13) 濱田穣,Pathomthong S, Kingsada P, 栗田博之,Malaivijitnond S (2009) ラオス中西部と南部におけるマカク分布パターン:棲み分けと境界. 日本霊長類学会第25回大会 (2009/07, 各務原市).

14) Kawamoto Y, Koyabu D,Malaivijitnond S and Hamada Y (2009) Intraspecific diversity of mitochondrial DNA haplotypes in stump-tailed macaques (Macaca arctoides) with special reference to geographical isolation hypothesis by the isthmus of Kra. 3rd International Congress on the Future of Animal Research (2009/11, タイ国ナコンパトム県).

15) 國松豊,中務真人,沢田順弘,酒井哲弥,仲谷英夫 (2009) ケニヤ共和国ナカリ地域における2008年度発掘で見つかった後期中新世の小型狭鼻猿化石. 日本霊長類学会第25回大会 (2009/07, 各務原市).

16) 栗田博之,杉山幸丸,大沢秀行,濱田穣,渡辺毅 (2009) 高崎山ニホンザルにおける給餌量削減にともなう個体群パラメータの変化について. 日本霊長類学会第25回大会 (2009/07, 各務原市).

17) 丸橋珠樹,Nilpaung W,濱田穣,Malaivijitnond S (2009) タイ・カオクラプック保護区に生息するベニガオザルの採食生態. 日本霊長類学会第25回大会 (2009/07/18/20, 各務原市).

18) 森光由樹,Pathomthong S, 濱田穣 (2009) ラオス中部におけるマカクの分布・生息状況. 日本霊長類学会第25回大会 (2009/07, 各務原市).

19) 中務真人,國松豊,仲谷英夫,酒井哲弥,沢田順弘 (2009) アフリカのコロブスはいつ親指をなくしたのか.日本霊長類学会第25回大会 (2009/07, 各務原市).

20) 仲谷英夫, Kevin Uno, 福地亮, 國松豊, 中務真人 (2009) ケニア産有蹄類化石頬歯のメゾウェア解析による後期中新世古環境復元. 地球惑星科学関連学会, 2009年合同大会 (2009/05, 千葉).

21) 酒井朋子,三上章允,西村剛,平井大地,濱田穣,鈴木樹理,宮部貴子,友永雅己,田中正之,松沢哲郎 (2009) チンパンジーにおける脳の発達過程. 日本霊長類学会第25回大会 (2009/07, 各務原市).

22) 山本亜由美,國松豊,濱田穣,川本芳 (2009) ニホンザル,タイワンザル,およびそれらの交雑集団の歯牙の特徴.日本霊長類学会第25回大会 (2009/07, 各務原市).

23) 仲谷英夫, Kevin Uno, 福地亮, 國松豊, 中務真人 (2009) ケニア北部産有蹄類化石頬歯のメゾウェア解析による後期中新世古環境復元. 日本アフリカ学会第46回学術大会 (2009/05, 東京).

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