ENGLISH トップ 所長挨拶 概要 教員一覧 研究分野・施設 共同利用・共同研究 大型プロジェクト 国際集会 教育,入試 広報,公開行事,年報 新着論文,出版 教員,職員公募 国際共同事業 霊長類研究基金 リンク アクセス HANDBOOK FOR INTERNATIONAL RESEARCHERS Map of Inuyama サイトマップ
トピックス
コラム・連載 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ

京都大学霊長類研究所
郵便番号484-8506
愛知県犬山市官林
TEL. 0568-63-0567(大代表)
FAX. 0568-63-0085

本ホーム・ページの内容の
無断転写を禁止します。
Copyright (c)
Primate Research Institute,
Kyoto University All rights reserved.


お問い合わせ

京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2011年度・目次

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.41 2010年度の活動

年報 Vol.41

. 研究活動

1. 研究部門及び附属施設

分子生理研究部門

統合脳システム分野

高田昌彦 (教授), 大石高生 (准教授), 松本正幸 (助教), 井上謙一 (特定助教 (産官学連携)), 平田快洋 (研究員(産官学連)), 檜垣小百合 (大学院生), 二宮太平 (研究員 (科学研究)), 高原大輔 (特別研究学生), 南雲樹 (技術補佐員), 黒田呈子 (派遣職員), 奥田泰弘 (派遣職員), 中嶋久子 (派遣職員)

<研究概要>

A) 神経路選択的な活動抑制とトレーシングによる大脳ネットワークの構築と機能の解明

高田昌彦, 井上謙一

1) 神経路選択的活動抑制法の確立と応用

 ニューロン活動の不活化を誘導するタンパク質として, テタヌストシキン軽鎖フラグメントを用いることを検討した. 具体的には, 細胞内導入用レセプター遺伝子としてヒトインターロイキンタイプ2受容体αサブユニットを用いて, このタンパク質をターゲットとする抗体にテタヌストシキン軽鎖フラグメントを結合したタンパク質によりニューロン活動の不活化を誘導するシステムと, Tet-OnまたはOffシステムを利用してドキシサイクリン濃度依存的に特定のニューロン群にテタヌストシキン軽鎖フラグメントを発現させて, ニューロン活動の不活化を誘導するシステムを作製した.

2) 神経路選択的な逆行性越シナプス的トレーシングの実現と応用

 特定の神経路を選択的にマスクするOFF制御型逆行性越シナプス的トレーシングシステムを確立するため, 狂犬病ウイルスの自己ポリメラーゼタンパク質であるPおよびLタンパク質の細胞内抗体を作製し,その発現が狂犬病ウイルスCVS株の感染伝播を阻害することを確認した. また, 特定の神経路を選択的にラベルするON制御型逆行性越シナプス的トレーシングシステムを確立するため, 感染伝播能を欠損させた逆行性ウイルスベクターとして, ウイルスのエンベロープタンパクをコードする遺伝子であるG遺伝子をウイルスゲノムから欠損させた改変狂犬病ウイルスベクターを作製した. その際, 濃縮・精製法を応用することにより, 高力価のG遺伝子欠損狂犬病ウイルスベクターの回収効率を向上させることに成功した. 現在, このG遺伝子欠損狂犬病ウイルスベクターにマーカー遺伝子とともにCreリコンビナーゼあるいはテトラサイクリン制御性トランス活性化因子を組み込んだベクターと, 感染伝播制御用ベクターとして狂犬病ウイルスのゲノムの一部とG遺伝子を組み込んだアデノ随伴ウイルスベクターを作製している.



B) 遺伝子改変霊長類モデルの開発と高次脳機能の解析

高田昌彦, 大石高生, 松本正幸, 井上謙一, 平田快洋, 二宮太平, 高原大輔

1) 神経路選択的細胞死誘導法を用いた大脳基底核の情報処理機構の解析(高田, 井上, 松本)

 福島県立医科大学と共同開発した逆行性感染型レンチウイルスベクターを利用して, イムノトキシン神経路標的法によりハイパー直接路の選択的除去モデルを作製し, その情報処理機構を解析するとともに, 前頭眼野から線条体あるいは上丘に入力する神経路の選択的除去モデルを作製し, 眼球運動制御におけるそれらの機能的差異を解明するための研究計画を進めている. また, アルファシヌクレインを目的遺伝子としたCre-loxP神経路選択的遺伝子発現制御法により, 黒質線条体ドーパミン神経路の経路選択的除去モデルを作製し, その局在性により, 運動機能と認知機能という機能的に異なる2つの経路が存在することを明らかにするための研究計画を進めている.

2) 神経路選択的遺伝子発現制御法を用いた霊長類モデルの作製(高田, 井上)

 福島県立医科大学や京都大学渡邉グループとの連携により, イムノトキシン神経路標的法におけるイムノトキシンの緑膿菌毒素部位をテタヌストキシン軽鎖に置換したイムノテタヌス神経路標的法, およびCre-loxPシステムをTet-On/Offシステムに置換し, 発現遺伝子としてテタヌストキシン軽鎖を挿入したベクターシステムの検証実験を進めている.

3) 遺伝子導入効率の向上によるウイルスベクターの改良に伴う霊長類での検証(高田, 井上)

 福島県立医科大学と共同して, 高い逆行性遺伝子導入効率を有するだけでなく, 従来のものに比べて優れたニューロン特異性を示す新規の逆行性感染型レンチウイルスベクターを開発した.



C) サルモデルによる皮質脊髄路の可塑性制御機構の検討

高田昌彦, 二宮太平

 サルを用いて片側脊髄損傷モデルの作製を行い, 皮質脊髄路の形態学的解析に着手している. 具体的には, 可塑性がより有効に働く(皮質脊髄路の臨界期前)と予測される幼若期のサルと成熟したサル(皮質脊髄路の臨界期後)を比較することによって, 可塑性を容易に誘導できる臨界期を決定するとともに, その時期の脊髄において回路再形成を制御する因子(Wnt7a,BDNF,GCSFなど)の発現状態を検討する.また, 皮質脊髄路の可塑的変化を追跡する際, 従来の順行性トレーシングに加えて, 狂犬病ウイルスを用いた逆行性越シナプス的神経回路トレーシングにより, 大脳皮質運動野から脊髄(propriospinal neurons,segmental interneurons,motor neurons), さらに筋肉に至る多シナプス性運動神経回路の形態学的解析を行うための系を立ち上げているところである.



D) ドーパミンによる行動の発達と発現の制御機構

高田昌彦, 井上謙一, 小林和人(福島県立医科大学),林崎誠二(福島県立医科大学)

 小林グループと連携して, 優れた逆行性輸送能を有するレンチウイルスベクターを開発し, それを用いたサル脳への遺伝子導入を行うことにより, イムノトキシン神経路標的法を確立した. また, サル脳内に正確なベクター注入を行うため, MRIナビゲーションシステムを利用したベクター注入技術を確立した. これらの技術を利用して, 現在, 中脳から大脳基底核や前頭前野に投射するドーパミン神経路を選択的に除去したサルを作製し, この神経路が報酬に基づく強化学習にどのように関与するかの研究に取り組んだ. さらに, ラットやマウスを用いて, 大脳基底核や前頭前野におけるドーパミン神経伝達の機能的役割を,A DHDでみられる行動の衝動性や覚醒剤に対する脆弱性の観点から行動薬理学的に解析した.



E) パーキン遺伝子を用いた家族性・孤発性パーキンソン病に対する遺伝子治療

高田昌彦, 井上謙一, 水野美邦(順天堂大学), 望月秀樹(北里大学), 島田 隆(日本医科大学), 山崎吉之(日本医科大学)

1) AAV-2を用いたパーキン組換え体AAVベクターの作製

 従来のAAV-1を基盤にして作製した改良型ベクターに加えて, AAV-2を用いてパーキン組換え体AAVベクターを作製し, 細胞毒性を更に低減させることに成功した.

2) パーキン遺伝子導入によるパーキンソン病防御効果の検証

 カニクイザルの片側の黒質にアルファ・シヌクレイン組換え体AAVベクターと改良型パーキン組換え体AAVベクターを同時注入し, 反対側の黒質にパーキン組換え体AAVベクターに対するコントロールとしてGFP組換え体AAVベクターを注入した. 現在, このようなモデルザルにおいて臨床行動学的解析および病理組織学的解析を進めている.

3) パーキン長期発現における安全性の確認

 改良型パーキン組換え体AAVベクターを黒質に注入したサルを1年以上の長期間にわたって飼育し, 行動学的評価と組織学的検討を行った結果,健常ザルと比較して特段の病的変化はみとめられず, パーキンの長期発現における安全性が確認された.



F) アイカルディ・ゴーティエ症候群等のビオプテリン代謝異常を伴う疾患の診断方法確立および治療法開発のための横断的研究

高田昌彦, 一瀬宏(東京工業大学)

 パーキンソン病の発症過程におけるビオプテリンおよびその代謝産物の量的変化を解析することにより, 黒質ドーパミン細胞死とビオプテリン代謝の相互関係を明らかにすることが目的であり, 現在, MPTP投与によって作製したパーキンソン病モデルザルから, 運動障害の発現をモニターしつつ, 経時的に脳脊髄液を採取し, ビオプテリン等の含有量とドーパミン細胞の変性・脱落の程度を調べている.



G) 遺伝子改変霊長類モデルの開発と高次脳機能の解析

大石高生, 宮地重弘(高次脳機能)

1) 実行機能の脳内メカニズムの研究

 特定の神経結合が選択的に破壊されると実行機能を必要とする課題の学習困難・遂行困難に陥るかどうかを確認するため, マカク成熟個体に延非見本合わせ課題, 自己の行動をモニターして次の行動を選択するワーキングメモリー課題など複数の課題を学習させた. 

2) 霊長類脳の遺伝子発現パターンとその発達に関する研究

 脳内遺伝子発現の脳部位間での違いとその発達過程を調べるため, 大脳諸領野(前頭連合野等の複数の連合野, 感覚野, 運動野), 小脳, 基底核, 海馬のマイクロアレイ解析を行った. 大脳新皮質,海馬,基底核の遺伝子発現プロファイルの違いを解析している.



H) 意欲を生み出す神経メカニズムの解明:前頭前野への中脳ドーパミン入力の役割

松本正幸, 高田昌彦

目標を達成して報酬を得よう,あるいは罰を避けようという「意欲」は前頭前野の働きの一つである. 最近の研究は, 前頭前野に報酬や罰に対して応答する神経細胞(ニューロン)が存在し, これらのニューロン応答が意欲のコントロールに関与することを示唆している. しかし, 意欲に関連した前頭前野の神経活動がどのようなメカニズムによって生じるのかという根源的な問題は未解明のままである.

本研究では, そのメカニズムを明らかにするため,中脳ドーパミンニューロンから前頭前野に伝達される神経シグナルに注目する. ドーパミンニューロンは報酬や罰に関連した情報をコードしており,そのシグナルを前頭前野に伝達することによって, 意欲に関連した前頭前野の活動を形成する基盤となっている可能性がある. そこで本研究では, ドーパミンニューロンから前頭前野にどのようなシグナルが伝達されているのか調べることを目的とし, 前頭前野が発達したマカク属のサルを実験動物として用いた電気生理実験を計画している. 具体的には, 認知課題をサルに行わせ, ドーパミンニューロンと前頭前野ニューロンの活動を記録する. 認知課題では, 課題の難易度や報酬量をパラメータとして操作し, サルの意欲をコントロールする. そして, ドーパミンニューロンと前頭前野の活動を比較することにより, 意欲に関わる難易度や報酬量の信号がドーパミンニューロンから前頭前野に伝達されているのか検証する.

平成22年度は実験設備の整備を行い, 本研究のための基盤を整えた. また, サルが上述の認知課題をおこなえるように訓練し, 平成23年度から神経活動の記録実験を開始する.



<研究業績>

原著論文


1) Bromberg-Martin ES, Matsumoto M, Hikosaka O (2010) Distinct tonic and phasic anticipatory activity in lateral habenula and dopamine neurons. Neuron 67(1):144-155.

2) Bromberg-Martin ES, Matsumoto M, Hong S, Hikosaka O (2010) A pallidus-habenula-dopamine pathway signals inferred stimulus values. Journal of Neurophysiology 104:1068-1076.

3) Bromberg-Martin ES, Matsumoto M, Nakahara H, Hikosaka O (2010) Multiple timescales of memory in lateral habenula and dopamine neurons. Neuron 67(3):499-510.

4) Fujiwara-Tsukamoto Y, Isomura Y, Imanishi M, Ninomiya T, Tsukada M, Yanagawa Y, Fukai T, Takada M (2010) Prototypic seizure activity driven by mature hippocampal fast-spiking interneurons. The Journal of Neuroscience 30(41):13679-13689.

5) Hashimoto M, Takahara D, Hirata Y, Inoue K, Miyachi S, Nambu A, Tanji J, Takada M, Hoshi E (2010) Motor and nonmotor projections from the cerebellum to rostrocaudally distinct sectors of the dorsal premotor cortex in macaques. Eur J Neurosci 31:1402-1413.

6) Hashimoto M, Takahara D, Hirata Y, Inoue K, Miyachi S, Nambu A, Tanji J, Takada M, Hoshi E (2010) Motor and nonmotor projections from the cerebellum to rostrocaudally distinct sectors of the dorsal premotor cortex in macaques. European Journal of Neuroscience 31(8):1402-1413.

7) Higo N, Sato A, Yamamoto T, Nishimura Y, Oishi T, Murata Y, Onoe H, Yoshino-Saito K, Tsuboi F, Takahashi M, Isa T, Kojima T (2010) SPP1 is expressed in corticospinal neurons of the macaque sensorimotor cortex. Journal of Comparative Neurology 518(13):2633-2644.

8) Kaoru T, Liu FC, Ishida M, Oishi T, Hayashi M, Kitagawa M, Shimoda K, Takahashi H (2010) Molecular characterization of the intercalated cell masses of the amygdala: implications for the relationship with the striatum. Neuroscience 166(1):220-230.

9) Ohira K, Furuta T, Hioki H, Nakamura KC, Kuramoto E, Tanaka Y, Funatsu N, Shimizu K, Oishi T, Hayashi M, Miyakawa T, Kaneko T, Nakamura S (2010) Ischemia-induced neurogenesis of neocortical layer 1 progenitor cells. Nat Neurosci 13(2):173-179.

10) Satoh H, Tohno S, Minami T, Oishi T, Hayashi M, Tohno Y (2010) Gender-related differences in a process of the age-dependent alterations of the elements in monkey sino-atrial node. Korean Journal of Physiology & Pharmacology 14(5):249-256.

11) Tohno Y, Suwanahoy P, Tohno S, Sinthubua A, Azuma C, Nishiwaki F, Moriwake Y, Kumai T, Minami T, Laowatthanaphong S, Mahakkanukrauh P, Oishi T, Hayashi M (2010) Age-related changes of elements in the tendons of the peroneus longus muscles in Thai, Japanese, and monkeys. Biol Trace Elem Res 133(3):291-303.

12) Toyoda H, Saito M, Okazawa M, Hirao K, Sato H, Abe H, Takada K, Funabiki K, Takada M, Kaneko T, Kang Y (2010) Protein kinase G dynamically modulates TASK1-mediated leak K+ currents in cholinergic neurons of the basal forebrain. The Journal of Neuroscience 30(16):5677-5689.

13) Yoshino-Saito K, Nishimura Y, Oishi T, Isa T (2010) Quantitative inter-segmental and inter-laminar comparison of corticospinal projections from the foreoerlimb area of the primary motor cortex of macaque monkeys. Neuroscience 171(4):1164-1179.

14) 肥後範行、佐藤明、山本竜也、西村幸男、大石高生、村田弓、尾上浩隆、吉野(齋藤)紀美香、坪井史治、高橋雅人、伊佐正、小島俊男 (2010) SPP1 is expressed in corticospinal neurons of the macaque sensorimotor cortex. Journal of Comparative Neurology 518(13):2633-2644.

15) 吉野(齋藤)紀美香、西村幸男、大石高生、伊佐正 (2010) Quantitative inter-segmental and inter-laminar comparison of corticospinal projections from the forelimb area of the primary motor cortex of macaque monkeys. Neuroscience 171(4):1164-1179.

16) Iwata K, Miyachi S, Imanishi M, Tsuboi Y, Kitagawa J, Teramoto K, Hitomi S, Shinoda M, Kondo M, Takada M (2011) Ascending multisynaptic pathways from the trigeminal ganglion to the anterior cingulate cortex. Experimental Neurology 227(1):69-78.

17) Kato S, Kobayashi K, Inoue K, Kuramochi M, Okada T, Yaginuma H, Morimoto K, Shimada T, Takada M, Kobayashi K (2011) A lentiviral strategy for highly efficient retrograde gene transfer by pseudotyping with fusion envelope glycoprotein. Human Gene Therapy 22(2):197-206.

18) Ninomiya T, Sawamura H, Inoue K, Takada M (2011) Differential architecture of multisynaptic geniculo-cortical pathways to V4 and MT. Cerebral Cortex, first published online April 22:-.

19) Saga M, Hirata Y, Takahara D, Inoue K, Miyachi S, Nambu A, Tanji J, Takada M, Hoshi E (2011) Origins of multisynaptic projections from the basal ganglia to rostrocaudally distinct sectors of the dorsal premotor area in macaques. European Journal of Neuroscience 33(2):285-297.

20) Yamamoto T, Higo N, Sato A, Nishimura Y, Oishi T, Murata Y, Yoshino-Saito K, Isa T, Kojima T (2011) SPP1 expression in spinal motoneurons of the macaque monkey. Neuroscience Research 69(1):81-86.

21) Yumoto N, Lu X, Henry T, Miyachi S, Nambu A, Fukai T, Takada M (2011) A neural correlate of the processing of multi-second time intervals in primate prefrontal cortex. PLoS ONE 6(4):e19168.

22) 山本竜也、肥後範行、佐藤明、西村幸男、大石高生、村田弓、吉野(齋藤)紀美香、伊佐正、小島俊男 (2011) SPP1 expression in spinal motor neurons of the macaque monkey. Neuroscience Research 69(1):81-86.

総説

1) Bromberg-Martin ES, Matsumoto M, Hikosaka O (2010) Dopamine in motivational control: rewarding, aversive, and alerting. Neuron 104:1068-1076.

2) 高田昌彦, 井上謙一 (2010) 高次脳機能の解明と精神・神経疾患の克服のためのサルモデル. 生体の科学「特集 脳科学のモデル実験動物」 61(1):53-58.

3) 高田昌彦, 井上謙一, 宮地重弘 (2010) 狂犬病ウイルスによる多シナプス性神経路の解析法. Brain and Nerve「特集 神経回路解析法の最近の進歩」 62:221-230.

4) 松本正幸 (2011) 報酬系と手綱核. Clinical Neuroscience 29:482-483.

著書(分担執筆)

1) 大石高生 (2011) 「マカクの脳、ためつすがめつ, 生き物たちのつづれ織り, 第四巻」 (-編) p.29-34 京都大学グローバルCOEプログラム.

著書(翻訳)

1) 大石高生 訳 (2010) 第2章 (N.R. カールソン著,第3版カールソン神経科学テキスト) p.- 丸善出版.

学会発表

1) Bromberg-Martin ES, Matsumoto M, Hikosaka O (2010) Distinct tonic and phasic anticipation of rewards and punishments in lateral habenula and dopamine neurons. 40th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2010/11, San Diego, USA).

2) Higaki S, Sato A, Kojima T, Oishi T (2010) Microarray profiling of gene expression in the aging monkey brain. Neuro 2010 (2010/09/03, Kobe).

3) Hirata Y, Inoue K, Takahara D, Takada M, Hoshi E (2010) Frontal lobe inputs to the shoulder region of the dorsal premotor area in macaque monkeys. 40th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2010/11/14, San Diego, CA, USA).

4) Inoue K, Kato S, Takahara D, Endo A, Okuda Y, Kobayashi K, Kobayashi K, Takada M (2010) Development in pathway-selective gene expression and cell ablation by using modified lentiviral vectors with retrograde transport in primates. 40th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2010/11/16, San Diego, CA, USA).

5) Takada M (2010) Application of recombinant viral vectors to primate brain research: Gene therapy for Parkinson's disease. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09/12, Kyoto).

6) Takada M (2010) Parkin recruitment prevents Parkinsonism induced by alpha-synuclein overexpression in nonhuman primates. 10th Triennial Meeting of International Basal Ganglia Society (2010/06/21, Long Branch, NJ, USA).

7) Takahara D, Inoue K, Hirata Y, Miyachi S, Nambu A, Takada M, Hoshi E (2010) Multisynaptic inputs from the temporal cortex to the dorsal premotor cortex in macaques. 40th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2010/11/17, San Diego, CA, USA).

8) Toyoda H, Saito M, Okazawa M, Hirao K, Sato H, Abe H, Takada K, Funabiki K, Takada M, Kaneko T, Kang Y (2010) Protein kinase G (PKG) bidirectionally modulates TASK1 currents in PKG-loaded HEK 293 cells. 40th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2010/11/15, San Diego, CA, USA).

9) Yamamoto T, Higo N, Sato A, Nishimura Y, Oishi T, Murata Y, Yoshino-Saito K, Isa T (2010) Increased expression of SPP1 in the ventral premotor cortex of the macaque monkey after spinal cord lesion. Neuro2010 (2010/09/03, Kobe).

10) Sugiyama Y, Higo N, Yoshino-Soito K, Murata Y, Nishimura Y, Oishi T, Isa T (2010) Effect of early rehabilitative training after spinal cord lesion in macaque monkeys. Neuroscience 2010 (2010/11/16, San Diego).

11) Yamamoto T, Oishi T, Higo N, Sato A, Murayama S, Nishimura Y, Murata Y, Yoshino-Saito K, Isa T, Kojima T (2010) Differential SPP1 expression between two new world monkeys: Correlation with the ability of dexterous finger movement. Neuroscience 2010 (2010/11/14, San Diego).

12) Murata Y, Higo N, Hayashi T, Nishimura Y, Oishi T, Tsukada H, Isa T, Onoe H (2010) The role of perilesional area for functional compensation of manual dexterity after primary motor cortex lesion in macaque monkeys. Neuroscience 2010 (2010/11/13, San Diego).

13) Oishi T, Sato A, Higaki S, Higo N, Kojima T (2010) Regional characteristics of gene expression in the brain of the rhesus monkey. Neuro2010 (2010/09/04, Kobe).

14) Yoshino-Saito K, Nishimura Y, Oishi T, Isa T (2010) Quantitative and qualitative comparison of corticospinal projections from the hand and arm area of the primary motor cortex in monkeys with spinal cord injury. Neuro2010 (2010/09/03, Kobe).

15) Sato A, Higo N, Oishi T, Nishimura Y, Yamamoto T, Murata Y, Yoshino-Saito K, Tsuboi F, Takahashi M, Onoe H, Isa T, Kojima T (2010) Area-specific regulation of gene expression in monkey motor cortices during recovery from spinal-cord injury. Neuro 2010 (2010/09/03, Kobe).

16) 林崎誠二, 伊東由美, 高田昌彦, 本多芳子, 児玉亨, 有銘預世布, 曽良一郎, 平井志伸, 岡戸晴生 (2010) メタンフェタミン前処理がD5ドーパミン受容体欠損マウスに及ぼす逆説的な効果. CREST研究領域「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」. 第7回領域内研究報告会 (2010年03月, 大阪府豊中市).

17) 平田快洋, 高田昌彦, 星 英司 (2010) マカクザル運動前野への皮質入力により明らかにされた前肢遠位部と近位部運動統合の為の神経基盤. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

18) 星 英司, 佐賀洋介, 高原大輔, 平田快洋, 井上謙一, 宮地重弘, 南部 篤, 丹治 順, 高田昌彦 (2010) マカクザルにおける大脳基底核から背側運動前野への多シナプス性入力. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

19) 井上謙一, 加藤成樹, 小林憲太, 遠藤歩, 高原大輔, 小林和人, 高田昌彦 (2010) 神経路選 択的細胞操作法の開発. CREST研究領域「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」. 第7回領域内研究報告会 (2010年03月, 大阪府豊中市).

20) 井上謙一, 加藤成樹, 高原大輔, 遠藤 歩, 奥田泰弘, 小林憲太, 小林和人, 高田昌彦 (2010) 逆行性感染型レンチウイルスベクターを用いた神経路選択的細胞操作法の開発. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

21) 松本正幸 (2010) 外側手綱核と負の動機づけ. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

22) 二宮太平, 澤村裕正, 井上謙一, 高田昌彦 (2010) マカクザルの前頭葉から4次視覚野への多シナプス性入力様式. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

23) 高原大輔, 平田快洋, 井上謙一, 宮地重弘, 南部 篤, 高田昌彦, 星 英司 (2010) 腹側前頭前野から背側運動前野への多シナプス性入力. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

24) 高良沙幸, 畑中伸彦, 高田昌彦, 南部 篤 (2010) 大脳皮質から入力を受ける線条体介在ニューロンの運動関連活動. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

25) 塚元葉子, 礒村宜和, 今西美知子, 塚田 稔, 高田昌彦 (2010) 海馬/大脳皮質各領域における後発射前駆活動. 第33回日本神経科学大会 (2010年09月, 神戸).

講演

1) Matsumoto M (2010/12) Role of the lateral habenula in motivational control of animal behaviors. 49th Annual Meeting of American College of Neuropsychopharmacology, Miami, USA.

2) Takada M (2010/03) Cerebral network for behavioral control: parietal/temporal-prefrontal-motor links. 56th NIBB Conference Okazaki, Japan.

3) Takada M (2010/06/17-18) Application of recombinant viral vectors to primate brain research: Gene therapy for Parkinson's disease. - University of Pittsburgh, Pittsburgh, USA.

4) Takada M (2010/12/17) Gene delivery to primate brain with recombinant viral vectors: Development of novel models for brain research. 41th NIPS International Symposium Okazaki.

5) 大石高生 (2010/07/10) 「脳を活かす」. 犬山市民大学講座 犬山.

6) 大石高生 (2010/12/11) 「脳を生かした暮らし」. 扶桑市民講座 扶桑.

7) 高田昌彦 (2010/01) 我が国から発信する霊長類脳科学研究の新しい展開. 東北大学包括的脳科学研究・教育推進センター設立記念シンポジウム 仙台.

8) 高田昌彦 (2010/10/07) 視床運動核の生理、小脳ループ、大脳基底核ループの差と不随意運動. 第4回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス 京都ホテルオークラ, 京都.

9) 高田昌彦 (2010/11/09) ウイルスベクターを用いたサル脳への遺伝子導入によるモデル動物の開発. 第58回日本ウイルス学会学術集会 あわぎんホール, 徳島.

10) Matsumoto M (2011/02/12) Motivational signals in the lateral habenula and dopamine neurons. 10th Anniversary International Parkinson's Disease Symposium Takamatsu.

 

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

もどる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1. 研究部門及び附属施設

分子生理研究部門

遺伝子情報分野

平井啓久 (教授), 今井啓雄 (准教授), 郷康広 (助教), 平井百合子 (技能補佐員), 伯川美穂 (技術補佐員・グローバルCOE), 鈴木南美, 早川卓志 (大学院生)

<研究概要>

A) ゲノム不毛遅滞の進化と意義

平井啓久, 古賀章彦(ゲノム多様性分野), 平井百合子

チンパンジーのゲノム不毛地帯(RCRO)の分布と変異を解析し, RCRO同士の強固な対合よって生じる減数分裂時のブーケステージの遅滞を確認した. RCROの存在部位の変異が生じることから, 非相同染色体間のRCRO領域の組み換えが生じることを確認した.



B) 霊長類における染色体領域VIIq31の進化的保存性

平井啓久, 郷康広, 宮部貴子(人類進化モデル研究センター), 平井百合子

チンパンジーのVIq31領域を顕微切断法で削り取り彩色プローブを作製した. そのプローブを用いてVIIq31の存在様式を霊長類20種で確認したところ, コモンマーモセット1種だけに逆位が確認されたのみで, 他の全種は染色体再配列が生じることがなく, 頑健な保存性を示した. それはゲノムデータベース解析においても確認された. その高い保存性の理由として, その領域に重要な遺伝子(精神的発達や癌関連遺伝子など)が存在するために, 染色体変異が淘汰されてきたものと推論した.



C) テナガザル類の多様性と生物地理学

平井啓久, 宮部貴子(人類進化モデル研究センター),松井淳(人類進化モデル研究センター), 古賀章彦(ゲノム多様性分野), Baicharoen S(タイ動物園協会), Jahan S(バングラデシュ野生生物保護局), 平井百合子

タイのチェンマイ動物園の属間雑種を解析し, 父親がNomascus leucogenysで母親がHylobates larであることを染色体レベルと記録情報で確認した. 野性テナガザルから検出されたヘリコバクターの16SrDNAの配列を明らかにし, 分子系統進化解析をおこなった.Hoolock hoolockの染色体の彩色プローブ作製にとりかかった.



D) チンパンジー苦味受容体の多型解析

早川卓志, 菅原亨(現 成育医療センター), 鵜殿俊史,森村成樹(以上,チンパンジーサンクチュアリ宇土), 友永雅己(思考言語), 郷康広, 平井啓久, 今井啓雄

国内施設飼育チンパンジーを対象にT2R遺伝子群の種内多型を解析した. 約50個体を対象にした西チンパンジーでは平衡選択的な傾向がみられた(Sugawara et al., 2011). 一方, 動物園等から集めて解析した東・中央チンパンジーについては, 西チンパンジーと異なった傾向を示すことが明らかになり, 進化的・生態的な意義が興味深い.



E) マカク類の苦味受容体の多型解析

鈴木南美,菅原亨(現 成育医療センター), 松井淳(人類進化モデル研究センター), 郷康広, 平井啓久, 今井啓雄

ニホンザル, アカゲザルについて苦味受容体T2Rの遺伝子多型解析を行った. 特にT2R38について多くの遺伝子多型が発見され, ある群では機能欠損されていることが示唆された. 苦味物質PTCを含むリンゴ片を用いた行動実験を行った. その結果, 機能欠損されていると思われるT2R38をホモで持つ個体はPTCの苦味を識別できないことが示された(Suzuki et al., 2010). また, 二瓶法により閾値等が比較できるようになった. このような個体は今後味覚情報伝達機構の研究モデルとして有効であると期待される.



F) マカク類の苦味受容体の発現解析

今井啓雄, 鈴木南美, 伯川美穂(グローバルCOE),石丸喜朗, 三坂巧, 阿部啓子(以上,東大院農生科)

苦味受容体の機能解析を行うため, カルシウムイメージング法によりヒトとマカクの苦味受容体の比較機能解析を行った.



G) コロブス類の苦味受容体と採食の関係

 鈴木南美, 宮澤悠(総合人間学部), 大本育実,小泉敬彦(以上,理学部), Yin Lijie,Pan Wenshi(以上, 北京大学), 伯川美穂(グローバルCOE), 今井啓雄

 中国広西チワン族自治区崇左市で観察されているwhite-headed langurについて, 採食活動と味覚の関係を検討するために共同研究を始めている. 今年度は, 採食植物の調査とフンからのDNA分析を行った.



H) 嗅覚受容体の多型解析

郷康広, 早川卓志, 友永雅己(思考言語), 松井淳(人類進化モデル研究センター), 伯川美穂(グローバルCOE), 今井啓雄

 チンパンジーとマーモセットについて嗅覚受容体の遺伝子多型解析を開始した. 今年度はチンパンジーに特異的な遺伝子について多型解析を主に行った.



I) マーモセットV1Rの解析

 松井淳(人類進化モデル研究センター), 伯川美穂(グローバルCOE), 今井啓雄

 フェロモン受容体の候補であるV1Rについて,多型解析と発現解析を行った. 所内のマーモセットで多型はほとんど観察されなかった. RT-PCRにより一部のV1Rが鋤鼻器で発現していることがわかったが, 培養細胞で異所的発現するのは困難であった.



J) 消化器に発現する味覚情報伝達系の探索

権田彩,松村秀一(以上,岐阜大学),郷康広,今井啓雄

霊長類の消化器に発現している味覚情報伝達関連タンパク質について, 半定量的RT-PCR法により検討した.



K) 脳機能に関わる遺伝子の多型解析

伯川美穂(グローバルCOE), 郷康広, 今井啓雄

脳機能と自然発生的遺伝子変異との関連を検討するため, 様々な脳機能に関わる遺伝子の多型解析に着手した. 今年度は情動や長期記憶に関わる遺伝子(SCOP-phlpp1)の多型解析を主に行った.



L) 血小板減少症とSRVに関する研究

 伯川美穂(グローバルCOE), 今井啓雄

血小板減少症の原因究明を目指して, 罹患個体血漿中の核酸について次世代シークエンサーによる網羅的解析を試みた. また, SRVのシークエンス等を担当した.



M) 霊長類ゲノム配列を用いた嗅覚受容体遺伝子の比較ゲノム解析

松井淳(人類進化モデル研究センター), 郷康広, 新村芳人(東京医科歯科大)

 嗅覚受容は, 嗅覚受容体が環境中のにおい物質を分子認識することにより開始される.霊長目の進化の過程で, 色覚の発達と引き換えに嗅覚の相対的な重要性が低下し, 嗅覚受容体遺伝子が失われたとする仮説がある. 新たに4種の霊長類とツパイのゲノムデータから全嗅覚受容体遺伝子を網羅的に同定した結果, 狭鼻猿類の系統で嗅覚受容体機能遺伝子は徐々に失われており, 三色色覚の獲得によって急激に失われていないことが示された(Matsui et al. 2010).



N) チンパンジーの比較ゲノム・比較トランスクリプトーム解析

郷康広, 豊田敦(遺伝所), 辰本将司(遺伝研), 藤山秋佐夫(遺伝研), 黒木陽子(理研), 平井啓久(遺伝子情報), 友永雅己(思考言語), 松沢哲郎(思考言語), 西村理(京都大), 阿形清和(京都大)

 ヒトの進化を考える上で, 最も近縁種であるチンパンジーのゲノム解析およびトランスクリプトーム解析は必須である. 霊長類研究所の親子トリオの白血球細胞を抽出し, RNAを精製した後, イルミナ社の次世代シーケンサーによる発現定量化を行なった.また国立遺伝学研究所との共同研究により親子トリオの全ゲノム解析をすすめており, 親子3個体の全ゲノム解析がほぼ終了した.



O) マカクザルにおけるエクソーム解析

郷康広, 豊田敦(遺伝所), 今井啓雄, 山森哲雄(基生研), 伊佐 正(生理研), 平井啓久

マカクザルの実験動物化に向けた最初の試みとして, 実験に供与される個体群の遺伝的バックグラウンドを把握する必要がある. ニホンザルの高浜群・箕面群から一個体ずつのDNAを調整し, ヒト用にデザインされたエクソームキットを用いたエクソーム解析を行った. その結果, マカクザルにおいてもヒト用のキットが十分使用できることが分かった.



P) 特殊な環境に適応したほ乳類の嗅覚受容体遺伝子群の適応進化

郷康広, 新村芳人(東京医科歯科大), 颯田葉子(総研大), 久野 香(総研大), 高畑尚之(総研大)

 進化の過程で特殊な環境に適応した生物には, その環境に応じた表現型の特殊化がしばしば観察される. この特殊化に際して起きる分子レベルの変化を探るために, 海棲適応もしくは飛翔能力を獲得したほ乳類における嗅覚受容体遺伝子の適応進化の過程を調べた.



Q) イルカの苦味受容体遺伝子のゲノム解析

郷康広, 浅川修一(東大), 清水厚志(慶応大), 佐々木貴史(慶応大), 清水信義(慶応大)

 海棲適応したイルカ類における味覚受容体遺伝子の遺伝子進化を調べるために, イルカBACライブラリーよりT2R遺伝子群が存在するBACクローンを同定し, 配列解析を行なった. また, 同時に解析が進行している全ゲノム配列を利用したin silico解析も行い, 実験で得たデータと比較を行なった. その結果,同定した配列すべてが機能を喪失(偽遺伝子化)していることが分かった.



R) ショウジョウバエにおける比較トランスクリプトーム解析

郷康広, Pierre Fontanillas(Broad Institute), Daniel Hartl(Harvard大)

 種や性における表現型の違いを生み出すRNAレベルでの機構を調べるために, エクソン特異的なマイクロアレイを作成し, キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)とその近縁2種における遺伝子発現変化を調べた. その結果, 性特異的な遺伝子発現パターンを示す遺伝子を多数検出した.



<研究業績>

原著論文

1) Iwase M, Satta Y, Hirai H, Hirai Y, Takahata N (2010) Frequent gene conversion events between the X and Y homologous chromosomal regions in primates. BMC Evolution Biology 10:225.

2) Katayama K, Furutani Y, Imai H, Kandori H (2010) An FTIR study of monkey green- and red-sensitive visual pigments. Angewandte Chemie 49:891-894.

3) Koga A, Notohara M, Hirai H (2010) Evolution of subterminal satellite (StSat) repeats in hominids. Genetica 139:167-175.

4) Matsui A, Go Y, Niimura Y (2010) Degeneration of olfactory receptor gene repertories in primates: no direct link to full trichromatic vision. Molecular Biology and Evolution 27:1192-1200.

5) Matsuyama T, Yamashita T, Imai H, Shichida Y (2010) Covalent bond between ligand and receptor required for efficient activation in rhodopsin J. Biol. Chem 285:8114-8121.

6) Sugawara T, Imai H, Nikaido M, Imamoto Y, Okada N (2010) ertebrate rhodopsin adaptation to dim light via rapid Meta-II intermediate formation. Mol. Biol. Evol 27:506-519.

7) Suzuki N, Sugawara T, Matsui A, Go Y, Hirai H, Imai H (2010) Identification of non-taster Japanese macaques for a specific bitter taste. Primates 51:285-289.

8) Nagai H, Terai Y, Sugawara Y, Imai H, Nishihara H, Hori M, Okada N (2011) Reverse evolution in RH1 for adaptation of cichlids to water depth in Lake Tanganyika. Mol. Biol. Evol. -:in press.

9) Sugawara T, Go Y, Udono T, Morimura N, Tomonaga M, Hirai H, Imai H (2011) Diversification of bitter taste receptor gene family in western chimpanzees. Mol. Biol. Evol. 28:921-931.

学会発表

1) Baicharoen S, Miyabe-Nishiwaki T, Hirai Y, Duangsa-ard B, Siriaroonrat B, Hirai H (2010) Intergeneric and interspecific hybrids in gibbons: chromosomal aspects of the small ape evolution. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09, Kyoto).

2) Go Y, Nishimura O, Toyoda A, Fujiyama A, Agata K (2010) Comparative Transcriptome Analysis in Chimpanzee Trio. International Primatological Society XXIII Congress (2010/09, Kyoto).

3) Go Y, Nishimura O, Toyoda A, Fujiyama A, Agata K (2010) Comparative transcriptome analysis in a chimpanzee trio. SMBE2010 (2010/07, Lyon, France).

4) Go Y, Sugawara T, Suzuki N, Hayakawa T, Matsui A, Hirai H, Imai H (2010) Evolutionary dynamics of bitter taste receptor gene repertoires in primates. European Chemoreception Research Organization XXth CONGRESS (2010/09, Avignon, France).

5) Hayakawa T, Sugawara T, Go Y, Udono T, Hirai H, Imai H (2010) INTRASUBSPECIFIC POLYMORPHISMS AND INTERSUBSPECIFIC DIVERGENECE OF BITTER TASTE RECEPTOR GENES IN CHIMPANZEES. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09, Kyoto).

6) Ichino S, Kawamoto Y, Miyamoto N, Hirai H, Koyama N (2010) Male reproductive strategies of ring-tailed lemurs (Lemur catta) at Berenty reserve, Madagascar. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09, Kyoto).

7) Imai H (2010) IPS BITTER TASTE RECEPTORS OF PRIMATES. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09/13, Kyoto).

8) Imai H (2010) Sensory receptors as a model system of post-genome primatology. 生物多様性国際会議「霊長類のゲノム多様性研究」 (2010/03, 犬山).

9) Imai H, Suzuki N, Sugawara T, Matsui A, Go Y, Hirai H (2010) Polymorphism in Bitter Taste Receptors of Primates. Association for Chemoreception Sciences 2010 annual meeting (2010/04/22, St. Petersberg, USA).

10) Koga A, Hirai H (2010) Origin and evolution of retrotransposable compound repeat DNA organization. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09, Kyoto).

11) Matsui A, Go Y, Niimura Y (2010) Degeneration of olfactory receptor gene repertoires in primates: No direct link to full trichromatic vision. International Primatological Society XXIII Congress (2010/09, Kyoto).

12) Nakamura S, Mitsunaga F, Goto H (2010) Genomics study on action of an oriental medicine, TokiShakuyaku, using monkey model. The 15th ICOM Congress (2010/02, Chiba).

13) Sugawara T, Go Y, Udono T, Morimura N, Tomonaga M, Hirai H, Imai H (2010) DIVERSIFICATION OF BITTER TASTE RECEPTOR GENE FAMILY IN CHIMPANZEES. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09/13, Kyoto).

14) Suzuki N, Sugawara T, Hayakawa T, Matsui A, Go Y, Hirai H, Imai H (2010) Genetic Polymorphism in Sensory Receptor Genes of Primates. The 4th International Symposium of the Biodiversity and Evolution Global COE project (2010/09/12, Kyoto).

15) Suzuki N, Sugawara T, Matsui A, Go Y, Hirai H, Imai H (2010) Differences in bitter taste receptors and behaviours in species and sub-species of primates: Identification of non-taster Japanese macaques for a specific bitter taste. European Chemoreception Research Organization XXth CONGRESS (2010/09/18, Avignon, France).

16) Suzuki N, Sugawara T, Matsui A, Go Y, Hirai H, Imai H (2010) REGION-SPECIFIC DISTRIBUTION OF NON-TASTER JAPANESE MACAQUES. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09, Kyoto).

17) Tanaka M, Tanaka H, Hirai H (2010) Genetic structure of a brown lemur interspecific hybrid population in Berenty, Madagascar. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 (2010/09, Kyoto).

18) 郷康広 (2010) 霊長類における味覚受容体の進化. 第82回日本遺伝学会 (2010/09, 札幌).

19) 郷康広, 西村理, 豊田敦, 藤山秋佐夫, 阿形清和 (2010) チンパンジー親子トリオトランスクリプトーム解析による遺伝子発現制御機構の解明. 日本進化学会第12回東京大会 (2010/08, 東京).

20) 早川卓志, 菅原亨, 郷康広, 鵜殿俊史, 平井啓久, 今井 啓雄 (2010) チンパンジー亜種集団間における苦味受容体遺伝子配列の比較解. 日本進化学会第12回大会 (2010年08月02-05日, 東京).

21) 今井啓雄, 菅原亨, 鈴木南美, 早川卓志, 松井淳, 郷康広, 平井啓久 (2010) 霊長類苦味受容体の遺伝子・分子・行動解析. 京阪奈生物学セミナー (2010年05月17日, 京都).

22) 片山耕大,古谷祐詞,今井啓雄,神取秀樹 (2010) 霊長類色覚視物質の赤外分光解析?高次π空間の創発と機能開発.. 第三回公開シンポジウム講演 (2010/03, 名古屋).

23) 片山耕大,古谷祐詞,今井啓雄,神取秀樹 (2010) 霊長類色覚視物質の赤外分光解析. 生物物理学会中部支部講演会 (2010/03, 岡崎).

24) 片山耕大,古谷祐詞,今井啓雄,神取秀樹 (2010) 霊長類色覚視物質の赤外分光解析. 分子研研究会 「拡がるロドプシンの仲間から"何がわかるか""何をもたらすか"」 (2010/03, 岡崎).

25) 菅原亨, 郷康広, 鵜殿俊史, 森村成樹, 友永雅己, 平井啓久, 今井啓雄 (2010) 苦味受容体の多様性探索. 分子研研究会 「拡がるロドプシンの仲間から"何がわかるか""何をもたらすか"」 (2010/03, 岡崎).

26) 鈴木南美, 菅原亨, 松井淳, 郷康広, 平井啓久, 今井啓雄 (2010) 苦味受容体遺伝子の多型解析による味覚変異ニホンザルの発見. 日本味と匂い学会大会 (2010年09月08-10日, 北九州).

講演

1) Imai H (2010/04/26) "Sensory receptors as a probe for the adaptation of diverse animal physiology and behaviors." Ophthalmology & Visual Sciences Seminar Washington University School of Medicine.

2) 今井啓雄 (2010/09/05) 感覚受容体の生物物理学と生物学. 生物物理若手の会夏の学校 一宮.

その他

1) 郷康広 (2010) 大型類人猿ネットワーク,分担者.

2) 平井啓久 (2010) グローバルCOE,事業推進担当者.

3) 平井啓久 (2010) 最先端研究開発戦略的強化費補助金(頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム), 代表者.

4) 平井啓久 (2010) 大型類人猿ネットワーク, 協力者.

5) 今井啓雄 (2010) グローバルCOE, 事業推進担当者.

6) 今井啓雄 (2010) 環境省研究総合推進費, 分担者.

7) 今井啓雄 (2010) 大型類人猿ネットワーク, 協力者.

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

もどる