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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2009年度 − 高次脳機能分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.40 2009年度の活動

III 研究活動

行動神経研究部門

高次脳機能分野

中村克樹(教授),宮地重弘(准教授),脇田真清(助教),竹本篤史, 木場礼子(研究員(産官学連携)),纐纈大輔, 倉岡康治(学振特別研究員),猿渡正則(教務補佐員),三輪美樹,一木沙織(技術補佐員),鈴木冬華(研究支援推進員),藤田恵子(事務補佐員),   石川直樹,平井大地,鴻池菜保,小野敬治,禰占雅史(大学院生)

<研究概要>

A) コモン・マーモセットの認知機能計測
中村克樹, 竹本篤史, 木場礼子, 三輪美樹, 泉明宏(国立精神・神経センター), 土田順子(国立精神・神経センター)
コモン・マーモセットの認知機能(知覚・記憶等)を調べるために, その装置開発を含め方法の確立を目指した研究を実施している.小型の汎用認知機能実験装置を開発し, 視覚弁別課題・逆転学習課題等を訓練し,コモン・マーモセットでこれらが遂行可能なことを明らかにした.

B) 乳幼児の視線計測に基づく動作理解の発達研究
中村克樹, 中村徳子(昭和女子大学), 佐々木丈夫(日本公文教育研究会), 岡村竜三(日本公文教育研究会)
健常児と発達障害児の動作理解能力を比較・検討するために, 非侵襲的に視線を計測する専用装置を用いた研究体制を整えた.

C) 鼻部温度変化を用いたサルの情動変化の定量的計測
倉岡康治, 中村克樹
サルの情動変化を定量的に測定する指標として鼻部の皮膚温度変化を用いる方法を試みた.これまでに, Aggressive threat, Coo, Screamというサルに特徴的な行動のビデオを提示して鼻部温度変化を計測したところ, Aggressive threatに対しては安定した温度低下が観察されることが分かった.今後の情動研究に有用であることが分かった.

D) 視線を手掛かりとした報酬獲得に関わる脳内機序の解明
倉岡康治・中村克樹
経験を通じて得られる社会的情報の処理に関わる脳内機序を解明することを目的に, アカゲザルを対象に, 他個体の顔写真刺激から視線を手掛かりとして, 報酬が得られる標的を選択する課題遂行時における脳神経活動の記録を計画している.本年度は実験装置のセットアップとサルの課題訓練を行った.

E) 注意シフトの継時変化とその脳内機構の解析
小野敬治,井上雅仁(順天堂大学),宮地重弘,三上章允(中部学院大学)
脳は限られた計算資源しか持たず, 外界からの感覚情報を同時に処理できない.そこで, 最も重要な情報にまず注意を向け, その後次のものへと逐次注意をシフトさせていると考えられる.注意シフトの時間特性を調べ, その脳内機構を明らかにするため, 2頭のアカゲザルに行動課題をトレーニングした.また, 注意と関係する頭頂葉の領域から細胞活動を記録した.

F) 色弁別課題遂行中のサル前頭連合野におけるニューロン活動の解析
石川直樹, 片井 聡(鹿教湯病院), 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允
色弁別と記憶を伴う眼球運動課題遂行中のサル前頭連合野から,ニューロン活動を記録し,バースト発火の有無とパターンの違いを手掛かりとしてタイプ分類を行った.その後,各タイプの細胞と課題との関連性を解析した.

G) 大脳皮質神経回路の生後発達の研究
宮地重弘, 大石高生(統合脳システム), 高田昌彦(統合脳システム),宮部貴子(人類進化モデル研究センター), 纐纈大輔, 猿渡正則
ヒトを含む霊長類の大脳新皮質は生後も発達を続けることが知られている.行動制御にとくに重要である外側前頭連合野を含む神経回路が生後どのように発達するかを明らかにするため, 生後1ヶ月以内の幼若アカゲサルの外側前頭前野に逆行性神経トレーサーを注入し, とくに側頭連合野からの神経入力を中心に解析し, 成熟個体と比較した.

H) リズム制御の神経機構の研究
鴻池菜保, 宮地重弘, 三上章允
リズムは,人の知覚や運動制御の重要な要素である.本研究では,運動リズム制御の神経機構を単一神経活動および神経回路レベルで明らかにするため,ヒトに近い発達した脳を持ち,複雑な行動課題を学習できるマカクサルにリズム課題を訓練し,行動データを収集した.

I) ヒトのリズム制御の神経メカニズム解明
鴻池菜保, 倉岡康冶, 宮地重弘, 中村克樹
リズム知覚および生成の脳機能を解明するために, ヒトを対象として指タッピング課題遂行中の脳活動を機能的MRIにて計測することを予定している.2009年度は予備実験として心理実験を行い, ヒトのリズム知覚および生成の行動特性について検討した.

J) 記憶のメカニズムに関わる前頭前野, 側頭連合野, 海馬をつなぐ神経回路の解剖学および生理学的研究
禰占雅史, 宮地重弘, 中村克樹, 平田快洋(統合脳システム), 井上謙一(統合脳システム), 高田昌彦
記憶に基づいた行動判断には, 前頭前野, 下側頭葉, 内側側頭葉などの領域が重要である.これらの領域を結ぶ神経回路を明らかにするため, サルの内側側頭葉に狂犬病ウイルスを注入し, シナプスを超えて逆行性にラベルされたニューロンの分布を前頭前野において解析した.また, 記憶課題遂行中のサルの外側前頭前野のニューロン活動を記録, 解析した.

K) V1からLGNへのフィードバック経路の機能の解明
纐纈大輔, 宮地重弘,三上章允
視覚情報処理過程におけるフィードバック・ネットワークの役割を明らかにするために,サルのV1か らLGNへフィードバック投射している神経細胞の選択的破壊技術の開発を行った.

L) 霊長類における採食を説明する際に用いられる最適パッチ利用モデルの妥当性
平井大地, 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允
採餌行動を数理的に厳格に議論することを目的として, 最適採餌理論から提唱される最適パッチ利用・モデルを再現した行動タスク系を開発し, マカクザルを対象として実験心理学的に統制された条件で選択行動を検討した.被験体が報酬獲得に要する時間経過を的確に知覚して, パッチ利用の決定を制御していることが明らかとなった.

M) ヒトブローカ野における実行する行為の階層処理様式の解明
脇田真清
ヒト被験者にいくつかのフィードバック条件で伴奏にあわせてピアノ鍵盤を弾いてもらい, そのときの下前頭領域の活動を光トポグラフィ装置で記録した.結果, 弾いた音が時間的に遅延する条件では, 弾いている動作が遅延する条件や反転する条件よりも, 標的部位の活動が高くなった.実行する行為の視覚・空間的側面よりも時間的側面に関わっていることがわかった.

N) アカゲザルの方位知覚様式の解明
脇田真清
アカゲザルを用いて水平から反時計周りに22.5°と158.5°, 67.5°と112.5°の方位の縞刺激の弁別訓練を行い, それぞれの訓練の後に22.5°間隔で8方位の縞刺激を用いて般化テストを行った.結果, 垂直軸を挟んで45°離れた方位弁別の訓練後のテストでの般化勾配の方が尖度が緩やかであった.垂直軸を挟んで45°離れた方位は, 水平軸を挟んで45°離れた方位よりも主観的に近い距離にあることを示している.すなわち, サルが垂直軸を基準に方位を知覚することがわかった.

O) コモン・マーモセットの聴覚的な階層構造の処理様式の解明
脇田真清
コモン・マーモセットを用いて聴覚弁別訓練を行うための装置と刺激セットを作成した.

<研究業績>

原著論文

1) Hirai D, Hosokawa T, Inoue M, Miyachi S, Mikami A (2009) Context-dependent representation of reinforcement in monkey amygdala. NeuroReport 20:214-217.

2) Koba R, Izumi A, Nakamura K (2009) Sexual dimorphism in facial shapes and their discrimination. Journal of Comparative Psychology 123:326-333.

3) Minagawa-Kawai Y, Matsuoka S, Dan I, Naoi N, Nakamura K, Kojima S (2009) Prefrontal activation associated with social attachment: facial-emotion recognition in mothers and infants. Cerebral Cortex 19:284-292.

4) Minagawa-Kawai Y, Naoi N, Kikuchi N, Yamamoto J-I, Nakamura K, Kojima S (2009) Cerebral laterality for phonemic and prosodic cue decoding in children with autism. NeuroReport 20:1219-1224.

5) Utama NP, Takemoto A, Koike Y, Nakamura K (2009) Phased processing of facial emotion: An ERP study. Neuroscience Research 64(1):30-40.

6) Yamaguchi C, Izumi A, Nakamura K (2009) Temporal rules in vocal exchanges of phees and trills in common marmosets (Callithrix jacchus). American Journal of Primatology 71:617-622.

7) Fukuoka T, Sumida K, Yamada T, Higuchi C, Nakagaki K, Nakamura K, Kohsaka S, Oeda K (2010) Gene expression profiles in the common marmoset brain determined using a newly developed common marmoset-specific DNA microarray. Neuroscience Research 66:62-85.

8) Hashimoto M, Takahara D, Hirata Y, Inoue K-i, Miyachi S, Nambu A, Tanji J, Takada M, Hoshi E (2010) Motor and non-motor projections from the cerebellum to restrocaudally distinct sectors of the dorsal premotor cortex in macaques. European Journal of Neuroscience In Press.

9) Miura N, Sugiura M, Takahashi M, Sassa Y, Moridaira T, Miyamoto A, Kuroki Y, Sato S, Horie K, Nakamura K, Kawashima R (2010) Effect of motion smoothness on brain activity while observing a dance: an fMRI study using a humanoid robot. Social Neuroscience 5:40-58.

総説

1) Miyachi S (2009) Cortico-basal ganglia circuits-parallel closed loops and convergent /divergent connections. Brain Nerve 61(4):351-9.

2) 中村克樹 (2009) 精神科領域の用語解説 コモン・マーモセット. 分子精神医学 9(3):56-8.

3) Takada M, Inoue K, Miyachi S (2010) Analysis of multisynaptic neuronal pathways by using rabies virus. Brain Nerve 62(3):221-30.

著書(分担執筆)

1) Kuraoka K, Nakamura K (2009) Vocalization as a specific trigger of emotional responses. (HANDBOOK OF MAMMALIAN VOCALIZATION) (ed. SM. Brudzynski) p.167-175 Oxford Academic Press.

2) 木場礼子, 泉明宏, 中村克樹 (2009) サルはオスとメスをどう見分けるでしょうか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.197-200 講談社ブルーバックス.

3) 倉岡康治, 中村克樹 (2009) サルが怖がると, どのような反応が現れますか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.193-197 講談社ブルーバックス.

4) 宮地重弘 (2009) サルにはリズム感覚がありますか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.224-227 講談社ブルーバックス.

5) 宮地重弘 (2009) サルの脳とヒトの脳はどこが違いますか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.213-216 講談社ブルーバックス.

6) 中村克樹 (2009) 脳がいちばん大きいのはヒトでしょうか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.205-211 講談社ブルーバックス.

7) 脇田真清 (2009) サルにも白目はありますか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.217-220 講談社ブルーバックス.

8) 脇田真清 (2009) サルの視力はどれくらいですか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.174-181 講談社ブルーバックス.

9) 脇田真清 (2009) サルの聴力はどれくらいですか? 「新しい霊長類学」 (京都大学霊長類研究所編) p.177-181 講談社ブルーバックス.

その他執筆

1) 中村克樹 (2009) 「脳を鍛えたい 皆伝!新あたま道場 」毎日新聞.

学会発表

1) Hirai D (2009) Choice between directly and indirectly rewarded actions in rhesus monkey. The 3rd International Symposium of the biodiversity Global COE project "from genome to ecosystem" (2009/07, 京都).

2) Hirai D, Inoue M, Miyachi S, Mikami A (2009) Self-control related neuronal activity in monkey amygdala during inter-temporal choice. 第32回日本神経科学会 (2009/09, 名古屋). Neuroscience Research 65 (suppl. 1): S191.

3) Inoue-Nakamura N, Nakamura K (2009) Visual scanning patterns in 2-year-old infants during reading a picture book aloud by mothers. International Conference of Asia Pacific Psychology (ICAPP) 2009 & Korean Psychology 2009 (2009/08/24-26, Seoul, Korea).

4) Nakamura K, Taira M, Kawashima R (2010) Improving cognitive functions of seniors by reading and solving arithmetic problems. 18th European Congress of Psychiatry (EPA) (2010/2/27-3/2, Munich, Germany).

5) Sakai T, Mikami A, Nishimura T, Hirai D, Suzuki J, Hamada Y, Matsuzawa T (2009) Maturation of the prefrontal area in chimpanzees. 第32回日本神経科学会 (2009/09, 名古屋). Neuroscience Research 65 (suppl. 1): S240.

6) Wakita M (2009) Monkeys perceive orientations relative to vertical. 第32回日本神経科学会 (2009/09, 名古屋). Neuroscience Research 65 (suppl. 1): S109.

7) 禰占雅史, 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允 (2009) 行動決定における短期記憶と長期記憶の相互作用. 第25回日本霊長類学会 (2009/07, 岐阜). 霊長類研究 25(Supplement):S-39.

8) 小野敬治, 井上雅仁, 宮地重弘, 三上章允 (2009) 注意シフトの継時変化とその脳内機構の研究. 第32回日本神経科学大会 (2009/09, 名古屋). Neuroscience Research 65 (suppl. 1): S240.

9) 酒井朋子, 三上章允, 西村剛, 平井大地, 濱田穣, 豊田浩士, 鈴木樹理, 宮部貴子, 友永雅己,田中正之, 松沢哲郎 (2009) チンパンジーにおける脳の発達過程. 第25回日本霊長類学会 (2009/07, 岐阜). 霊長類研究 25(Supplement):S-3.

講演

1) 中村克樹 (2009/05/14) 実験動物としてのマーモセットの展望.〜認知・コミュニケーション・子育て研究への利用〜 第56回実験動物学会総会 ランチョン・セミナー 大宮, 埼玉.

2) 中村克樹 (2009/06/24) マーモセットの行動評価法. 第52回神経化学学会大会 伊香保, 群馬.

3) 中村克樹 (2009/07/10) 実験動物としてのマーモセットの可能性. 岐阜薬科大学 岐阜.

4) 中村克樹 (2009/08/17) 学習と脳. 兵庫県小野市教員夏期研修会 小野, 兵庫.

5) 中村克樹 (2009/09/15) 情動情報の脳内処理. 日本音響学会2009年秋季研究発表会 郡山, 福島.

6) 中村克樹 (2009/10/16) 親子で学ぶ脳授業 小野中学校 授業参観・親子ふれあい講演会 小野, 兵庫.

7) 中村克樹 (2009/10/24) コミュニケーションと子育て. 日本公文教育研究会北九州事務局 子育て交流会 北九州, 福岡.

8) 中村克樹 (2009/11/14) コミュニケーションと脳. 日本動物学会近畿支部公開講演会 豊中, 大阪.

9) 中村克樹 (2009/12/21) 情動刺激に対するサルの鼻部温度変化. 富山大学 富山.

10) 中村克樹 (2010/01/16) 自閉症児の苦手なこと. JST「脳科学と社会」研究開発領域「高齢者と学習障害の脳機能改善コホート研究」報告会 札幌, 北海道.

11) 中村克樹 (2010/02/14) 自閉症児の苦手なこと. JST「脳科学と社会」研究開発領域「高齢者と学習障害の脳機能改善コホート研究」報告会 福岡, 福岡.

12) 中村克樹 (2010/03/13) コミュニケーションの発達と自閉症. 国立特別支援教育総合研究所 平成21年度第3回脳科学セミナー オリンピック記念青少年総合センター, 東京.

 

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