ENGLISH トップ 所長挨拶 概要 教員一覧 研究分野・施設 共同利用・共同研究 大型プロジェクト 国際集会 教育,入試 広報,公開行事,年報 新着論文,出版 教員,職員公募 国際共同事業 霊長類研究基金 リンク アクセス HANDBOOK FOR INTERNATIONAL RESEARCHERS Map of Inuyama サイトマップ
トピックス
コラム・連載 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ

京都大学霊長類研究所
郵便番号484-8506
愛知県犬山市官林
TEL. 0568-63-0567(大代表)
FAX. 0568-63-0085

本ホーム・ページの内容の
無断転写を禁止します。
Copyright (c)
Primate Research Institute,
Kyoto University All rights reserved.


お問い合わせ

京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2012年度・目次 > 研究活動

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.42 2011年度の活動

. 研究活動

 

1. 研究部門及び附属施設

進化系統研究部門

進化形態分野

<研究概要>

A) マカクの系統地理学研究
濱田穣,川本芳(ゲノム多様性分野),平崎鋭矢,田中洋之(ゲノム多様性分野),加賀谷美幸
 ラオス・タイ・ミャンマーで各国研究者との共同研究体制のもとに、巡回聞き取り・観察調査によるマカクの分布・形態多様性・生息実態データとサンプリングを行った。ラオスではアッタピュー県とチャンパーサック県で調査し、アッサムモンキーの分布南限およびアカゲザルのメコン河西岸における分布を見いだした。タイでは南部で特にキタ・ミナミ両種ブタオザルの分布と形態学的調査を行い、従来いわれていた北緯8-9度のスラタニ−クラビ間(クローンマールイ断層)が両種の分布境界ではなく、境界域で入り組み、同所性に分布している地域も見いだされた。また、北部でアッサムモンキーの捕獲調査により、形態学的・遺伝学的資料を収集した。ミャンマーでは西部ラカイン山地地域および中部で分布調査を行い、ラカイン山地高緯度地域(西部)ではキタブタオザルやベニガオザルは見いだされず、アッサムモンキーと緯度的に棲み分けを行っているらしいことを見いだした。

B) アカゲザルとニホンザルの交雑個体の形態学的検討
濱田穣,毛利俊雄,川本芳(ゲノム多様性分野),加賀谷美幸
千葉県房総半島地域に発生しているアカゲザルとニホンザルの交雑に関して、形態学的調査、特に尾長・体毛パターン・体色パターンに関する比較分析を行った。ひじょうにさまざまな組み合わせの交雑が見られ、かなり長い間にわたって交雑しているらしい。

C) マカクとチンパンジーの成長・加齢変化研究
濱田穣,鈴木樹理(人類進化モデル研究センター),平崎鋭矢
 思春期から身体成熟まで、および加齢に伴う身体変化に関する資料を縦断的・横断的に収集した。胴長は14才ごろまでわずかずつではあるが増大し、それから減少し、20才以降減少速度を増す。他の長さサイズでは有意な減少は見られない。マカクでは椎骨の骨端癒合が15-20才と、ひじょうに遅いこと、そして椎体間間隔の短縮や変形性骨関節症の発症、および骨密度減少と微少骨折によって脊柱の短縮がひきおこされているらしい。今後、脊椎の詳細な形態学的年齢変化の研究が必要である。

D) 足内筋の配置からみた足の機能軸に関する解剖学的研究
平崎鋭矢
霊長類の足内筋の解剖・観察を行い、骨間筋の配置から足の機能軸の位置を推定する試みを継続中である。これまでに、ゴリラ、ボノボにおいては背側骨間筋が第2趾周りに配置されており機能軸がヒトと同様に第2趾上にあると推定される一方で、マカク類やクモザルでは機能軸が第3趾に存在することがわかっている。23年度は、チンパンジーについて調査を行い、チンパンジーでは種内変異が大きく、2頭ではヒトと同様に、背側骨間筋が第2趾周りに配置されているが、他の2頭ではマカク類と同様に機能軸が第3趾にあることが示唆された。今後も継続して観察例を増やす必要がある。

E) ニホンザルのロコモーションに関する実験的研究
平崎鋭矢,濱田穣,鈴木樹理(人類進化モデル研究センター),早川清治(国際共同先端研究センター)
霊長類が二足および四足で歩く際に、身体各運動分節がそれぞれどのように動き、互いに協調するのかを明らかにすることを目的とし、ニホンザル歩行の運動学的分析を継続中である。23年度には新たに2歳の個体を導入し馴化を行った。まずは実験者および実験室に対する被験体の馴化から始め、床上での二足および四足歩行モデル、トレッドミル上での二足歩行モデルを確立し、次に四足歩行中の四肢の動きについての予備的なデータを収集した。

F) 東南アジアのマカクのロコモーションに関する運動学的研究
平崎鋭矢,濱田穣
これまで主として実験室内で行われてきた霊長類ロコモーションの運動学的分析をフィールドに拡張する試みを継続中である。23年度は、22年度に収集した東南アジアの半野性マカク(アッサムモンキー、カニクイザル、およびベニガオザル)のロコモーションの映像を分析した。その結果、アッサムモンキーはニホンザルに比べ、歩行時に肩関節を大きくprotractionし、股関節を大きく伸展させること、足の運び順に変異が大きいこと、掌行性・蹠行性の歩行をよく行うことなどが判明した。またベニガオザルでは、肩甲骨の歩行への寄与が他の2種より大きいことが判明した。ベニガオザルが地上歩行により適応していることを示唆する結果である。

G) 霊長類の頭蓋学
毛利俊雄
 ひき続き、霊長類の頭蓋を計測、非計測の両面から研究している。

H) 霊長類の肋骨の肋椎関節面シェイプと湾曲の分析
加賀谷美幸
類人猿やヒトの扁平胸郭の起源や適応的意義を明らかにすることを目的に、胸郭の形態分析を行っている。本年度は、11種の霊長類の肋骨の頭頚部の長幅示数や肋骨頚部の角度、湾曲示数、腸肋筋粗面部の相対長などの分析を開始した。特に第二肋骨は、その湾曲示数が扁平胸郭の指標にも利用されるが、クモザル、ウーリーモンキーやテングザルといった大型の樹上性サルの示数値は大型類人猿のものと重複していた。

I) マカク属の前肢帯骨格・上腕骨頭形態の種間差と位置的行動
加賀谷美幸,濱田穣
マカク属は多様な種を含み、種によって利用する支持基体や位置的行動の傾向が異なる。マカク属10種の肩甲骨、鎖骨、上腕骨近位部の計測値を分析し、種による特徴が見いだせるかどうか、検討した。結果、種間変異が種内変異と比べて顕著でなく、マカク属の体肢骨形態は基本的には互いによく似ていることが示された。ただし、ベニガオザルの上腕骨頭は相対的に狭いことが、上腕骨頭の矢状径、結節部の幅、肩甲骨関節窩の幅との比較から示唆された。この種がほとんど樹上を移動に用いないことに対応できる可能性がある。

<研究業績>

原著論文

1) Fujita H, Hashimoto H, Shoda S, Suzuki T (2011) Dental Caries Prevalence as a Product of Agriculture and Subsistence Pattern at the Yean-ri Site, South Korea. Caries Research 45:524-531.

2) Hamada Y, Sawada J, Cho F, Won MH, Hyun BHHyun (2011) Tubular anomalous bones found in both thighs of a long-tailed macaque (Macaca fascicularis). Primates 53:25-30.

3) Kurita H, Suzumura T, Kanchi F, Hamada Y (2011) A photogrammetric method to evaluate nutritional status without capture in habituated free-ranging Japanese macaques (Macaca fuscata): a pilot study. Primates 53:7-11.

4) Sakai T, Mikami A, Tomonaga M, Matsui M, Suzuki J, Hamada Y, Tanaka M, Miyabe-Nishiwaki T, Makishima H, Nakatsukasa M, Matsuzawa T (2011) Differential Prefrontal White Matter Development in Chimpanzees and Humans. Current Biology 21:1397-1402.

5) 山崎健,橋本裕子,茂原信生 (2011) 京都大学大学院理学研究科自然人類学研究室所蔵動物標本−とくに動物遺存体と動物化石について−. 動物考古学 28:95-112.

6) Ogihara N, Makishima H, Hirasaki E, Nakatsukasa M (2012) Inefficient use of inverted pendulum mechanism during quadrupedal walking in the Japanese macaque. Primates 53:41-48.

報告

1) 濱田穣 (2011) 東南アジア大陸部におけるマカクとその進化パターン. 東南アジア熱帯林の哺乳類 (1) 霊長類. 海外の森林と林業 No.81 (June, 2011) :57-62.

2) 橋本裕子 (2012) 名越切通出土人骨. 史跡名越切通 整備事業に伴う発掘調査報告書. 逗子市教育委員会:42-47.

著書(分担執筆)

1) Hamada Y, Kurita H, Goto S, Morimitsu Y, Malaivijitnond S, Pathonton S, Pathontone B, Kingsada P, Vongsombath C, Samouth F, Prazaysombath B (2011) Distribution and present status of long-tailed macaques (Macaca fascicularis) in Laos and their ecological relationship with rhesus macaques (Macaca mulatta). (Monkeys on the Edge) (ed. Gumert MD, Fuentes A, Jones-Engel L) p.72-98 Cambridge University Press.

2) Malaivijitnond S, Vazquez Y, Hamada Y (2011) Human impact on long-tailed macaques in Thailand. (Monkeys on the Edge) (ed. Gumert MD, Fuentes A, Jones-Engel L) p.118-158 Cambridge University Press.

3) Ogihara N, Hirasaki E, Nakatsukasa M (2011) Experimental and computational studies of bipedal locomotion in the bipedally-trained Japanese macaque. (Primate Locomotion: Linking in situ and ex situ Research) (ed. D'Aout K, Vereecke EE) p.47-59 New York, Springer.

4) San AM, Hamada Y (2011) Distribution and current Status of Long-tailed macaques (Macaca fascicularis aurea) in Myanmar. (Monkeys on the Edge) (ed. Gumert MD, Fuentes A, Jones-Engel L) p.45-71 Cambridge Univ. Press.

5) 平崎鋭矢 (2011) サルの歩行からヒトの直立二足歩行の起源と進化を探る.「新・霊長類学のすすめ」 (京都大学霊長類研究所編) p.19-35 丸善.

その他の執筆

1) 平崎鋭矢 (2011) サルの歩き方. 京都大学グローバルCOE「生物の多様性と進化研究のための拠点形成」編『生き物たちのつづれ織り 第5巻』 p.121-127.

2) 平崎鋭矢 (2011) 二足サルの骨格,歩,脳. 日本人類学会進化人類分科会ニュースレター. 25: p.4-5.

3) 平崎鋭矢,熊倉博雄 (2011) 足底部の筋配置と足底圧からみた霊長類の足の機能軸. Anthropological Science (Japanese Series) 119: p.25-26.

学会等発表

1) Hamada Y (2011) Distribution and morphological characteristics of macaques in Thailand. International Symposium "Biodiversity and Ecology of Wildlife in Thailand" (2011/09/06, Bangkok).

2) Hamada Y (2011) Growth and Aging in Primates: Comparison of Life-History. First Thai National Symposium on Animal Care and Use for Scientific Purposes & Laboratory Animal Trade Exhibition 2011 (2011/07/11-13, Bangkok).

3) Hamada Y (2011) Guideline for the care and use of laboratory primates. Workshop "Healthy Management for Non-human Primates" (2011/05/18-20, Bangkok).

4) Hashimoto H (2011) Mating Systems of the Prehistoric Jomon People from the Mainland Japan indicated by Dental Traits. 13th Annual Conference of the Association for Biological Anthropology and Osteoarchaeology (2011/09/02-04, Edinburgh, U.K).

5) Hirasaki E, Malaivijitnond S, Tojima S, Hamada Y (2011) A preliminary study on locomotor kinematics of the semi-wild Assamese macaques (Macaca assamensis) in northern Thailand. The 81st annual meeting of the American Association of Physical Anthropologists (2011/04, Oregon, USA).

6) Malaivijitnond S, Hamada Y, Arsaithamkul V (2011) How to catch free-ranging macaque monkeys? Workshop "Healthy Management for Non-human Primates" (2011/05/18-20, Bangkok).

7) Malaivjitnond S, Hamada Y (2011) What are nonhuman Primates? Workshop "Healthy Management for Non-human Primates" (2011/05/18-20, Bangkok).

8) 藤田尚,橋本裕子,川久保善智,大野憲五,庄田慎矢,鈴木隆雄 (2011) 韓半島出土人骨から農耕の伝播・受容を考察する. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

9) 藤田尚,橋本裕子,庄田慎矢,鈴木隆雄 (2011) 農耕は齲歯率を増加させたか?−韓国勒島人骨と禮安里人骨の低い齲歯率から生業を考察する−. 日本考古学協会第77回総会 (2011/05/28-29, 東京都).

10) 権田絵里,片山一道,濱田穣 (2011) トンガ人の成長パターンと肥満の年齢変化. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

11) 濱田穣,Pomchote P,田中洋之,Arsaithamakul V,Suryobroto B,Malaivijitnond S (2011) キタブタオザル(Macaca leonina)とミナミブタオザル(M. nemestrina)の形態学的比較. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).橋本裕子 (2011) 古人骨をどう研究する−取り上げから保存,いざ研究−. 第216回 近江貝塚研究会 (2011/10/29, 滋賀県).

12) 濱田穣,東島紗弥佳,毛利俊雄,川本芳 (2011) タイワンザル(Macaca cyclopis)とニホンザル(Macaca fuscata)の交雑個体に見られる尾長を決める要因. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

13) 橋本裕子 (2011) 古人骨をどう研究する−取り上げから保存,いざ研究−. 第216回 近江貝塚研究会 (2011/10/29, 滋賀県).

14) 橋本裕子 (2011) 人骨と絵画資料から読み取る刑罰「さらし首」の方法. 考古学研究会第57回総会・研究集会 (2011/04/23-24, 岡山市).

15) 橋本裕子,藤田尚,川久保善智,大野憲五,庄田慎矢,鈴木隆雄 (2011) 歯と下顎骨から見た韓国禮安里古墳人骨. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

16) 平崎鋭矢,熊倉博雄 (2011) 足底部の筋配置と足底圧からみた霊長類の足の機能軸. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

17) 平崎鋭矢,大石元治,清水大輔 (2011) 類人猿の足の骨間筋について. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).加賀谷美幸 (2011) 胸郭プロポーションにみるクモザルとホミノイド. 第27回日本霊長類学会大会自由集会 (2011/07/16-18, 犬山市).

18) 平崎鋭矢,Malaivijitnond S,東島沙弥佳,濱田穣 (2011) タイ王国に棲む半野生マカク2種のロコモーションの運動学的分析. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

19) 加賀谷美幸 (2011) 胸郭プロポーションにみるクモザルとホミノイド. 第27回日本霊長類学会大会自由集会 (2011/07/16-18, 犬山市).

20) 加賀谷美幸 (2011) 肋骨の計量的特徴によってホミノイドと非ホミノイドは区別できるか? 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

21) 丸橋珠樹,Nilpaung W,濱田穣,Malaivijitnond S (2011) タイ・カオクラプック保護区に生息するベニガオザルの第1位オス交代とオスの移出入. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

22) 小川秀司,Malaivijitnond S,濱田穣 (2011) ヒガシアッサムモンキーの交尾行動. Animal 2011:日本動物心理学会(第71回),日本動物行動学会(第30回),応用動物行動学会/日本家畜管理学会 (2011年度)合同大会 (2011/09/09-11, 東京都港区).

23) 大野憲五,川久保善智,藤田尚,橋本裕子,鈴木隆雄,庄田慎矢,小山宏義,倉岡晃夫 (2011) 幾何学的形態測定学を用いた韓国礼安里・勒島人骨頭蓋の3次元形態解析. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

24) 酒井朋子,松井三枝,Malkova L,三上章允,中務真人,友永雅己,鈴木樹理,濱田穣,田中正之,宮部貴子,巻島美幸,松沢哲郎 (2011) チンパンジーの大脳組織の発達過程はヒトの脳進化を理解する上での新たな洞察を与える. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04-06, 那覇市).

25) 権田絵里,片山一道,濱田穣 (2012) トンガ人の骨格成長パターンと肥満の年齢変化. 第29回日本オセアニア学会大会 (2012/03/24-25, 倉敷市).

26) 濱田穣 (2012) 東南アジアの霊長類,特にマカクの多様性研究. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会『アジアの霊長類の保全と社会生態研究に関する近年の新たな展開』 (2012/03/10, 犬山市).

講演

1) 平崎鋭矢 (2011/05) 二足サルの骨格,歩行,脳. 第26回日本人類学会進化人類分科会シンポジウム. 京都市.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲノム多様性分野

<研究概要>

A) 染色体端部ヘテロクロマチンの実態解明
古賀章彦,原暢,平井啓久(遺伝子情報分野),平井百合子(遺伝子情報分野)
チンパンジーの染色体の端部には、大規模なヘテロクロマチンがある。これに相当する構造物は、ヒトにはみられない。共通祖先から分岐した後、ヒトのほうの系列でこれが消失したことを、前年の研究で示した。この消失がヒトの進化の原因または結果であることは、可能性として考えられるため、消失の機構を解明することを長期的に目指している。1つの方法は、このヘテロクロマチンの痕跡としての塩基配列をヒトで見つけ出し、その構造を解析することである。もう1つのアプローチとして、同じヒト上科のテナガザル科にみられる同様の現象を調べている。
フクロテナガザル(Symphalangus syndactylus)には染色体端部に大規模なヘテロクルマチンがあり、シロテテナガザル(Hylobates lar)はこれをもたない。チンパンジーとヒトとの関係に対応する。最初の段階として、フクロテナガザルのヘテロクロマチンの実態解明を目指した。この2種での量の差を利用してクローンを特定する実験を行い、クローンが得られた。その塩基配列の解析から、アルファサテライトDNAであることが判明した。アルファサテライトDNAは、霊長類のテロメアの主成分となっているテヘロクロマチンである。これがテロメアの領域で大規模に増幅しているという結論に至った。原著論文として投稿し、改訂版が現在審査中である。

B) レトロトランスポゾンのゲノムへの影響
古賀章彦,原暢,平井啓久(遺伝子情報分野),平井百合子(遺伝子情報分野),I Jahan(遺伝子情報分野)
 SVA因子とよばれるレトロトランスポゾンは、ヒト上科の共通祖先で生じたと考えられている複合型因子である。ヒトで遺伝子の領域に入って病気の原因になるなど、現在でも転移活性を保持している。この因子のゲノムへの影響に関する研究を行った。
この因子は3つの領域からなり、内部のVNTR(variable number of tandem repeat)とよばれる領域は、30-50 bpの単位が縦列に連なった反復配列である。この領域の長さは、コピーごとに異なる。ヒトでは平均は約0.8 kb、最大は約2.7 kbであることがわかっている。フーロックテナガザル(Hoolock hoolock)のゲノムでのこの因子の様態を調べ、ヒトと同様のコピーに加えて長さが40 kbを超えるVNTR領域が多数存在することを見出した。この長いVNTR領域はセントロメアにあり、テヘロクロマチンを形成していると考えられる。すなわち今回の発見は、トランスポゾンが新規のテヘロクロマチンを大量に供給する現象である。ヒトのゲノムにもSVA因子は多数存在することから、ヒトでも同様の現象が起こる可能性はあると考えられる。原著論文として投稿し、改訂版が現在審査中である。

C) ニホンザルの集団遺伝学的研究
川本芳,川本咲江,樋口翔子,六波羅聡(NPO法人サルどこネット),鈴木義久(NPO法人サルどこネット)
糞抽出DNAを利用して分析した東北地方のニホンザル個体群の孤立に関する研究成果を第27回日本霊長類学会大会(犬山市)で発表した。ニホンザルの野生個体群の遺伝的特徴を調査する新しい試みとして、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域の遺伝的多様性につき、マイクロサテライト座位を分析する方法につき検討した。考案した方法の実用性を評価するため、宮崎県幸島のニホンザルとその関連個体群について分析している。三重県のニホンザルについて、今年度から新たに共同利用研究で地域間交流と外来種拡散のモニタリングを目的とする研究を開始した。また、ニホンザルの外来種問題について、これまでの研究成果を含む総説を単行本の1章として出版公表した。

D) マカカ属サルの系統関係
川本芳,川本咲江,樋口翔子,濱田穣(進化形態分野),田中洋之,大井徹(森林総合研究所),千々岩哲((株)ラーゴ),P Wangda(ネパール農業省),MA Haffman(社会進化分野),CAD Nahallage(Sri Jayawardenepura大学),M Chalise(Tribhuvan大学),蘇秀慧(台湾國立屏東科技大學)
6月にスリランカで開催された国際シンポジウムに参加し、共同研究ですすめているトクモンキーの系統地理研究の成果を発表した。9月と12月にブータンを訪問し、農業省と進めているテレメトリーによるアッサムモンキーの生態調査結果を解析するとともに、研究打ち合わせを行った。10月に蘇秀慧氏を招き、日本で野生化したタイワンザルと台湾在来種の比較を研究所共同利用研究として開始した。また、1月にChalise氏とNahallage氏を招き、南アジアの霊長類の連携研究に向けたワークショップを開催した。3月に研究所共同利用研究会で南アジアの霊長類研究、特に系統地理研究の現状と課題につき講演した。
キタブタオザルの系統地理学的研究をすすめるため、9月にタイ南部でペットザルの探索および採材、生息地の観察を行った。また、2012年1月〜2月にタイ・チュラロンコーン大学より研究助成を受け、タイ北部でのキタブタオザルの調査とチュラロンコーン大学理学部にて実験室作業を行った。

E) ボノボの保全遺伝学的研究
川本芳,樋口翔子,古市剛史(社会進化分野),竹元博幸(社会進化分野),坂巻哲也(社会進化分野),橋本千絵(生態保全分野)
絶滅危機にあるボノボを対象に、コンゴ民主共和国で長期観察が行われている6カ所(Wamba, Iyondji, Lac Tumba, TL2, Salonga, Lomako)で糞試料を収集し、遺伝子の多様性と地域個体群間の遺伝分化を分析している。糞からのDNA分析法を改善したことにより、さらに多種類の遺伝子分析が可能になった。現在、ミトコンドリア遺伝子、Y染色体遺伝子、常染色体マイクロサテライトの変異を個体群ごとに分析している。

F) マカクザルコロニーの集団遺伝学的研究
田中洋之,森本真弓(人類進化モデル研究センター),釜中慶朗(人類進化モデル研究センター),川本咲江,川本芳
 霊長類研究所で維持されているニホンザルおよびアカゲザルの繁殖コロニーについて、遺伝的多様性の経時的変化を明らかにするため、分析をすすめた。アカゲザル中国群およびニホンザル高浜群ともに、調査対象期間中、徐々に遺伝的多様性が低下し、血縁度が上昇していることが明らかになった。しかしながら、依然としてニホンザル野生群と同等の遺伝的多様性を保持していることがわかった。以上のことを、科学研究費補助金研究成果報告書(基盤研究(C))としてまとめ、提出した。

G) ワオキツネザルならびに希少レムールの集団遺伝学的研究
川本芳,市野進一郎,高畑由起夫(関西学院大学),茶谷薫(名古屋芸術大学),佐藤宏樹(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科),田中洋之,宗近功((財)進化生物学研究所)
 8月にマダガスカルのベレンティ保護区でワオキツネザルの調査を行った。8群を全頭捕獲し、計測資料と遺伝子試料を得た。市野を中心に血縁構造と群間分化の検討を進めている。
原産国で絶滅が危ぶまれているクロキツネザル、シロクロエリマキキツネザルおよびアカエリマキキツネザルについて、日本国内の動物園等で飼育される個体群を対象に、マイクロサテライトの分子マーカーの開発を行った。クロキツネザルについては、14遺伝子座が多型的であり、親子判定に利用することができた。エリマキキツネザルについては、日本国内のほとんどの個体について、7遺伝子座の判定を終えた。

H) 家畜化現象と家畜系統史の研究
川本芳,稲村哲也(愛知県立大学),T Dorji(Bhutan農業省),大山修一(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科),本江昭夫(帯広畜産大学),苅谷愛彦(専修大学),鳥塚あゆち(東海大学)
ブータンとアルナーチャルプラデーシュ(インド)におけるウシ科家畜ミタンの利用と遺伝的特性につき、これまでの研究成果を11月に京都で開催された国際会議で発表した。南米アンデス高地におけるラクダ科家畜の研究では、8月にペルーでアヤクーチョ県とクスコ県で観察と試料採取を行った。マイクロサテライトの多型分析から、リャマとアルパカの家畜化に交雑が関与するとの示唆を得た。この研究成果を3月に開催された日本畜産学会第115回大会(名古屋)で発表した。ヒマラヤ高地の畜産と牧畜の研究では、9月にブータン東部のメラック地域で牧民と家畜を調査し、3種類の家畜(在来牛、ヤク、ミタン)が三元交雑していることを初めて確認した。現在、この地域の家畜の遺伝子分析を計画している。

I) 霊長類の民俗生物学的研究
川本芳,三戸幸久(NPO法人ニホンザルフィールドステーション)
畜舎にサル骨を祀る信仰の記録と、絶滅地に生息したニホンザルのDNAを分析する目的で、祀られたサル骨(厩猿とよばれる)を各地で探索している。新たに長野県の茅野市で発見し、頭蓋骨に残るDNAを分析した。長野県では未発見のミトコンドリアDNAタイプが確認でき、中部山岳地帯のニホンザル個体群の成立を考える情報となった。また、7月に香川県で厩猿に関する聞き込み調査を行った。

J) ハナバチの歴史生物地理学
田中洋之
 7月に長野県と北海道で植生景観とマルハナバチの分布の関係に関する調査を行い、草原性マルハナバチのマイクロサテライトDNAの分析をすすめた。


<研究業績>

原著論文

1) Koga A, Sasaki S, Naruse K, Shimada A, Sakaizumi M (2011) Occurrence of a short variant of the Tol2 transposable element in natural populations of the medaka fish. Genetics Research 93(1):13-21.

2) Koga A, Notohara M, Hirai H (2011) Evolution of subterminal satellite (StSat) repeats in hominids. Genetica 139(2):167-175.

著書(分担執筆)

1) Koga A (2011) Contribution of DNA-based transposable elements to genome evolution: inferences drawn from behavior of an element found in fish (Chapter 6). (Post-Genome Biology of Primates) (ed. Go, Imai, Hirai) Springer.

2) Koga A (2011) Transposable elements Tol1 and Tol2. (Medaka - Model for Organogenesis, Human Diseases and Evolution) (ed. Naruse, Takeda, Tanaka) p.171-180 Springer.

3) 白井啓,川本芳 (2011) タイワンザルとアカゲザル:交雑回避のための根絶計画. 「日本の外来哺乳類」 (山田文雄,池田透,小倉剛編) p.169-202 東京大学出版会.

その他の執筆

1) 川本芳 (2011) ブータンにおける野生動物との対立. 科学 81: p.578.

学会発表

1) 濱田穣,東島沙弥佳,毛利俊雄,川本芳 (2011) タイワンザル(Macaca cyclopis)とニホンザル(Macaca fuscata)の交雑個体に見られる尾長を決める要因. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/18, 犬山市).

2) 平井啓久,平井百合子,古賀章彦,鵜殿俊史 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:(1) 存在様式変異から推測される非相同染色体間末端組換え. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/18, 犬山市).

3) 川本芳,三戸幸久,樋口翔子,川本咲江 (2011) 津軽半島個体群の遺伝的特徴からみた北限のニホンザルの成立. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/17, 犬山市).

4) 風張喜子,井上英治,川本芳,中川尚史,井上−村山美穂 (2011) 金華山のニホンザルの遺伝的多様性. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/7/17, 犬山市).

5) 古賀章彦 (2011) メダカにみられる2つの対照的な転移因子:侵入直後の元気な因子と崩壊の危機に立つ因子. 日本遺伝学会第83回大会 (2011/09/20, 京都市).

6) 古賀章彦,平井百合子,平井啓久 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:(2) 培養細胞を用いた組換えの検出. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/18, 犬山市).

7) Michimoto K, Takami Y, Tanaka H, Ushimaru A (2012) Effects of urbanization on genetic structures in two paddy-associated frog species with different dispersal habits. 日本生態学会第59回大会/第5回東アジア生態学会連合大会 (2012/02/19, 大津市).

8) Suka T, Ushimaru A, Tanaka H, Yumoto T (2012) A post-gracial history of semi-natural grassland in central Japan and its causation to distribution of grassland species of bumblebees. 日本生態学会第59回大会/第5回東アジア生態学会連合大会 (2012/02/18, 大津市).

9) Tanaka H (2012) Genentic constitution and species status of the Bornean white-bearded gibbon (Hylobates albibarbis) as inferred by amplified fragment length polymorphism (AFLP). 日本生態学会第59回大会/第5回東アジア生態学会連合大会 (2012/02/20, 大津市).

10) 川本芳,稲村哲也,大山修一,本江昭夫,苅谷愛彦,鳥塚あゆち (2012) 南米ラクダ科動物の起源に関する遺伝学的研究−ペルーのビクーニャ,リャマ,アルパカの遺伝子多様性と交雑の調査結果−. 日本畜産学会第115回大会 (2012/03/29, 名古屋市).

11) 大井徹,清野紘典,濱崎伸一郎,川本芳 (2012) 安定同位体比分析により明らかにしたニホンザルの食性の群れ内変異について. 日本生態学会第59回全国大会 (2012/03/19, 大津市).

講演

1) Kawamoto Y (2011/06/21) Genetic diversity of macaques in Sri Lanka. International Symposium "Integrative Research on Monkeys Man and Malaria in Asia. Colombo, Sri Lanka.

2) Kawamoto Y, Dorji T, Inamura T (2011/11/25) Utilization of mithun in Himalaya: A population genetic study on the use of its hybrids in Bhutan. International Conference "Quality of life and optimal aging learning from wisdom of highland civilizations". Kyoto.

3) 川本芳 (2011/04/09) ブータンのサル調査(続報). 京都大学ブータン友好プログラム 吉田泉殿自然学セミナー. 京都市.

4) 川本芳 (2012/03/10) 南アジアの霊長類の系統地理研究. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会『アジアの霊長類の保全と社会生態研究に関する近年の新たな展開』. 犬山市.

5) 古賀章彦 (2011/09/25) チンパンジーにあってヒトにない大規模反復配列. 京都大学霊長類研究所東京公開講座. 東京都.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

系統発生分野

<研究概要>

A) 東部ユーラシア地域における新第三紀の霊長類進化に関する研究

A-1) ミャンマー産オナガザル上科化石の研究
高井正成,西村剛,江木直子,矢野航,西岡佑一郎
ミャンマーの鮮新世?更新世の地層を対象に霊長類を中心とした哺乳類化石の発掘調査をおこなった。チャインザウック地域の中新世末?鮮新世初頭の地層からは新種のコロブス亜科の化石が発見されており、記載作業を行っている。グウェビン地域の鮮新世後半の地層からはSemnopithecus(ハヌマンラングール属)と思われる化石が多数見つかっており、その分類・記載作業を進めている。またサベー地域の前期(?)更新世と思われる地層から発見されていた大型のオナガザル亜科の化石の系統的位置に関する検討も進めている。

A-2) 神奈川県産コロブス化石の研究
西村剛,高井正成
後期更新世神奈川県産のコロブス化石の分類の再検討を行った。フランス産ドリコピテクス、トランスバイカル産パラプレスバイティス、中国産キンシコウ化石などと比較検討し、これまでドリコピテクス属の亜属であったカナガワピテクスを属名として新属として報告した。また、アフリカ産化石コロブス類や現生アジア産コロブス類との系統的関連性についても検討した。

A-3) 中国産大型ヒヒ族化石の研究
西村剛,高井正成,矢野航,伊藤毅
更新世東・南ユーラシア産プロサイノセファルスと西ユーラシア産パラドリコピテクスの分類の再検討を行っている。現生ヒヒ族やマカクの頭蓋骨のCT画像データを精査し、中国産プロサイノセファルス化石の高解像度CT画像から、その系統学的位置を推定できないか検討した。

A-4) 台湾産オナガザル科化石の研究
高井正成
台湾国立自然科学博物館の張釣翔博士と共同で、台湾南部の中期更新世の地層から見つかったオナガザル科のものと考えられる遊離歯化石の記載、ならびに古生物地理学的研究を行った。

A-5) 中国産マカク化石の頭骨内部形態に関する研究
伊藤毅,西村剛,高井正成
中国産Macaca anderssoniの化石標本をCT撮像し、その頭骨内部構造の解析と現生種との比較を行い、その系統的位置について検討した。

A-6) 日本列島におけるニホンザルの進化に関する古生物学的研究
西岡佑一郎,高井正成,西村剛,伊藤毅
日本列島の第四紀の洞窟・裂っか堆積物、および縄文遺跡から見つかっているニホンザル化石を解析し、その形態的変化と地理的分布の変遷に関して、古生物学的に検討した。また、ニホンザル化石の産地と標本のデータベースを作成し、計27地点の標本を整理した。

A-7) 朝鮮半島のマカク化石の検討
高井正成
韓国先史文化研究院の李隆助教授と共同で、朝鮮半島の更新世の遺跡から発見されているマカク化石の検討を行った。

A-8) インドネシアのマカク化石の検討
高井正成
インドネシアのエネルギー鉱物資源省庁のアジス博士と共同で、ジャワ島から見つかっている更新世の霊長類化石の観察と計測を行い、特に東南アジアのオナガザル科のサルの進化史について検討している。

B) 東部ユーラシア地域における古第三紀の霊長類進化に関する研究

高井正成,西村剛,江木直子,西岡佑一郎
ミャンマーのポンダウン地域に広がる中期始新世末の地層から産出する霊長類化石は、原始的な曲鼻猿類と真猿類の中間的な形態を示し、真猿類の起源地と起源時期に関する論争を起こしている。それらの化石の形態学的および系統的な解析をおこなった。

C) 現生霊長類の機能形態学的研究

C-1) テナガサルの音声生理に関する実験行動学的研究
西村剛,香田啓貴(認知学習分野)
テナガザル類の喉頭部の比較解剖と染色組織切片作成により、喉頭の筋骨格系形態の属間変異を分析するとともに、大型類人猿の解剖結果と比較検討しテナガザル類の特徴を分析した。また、シロテテナガサルのヘリウム音声実験データの成果をとりまとめた。

C-2) チンパンジーの鼻腔の生理学的機能に関する流体工学的分析
西村剛,鈴木樹理(人類進化モデル研究センター),宮部貴子(人類進化モデル研究センター),松沢哲郎(思考言語分野),友永雅己(思考言語分野),林美里(思考言語分野)
ヒトの鼻腔の生理学的機能の特長を明らかにするために、オトナの生体チンパンジー個体の中顔面部のCT撮像と、国際電気通信基礎技術研究所においてヒトの鼻腔部のMRI撮像を行い、正確な鼻腔三次元形態のデジタルデータを作成した。それをもとにした、鼻腔内の吸気の流れ、温度・湿度変化に関する流体工学的シミュレーションを実施した。

C-3) 曲鼻猿類の副鼻腔形態の変異に関する研究
西村剛
霊長類における副鼻腔の進化プロセスを明らかにするため、高解像度CTを用いて国内外機関に所蔵されている曲鼻猿類頭骨標本を追加撮像し、全科の副鼻腔形態の変異を確認した。

C-4) 霊長類の四肢についての機能形態学的研究
江木直子
micro CTによる撮像データを用いて、四肢骨の内部構造の解析を行っている。本年度は、ロリス類やボノボについての撮像を行った。また、霊長類における四肢骨形態や姿勢の違いと骨にかかる荷重との関係を力学的に検討するために、筋骨格系の数理モデルの構築を行っている。一般的な霊長類としてオマキザルを使い、今年度はコンピューター・モデル上で歩行の接地期間中での姿勢変化の近似復元を行った。

C-5) 東アジア産マカクの頭骨形状の比較研究
伊藤毅,西村剛,高井正成
マカク属の現生種を対象に、CTを用いた頭骨内部構造の解析と幾何学的形態測定を用いた頭骨および歯牙の解析を行い、形状変異の気候環境適応について検討した。

C-6) ヤクシマザル頭蓋形態の矮小化と形状変化の研究
矢野航
屋久島にいるニホンザルは、島嶼効果により、本土にいるものに比してサイズが小さく、顔面形状が異なる。両者の成長アロメトリー軌跡が異なっていることを示し、ヤクシマザルにおいては単に島嶼化による小型化に付随して顔面形状が変化したのではなく、それぞれに独立した起因があることを示唆した。

D) 霊長類以外のほ乳類を主な対象とした古生物学的研究

D-1) 古第三紀哺乳類相の解析
江木直子,高井正成
古第三紀(6500万年前〜2400万年前)の陸棲脊椎動物相を解析することによって、哺乳類の進化の実態を明らかにすることを目指している。本年度は、.潺礇鵐沺爾離櫂鵐瀬Ε鸛悗筌織い離ラビ相、モンゴルのエルギリンゾー層から産出した食肉類化石の系統分類学的検討と記載、▲▲献東部の古第三紀肉食哺乳類相の比較解析、F歯目の系統的位置の検討のための形態データ収集を行った。

D-2) ミャンマー中部における中新世から更新世の新第三紀脊椎動物化石相の解析
西岡佑一郎,高井正成,江木直子,西村剛
ミャンマーの新第三紀哺乳類生層序の解明を目指し、中新世から更新世に生息していた哺乳類相の形態、系統と進化に関する研究を行っている。チャインザウク地域やグェビン地域のイラワジ層から産出した化石やサベー地域の第四紀堆積物から産出した化石を同定し、他地域産出動物との系統的および古生物分類地理的関係を検討している。哺乳類の食肉類とげっ歯類の化石種の記載を行い、並行してウシ科の化石の分類・記載作業を進めている。また爬虫類のカメ類の化石の予備的な分類を行った。また、産出哺乳類の歯のエナメル質に含まれる酸素と炭素安定同位体を用いて各動物相の古環境や古生態の解析を進めている。

D-3) 島根県産の前期中新世ビーバー化石の研究
西岡佑一郎,高井正成
島根半島の古浦層(約2000万年前の地層)から産出した大型の化石ビーバーYoungofiber(ヤンゴファイバー属)の歯の内部エナメルパターンをpQCTスキャンを用いて観察して記載した。これまで日本のビーバー化石は瑞浪市、可児市、佐世保市から知られていたが、今回の報告によって新しい産地を追加することができた。

<研究業績>

原著論文

1) Egi N, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein, Maung-Maung, Nishioka Y, Tsubamoto T, Ogino S, Takai M (2011) A mongoose remain (Mammalia: Carnivora) from the Upper Irrawaddy sediments, Myanmar and its significance in evolutionary history of Asian herpestids. Journal of Asian Earth Sciences 42(6):1204-1209.

2) Ito T, Nishimura T, Takai M (2011) Allometry and interspecific differences in the facial cranium of two closely related macaque species. Anatomy Research International 2011: Article ID 849751.

3) Maschenko EN, Takai M (2011) Primates of the genus Altanius (Mammalia, Primates) from the Lower Eocene of Tsagan-Khushu, southern Mongolia. Russian Journal of Theriology 9(2):61-69.

4) Morimoto N, Marcia S, Ponce de Leon M, Nishimura T, Zollikofer CPE (2011) Femoral morphology and femoropelvic musculoskeletal anatomy of humans and great apes: A comparative virtopsy study. Anatomical Record 294(9):1433-1445.

5) Nishioka Y, Hirayama R, Kawano S, Tomida Y, Takai M (2011) Fossil beaver from the lower Miocene Koura Formation of Western Japan, with observing its internal enamel patterns by X-ray pQCT scan. Paleonotological Research 15(1):43-50.

6) Nishioka Y, Zin-Maung-Maung-Thein, Egi N, Tsubamoto T, Nishimura T, Ito T, Thaung-Htike, Takai M (2011) New Hystrix (Mammalia, Rodentia) from the late Miocene/early Pliocene of Myanmar. Journal of Vertebrate Paleontology 31(4):919-924.

7) Ogino S, Egi N, Zin-Maung-Maung-Thein, Thaung-Htike, Takai M (2011) New species of Agriotherium (Mammalia, Carnivora) from the late Miocene to early Pliocene of central Myanmar. Journal of Asian Earth Sciences 42(3):408-414.

8) 西岡佑一郎,姉崎智子,高井正成,岩本光雄 (2011) 後期更新世以降のニホンザル(Macaca fuscata)の大臼歯計測値に基づく時間的・地理的形態変異. 哺乳類科学 51(1):1-17.

著書(分担執筆)

1) 高井正成 (2011) 化石霊長類 「世界大百科事典 改訂新版第5刷 第5巻」 p.332 平凡社.

2) Takai M (2012) Origins and evolution of early primates. (Post-Genome Biology of Primates) (ed. Hirai H, et al.) p.269-280 Primatology Monographs, Springer.

その他の執筆

1) 江木直子 (2011) 何を見てるかわからない. 「生き物たちのつづれ織り 第5巻」 京都大学グローバルCOEプログラム 生物の多様性と進化研究のための拠点形成 −ゲノムから生態系まで− p.41-42 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻・生態学研究センター・霊長類学研究所・野生動物研究センター:京都.

2) 西村剛 (2011) 話しことばの霊長類的起源〜葉山コレクションをもとに. 日本人類学会進化人類分科会ニュースレター 25: p.6-9.

3) 西村剛,中務真人,平崎鋭矢,竹本浩典,清水大輔,國松豊,石田英實,岡田守彦 (2011) 日本人類学会進化人類学分科会第25回シンポジウム 葉山杉夫先生追悼記念シンポジウム「サルとヒトの研究から見えるもの」. Anthropological Science (Japanese Series) 119(2): p.137-142.

学会発表

1) Egi N, Tsubamoto T, Takai M (2011) Carnivorous mammal faunas in the Paleogene of East Asia: timing of faunal turnovers and geographical differences. 22nd International Senckenberg Conference "The world at the time of Messel: puzzles in paleobiology, paleoenvironment and the history of early primates" (2011/11, Frankfurt, Germany).

2) Nishimura T, Lebrun R, Ponce de Leon M, Zollikofer CPE (2011) Morphological variation of the paranasal sinuses in strepsirrhines. The 80th Annual Meeting of the American Association of Physical Anthropologists (2011/4/14-16, Hilton Minneapolis, Minneapolis, USA).

3) Nishioka Y, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein, Egi N, Tsubamoto T, Takai M (2011) Evolutionary history of Old World porcupines in Eurasia with an emphasis on the new Hystrix materials from Myanmar. World Conference on Paleontology and Sedimentology (2011/11/28-12/2, Nakhon Rachashima, Thailand).

4) Sonoda T, Hirayama R, Takai M, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein, Ando H (2011) The morphological variation in gigantic tortoises (Testudinidae; Testudines) from the Irrawaddy Sediments in Central Myanmar. World Conference on Paleontology and Sedimentology. (2011/11/28-12/02, Nakhon Rachashima, Thailand).

5) Takai M, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein, Maung-Maung, Aung-Naing-Soe, Egi N, Tsubamoto T (2011) First discovery of cercopithecid monkeys from the late Miocene to Pliocene Irrawaddy sediments in central Myanmar. World Conference on Paleontology and Sedimentology (2011/11/28-12/02, Nakhon Rachashima, Thailand).

6) Tsubamoto T, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein, Egi N, Takai M (2011) The anthracotheres (Mammalia, Artiodactyla) from the Neogene of central Myanmar. 71st Annual Meeting Society of Vertebrate Paleontology (2011/11, Las Vegas, USA).

7) Yano W, Egi N, Takano T, Ogihara N. (2011) Craniofacial ontogenetic trajectories of two subspecies of Japanese macaque (Macaca fuscata).From fetus to adult. The 80th Annual Meeting of the American Association of Physical Anthropologists (2011/04, Minneapolis, USA).

8) Yano W, Egi N, Takano T, Ogihara N (2011) Ontogenetic trajectories of two subspecies of Macaca fuscata. The 5th International Symposium of the Global COE project "from Genome to Ecosystem." (2011/07, Kyoto).

9) 江木直子,荻原直道 (2011) 樹上性四足歩行型霊長類の前肢筋骨格モデルの構築. 日本人類学会大会 (2011/11, 那覇市).

10) 江木直子,鍔本武久,高井正成 (2011) 古第三紀ユーラシア東部における肉食哺乳動物相:時間的変遷と地理的変異. 日本地球惑星科学連合2011年大会 (2011/05, 千葉).

11) 江木直子,鍔本武久,高井正成 (2011) 古第三紀東ユーラシアの肉食哺乳動物相:構成要素の時間的変化と地理的変異. 日本古生物学会年会 (2011/07, 金沢市).

12) 江木直子,鍔本武久,高井正成,ジン・マウン・マウン・テイン,タウン・タイ (2011) 初期霊長類を産するポンダウン哺乳動物相(中期始新世;ミャンマー)の古生物地理的特徴. 日本霊長類学会大会 (2011/07, 犬山).

13) 伊藤毅,西村剛,高井正成 (2011) アジアの霊長類マカク類における頭骨顔面部のアロメトリーと種間差違. 日本地球惑星科学連合2011年大会, 幕張メッセ国際会議場 (2011/05/24, 千葉).

14) 森田航,矢野航,中務真人 (2011) 上顎第一大臼歯歯頚線を用いた幾何学的形態解析. 第65回日本人類学会大会 (2011/11, 沖縄).

15) 西村剛 (2011) 話しことばの霊長類的起源〜葉山コレクションをもとに. 日本人類学会進化人類学分科会第25 回シンポジウム 葉山杉夫先生追悼記念シンポジウム「サルとヒトの研究から見えるもの」 (2011/05/14, 京都).

16) 西村剛,森太志,熊畑清志,松澤照男 (2011) マカクザルにおける上顎洞の生理学的機能に関する数値流体力学的研究. 第26回日本霊長類学会大会 (2011/07/18, 犬山).

17) 西村剛,高井正成 (2011) ユーラシアにおける大型オナガザル亜科化石の進化史:頭骨内部構造の形質と拡散経路. 日本地球惑星科学連合2011年大会, 幕張メッセ国際会議場 (2011/05/24, 千葉).

18) 西岡佑一郎 (2011) ミャンマー中央部の新第三紀後半の環境変動に伴ったヤマアラシの進化. 日本地球惑星科学連合大会 (2011/05/23-28, 幕張).

19) 高井正成 (2011) 東部アジアにおける新第三紀後半の狭鼻猿類の進化史とその拡散経. 日本地球惑星科学連合大会 (2011/05/23-28, 幕張).

20) 鍔本武久,江木直子,高井正成,タウン・タイ,ジン・マウン・マウン・テイン (2011) 現生霊長類の距骨サイズの計測とポンダウンの化石霊長類の体重推定への応用. 日本霊長類学会大会 (2011/07, 犬山).

21) 鍔本武久,Thaung-Htike,Zin-Maung-Maung-Thein,江木直子,高井正成 (2011) ミャンマーにおける新第三紀のアントラコテリウム類(哺乳綱,偶蹄目)の進化. 日本地球惑星科学連合2011年大会 (2011/05, 千葉).

22) 鍔本武久,タウン・タイ,ジン・マウン・マウン・テイン,江木直子,西岡佑一郎,マウン・マウン,高井正成 (2011) ミャンマー中央部の新第三紀におけるアントラコテリウム類(哺乳綱偶蹄目)の進化. 日本古生物学会年会 (2011/07, 金沢市).

23) 矢野航,荻原直道 (2011) 島嶼化に伴うヤクシマザル(Macaca fuscata yakui)頭蓋骨の小型化と形状の特殊化. 第65回日本人類学会大会 (2011/11, 沖縄).

24) 矢野航,高野智,江木直子,荻原直道 (2011) 出生前後における頭蓋骨成長様式の変化. 第27回日本霊長類学会 (2011/07, 犬山).

25) 西岡佑一郎,Rossner GE,高井正成 (2012) ミャンマー中部の上部中新統−下部更新統から産出したウシ科化石の予察的検討. 日本古生物学会第161回例会 (2012/01/20-22, 富岡).

26) 薗田哲平,平山廉,高井正成,タウン・タイ,ジン・マウン・マウン・テイン,安藤寿男 (2012) ミャンマー中央部イラワジ堆積物より産出した巨大リクガメ類の外腹甲に見られる形態的変異. 日本古生物学会第161回例会 (2012/01/20-22, 富岡).

27) 高井正成,西岡佑一郎,タウン・タイ,ジン・マウン・マウン・テイン,マウン・マウン (2012) ミャンマー中央部の後期鮮新世小型哺乳類化石含有層に関する予察的報告. 日本古生物学会第161回例会 (2012/01/20-22, 富岡).

28) 鍔本武久,Tsogtbaatar Kh,実吉玄貴,Mainbayar B,渡部真人,Chinzorig Ts,鈴木茂,Khatanbaatar P,江木直子 (2012) モンゴルの上部始新統Ergilin Dzo 層産の哺乳類化石群:最新の研究成果. 日本古生物学会第161回例会 (2012/01, 富岡).

講演

1) 西村剛 (2011/08/28) 呼吸、嚥下、そして発話の進化. 第31回歯の形態学をめぐる懇話会, 名古屋ユマニテク歯科製菓専門学校.

2) 西村剛 (2011/10/15) サルの声とヒトの話しことば. 京都大学総合博物館レクチャーシリーズNo.92, 京都大学総合博物館.

3) 西村剛 (2011/12/05) 呼吸、嚥下、そして発話の進化. 第7回青空塾, 名鉄犬山ホテル.

その他

1) 高井正成 (2011) 2011/07/16 第27回日本霊長類学会 自由集会「ニホンザルの化石」開催責任者(霊長類研究Vol.27 No.2 P.161).

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社会生態研究部門

生態保全分野

<研究概要>

A) ニホンザルの生態学・行動学
渡邊邦夫,半谷吾郎,張鵬,郷もえ,澤田晶子,大谷洋介
人為的影響の少ない環境にすむ、野生のニホンザルが、自然環境から受ける影響に着目しながら、個体群生態学、採食生態学、行動生態学などの観点から、研究を進めている。
屋久島の瀬切川上流域では、森林伐採と果実の豊凶の年変動がニホンザル個体群に与える影響を明らかにする目的で、「ヤクザル調査隊」という学生などのボランティアからなる調査グループを組織し、1998年以来調査を継続している。今年も夏季に一斉調査を行って、人口学的資料を集めた。この資料を基に、ヒトリザルの密度と、その地域変異・地理変異について分析した。また、サル・シカと、ヒルの分布との関係について分析した。
屋久島海岸部では、野生ニホンザルのキノコ食の多様性と行動パターンについて研究を行った。また、群れに所属するオスが一時的に群れを離れる行動について研究した。
小豆島のニホンザルの社会交渉についての研究を行った。

B) ニホンザルと同所的に生息する生物との関係
半谷吾郎,澤田晶子,?田飛鳥
屋久島で、ニホンザルと同所的に生息する生物との関係について研究を行った。イチジクの仲間であるアコウの果実を採食する、ニホンザルと鳥などの果実食者について調査した。また、ニホンザルのキノコ食による菌の胞子散布について研究を行った。

C) ニホンザルの消化能力の研究
澤田晶子,半谷吾郎
飼育個体を対象に、消化率と食物の消化管通過時間についての実験的研究を行った。

D) ニホンザルの個体群管理
渡邊邦夫
多様な観点からニホンザルによる農作物被害の問題解決を図るため、農作物被害を起こしているニホンザルの食性や土地利用に影響を与える要因の分析、有効な被害管理手法の開発、猿害についての社会学的研究などを行った。

E) 飼育ニホンザルの遊動についての研究
郷もえ,C Sueur
霊長類研究所の屋外放飼場に飼育されているニホンザルを対象に、遊動のメカニズムについての研究を行った。

F) 野生チンパンジーとボノボの研究
橋本千絵,伊左治美奈
ウガンダ共和国カリンズ森林、コンゴ民主共和国ワンバ地区で、それぞれチンパンジーとボノボの社会学的・生態学的研究を行った。チンパンジーの遊動や行動のデータをとるとともに、定量的な植生調査や果実量調査を平行して行い、チンパンジーの行動や社会関係が環境からどのような影響を受けているかという点に注目して、研究を行っている。

G) 東南アジア熱帯林の霊長類の社会生態学的研究
渡邊邦夫,半谷吾郎,松田一希,大谷洋介
 インドネシア・中部スラウェシにおいて、トンケアンマカクとヘックモンキー間の種間雑種の繁殖についての継続観察をおこなっている。マレーシア領ボルネオ島・サバ州のダナムバレー森林保護区では、昼行性霊長類5種の共存の生態学的メカニズムを明らかにするため、密度センサス、行動観察による食性や遊動の調査を行った。今年度は、レッドリーフモンキーに着目し、その食性についての分析を行った。マレーシアサバ州のスカウで、行動観察とセンサスをもとに、テングザルの生態や社会構造についての研究を行った。スカウでは、ブタオザルの社会生態についての予備的調査を行った。

H) カリンズ森林保護区に棲息する野生霊長類の寄生虫の研究
江島俊,橋本千絵,古市剛史(社会進化分野),岡本宗裕(人類進化モデル研究センター)
野生霊長類が同所的に棲息するウガンダ共和国カリンズ森林保護区で、宿主と寄生虫の関係を理解すべく寄生虫学的調査を行った。6種の昼行性野生霊長類を対象とし、糞サンプルを採集した。サンプルは現地で解析を行い、虫卵観察と虫卵数測定を実施した。またDNA解析用として70%エタノールにサンプルを保存し日本へ持ち帰った。

<研究業績>

原著論文

1) Bernard H, Matsuda I, Hanya G, Ahmad AH (2011) Characteristics of Night Sleeping Trees of Proboscis Monkeys (Nsalis larvatus) in Sabah, Malaysia. International Journal of Primatology 32:259-267.

2) Bernard H, Matsuda I, Hanya G, Ahmad AH (2011) Effects of river width on the selection of sleeping-site by proboscis monkeys (Nasalis larvatus) in Sabah, Malaysia. Journal of Tropical Biology and Conservation 8:9-12.

3) Dufour V, Sueur C, Whiten A, Buchanan-Smith H (2011) The impact of moving to a novel environment on social networks, activity and wellbeing in two new world primates. American Journal of Primatology 73:802-811.

4) Hanya G, Stevenson P, van Noordwijk M, Wong ST, Kanamori T, Kuze N, Aiba S, Chapman CA, van Schaik C (2011) Seasonality in fruit availability affects frugivorous primate biomass and species richness. Ecography 34:1009-1017.

5) Hanya G, Aiba S (2011) Annual periodicity in fruiting in temperate forests in Yakushima, Japan. Forestry Studies in China 13:112-122.

6) Hanya G, Menard N, Qarro M, Ibn Tattou M, Fuse M, Vallet D, Yamada A, Go M, Takafumi H, Tsujino R, Agetsuma N, Wada K (2011) Dietary adaptations of temperate primates: comparisons of Japanese and Barbary macaques. Primates 52:187-198.

7) Matsuda I, Murai T, Clauss M, Yamada T, Tuuga A, Bernard H, Higashi S (2011) Regurgitation and remastication in the foregut-fermenting proboscis monkey (Nasalis larvatus). Biology Letters 7:786-789.

8) Matsuda I, Tuuga A, Bernard H (2011) Riverine refuging by proboscis monkeys (Nasalis larvatus) and sympatric primates: implications for adaptive benefits of the riverine habitat. Mammalian Biology 76:165-171.

9) Pyritz L, King AJ, Sueur C, Fitchel C (2011) Reaching a consensus: terminology used in coordination and decision-making research. International Journal of Primatology 32:1268-1278.

10) Sueur C, Petit O, Marco AD, Jacobs A, Watanabe K, Thierry B (2011) A comparative network analysis of social style in macaques. Animal Behaviour 82:845-852.

11) Sueur C, King AJ, Conradt L, Kerth G, Lusseau D, Mettke-Hoffmann C, Schaffner CM, Williams L, Zinner D, Aureli F (2011) Collective decision-making and fission-fusion dynamics: a conceptual framework. Oikos 120:1608-1617.

12) Sueur C, Jacobs A, Petit O, Amblard F, King AJ (2011) How can social network analysis improve the study of primate behaviour? American Journal of Primatology 73:703-709.

13) Zhang P, Li BG, Watanabe K, Qi XG (2011) Sleeping cluster patterns and retiring behaviors during winter in a free-ranging band of the Sichuan snub-nosed monkey. Primates 52:221-228.

14) Matsuda I, Tuuga A, Bernard H, Furuichi T (2012) Inter-individual relationships in proboscis monkeys: a preliminary comparison with other non-human primates. Primates 53:13-23.

15) Yasuoka H, Kimura D, Hashimoto C, Furuichi T (2012) Quantitative Assessment of Livelihoods around Great Apes Reserves: Cases in LuoScienctific Reserve, DR Congo, and Kalinzu Forest Reserve, Uganda. African Study Monographs 43:137-157.

総説

1) 松田一希 (2011) テングザルから紐解くコロブス亜科の多様な生態と社会. 霊長類研究 27:75-93.

2) 辻大和,和田一雄,渡邊邦夫 (2011) 野生ニホンザルの採食する木本植物. 霊長類研究 27:27-49.

報告

1) 松田一希 (2011) 霊長類の重層社会(企画シンポジウムの発表内容報告). 霊長類研究 26:258-259.

2) 渡邊邦夫 (2011) 霊長類の利き手. Clinical Neuroscince 29(6):634-635.

3) 渡邊邦夫,常田邦彦,江成広斗 (2011) ニホンザル個体群管理の現場と今後の課題. 哺乳類科学(2010年度自由集会記録)51:212-214.

著書(単著)

1) Sha J, Matsuda I, Bernard H (2011) The Natural History of Proboscis Monkey. Natural History Publications. p.126 Kota Kinabalu.

2) 松田一希 (2012) テングザル−河と生きるサル. p.146 東海大学出版会.

著書(分担執筆)

1) Sueur C (2012) Social network, information flow and decision making efficiency: comparing humans to animals. (Social Networking and Community Behavior Modeling: Qualitative and Quantitative Measures.) (ed. Safar, Maytham, and Khaled Mahdi) p.164-177 IGI Global.
2) 橋本千絵 (2012) カリンズの森とチンパンジーの保護−エコツーリズムの現状 「ウガンダを知るための53章」 (吉田昌夫,白石壮一郎編) p.322-327 明石書店.

著書(翻訳)

1) 半谷吾郎 訳 (2011) 第5章 霊長類の多様性と生態. 第6章 霊長類の配偶システム. (ロバート・ボイド,ジョーン・B・シルク著,松本晶子,小田亮監訳著,「ヒトはどのように進化してきたか」) p.189-232,233-274 ミネルヴァ書房,京都(分担訳).

その他の執筆

1) 橋本千絵 (2011) シニアの子育て支援〜霊長類の子育てとヒトの進化の視点から p.7-9 こども未来3号.

2) 橋本千絵 (2011) チンパンジーと森を歩く.生き物たちのつづれ織り第5巻 p.119-120.

学会発表

1) Go M, Hashimoto C (2011) Vocal synchronization in mixed-species associations of blue monkeys and red-tailed monkeys (Cercopithecus mitis and C. ascanius) in the Kalinzu Forest, Uganda. Biodiversity and Evolution gCOE International Symposium. (2011/07/09-10, Kyoto, Japan).

2) Sawada A (2012) Fungivory in wild monkeys on Yakushima Island. 日本生態学会第59回全国大会 (2012/03/18, 大津).

3) 張鵬,渡邊邦夫 (2011) A comparative study on the dominance style in threeprovisioned free-ranging groups of Japanese macaque. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山).

4) 郷もえ,橋本千絵 (2011) サルの混群形成−異なる種どうしがどのように一緒にいるのか? 日本哺乳類学会2011年度大会 (2011/09/08-11, 宮崎).

5) 郷もえ,橋本千絵 (2011) カリンズ森林に生息するブルーモンキーとレッドテイルモンキーの混群における発声の同期性. 第27回日本霊長類学会 (2011/07/16-18, 犬山).

6) 半谷吾郎,Stevenson P,Noordwijk M,Wong TS,金森朝子,久世濃子,相場慎一郎,Chapman CA,Schaik C (2011) 果実生産の季節性が果実食霊長類のバイオマスと種数に影響する. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/17, 犬山).

7) 橋本千絵,安岡宏和,手塚賢至,古市剛史 (2011) ウガンダ共和国における森林保護区周辺の地域住民による森林資源の利用の実態. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/18, 愛知県犬山市).

8) 松田一希,村井勅裕,Clauss M,山田朋美,Augustine T,Henry B,東正剛 (2011) 霊長類の反芻行動の発見:テングザルの事例. 2011年度日本哺乳類学会大会 (2011/09, 宮崎).

9) 松田一希,Tuuga A,Bernard H,古市剛史 (2011) テングザル社会の特徴:メスの移籍様式と個体間関係. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07, 犬山).

10) 三谷雅純,渡邊邦夫 (2011) シルバールトンの個体数密度はどのように決まるのか? 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山).

11) 大谷洋介,澤田晶子,福永恭啓,半谷吾郎 (2011) ニホンザル雄の集団からの一時孤立行動:採食戦略の観点から. 日本霊長類学会 第26回学術大会 (2011/07, 愛知県).

12) 大谷洋介,澤田晶子,半谷吾郎 (2011) ニホンザル雄の集団からの一時孤立行動. 日本哺乳類学会 2011年度学術大会 (2011/09, 宮崎).

13) 澤田晶子,半谷吾郎 (2011) 屋久島におけるニホンザルのキノコ食行動. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/17, 犬山).

14) 渡邊邦夫,イスラムル・ハディ,田中俊明,木場礼子,香田啓貴 (2011) インドネシア、リンジャニ山高地に棲むカニクイザルの温泉浴行動. 日本哺乳類学会2011年度大会 (2011/09/08-11, 宮崎).

15) Hanya G (2012) Mammal abundance affects the distribution of terrestrial blood-feeding leeches in Yakushima. 日本生態学会第50回大会 (2012/03/21, 大津).

16) Otani Y, Sawada A, Hanya G (2012) Ranging behavior of male Japanese macaques. 第59回日本生態学会・第5回EAFES(東アジア生態学会連合)大会 (2012/03, 滋賀県).

講演

1) 半谷吾郎 (2011) サルの数を決めるもの−屋久島のニホンザルの垂直分布と社会変動. 日本生態学会第59回大会. 第5回日本生態学会大島賞受賞講演.

2) 渡邊邦夫 (2011/11/03) 東南アジア島嶼部のサル:その特徴と種分化、人とのかかわり. 第6回人類学関連学会協議会合同シンポジウム. 沖縄県立博物館・美術館.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社会進化分野

<研究概要>

A) コンゴ民主共和国戦時下の森林の破壊とボノボ個体群におよぼす影響についての研究
古市剛史,J Nackoney
1990年代初頭からの政治的混乱と、それに続く2度の戦争により、1973年以来野生ボノボ(Pan paniscus)の研究を続けてきた赤道州ルオー学術保護区の森林とそこに住む野生動物は、大きなダメージを受けた。この間の森林破壊の進行とボノボ個体群におよぼす影響を確かめるため、NASAの提供する衛星画像を用いて、1990年、2000年、2005年の3つの時期における森林の状況を比較分析した。その結果、1990-2000年の時期に伐採地の面積が約3倍になっていること、またその多くが、道路から離れた森林の奥深くに点在する小さな伐採地であることがわかった。すなわちこの期間、森に逃げ込んだ住民が家族単位の小さな家とキャッサバ畑を作って生活し、森林が蜂の巣状になっていたことが確かめられた。森の奥に散在する小さな居住地には役人や他の住民の目も届かず、ボノボなどの保護獣を含めた狩猟は自由に行うことができる。一見大きな破壊を受けていないように見えながらも大型ほ乳類がほとんどいない "empty forest" 形成のメカニズムのひとつが、本研究によって確かめられた。

B) ボノボの社会関係と遊動に関する研究
古市剛史,R Heungjin,徳山奈帆子
コンゴ民主共和国ルオー保護区に生息するボノボを対象に、社会関係と遊動に関する研究を行った。個体追跡にもとづく観察によって、母親の社会的行動が自らの生活史ステージによってどう変化するかを分析するためのデータを収集した。また、メスがリードすると考えられているボノボの遊動のタイミングや方向が、実際にどのようなメカニズムで決まるのかを調べるための予備的調査を行った。さらに、罠にかかって集団についてこられなくなった個体を翌日になって集団のほぼ全個体で捜索に戻るという、広く霊長類でも初めてとなる事例を観察し、論文として報告した。

C) スリランカに生息する霊長類の行動生態学的研究
MA Huffman, CAD Nahallage (University of Sri Jayewardenepura)
2004年末に開始した、スリランカに生息する野生霊長類の分布調査を継続した。これまで行ってきた、南西・南・南東・中央・北東地域における、トクザル(Macaca sinica)、グレラングール(Semnopithecus priam thersites)、カオムラサキラングール(Trachypithecus vetulus)の分布調査を拡大し、スリランカ全土における分布を確かめるために各県、地区レベルにアンケート調査をおこなった。

D) マカクの文化的行動研究
MA Huffman, CAD Nahallage (University of Sri Jayawardenepura), JB Leca (University of Lethbridge)
石遊びなどの文化的行動の社会的観察学習・伝播機構の比較研究を行った。

E) ベトナムにおける、マラリア伝播環境の変容と人獣共通感染性マラリアの出現の理解に向けた学際的研究
MA Huffman,中澤秀介,R Culleton(長崎大学),前野芳正(藤田保健衛生大学),川合覚(獨協医科大学),QN Yuyen,R Marchand (Khanh Phu Malaria Research Center,Medical CommitteeNetherlands-Vietnam)
2010年からベトナム・中南部にあるカンフー村の丘陵部に棲息する野生ザルの調査を開始した。ヒトとサル間で伝播し、人畜共通感染を引き起こすマラリア原虫を野生カニクイザルやブタオザルの糞から検出する方法を開発し、野生マカク類・ヒト間感染の研究をすすめた。

F) ニホンザルの寄生虫生態学と健康維持に対する食物選択の役割についての研究
AJJ MacIntosh, MA Huffman
ニホンザルの寄生虫感染症、行動活動パターンや植物性食物に関する研究を継続した。

G) 南アフリカ西部岬に生息するチャクマヒヒの採食行動、寄生虫生態学と空間利用の生態学的研究
PA Pebsworth, MA Huffman
2009年から開始した、南アフリカ西南部にあるワイルドクリフ自然保護地区に生息する野生チャクマヒヒ群の調査を継続した。植物性食物の採食行動、土食い行動と寄生虫感染との因果関係を探ってデータ解析を行った。

H) ニホンザルにおける性的シグナルと求愛行動
C Garcia (CNRS, Paris),L Rigaill (CNRS, Paris),MA Huffman,FB Bercovitch
オスのニホンザル(Macaca fuscata)の交尾行動を誘発するメスの性的シグナルとその信頼性に関する研究を行い、メスの性皮の色と匂いがシグナルとなっているかどうかを調べた。霊長類研究所で飼育されている個体を対象に、行動観察(性行動)、性皮のデジタル写真撮影(性皮の色の定量的評価)、ホルモン解析(糞中の卵ステロイド)を行った。本研究はヒトの性コミュニケーションに影響する生態学的・進化的な要因の理解に寄与すると考えられる。

I) 食物供給の年次変動とニホンザルの個体群パラメータの関係についての研究
辻大和
 群れ生活する動物の場合、食物が限られる場合にそれを巡る競合が生じ、顕在化した順位関係の影響が採食成功や繁殖成功に及ぶ場合がある。競合の強さは食物の供給状態から影響を受け、一箇所に集中していれば優位な個体が独占でき、分散していれば群れの全員が利用できるだろう。秋の主要食物である堅果類の供給状態は樹種ごとに異なり、しかもその生産量や結実樹種の組み合わせが年により大きく変化する。したがって、食物を巡る競合の程度も年ごとに大きく変化し、採食成功の順に差は最終的に繁殖成功に影響すると予想される。本研究ではこれまでの長期研究で得たデータを解析することにより、食物資源の供給状態の変動が順位関係を通じて個体群パラメータに及ぼす影響を明らかにした。また、種子トラップによる結実量の調査を本年度も継続して行った。

J) ニホンザルの泊まり場選択に関する研究
辻大和
 ニホンザルの泊まり場選択に与える植生タイプ・地形・標高の影響を調べた。捕食者がいない金華山では、食物の豊富な場所や、風をしのげる谷筋、あるいは標高の低い場所が泊まり場として選択される傾向が強いことを明らかにした。

K) マカク類・コロブス類の食性の地域変異に関する研究
辻大和,和田一雄,渡邊邦夫,半谷吾郎,CC Grueter (Max Plank Institute of Evolutionally Anthropology)
 過去に公表された霊長類(マカク類、コロブス類)の食性資料を収集・分析し、地域変異とそれをもたらす環境要因について解析を行った。

L) 日本産哺乳類の種子散布に関する研究
辻大和,見浦沙耶子,小峠卓也,村井仁志(富山市ファミリーパーク)
ニホンザルによる種子散布の研究の一環として、東京郊外のニホンザルの糞に含まれる種子の特性(植物の種数、糞一個あたりに含まれる種子の数、健全率など)とその季節変化を評価するとともに、他の地域と比較した。いっぽう、昨年度に引き続き飼育条件下のホンドテン(Martes melampus)を対象に給餌実験を行い、種子の排泄時間を評価した。本年度は食物の摂取量が体内通過時間に与える影響について調べ、摂取量の影響はとくに見られないことを明らかにした。

M) 東南アジア産霊長類の採食生態に関する研究
辻大和,B Suryobroto,I Hadi,KA Udayati(ボゴール農科大学),MV Nguyen,VH Nguyen(フエ大学)
インドネシア・パンガンダラン自然保護区およびベトナム・ソンチャ自然保護区でジャワルトン(Trachypithecus auratus)、アカスネドゥクラングール(Pygathrix nemaeus)、カニクイザル(Macaca fascicularis)、およびアカゲザル(Macaca mulatta)の基礎生態に関する調査を行い、彼らの食性、活動時間配分、他の動物との種間関係などのデータを収集した。インドネシアでは調査地内に植生プロットを設置し、アシスタントの協力を得てフェノロジー調査を毎月行った。

N) 野生ボノボの集団構造の生成についての研究
坂巻哲也
野生ボノボの毛づくろい交渉、集団メンバーの出会いの交渉、移入メスの社会関係の変遷に関するデータ収集と分析、結果の公表を進めた。集団間関係をテーマに、新たな調査集団の追跡観察、人づけ、個体識別を継続した。行動の多様性をテーマに、隣接個体群の調査も継続した。

O) 野生ボノボ・チンパンジーの広域調査
竹元博幸
環境省環境研究推進費「高人口密度地域における孤立した霊長類個体群の持続的保護管理」のプロジェクトの一環として、コンゴ民主共和国地域に生息するボノボ(Pan paniscus)およびウガンダ共和国、ギニア共和国に生息するチンパンジー(P.troglodytes)の野生個体群の調査をおこなった。それぞれの地域で生態学的調査をおこない、同時に遺伝学的および人獣共通感染症解析のための試料を収集した。

P) ニシローランドゴリラの社会的発達と環境の関連についての研究
松原幹
2010年にイギリス南部のハウレッツ・ポートリム野生動物公園で行ったニシローランドゴリラの社会的発達調査で収集した行動データを解析した。10年以上かけてコドモが多く育った群れと、群れの創設から5年目の群れのコドモにおける遊び行動を比較することで、コドモの成長発達時における他個体の影響を調べた。また、オトナメス同士やオトナメスとコドモの遊び行動の解析を行い、1歳以上のゴリラにおける非血縁メスとの社会交渉が、若い群れにおいて頻繁に見られることから、コドモの少ない創設間もない群れでは、非血縁メスがコドモの社会的スキルの発達に影響を与えている可能性が推測された。

Q) ニホンザルが転嫁攻撃を行う意義の解明
徳山奈帆子
攻撃を受けたニホンザルは、すぐに前の攻撃には関わりない個体に攻撃することがある(転嫁攻撃)。被攻撃個体にとっての転嫁攻撃を行う意義を明らかにするため、嵐山モンキーパークの餌付け群を対象に調査を行った。

R) 飼育下ボノボ・チンパンジーのアクティビティに関する研究
H Sojung
野生のボノボのメスはチンパンジーのメスと比べて攻撃性が低いとされており、その違いは両者の生息環境の違い、ないし両者の性受容性の違いで説明できると考えられる。この問題を考える糸口として、ボノボとチンパンジーがほぼ同一の環境で飼育されているドイツのライプチヒ動物園において6ヶ月間にわたり両種の行動データの収集を行った。

S) メスニホンザルの加齢に伴うバイオマーカーDHESの変化の研究
RS Cicalise Takeshita,MA Huffman,FB Bercovitch,清水慶子(岡山理科大)
ステロイドホルモンのうち、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)とその硫酸エステル(DHEA-S)は、ヒトおよびヒト以外の霊長類の若齢個体に広くみられるホルモンである。DHEA-Sの濃度はチンパンジー、アカゲザル、キツネザル類、ヒトでは年齢と共に低下するため、老化の生物学的マーカーとして役立つと考えられている。しかし、年齢と免疫学的な機能との関係はこれまでほとんど明らかにされていない。本研究では飼育下のニホンザルを対象に、糞中のDHEA-S濃度の年齢変化(1-26歳)および季節変化を調べた。

<研究業績>

原著論文

1) Garcia C, Huffman MA, Shimizu K, Redman P, Speakman JR (2011) Energetic consequences of seasonal breeding in female Japanese macaques (Macaca fuscata). American Journal of Physical Anthropology 146:161-170.

2) Kaur T, Singh J, Huffman MA, Petrzelkova KJ, Taylor NS, Xu S, Dewhirst FE, Paster BJ, Debrunyne L, Vandamme P, Fox JG (2011) Campylobacter troglodytes - sp. nov., isolated from feces of human-habituated wild chimpanzees (Pan troglodytes schweinfurthii) in Tanzania. Applied and Environmental Microbiology 77:2366-2373.

3) Kim TW, Ryu HJ, Choi JB, Choe JC (2011) Tower construction by the manicure crab Cleistostoma dilatatum during dry periods on an intertidal mudflat. Journal of Ethology 29:459-465.

4) Leca J-B, Gunst N, Huffman MA (2011) Complexity in object manipulation by Japanese macaques (Macaca fuscata): A cross-sectional analysis of manual coordination in stone handling patterns. Journal of Comparative Psychology 125:61-71.

5) Petra?ova J, Uzlikova M, Kostka M, Petr?elkova KJ, Huffman MA, Modry D (2011) Diversity and host specificity of Blastocystis in syntopic primates on Rubondo Island, Tanzania. International Journal of Primatology 11:1113-1120.

6) Sakamaki T (2011) Submissive pant-grunt greeting of female chimpanzees in Mahale Moutains National Park, Tanzania. African Study Monographs 32:25-41.

7) Sugiura H, Shimooka Y, Tsuji Y (2011) Variation in spatial cohesiveness in a group of Japanese macaques (Macaca fuscata). International Journal of Primatology 32:1348-1366.

8) Tsuji Y (2011) Sleeping site preferences of wild Japanese macaques (Macaca fuscata): the importance of non-predatory factors. Journal of Mammalogy 92:1261-1269.

9) Tsuji Y (2011) Seed dispersal by Japanese macaques (Macaca fuscata) in western Tokyo, Japan: a preliminary report. Mammal Study 36:165-168.

10) Nahallage CAD, Huffman MA (2012) Stone handling behavior in rhesus macaques (Macaca mulatta), a behavioral propensity for solitary object play shared with Japanese macaques. Primates 53:71-78.

11) Pebsworth PA, Bardi MA, Huffman MA (2012) Geophagy in chacma baboons: Patterns of soil consumption by age class, sex, and reproductive state. American Journal of Primatology 74:48-57.

12) Tsuji Y, Takatsuki S (2012) Inter-annual variation in nut abundance is related to agonistic interactions of foraging female Japanese macaques (Macaca fuscata). International Journal of Primatology 33:489-512.

総説

1) Furuichi T (2011) Female contributions to the peaceful nature of bonobo society. Evolutionary Anthropology 20:131-142.

著書(分担執筆)

1) Furuichi T, Idani G, Ihobe H, Hashimoto C, Tashiro Y, Sakamaki T, Mulavwa BN, Yangozene K, Kuroda S (2011) Long-term studies on wild bonobos at Wamba, Luo Scientific Reserve, D.R. Congo: towards the understanding of female life history in a male-philopatric species. (Long-term field studies of primates) (ed. Kappeler P, Watts D) p.413-433 Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg.

2) Yamagiwa J, Basabose AK, Kahekwa J, Bikaba D, Ando C, Matsubara M, Iwasaki N, Sprague DS (2011) Long-term research on Grauer's gorillas in Kahuzi-Biega National Park, DRC: life history, foraging strategies, and ecological differentiation from sympatric chimpanzees. (Long-term field studies of primates) (ed. Kappeler PM, Watts DP) p.385-412 Springer, New York.

3) Chalmers A, Huffman MA, Koyama N, Takahata Y (2012) Fifty years of female macaque demography at Arashiyama, with special reference to long-lived female (> 25 years). (The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama.) (ed. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL) p.51-67 Cambridge University Press, Cambridge.

4) Huffman MA, Vasey P, Leca JB (2012) Introduction. (The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama.) (ed. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL) p.1-10 Cambridge University Press, Cambridge.

5) Huffman MA, Fedigan LM, Leca J-B, Vasey P (2012) A brief historical time-line of research on the Arashiyama macaques. (The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama) (ed. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL) p.13-27 Cambridge University Press, Cambridge.

6) Huffman MA, MacIntosh AJJ (2012) Plant-food diet of the Arashiyama Japanese macaques and its potential medicinal value. (The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama.) (ed. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL) p.356-431 Cambridge University Press, Cambridge.

7) Huffman MA, Takahata Y (2012) Long-term Trends in Mating Relations of Japanese Macaques at Arashiyama, Japan. (The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama) (ed. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL) p.71-86 Cambridge University Press, Cambridge.

8) Leca JB, Gunst N, Huffman MA (2012) Thirty years of stone handling tradition in Arashiyama-Kyoto macaques: implications for cumulative culture and tool use in non-human primates. (The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama) (ed. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL) p.223-257 Cambridge University Press, Cambridge.

9) 辻大和 (2012) シカの落ち穂拾い−フィールドノートの記録から. 「平成24年度版 中学校『国語』」 p.118-127 光村図書出版.


編集

1) Leca JB, Huffman MA, Vasey PL (2012) The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama. p.498 Cambridge University Press, Cambridge.

その他の執筆

1) 古市剛史 (2011) 現代のことば:空白の5時間. 2011年5月6日夕刊 京都新聞.

2) 古市剛史 (2011) 現代のことば:加速する変化. 2011年6月24日夕刊 京都新聞.

3) Koyama N (2012) Touches of Humanity in monkey society. In: The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL p.42-50 Cambridge University Press, Cambridge, (translated by Huffman MA).

4) Ohta E (2012) In search of the phantom monkeys. In: The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama. Leca JB, Huffman MA, Vasey PL p.28-33 Cambridge University Press, Cambridge, (translated by Huffman MA).

学会発表

1) Huffman MA (2011) サルマラリアの宿主となる東南アジアのマカク属を追って. 日本学術振興会アジア・アフリカ学術基盤形成事業:森林発生ヒトマラリアと人獣共通感染症サルマラリアの生態研究会 (2011/07, 獨協医科大学).

2) Huffman MA (2012) How primates deal with disease and zoonoses potentially affecting humans in the tropics. International Symposium on Forest Malaria: Man-Mosquitoes-Monkeys (2012/03, Nha Trang, Vietnam).

3) Huffman MA (2012) 霊長類の自己治療行動−予防と治療. One World, One Health Symposium, 神戸アニマルケア国際会議 (2012/02, 神戸).

4) Huffman MA, Nahallage CAD (2011) Non-invasive methods for the study of the diseases of monkeys and man in nature. International Symposium: Integrative Research on Monkeys, Malaria and Man in Asia (2011/06, Colombo, Sri Lanka).

5) Nahallage CAD, Huffman MA (2011) Primates of Sri Lanka. International Symposium: Integrative Research on Monkeys, Malaria and Man in Asia (2011/06, Colombo, Sri Lanka).

6) Tokuyama N (2011) Why do Japanese macaques perform redirected aggression? International Symposium for Conservation of Wild Bonobos and Chimpanzees, Research Center of Ecology and Forest (2011/08, Kinshasa, DRC).

7) Tsuji Y, Fujita S, Sugiura H, Nakagawa N (2012) Rome was not built in a day: time to grasp information on plant feeding of wild Japanese macaques (Macaca fuscata). ESJ59/EAFES5 (2012/03, Otsu).

8) Tsuji Y, Miura S, Shiraishi T (2011) Gastrointestinal passage time of seeds ingested by captive Japanese martens Martes melampus. 日本哺乳類学会 (2011/09, 宮崎市).

9) 古市剛史 (2011) ボノボ:水がボノボを生んだ〜コンゴ盆地のボノボの進化と生活. SAGAシンポジウム (2011/11, 熊本市動物園).

10) 橋本千絵,安岡宏和,手塚賢至,古市剛史 (2011) ウガンダ共和国における森林保護区周辺の地域住民による森林資源の利用の実態. 日本霊長類学会 (2011/07, 犬山市).

11) 松原幹 (2011) ニシローランドゴリラの遊び行動に与える家族構造の影響. 日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会 (2011/09, 慶応義塾大学).

12) Nackoney J,古市剛史,Baraldi A,Nolinari G (2011) コンゴ民主共和国の戦時下のルオー保護区周辺の森林の破壊とボノボ個体群におよぼす影響のモニタリング. 日本人類学会 (2011/11, 沖縄県立博物館・美術館).

13) 杉浦秀樹,下岡ゆき子,辻大和 (2011) ニホンザル野生群における群れの凝集性の維持機構. 日本霊長類学会 (2011/07, 犬山市).

14) 杉浦秀樹,下岡ゆき子,辻大和 (2011) ニホンザルは群れのまとまりを保つために,どのような動きをしているか. 日本哺乳類学会 (2011/09, 宮崎市).

15) 徳山奈帆子 (2011) ニホンザルはなぜ二次攻撃を行うのか. 日本霊長類学会 (2011/07, 犬山市).

16) 辻大和 (2011) 金華山島におけるニホンザルの生態研究−長期調査からみえてきたこと−. 日本哺乳類学会 (2011/09, 宮崎市).

講演

1) Huffman MA (2011/04) The evolution of self-medication in the animal kingdom and the origins of traditional medicine in humans. Department of Wild and Resources Faculty Seminar Utah State University.

2) Huffman MA (2011/05) The evolution of self-medication in the animal kingdom. Visiting Speaker in Primatology Series, Department of Anthropology University of Calgary.

3) Huffman MA (2011/09) Chimpanzee use of plants as medicine and the evolution of self-medication in primates and other animals, Living Links to Human Biology. Mind and Medicine Lecture Series of the Royal Zoological Society of Scotland, Edinburgh Zoo.

4) Huffman MA (2012/01) スーパーサイエンスハイスクール講義.一宮高校.

5) Huffman MA (2011/05) The evolution of self-medication in the animal kingdom: great and small minds 'think' alike. taff Development Colloquium Washington National Zoo.
6) Tsuji Y (2011/08) Feeding ecology of silvered leaf monkeys at Pangandaran Nature Reserve. West Java, Indonesia: a preliminary report, IPB Bogor, Indonesia.

7) 古市剛史 (2011/10) ボノボはヒトの何を語るか. モンキーカレッジ, 犬山市 日本モンキーセンター.

8) 古市剛史 (2011/11) ボノボ,最後の類人猿. 第2回値の拠点セミナー 京都大学東京オフィス, 東京.

9) 古市剛史 (2011/11) ボノボの住むコンゴ盆地の大熱帯雨林:その現状と将来. プリマーテス研究会 日本モンキーセンター, 犬山市.

10) 古市剛史 (2011/05) スーパーサイエンスハイスクール講義. 一宮高校.

11) 落合知美,打越万喜子,今井啓雄,郷康広,西村剛,友永雅己,伊谷原一,松沢哲郎 (2012) 大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)第3期の活動に向けて. ずーだがや (2012/03/20, 名古屋).

12) 辻大和 (2011/09) サルを通して生き物のつながりを考える〜金華山島のニホンザルの観察から〜. 京都大学霊長類研究所東京公開講座 日本科学未来館, 東京.

13) 辻大和 (2012/03) 研究者の仕事. 愛知県犬山市立城東中学校「働く人の話を聞く会」, 犬山市.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行動神経研究部門

思考言語分野

<研究概要>

A) チンパンジーの比較認知発達研究
松沢哲郎,友永雅己,林美里,伊村知子,足立幾磨(国際共同先端研究センター),服部裕子,濱田穣(進化形態分野),西村剛(系統発生分野),南雲純治(国際共同先端研究センター),鈴木樹理,宮部貴子,前田典彦,渡邉朗野,兼子明久,渡邉祥平(以上,人類進化モデル研究センター),熊崎清則,落合(大平)知美,高島友子,酒井朋子(京都大)
1群14個体のチンパンジーのうち、特に10-11歳になる子ども3個体を対象として、比較発達研究を総合的におこなった。認知機能の解析として、コンピュータ課題や対象操作課題など各種認知課題においてチンパンジーのおとな個体や、ヒト幼児との比較検討をおこなった。また、定期的に脳や身体各部の計測もおこなっている。

B) チンパンジーの知覚・認知能力の比較認知科学的研究
松沢哲郎,友永雅己,伊村知子,足立幾磨,服部裕子,南雲純治,狩野文浩,兼子峰明,村松明穂,兪リラ,植田想,CD Dahl,M Kret,高島友子,村井千寿子(玉川大),牛谷智一(千葉大),後藤和宏(京都大),佐野明人,田中由浩,酒井基行(以上、名工大)
チンパンジーとヒトを対象に、認知・言語機能の比較研究を継続しておこなった。主として、1個体のテスト場面で、数系列学習、色と文字の対応、視線の認識、顔の知覚、注意、パターン認識、視覚探索、カテゴリー認識、物理的事象の認識、視聴覚統合、情動認知、運動知覚、行動の同調などの研究をおこなった。

C) チンパンジーにおけるアイトラッカーを用いた視線計測
友永雅己,狩野文浩,兼子峰明,植田想
チンパンジーとヒトを対象に、非拘束型のアイトラッカーを用いて、各種の視覚刺激提示時や課題遂行時の視線の計測をおこなった。

D) 野生チンパンジーの道具使用と文化的変異と森林再生
松沢哲郎,林美里,大橋岳,C Martin,山越言(京都大),森村成樹,藤澤道子(以上,野生動物研究センター),山本真也(ボノボ研究部門),T Humle(ケント大),D Biro(オックスフォード大),C Sousa(リスボン新大),K Koops(ケンブリッジ大),K Hockings(リスボン新大),S Carvalho(ケンブリッジ大),N Granier(リエージュ大),L Martinez(梨花女子大),AG Soumah (IREB),T Tagbino(カンカン大)
西アフリカ・ギニアのボッソウと、東隣のニンバ山とコートジボワール領内、西隣のディエケの森、南隣のリベリア領内で、野生チンパンジーの行動と生態を調査し、記録の解析をおこなった。また、「緑の回廊」と呼ぶ森林再生研究を試み、苗木を覆う東屋を設置する活動を継続した。

E) 飼育霊長類の環境エンリッチメント
友永雅己,松沢哲郎,林美里,熊崎清則,落合(大平)知美,小倉匡俊,山梨裕美,櫻庭陽子,川上清文(聖心女子大),鈴木樹理,前田典彦,渡邉祥平(以上、人類進化モデル研究センター)
動物福祉の立場から環境エンリッチメントに関する研究をおこなった。3次元構築物の導入や植樹の効果の評価、視覚刺激の呈示によるストレスの低減、個別飼育個体に対する動画刺激提示の効果、認知実験がチンパンジーの行動に及ぼす影響の評価、木の枝や草などを使った異常行動の低減、エンリッチメント用の遊具の導入などの研究をおこなった。

F) 各種霊長類の認知発達
友永雅己,松沢哲郎,伊村知子(比較認知発達),服部裕子,兼子峰明,打越万喜子,白井述(新潟大),藤田和生,渡辺創太(以上,京都大),村井千寿子(玉川大),絹田俊和,福守朗,山田信宏,木村夏子,小西克也(以上,高知県のいち動物公園),安藤寿康(慶応大),川上文人(東京大),岸本健(聖心女子大)
アジルテナガザルの幼児、マカクザルの幼児、および新世界ザル各種成体を対象に、種々の認知能力とその発達について検討をおこなった。さらに、高知県のいち動物公園において二卵性双生児のチンパンジーの行動発達を縦断的に観察している。

G) ヒトの子どもの認知発達
林美里,服部裕子
犬山市の心身障害児デイサービスセンター「こすもす園」で、自閉症、ダウン症、広汎性発達障害など非定型発達児のコミュニケーション行動の発達について、参与観察研究をおこなった。

H) 動物園のチンパンジーの知性の研究
足立幾磨,櫻庭陽子,松沢哲郎
名古屋市の東山動物園のチンパンジー1群6個体を対象に、新設された屋外運動場での社会行動を観察記録した。また「パンラボ」と名づけられたブースにおいて、道具使用とコンピュータ課題の2つの側面から知性の研究をおこなった。

I) チンパンジー2個体場面における社会的知性の研究
服部裕子,C Martin
チンパンジー2個体を対象とし、チンパンジーの行動が他者に影響されるかどうかを検討した。2つのモニターを通じて2個体に一連の課題をおこなわせると、チンパンジーは相手の行動を見て自分の行動を調整した。これらの実験から、チンパンジーにおける他者理解の一面が示された。

J) 鯨類と大型類人猿の比較認知研究
友永雅己,村山美穂,森阪匡通(野生動物研究センター),中原史生(常磐大),斉藤豊,上野友香,神田幸司,吉井誠,阿久根雄一郎,日登弘,祖一誠(以上、名古屋港水族館)
名古屋港水族館との共同研究として、鯨類の認知研究を進めている。とくに、イルカにおける視覚認知、サインの理解、視覚的個体識別などを大型類人猿との比較研究として進めている。また、その他の水族館とも連携して研究を進めている。

K) 大型類人猿の比較認知研究
松沢哲郎,友永雅己,林美里,山梨裕美,熊崎清則,幸島司郎,久世濃子,金森朝子(以上、野生動物研究センター)山崎彩夏(東京農工大),S Weide(ヤヤサンサバ財団),HA Abdul(マレーシア・サバ大),D Sabapathy(オランウータン島財団),D Baskaran(プラウバンディング財団),M Mansor(マレーシア科学大学)
マレーシアのサバ州で野生オランウータンの生態と行動の調査をおこなった。また、マレー半島の飼育オランウータンの環境エンリッチメントと、オランウータンを野生復帰させる試みをおこなっている。

<研究業績>

原著論文

1) Dahl CD, Logothetis NK, Bulthoff HH, Wallraven C (2011) Second-order relational manipulations affect both humans and monkeys. PLoS One 6(10):e25793.

2) Hattori Y, Tomonaga M, Fujita K (2011) Chimpanzees (Pan troglodytes) show more understanding of human attentional states when they request food in the experimenter's hand than on the table. Interaction Studies 12:418-429.

3) Inoue S, Matsuzawa T (2011) Correlation between menstrual cycle and cognitive performance in a chimpanzee (Pan troglodytes). Journal of Comparative Psychology 125:104-110.

4) Kaneko T, Tomonaga M (2011) The perception of self-agency in chimpanzees (Pan troglodytes). Proceedings of the Royal Society Series B 278:3694-3702. doi:10.1098/rspb.2011.0611.

5) Kano F, Tomonaga M (2011) Species difference in the timing of gaze movement between chimpanzees and humans. Animal Cognition 14:879-892.

6) Kano F, Tomonaga M (2011) Perceptual mechanism underlying gaze guidance in chimpanzees and humans. Animal Cognition 14:377-386.

7) Kano F, Hirata S, Call J, Tomonaga M (2011) The visual strategy specific to humans among hominids: A study using the gap-overlap paradigm. Vision Research 51:2348-2355.

8) Kawakami K, Kawakami F, Tomonaga M, Kishimoto T, Minami T, Takai-Kawakami K (2011) Origins of a theory of mind. Infant Behavior & Development 34:264-269.

9) Ludwig VU, Adachi I, Matsuzawa T (2011) Visuoauditory mappings betweenhigh luminance and high pitch are shared by chimpanzees (Pan troglodytes) and humans. PNAS 108(51):20661-20665.

10) Martin CF, Biro D, Matsuzawa T (2011) Chimpanzees' use of conspecific cues in matching-to-sample tasks: public information use in a fully automated testing environment. Animal Cognition 14:893-902.

11) Morimura N, Idani G, Matsuzawa T (2011) The first chimpanzee sanctuary in Japan: an attempt to care for the "surplus" of biomedical research. American Journal of Primatology 73:226-232.

12) Murai C, Tanaka M, Tomonaga M, Sakagami M (2011) Long-term visual recognition of familiar persons, peers, and places by young monkeys (Macaca fuscata). Developmental Psychobiology 53:732-737. DOI: 10.1002/dev.20548.

13) Ogura T (2011) Contrafreeloading and the value of control over visual stimuli in Japanese macaques (Macaca fuscata). Animal Cognition 14(3):427-431.

14) Ohashi G, Matsuzawa T (2011) Deactivation of snares by wild chimpanzees. Primates 52:1-5.

15) Saito A, Hayashi M, Ueno A, Takeshita H (2011) Orientation-indifferent representation in children's drawings. Japanese Psychological Research 53:379-390.

16) Sakai T, Mikami A, Tomonaga M, Matsui M, Suzuki J, Hamada Y, Tanaka M, Miyabe-Nishiwaki T, Makishima H, Nakatsukasa M, Matsuzawa T (2011) Differential prefrontal white matter development in chimpanzees and humans. Current Biology 21:1397-1402. doi:10.1016/j.cub.2011.07.019.

17) Sugawara T, Go Y, Udono T, Morimura N, Tomonaga M, Hirai H, Imai H (2011) Diversification of bitter taste receptor gene family in western chimpanzees. Molecular Biology and Evolution 28:921-931.

18) Yamanashi Y, Hayashi M (2011) Assessing the effects of cognitive experiments on the welfare of captive chimpanzees (Pan troglodytes) by direct comparison of activity budget between wild and captive chimpanzees. American Journal of Primatology 73:1231-1238.

19) Carvalho S, Biro D, Cunha E, Hockings K, McGrew W, Richmond BG, Matsuzawa T (2012) Chimpanzee carrying behaviour and the origins of human bipedality. Current Biology 22(6):180-181.

20) Goto K, Imura T, Tomonaga M (2012) Perception of emergent configurations in humans (Homo sapiens) and chimpanzees (Pan troglodytes). Journal of Experimental Psychology: Animal Behavioral Processes 38:125-138.

21) Hattori Y, Leimgruber K, Fujita K, de Waal FBM (2012) Food-related tolerance in capuchin monkeys (Cebus apella) varies with knowledge of the partner's previous food-consumption. Behaviour 149:171-185.

22) Hockings K, Anderson J, Matsuzawa T (2012) Socioecological adaptations in chimpanzees, Pan troglodytes verus, in habiting anthropogenically impacted habitat. Animal Behaviour 83:801-810.

23) Koops K, McGrew W, Matsuzawa T, Knapp L (2012) Terrestrial nest-building by wild chimpanzees (Pan troglodytes): Implications for the tree-to-ground sleep transition in early hominins. American Journal of Physical Anthropology, March 28, 2012,DOI:10.1002/ajpa.22056.

24) Koops K, McGrew W, de Vries H, Matsuzawa T (2012) Nest-building by chimpanzees (Pan troglodytes) at Seringbara, Nimba Mountains: Antepredation, thermoregulation, and antivector hypotheses. International Journal of Primatology 33:356-380.

25) Ogura T, Matsuzawa T (2012) Visual preference assessment and behavioural management of single-caged Japanese macaques (Macaca fuscata) by movie presentation. Journal of Applied Animal Welfare Science 15(2):101-112.

26) Tsutsumi S, Ushitani T, Tomonaga M, Fujita K (2012) Infant monkeys' concept of animacy: The role of eyes and fluffiness. Primates 53:113-119. DOI 10.1007/s10329-011-0289-8.

総説

1) 林美里 (2011) オランウータンのすむ島で. 発達 127:94-102.

2) 小倉匡俊,山崎彩夏,山梨裕美,三家詩織 (2011) 動物福祉研究の展開〜動物心理学会自由集会の議論から. 動物心理学研究 61(1):115-124.

3) 友永雅己,ユ・リラ (2011) 身体で知覚する、身体を知覚する:チンパンジーの認知における身体の役割. Clinical Neuroscience 29:876-880.

4) Kano F, Yamanashi Y, Tomonaga M (2012) Emotions as an intervening variable in understanding the cognitive and social complexity and well-being of chimpanzees. Psychologia 55:9-20.

5) 松沢哲郎 (2012) 「アウトグループ」という発想:ボノボ、オランウータン、ゴリラから人間を考える. 発達 129:97-104.

報告

1) 田島知之,谷口晴香,山梨裕美,大谷洋介,小川詩乃,早川卓志,本郷峻 (2011) 第23回国際霊長類学会Student Affairs Workshopを終えて. 霊長類研究 27:57-62.

著書(分担執筆)

1) Hayashi M, Inoue-Nakamura N (2011) From handling stones and nuts to tool-use. (The chimpanzees of Bossou and Nimba) (ed. Matsuzawa T, Humle T, Sugiyama Y) p.175-182 Springer, Tokyo.

2) Hirata S, Hayashi M (2011) The emergence of stone-too use in captive chimpanzees. (The chimpanzees of Bossou and Nimba) (ed. Matsuzawa T, Humle T, Sugiyama Y) p.183-190 Springer, Tokyo.

3) Matsuzawa T (2011) Education by master-apprenticeship. (The Chimpanzees of Bossou and Nimba) (ed. Matsuzawa T, et al.) p.201-208 Tokyo: Springer.

4) Matsuzawa T (2011) Field experiments of tool-use. (The Chimpanzees of Bossou and Nimba) (ed. Matsuzawa T, et al.) p.157-164 Tokyo: Springer.

5) Matsuzawa T (2011) Log doll: pretence in wild chimpanzees. (The Chimpanzees of Bossou and Nimba.) (ed. Matsuzawa T, et al.) p.131-135 Tokyo: Springer.

6) Matsuzawa T (2011) Stone tools for nut-cracking. (The Chimpanzees of Bossou and Nimba.) (ed. Matsuzawa T, et al.) p.73-83 Tokyo: Springer.

7) Matsuzawa T, Humle T (2011) Bossou: 33 Years. (The Chimpanzees of Bossou and Nimba) (ed. Matsuzawa T, et al.) p.3-10 Tokyo: Springer.

8) Matsuzawa T, Ohashi G, Humle T, Granier N, Kourouma M, Soumah AG (2011) Green Corridor Project: Planting in the savanna between Bossouand Nimba. (The Chimpanzees of Bossouand Nimba) (ed. Matsuzawa T, et al.) p.361-370 Tokyo: Springer.

9) Yamamoto S, Yamakoshi G, Humle T, Matsuzawa T (2011) Ant fishing in trees: invention and modification of a new tool-use behavior. (The Chimpanzees of Bossou and Nimba) (ed. Matsuzawa T, et al.) p.123-130 Tokyo: Springer.

編集

1) Matsuzawa T, Humle T, Sugiyama Y (2011) The Chimpanzees of Bossou and Nimba. p.465 Tokyo, Springer.

その他の執筆

1) 林美里 (2011) オランウータンを森に帰す. 科学, 81 p.352-353.

2) 林美里 (2011) チンパンジー研究者からみたボノボ. 科学, 81 p.1126-1127.

3) 松沢哲郎 (2011) アウトグループという発想. 「科学」12月号(第120回)p.1228-1229.

4) 松沢哲郎 (2011) 野生マウンテンゴリラの国から. 「科学」10月号(第118回)p.1000-1001.

5) 松沢哲郎,クリス・マーチン,ドラ・ビロ (2011) 見てまねる. 「科学」9月号(第117回)p.870-871.

6) 松沢哲郎 (2011) ボルネオの森から. 「科学」8月号(第116回)p.742-743.

7) 村山美穂,早野あづさ,友永雅己,今野晃嗣,上野友香,斉藤豊,篠原正典 (2011) イルカの性格を遺伝子から知る. 勇魚, 54 p.11-14.

8) 友永雅己 (2011) チンパンジー、イルカに会う. 勇魚, 54 p.2-10.

9) 友永雅己 (2011) ふたごのちびっこチンパンジー(ちびっこチンパンジーと仲間たち(第114回)). 科学, 81 p.516-517.

10) 友永雅己,兼子峰明 (2011) 世界に働きかける「わたし」(ちびっこチンパンジーと仲間たち(第115回)). 科学, 81 p.516-517.

11) 林美里 (2012) チンパンジーとともに(連載:研究者になる!第37回). 京都大学女性研究者支援センターNews Letterたちばな, 44 p.4.

12) 藤澤道子,松沢哲郎 (2012) 野生チンパンジーの出産. 科学, 82 p.264-265.

13) 松沢哲郎 (2012) 京都大学ブータン友好プログラム:その歴史的展望. ヒマラヤ学誌, 13号 p.233-240.

14) 友永雅己 (2012) 熊本サンクチュアリにようこそ(ちびっこチンパンジーと仲間たち(第121回)). 科学, 82 p.38-39.

学会発表

1) Chin H, Tomonaga M, Nakajima S, Uwano Y, Ogura S (2011) Study of using self-view images in the bottlenose dolphin (Tursiops truncatus). The 19th Biennial Conference on the Biology of Marine Mammals (2011/11/27-12/02, Tampa, Florida, USA).

2) Dahl CD, Rasch MJ, Tomonaga M, Adachi I (2012) Nature or Nurture in Face Perception? Looking Within, Interdisciplinary Approaches to Consciousness. International Conference, National Institute of Advanced Studies (2012/01/05-07, Bangalore India).

3) Dahl CD (2011) Evaluating factors of innate and experience-based contributions to chimpanzee face perception. The 75th Annual Convention of the Japanese Psychological Association, Nihon University.Workshop "Integrative approaches toward holistic processing of faces" with Olivier Pascalis and Goedele van Belle (2011/09/15-17, Tokyo, Japan).

4) Kret ME, Kano F, Tomonaga M, Matsuzawa T (2011) Pupil dilation in response to increasing pupils of male conspecifics. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

5) Ochiai-Ohira T, Uchikoshi M, Imai H, Go Y, Nishimura T, Idani G, Matsuzawa T (2011) Activity of the Great Ape Information Network (GAIN): a web site promoting animal welfare. International Conference on Environmental Enrichment (2011/08/14-19, Benson Hotel, Oregon, USA).

6) Ogura T (2011) Visual enrichment using Internet video sharing for Japanese monkeys. International Conference on Environmental Enrichment 2011 (2011/08/14-19, Benson Hotel, Oregon, USA).

7) Yamanashi Y, Hayashi M (2011) Wild captive comparisons of the behaviors of chimpanzees (Pan troglodytes). International Conference of Environmental Enrichment (2011/08/14-19, Benson Hotel, Oregon, USA).

8) 足立幾磨,友永雅己,松沢哲郎 (2011) ニホンザルにおける顔知覚様式の発達. 日本赤ちゃん学会第11回学術集会 (2011/05/07-08, 中部学院大学).

9) 足立幾磨,友永雅己,松沢哲郎 (2011) ニホンザルにおける顔全体処理の発達. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

10) 阿保備子,宮之原真由,今井奬,岡本公彰,齋藤渉,山口貴央,井川知子,小川匠,野村義明,宮部貴子,桃井保子,花田信弘 (2011) チンパンジー口腔由来のミュータンスレンサ球菌様細菌に関する研究. 鶴見大学歯学会第73回例会 (2011/06/25, 鶴見大学会館メインホール).

11) 秋吉由佳,平栗明実,水野佳緒里,市野悦子,有賀菜津美,渡邉みなみ,林美里 (2011) 「チンパンジーの発達に伴う社会関係の変化〜最近接個体の縦断的解析〜」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

12) 安藤寿康,友永雅己,福守朗,山田信宏,木村夏子,絹田俊和 (2012) チンパンジーのきょうだい関係−比較双生児学の試み (2). 第26回日本双生児研究学会学術講演会 (2012/01/28, 東京).

13) 有賀菜津美,山梨裕美,林美里 (2011) 「改修工事がチンパンジーの行動に与える影響評価」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

14) 陳香純,友永雅己,中島定彦,上野友香,小倉仁 (2011) バンドウイルカにおける自己映像を用いた自己認知の検討. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

15) Dahl CD, Tomonaga M, Adachi I (2011) Evaluating factors of innate and experience-based contributions to chimpanzee face perception? 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

16) 藤森唯,林美里 (2011) 「オマキザルにおける環境エンリッチメントとその効果」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

17) 服部裕子,友永雅己 (2011) チンパンジーにおける他者の行動に対する同調傾向. 日本赤ちゃん学会第11回学術集会 (2011/05/07-08, 中部学院大学).

18) 服部裕子,友永雅己 (2011) 異なる意図を持つ動作に対するチンパンジーの模倣傾向:見本合わせ課題を用いて. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

19) 林美里 (2011) 赤ちゃん学の展開:比較認知発達の視点から. 日本赤ちゃん学会 (2011/05/07, 中部学院大学).

20) 林美里,大橋岳,柳興鎭 (2011) 罠にかかった動物に対するボノボの行動―ワンバでのケースレポート―. SAGA14 (2011/11/12, 熊本市).

21) 林美里,竹下秀子 (2011) 大型類人猿とヒト幼児の積木の操作にみる物理的な特性の理解. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/17, 犬山市).

22) 市野悦子,藤森唯,木村元大,福守朗,小西克也,山田信宏,木村夏子,絹田俊和,友永雅己 (2011) チンパンジーの子どもの成長に伴う社会関係の変化. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

23) 今井啓雄,落合(大平)知美,郷康広,西村剛,伊谷原一,打越万喜子,松沢哲郎 (2011) NBRP「GAIN(大型類人猿情報ネットワーク)」:大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)の活動紹介. 第34回日本分子生物学会年会 2011年特別企画NBRP展示 (2011/12/13-16, パシフィコ横浜).

24) 兼子峰明,友永雅己 (2011) チンパンジーとヒトにおける視覚−運動随伴性の変化に対する気づきと自動的な運動補正. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

25) 兼子峰明,友永雅己 (2011) チンパンジーとヒトにおける自己の随意運動の知覚:視覚−運動随伴性の変化に対する視線行動と上肢運動の調節. 日本赤ちゃん学会第11回学術集会 (2011/05/07-08, 中部学院大学).

26) 狩野文浩,Call J,友永雅己 (2011) ヒト科4属における顔の見方:比較アイ・トラッキング研究. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

27) 狩野文浩,Call J,友永雅己 (2011) アイ・トラッキングの手法を用いたヒト科4属における視覚戦略の検討. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

28) 狩野文浩,平田聡,Call J,友永雅己 (2011) ヒト科4属における比較アイ・トラッキング研究から明らかになったヒト特有の視覚戦略. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

29) 狩野文浩,平田聡,友永雅己 (2011) 類人猿3種とヒトにおけるギャップ効果. 日本赤ちゃん学会第11回学術集会 (2011/05/07-08, 中部学院大学).

30) Kim Y, Lee W, Martinez L, Kim S, Choe JC, Adachi I, Tomonaga M (2011) Ape research project in Seoul Zoo, Korea. SAGA (Support for African/Asian Great Apes) (2011/11/12-13, Kumamoto City Zoo and Botanical Garden, Japan).

31) 木村元大,櫻庭陽子,市野悦子,島田かなえ,鈴木健太,渡邉みなみ,近藤裕治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 「東山動物園のチンパンジータワー利用状況の継続調査」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

32) 宮之原真由,今井奬,齋藤渉,山口貴央,阿保備子,野村義明,桃井保子,花田信弘 (2011) チンパンジー口腔由来のレンサ球菌の性状に関する研究. 第60回日本口腔衛生学会 (2011/05/19-21, 千葉市文化交流プラザ).

33) 森ことの,中山ふうこ,櫻庭陽子,松沢哲郎 (2011) 「自然学ポケットゼミナール活動紹介」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

34) 森村成樹,上坂博介,那須和代,平田聡,友永雅己 (2011) 熊本サンクチュアリの設立. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

35) 村井千寿子,友永雅己 (2011) こっちを見てる? ニホンザルにおける他者の注意状態の認識. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

36) 夏目尊好,須田直子,林美里 (2011) 「ニホンザルのあかんぼうにおける固形飼料洗い行動獲得の過程」. 14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動物園).

37) 落合(大平)知美,打越万喜子,今井啓雄,郷康広,西村剛,伊谷原一,松沢哲郎 (2011) 大型類人猿情報ネットワーク (GAIN) の活動:ウェブサイトでの情報管理. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

38) 落合知美,打越万喜子,今井啓雄,郷康広,西村剛,伊谷原一,松沢哲郎 (2011) GAINウェブサイトの紹介:類人猿に関する情報収集. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

39) 小倉匡俊 (2011) 動画呈示によるケージ飼育ニホンザルの異常行動の軽減と新奇性・内容・操作性の効果. 日本霊長類学会第27回大会 (2011/07/16-18, 愛知県犬山国際観光センターフロイデ).

40) 小倉匡俊 (2011) 動画呈示による飼育ニホンザルの異常行動の軽減と動画呈示要因の検討. Animal 2011:日本動物心理学会(第71回)・日本動物行動学会(第30回)・応用動物行動学会/日本家畜管理学会(2011年度)合同大会 (2011/09/08-11, 東京都慶應義塾大学三田キャンパス).

41) 小倉匡俊 (2011) You Tube動画呈示によるニホンザルの異常行動の軽減. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11, 熊本).

42) 酒井朋子,松井三枝,Ludize M,三上章允,中務真人,友永雅己,鈴木樹理,濱田穣,田中正之,宮部−西脇貴子,巻島美幸,松沢哲郎 (2011) チンパンジーの大脳組織の発達過程はヒトの脳進化を理解する上での新たな見識を与える. 第65回日本人類学会大会 (2011/11/04, 沖縄県立博物館・美術館).

43) 酒井朋子,松井三枝,中務真人,友永雅己,三上章允,鈴木樹理,濱田穣,田中正之,宮部貴子,巻島美幸,松沢哲郎 (2011) チンパンジーとヒトにおける大脳の発達過程:ヒトの脳の進化的基盤の理解に向けて. 日本赤ちゃん学会第11回学術集会 (2011/05/07-08, 中部学院大学).

44) 櫻庭陽子,林美里 (2011) 「飼育環境の変化が四肢麻痺を患ったチンパンジー(Pan troglodytes)の行動にもたらす影響と今後のリハビリ計画及び評価方法の検討」. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山).

45) 櫻庭陽子,林美里 (2011) 「脊髄炎を発症したチンパンジーの5年間とこれから」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

46) 櫻庭陽子,市野悦子,木村元大,島田かなえ,鈴木健太,廣澤麻里,近藤裕治,山本光陽,松村秀一,足立幾磨 (2011) 「物理的及び社会的飼育環境の変化がチンパンジーの行動にもたらす影響」. Animal 2011 (2011/09/08-11, 東京).

47) 島田かなえ,櫻庭陽子,市野悦子,木村元大,鈴木健太,渡邉みなみ,近藤祐治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 「小型展示施設"パンラボ"の評価−チンパンジーの利用率・行動の変化を通して−」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

48) 鈴木健太,櫻庭陽子,市野悦子,木村元大,島田かなえ,渡邉みなみ,近藤裕治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 「東山動物園のチンパンジーにおける認知実験参加率の変動」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

49) 友永雅己 (2011) チンパンジーにおける「スピード線」の知覚. 日本心理学会第75回大会 (2011/09/15-17, 日本大学).

50) 友永雅己 (2011) チンパンジーにおける「スピード線」の知覚. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

51) 友永雅己 (2011) チンパンジーにおける自己顔の知覚. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

52) 友永雅己 (2011) チンパンジーにおける自己顔の知覚. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

53) 友永雅己,兼子峰明 (2011) さっき何を選んだの?チンパンジーは直前の自分の行動を記憶しているか. 日本赤ちゃん学会第11回学術集会 (2011/05/07-08, 中部学院大学).

54) 上野友香,斉藤豊,佐藤真奈美,原功次郎,友永雅己 (2011) バンドウイルカにおける対称性の成立について. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

55) 植田想,友永雅己 (2011) チンパンジーによる色と図形の象徴見本合わせの長期保持. Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

56) 植田想,友永雅己 (2011) チンパンジーによる色と図形の象徴見本合わせの長期記憶. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

57) 植田想,友永雅己 (2011) チンパンジーによる色と図形の象徴見本合わせの長期保持. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

58) 渡邉みなみ,櫻庭陽子,市野悦子,木村元大,島田かなえ,鈴木健太,近藤裕治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 「東山動物園でのチンパンジーの知性展示」. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

59) 山梨裕美,林美里 (2011) 野生の採食時間はチンパンジーの異常行動を減少させるか. Animal 2011 (2011/09/08-11, 東京).

60) 山梨裕美,森村成樹,森裕介,林美里,鈴木樹理 (2011) チンパンジーにおける毛中コルチゾル測定. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本).

61) ユ・リラ,友永雅己 (2011) チンパンジーにおける自発的な同調行動(Spontaneous interpersonal synchrony in chimpanzees). Animal 2011(2011年度日本動物心理学会・日本動物行動学会・応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同大会) (2011/09/08-11, 慶応大学).

62) ユ・リラ,友永雅己 (2011) チンパンジーにおける同調行動−タッピング課題を用いて. 平成23年度生理研研究会 (2011/10/06-07, 生理学研究所).

63) ユ・リラ,友永雅己 (2011) チンパンジーにおける無意図的な同調行動の実験的観察:タッピングパラダイムを用いて. 日本霊長類学会第27回学術集会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センター・フロイデ).

64) Dahl CD (2012) Multi-disciplinary approach on face perception to disentangle developmental characteristics. International Institute for Advanced Studies, "The Origin of Mind", 3rd Conference (2012/01/28-29, Kyoto).

65) 落合知美,打越万喜子,今井啓雄,郷康広,西村剛,友永雅己,伊谷原一,松沢哲郎 (2012) 大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)第3期の活動に向けて. ずーだがや (2012/03/20, 名古屋).

66) 友永雅己 (2012) Looking for Myself─ チンパンジーにおける自己顔の知覚. 日本発達心理学会第23回大会 (2012/03/09-11, 名古屋国際会議場).

67) 友永雅己 (2012) イルカから見た世界. 第7回犬山比較社会認知シンポジウム(iCS2-7) (2012/03/24-25, 京都大学霊長類研究所).

講演

1) Hayashi M (2011/08/12) Experimental approach to study cognitive development in captive and wild chimpanzees. AA Platform Workshop "Comparative study of adaptation to environment in apes" Mabali, D.R. Congo.

2) Matsuzawa T (2011/04/27) What is uniquely human? An answer from the study of chimpanzees. Harvard University Anthropology-Psychlogy Joint Special Seminar, Harvard University, USA.

3) Matsuzawa T (2011/04/28) What is uniquely human? An answer from the study of chimpanzees. New York Colloquium of Primatology. Columbia University, USA.

4) Matsuzawa T (2011/04/29) Cognitive development in chimpanzees. Special lecture in Hunter college, City University of New York. City University of New York, USA.

5) Matsuzawa T (2011/05/02) What is uniquely human? An answer from the study of chimpanzees. The Colloquium at IRCS. University of Pennsylvania, USA.

6) Matsuzawa T (2011/05/17) What is uniquely human? An answer from the study of chimpanzees. Special lecture in Institute of Health. University College London, UK.

7) Matsuzawa T (2011/05/18) What is uniquely human? An answer from the study of chimpanzees. Special lecture in the Psychology and Anthropology joint colloquium. Cambridge University, UK.

8) Matsuzawa T (2011/06/29) Potentials for ICCA as research site for primates by Kyoto University. ICCA stakeholders workshop, Kota Kinabalu, Malaysia.

9) Matsuzawa T (2011/08/16) Social evolution of the chimpanzee mind. Wellcome Trust school on biology of social cognition. Cambridge, UK.

10) Matsuzawa T (2011/12/05) What is uniquely human? An answer from the study of chimpanzees. IIAS Lecture 2011 on "Frontiers in neuroscience: from brain to mind". Tokyo.

11) Matsuzawa T (2011/12/09) Outgroup: A new paradigm of thinking about the evolutionary basis of human mind. IIAS research conference 2011 on "Frontiers in neuroscience: from brain to mind". Kyoto.

12) Matsuzawa T (2011/12/12) What is uniquely human? An answer from the study of chimpanzees. Special lecture for the Philosophy section of ENS. Ecole Normale Superieure, Paris.

13) Matsuzawa T (2011/08/06) Stone tool use of wild chimpanzees in Bossou, Guinea: Overviewofthe field experiment. International Workshop on Primate Archaeology: Stone tool use in fossil hominids and nonhuman primates. Nairobi, Kenya.

14) Tomonaga M (2011/04/11-12) How the chimpanzees see the social world: Comparative cognitive approach. 2011 International Conference on Social Cognition and Neuroscience in Hangzhou, China. Hangzhou, China.

15) 林美里 (2011/05/09) チンパンジーの研究から. 名古屋市立江西小学校.

16) 林美里 (2011/07/15) 人とヒト、同じことと違っていること. 2011年度きょうされん安居楽業ゼミナールくらし. 名古屋港.

17) 松沢哲郎 (2011/05/21) 人間とは何か:チンパンジー研究からみえてきたこと. 第62回指定都市学校保健協議会「内科・眼科・耳鼻咽喉科合同研修会」. 京都.

18) 松沢哲郎 (2011/05/21) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 大阪教育大学付属高等学校. 大阪.

19) 松沢哲郎 (2011/05/26) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 明和高等学校SSH基調講演. 犬山.

20) 松沢哲郎 (2011/06/04) 子育ての由来:チンパンジー研究からみえてきたこと. 東京YMCA野尻キャンプ80周年記念講演. 東京.

21) 松沢哲郎 (2011/06/04) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. ジュンク堂書店. 東京.

22) 松沢哲郎 (2011/06/04) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. ピーエス株式会社フォーラム. 東京.

23) 松沢哲郎 (2011/07/09) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 両国高等学校創立百十周年記念講演. 東京.

24) 松沢哲郎 (2011/10/14) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 近畿病歴管理セミナー100回記念セミナー. 大阪.

25) 松沢哲郎 (2011/10/20) 人間とは何か:チンパンジー研究からみえてきたこと. 第47回日本赤十字社医学会総会. 福井.

26) 松沢哲郎 (2011/10/22) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 第10期「The challenge of leadership program」. 京都.

27) 松沢哲郎 (2011/11/05) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. あいちサイエンスフェスティバル2011. 名古屋.

28) 松沢哲郎 (2011/11/25) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 渋谷教育幕張中学・高等学校進路講演会. 千葉.

29) 松沢哲郎 (2011/12/08) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 愛知県医薬品工業協会. 名古屋.

30) 松沢哲郎 (2011/07/10) チンパンジーが教えてくれた人間の親子関係と子育て. 第47回日本周産期・新生児医学会学術集会. 札幌.

31) 友永雅己 (2011/04/17) チンパンジーの赤ちゃんとお母さん:最初の2年間. ふたごのチンパンジーダイヤとサクラ2歳誕生会公開講座. 高知県立のいち動物公園.

32) 友永雅己 (2011/07/21) 森のこころ、海のこころ−こころの進化における2つの制約−. 関西学院大学大学院GP(組織的な大学院教育改革推進プログラム)「国際化社会に貢献する心理科学実践家の養成」講演会. 関西学院大学.

33) 友永雅己 (2011/07/30) ヒトのこころをチンパンジーから眺める. 日本学術会議心の先端研究と心理学専門教育分科会公開シンポジウム 「心の先端研究への扉」. 熊本大学.

34) 友永雅己 (2011/08/05) チンパンジーのこころの世界. 日本生物教育会第66回全国大会愛知大会研修講座. 京都大学霊長類研究所.

35) 友永雅己 (2011/10/06-07) チンパンジーにおける社会的認知. 生理学研究所研究会社会神経科学研究会「今、社会神経科学研究に求められていること」. 自然科学研究機構岡崎コンフェレンスセンター.

36) 友永雅己 (2011/10/13) 3つの時間を生きるチンパンジー−進化、発達、文化−. 日本動物心理学会第156回例会、玉川大学グローバルCOE特別ワークショップ(共催:基盤研究(S)「海のこころ、森のこころ」). 玉川大学.

37) Dahl CD (2012/01/17) Primate face perception. Graduate school of education, Kyoto University, Myowa-Yamakoshi lab, Japan.

38) 林美里 (2012/01/28) チンパンジーと人の発達・育児支援. 西宮市民間保育所協議会職員研修会. 宝塚.

39) 松沢哲郎 (2012/01/20) 想像するちから. 「未来を探知する地のバトンリレー」第1回人類の未来. 日本科学未来館. 東京.

40) 松沢哲郎 (2012/01/21) 想像するちから. 東大・京大ジョイント一般公開シンポジウム「生き物の個性を紐とく:かたち,かかわり,こころ」. 東京大学.

41) 松沢哲郎 (2012/02/12) ヒト科4属の比較からみた人間の心の由来. 日本学術会議公開シンポジウム,ワイルドサイエンス「森,人,心の由来をめぐって」. 屋久島.

42) 松沢哲郎 (2012/02/17) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 愛知県平成23年度オープンセミナー(第6回). 名古屋.

43) 松沢哲郎 (2012/02/21) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 聖母学院小学校教育講演会. 京都.

44) 松沢哲郎 (2012/03/02) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 国際ソロプチミスト大津40周年記念講演. 大津.

45) 松沢哲郎 (2012/03/13) 想像するちから−チンパンジーが教えてくれた人間の心. 京都大学ウイルス研究所セミナー. 京都大学ウイルス研究所.

46) 友永雅己 (2012/01/19) チンパンジーから見た母子関係の発達. 第45回沖縄県母子保健大会特別講演. 宜野湾市民会館.

47) 友永雅己 (2012/01/28-29) Factors affecting motion direction judgment in chimpanzees. 国際高等研究所研究プロジェクト「心の起源」2011年度第3回研究会. 国際高等研究所.

48) 友永雅己 (2012/02/27-28) 海のこころ、森のこころ. 第2回チンパンジー飼育者研修会講演. 岡山.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

認知学習分野

<研究概要>

A) ヒトとニホンザルにおける認知機能の加齢変化についての実験的比較研究
正高信男,吉川左紀子(京大・こころの未来研究センター),川合伸幸(名古屋大学),久保南海子(愛知淑徳大学)
認知機能の加齢にともなう変化を人間とニホンザルで比較をおこなった。

B) 発達障害の強み(strength)の実験的検証
正高信男
視覚探索課題を実験パラダイムとして用いた実験を定型発達児20名におこない、結果を障害児と比較した。

C) 霊長類のコミュニケーションの進化に関する研究
香田啓貴,柴崎全弘,佐藤杏奈,H Bouchet(日本学術振興会海外特別研究員(欧米短期)),川合伸幸(名古屋大学),早川祥子,加藤朱美,國枝匠,石田恵子,南雲純治(霊長研・国際共同先端研究センター),正高信男
ニホンザル、グエノン、テナガザルなどを対象に、霊長類の視聴覚コミュニケーションがどのように進化してきたのかを、実験室、野生下の両者において、フィールド研究と実験研究の両面から研究を行っている。

D) 霊長類のコミュニケーションの進化に関する国際共同研究
香田啓貴,K Zuberbuhler (University of St Andrews)
 異種間コミュニケーションの成立の過程について、長期国際共同研究を開始した。University of St Andrewsで活動を行っている。

E) 屋久島における野生ニホンザルの行動・生態学的研究
H Bouchet,香田啓貴
屋久島の野生ニホンザルを対象として、発情時のコミュニケーションの検討を行った。

F) テングザルの遺伝・行動・社会の研究
村井勅裕,早川祥子,香田啓貴
インドネシア・スラバヤ動物園に導入された比較的大規模なテングザル群を対象とし、遺伝学・行動学・社会学的研究を行った。

G) ニホンザルの時間知覚に関する研究
柴崎全弘,香田啓貴,正高信男
ニホンザルを被験体として、間隔二分法による時間長弁別の実験を行ない、時間長の判断にみられる特徴や、時間知覚に及ぼす諸要因について検討した。

H) 自己情報処理に関する事象関連電位研究
澤田玲子,正高信男
自己情報処理の時間特性を調べるために、成人を対象に、自己関連刺激、他者関連刺激を観察中の脳波を計測した。

I) 自閉症児における知識・記憶の汎化の苦手さについての認知実験およびビデオによる行動観察
伊藤祐康,正高信男
発達障害児を対象に論理演算を理解できるかについての認知実験を行った。

J) 発達障害児への学習支援とその評価研究
伊藤祐康,小川詩乃,井田美沙子,磯村朋子,田中美都,田村綾菜(昭和女子大学),福島美和(東京大学),船曳康子(京大・医学部),長岡千賀(京大・こころの未来研究センター),森崎礼子(京大・こころの未来研究センター),吉川左紀子(京大・こころの未来研究センター),正高信男
京都大学こころの未来研究センターにおいて、約30名の学習に困難を示す発達障害児を対象に読み書きを中心とした学習支援を行った。

K) eラーニングを核とする多様な学習困難に対応した家庭学習支援方法の構築
小川詩乃,福島美和(東京大学),久保南海子(愛知淑徳大学),正高信男
約10名の読み書きに困難を示す学習障害の児童に、ひらがな・カタカナ・漢字の読み書き学習のために開発したパソコン用教材ソフトを提供し、その効果を検討した。

L) 学校現場における発達障害児へのIT教材を核とした学習支援の実践研究
伊藤祐康,小川詩乃,清長豊,井田美沙子,田中美都,山田智子,正高信男
学校現場において日本語のひらがな・カタカナの読み書き学習のために開発したパソコン用教材ソフトを提供し、学校現場での活用についての検証やその効果を検討した。

M) 外国人児童生徒の音韻意識発達
清長豊,正高信男
岐阜県可児市の小学一年生の外国人児童を対象に音声知覚実験を実施した。その結果、かな文字習得において音韻意識の発達がひらがな読み書きの基礎的条件であることが示唆された。

N) 自閉症児における視覚探索研究
磯村朋子,伊藤祐康,正高信男
自閉症児における表情認知や情動処理に関わる認知特性を、コンピュータタッチパネルを用いた視覚探索課題によって検討した。

O) 霊長類における乳児画像への選好性の検討
佐藤杏奈,香田啓貴,南雲純治(霊長研・国際共同先端研究センター),A Lemasson (University of Rennes 1),正高信男
旧世界ザル2種を対象に、ニホンザル乳児の画像を刺激として用い、乳児画像への選好性の有無を実験心理学的に検討した。


<研究業績>

原著論文

1) Hayakawa S, Kawai N, Masataka N (2011) The influence of color on the snake detection in visual search in young children. Scientific Reports 1:80.

2) Lemasson A, Glas L, Barbu S, Lacroix A, Guilloux M, Remeuf K, Koda H (2011) Youngsters do not pay attention to conversational rules: is this so for nonhuman primates? Scientific Reports 1, Article number: 22.

3) Masataka N (2011) Enhancement of speech-relevant auditory acuity in absolute pitch possessors. Front. Psychology 2:101.

4) Masataka N, Shibasaki M (2012) Premenstrual enhancement of snake detection in visual search in healthy women. Scientific Reports 2:307.

総説

1) 磯村朋子,正高信男 (2011) 脳の可塑性と学習および発達障害. 作業療法ジャーナル 45(7):656-660.

2) 佐藤杏奈,正高信男 (2011) 声はいかにして話しことばになったか. Journal of Otolaryngology, Head and Neck Surgery 27(8):1169-1174.

その他の執筆

1) 吉川左紀子,小川詩乃 (2011) 発達障害と読み書き支援. 学術広報誌「こころの未来」第7号 p.38 こころの未来研究センター発行.

学会発表

1) Fukushima M, Ogawa S, Tamura A, Ito H, Masataka N (2011) Changes in Reading and Writing Aspects of Japanese Children with Learning Difficulties through Individual Learning Support. 15th European Conference in Developmental Psychology (2011/08/23-27, Norway).

2) Tamura A, Ogawa S, Ito H, Yoshikawa S, Masataka N (2011) The response patterns of children with developmental disorders in interpersonal conflict situations. 15th European Conference in Developmental Psychology (2011/08/23-27, Norway).

3) 磯村朋子,伊藤祐康,小川詩乃,正高信男 (2011) 自閉症児の情動処理過程における注意駆動様式の分析. 2011年度包括脳ネットワーク夏のワークショップ (2011/08/21, 兵庫).

4) 磯村朋子,伊藤祐康,小川詩乃,正高信男 (2011) 自閉症児における視覚探索研究-情動とグローバルキュー・ローカルキュー. 第35回日本神経心理学会総会 (2011/09/15, 栃木).

5) 伊藤祐康 (2011) かなの読み書き困難を主訴とする児童への支援課題の紹介.読み書き困難に関わる認知機能の評価方法とその実践〜特徴に応じた支援を考える〜自主シンポジウム(話題提供者). 日本LD学会第20回大会 (2011/09/18, 東京).

6) 清長豊 (2011) 読み書きに関わる認知能力の評価(1)音韻情報処理過程.読み書き困難に関わる認知機能の評価方法とその実践〜特徴に応じた支援を考える〜自主シンポジウム(話題提供者). 日本LD学会第20回大会 (2011/09/18, 東京).

7) 清長豊,正高信男 (2011) 外国人児童生徒の音韻意識発達. 日本LD学会第20回大会 (2011/09/19, 東京).

8) 小川詩乃 (2011) 読み書きに関わる認知能力の評価(2)視覚情報処理過程.読み書き困難に関わる認知機能の評価方法とその実践 〜特徴に応じた支援を考える〜自主シンポジウム(話題提供者). 日本LD学会第20回大会 (2011/09/18, 東京).

9) 小川詩乃,福島美和,正高信男 (2011) 発達障害児における読み書き困難特性のばらつき. 日本LD学会第20回大会 (2011/09/17, 東京).

10) 佐藤杏奈,加藤朱美,香田啓貴 (2011) ニホンザルにおける乳児顔刺激への視覚的注意. Animal 2011日本動物行動学会第30回大会 (2011/09/09-10, 東京).

11) 佐藤杏奈,加藤朱美,香田啓貴 (2011) ニホンザルにおける幼児図式への選択的注意. 日本霊長類学会第27回学術大会 (2011/07/16-18, 愛知).

12) 柴崎全弘,船橋新太郎,國枝匠,香田啓貴,正高信男 (2011) アカゲザルにおけるセルフコントロール課題の検討. 日本行動分析学会第29回大会 (2011/09/18, 東京).

13) 柴崎全弘,香田啓貴,正高信男 (2011) 音声プライム刺激がニホンザルにおける乳児顔刺激への視覚的注意. 日本動物心理学会第71回大会 (2011/09/09, 東京).

14) 井田美沙子 (2012) 社会性支援の実践報告.ラウンドテーブル「発達障害児への発達支援がもたらす効果の多角的検討」(話題提供者). 第23回日本発達心理学会 (2012/03/10, 愛知).

15) 小川詩乃,森崎礼子 (2012) 支援者の働きかけに関する検討.ラウンドテーブル「発達障害児への発達支援がもたらす効果の多角的検討」(話題提供者). 第23回日本発達心理学会 (2012/03/10, 愛知).

講演

1) 澤田玲子 (2011/05/21) スーパーサイエンスハイスクール講演. 武庫川女子大学付属中学・高等学校, 西宮市, 大学院で学ぶということ―学問を通じてヒトを知る.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 














 

 

 

 

 

 

 

 

 




高次脳機能分野

<研究概要>

A) 顔表情の変化に伴う扁桃体ニューロン応答
倉岡康治,中村克樹
社会的情報の処理に関わる脳内機序を解明することを目的に、アカゲザルを対象として、他個体の顔表情を弁別する課題を訓練した。さらに表情間を連続的に変化させる刺激画像を作成し、それらの顔刺激を見ているときにサル扁桃体より単一ニューロン応答を記録した。

B) コモンマーモセットの認知機能計測
中村克樹,竹本篤史,木場礼子,山口智恵子,三輪美樹,泉明宏,堀田英莉,渡辺智子
コモンマーモセットの認知機能(知覚・記憶等)を調べるために、その装置開発を含め方法の確立を目指した研究を実施している。小型の汎用認知機能実験装置を開発し、視覚弁別課題・逆転学習課題・遅延見本合せ課題・順序学習課題等を訓練し、コモンマーモセットで遂行可能なことを明らかにした。また、筋力測定の簡便な装置を開発し、コモンマーモセットの前肢の筋力を測定した。

C) 乳幼児の視線計測に基づく動作理解の発達研究
中村克樹,中村徳子(昭和女子大学),佐々木丈夫(日本公文教育研究会)
健常児と発達障害児の動作理解能力を比較・検討するために、非侵襲的に視線を計測する専用装置を用い視覚刺激に対する注視パターンを調べている。

D) ヒトのリズム制御の神経メカニズム解明
鴻池菜保,倉岡康冶,宮地重弘,杉浦元亮(東北大学),川島隆太(東北大学),中村克樹
リズム記憶の脳内機構を明らかにするため、健常成人を対象としてリズム記憶・再生課題遂行中の脳活動を、機能的MRIを用いて計測した。リズム情報の記名、再生に関連して下前頭回、下頭頂小葉、補足運動野、小脳からなるネットワークが賦活された。また、下前頭回を除く領域はリズム情報保持の期間にも賦活していることが分かった。これらの領域の賦活パターンは、リズムが視覚的に提示されても聴覚的に提示されても差がなく、感覚モダリティを超えて処理されていると考えられた。

E) ニホンザルにおける性の認知とホルモンの関連性の解明
木場礼子,中村克樹
性ホルモンが性の認知に与える影響を検討するために、ニホンザルを対象として、他個体の顔写真などの視覚刺激に対する弁別能力や選好性といった認知と、ホルモン動態との関連性を調べる計画である。課題遂行個体の尿の採取をおこない、ホルモン測定をおこなう。

F) 大脳皮質神経回路の生後発達の研究
宮地重弘,大石高生(統合脳システム),高田昌彦(統合脳システム),桧垣小百合(統合脳システム),宮部貴子(人類進化モデル研究センター)
ヒトを含む霊長類の大脳新皮質は生後も発達を続けることが知られている。行動制御にとくに重要である外側前頭前野を含む神経回路の生後発達過程を明らかにするため、幼若サルの外側前頭前野への神経入力様式を解剖学的に解析した。また、対照実験として、成熟個体についても同様の実験を行った。

G) 運動関連皮質の生後発達の神経解剖・神経生理学的研究
宮地重弘,禰占雅史
前頭葉のさまざまな運動関連領野の機能の生後発達を明らかにするため、マカクサル成熟個体および幼若個体を対象に、パラメータの異なる電気パルスにより、それぞれの皮質領域を刺激し、刺激により誘発されるさまざまな運動を観察、記録し、月齢、年齢ごとに比較する。本年度は、生後1年の幼若個体を対象に、前頭葉皮質をさまざまな刺激パラメータで刺激し、誘発された運動を観察した。

H) 色弁別課題遂行中のサル前頭連合野におけるニューロン活動の解析
石川直樹,片井 聡,井上雅仁,宮地重弘,三上章允
色弁別と記憶を伴う眼球運動課題遂行中のサル前頭連合野から、ニューロン活動を記録し、バースト発火の有無とパターンの違いを手掛かりとしてタイプ分類を行った。その後、各タイプの細胞と課題との関連性を解析した。

I) サルのリズム制御の神経メカニズムの解明
鴻池菜保,宮地重弘
リズム制御の神経機構を明らかにすることを目的として、ヒトに近い発達した脳を持ち、複雑な行動課題を学習できるマカクサルを対象としてリズミカルにボタンを押す課題を訓練した。本年度は行動データの解析をおこなった。マカクサルにおいては、一定間隔のボタン押し課題ではランダム間隔の場合に比べて反応時間が短縮し、次のボタン押しのタイミングを予測して行動していることが明らかになった。

J) 長期記憶および短期記憶に基づく行動決定の神経機構の研究
禰占雅史,宮地重弘,倉岡康治,中村克樹
本研究では、短期記憶に基づく行動決定および長期記憶に基づく行動決定をサルに行わせ、その際の神経活動を外側前頭前野において記録、解析した。これまでに、長期記憶に基づく行動決定、および短期記憶に基づく行動決定のそれぞれに特異的な神経活動を記録できた。

K) コモンマーモセットの発声行動の研究
泉明宏,山口智恵子,中村克樹
マーモセットの発声行動の個体性について検討するために、同居飼育されている家族個体からの隔離が発声行動に与える影響について検討した。

L) コモンマーモセットの聴覚系列の知覚様式の解明
脇田真清
コモンマーモセットを用いて聴覚弁別訓練を行った。要素は共通であるが配列の異なる二つの音系列を用いて、相対弁別課題と絶対弁別課題を行った。結果、相対弁別条件では弁別ができても絶対弁別条件では弁別ができなかった。この結果はコモンマーモセットが聴覚系列の規則性を抽出することはできても、それらを長期記憶に貯蔵できないことを示している。


<研究業績>

原著論文

1) Kuraoka K, Nakamura K (2011) The use of nasal skin temperature measurements in studying emotion in macaque monkeys. Physiology & Behavior 102:347-355.

2) Saito A, Izumi A, Nakamura K (2011) Development of infant common marmosets' (Callithrix jacchus) preference for their parents over adults from another group. Primates 52:43-50.

3) Saito A, Izumi A, Nakamura K (2011) Fathers have higher motivation for parenting than mothers in common marmoset (Callithrix jacchus). Behavior 148:1199-1214.

4) Saito A, Nakamura K (2011) Oxytocin changes primate paternal tolerance to offspring in food transfer. Journal of Comparative Physiology 197:329-337.

5) Takemoto A, Izumi A, Miwa M, Nakamura K (2011) Development of a compact and general-purpose experimental apparatus with a touch-sensitive screen for use in evaluating cognitive functions in common marmosets. Journal of Neuroscience Methods 199:82-86.

6) Yumoto N, Lu X, Henry TR, Miyachi S, Nambu A, Fukai T, Takada M (2011) A neural correlate of the processing of multi-second time intervals in primate prefrontal cortex. PLoS One.Apr 27 6(4):e19168.

7) 重住周,原英之,竹本篤史,土橋由実,中村克樹,松本隆 (2011) 脳波:SSVEP4クラス判別問題の遂次型学習:Sequential Monte Carlo実装. 電子情報通信学会 信学技報, Vol.110 No.460, MBE2010-125:125-130.

8) Naoi N, Minagawa-Kawai Y, Kobayashi A, Takeuchi K, Nakamura K, Yamamoto J, Kojima S (2012) Cerebral responses to infant-directed speech and the effect of talker familiarity. NeuroImage 59:1735-1744.

9) Dobashi Y, Takemoto A, Shigezumi S, Shiraki T, Nakamura K, Matsumoto T (2012) Automatic determination of stopping time of training phase in SSVEP-based brain-machine interface with Bayesian sequential learning.International Conference on BioMedical Engineering, Feb. 2012, Vienna, Austria.

10) Wakita M, Hiraishi H (2011) Effects of handedness and viewing perspective on Broca's area activity. NeuroReport 22(2):331-336.

総説

1) 中村克樹 (2011) コモンマーモセットを用いた霊長類研究の動向. 基礎心理学研究 30:79-85.

2) 中村克樹 (2011) 精神疾患の解明のための霊長類モデル コモンマーモセットの可能性. ファマルシア 47:799-803.

著書(分担執筆)

1) Saito A, Nakamura K (2011) Parent-infant relationship in marmosets. (Monkeys: Biology, Behavior and Disorders.) (ed. Williams RM) p.77-95 Nova Science Publishers, Inc.

その他執筆

1) 中村克樹 (2011) 「脳を鍛えたい 皆伝!新あたま道場」問題作成 毎日新聞.

2) 中村克樹 (2011) イクメンのサル. p.79-84 生き物たちのつづれ織り 第5巻(gCOE広報誌).

学会発表

1) Konoike N, Kotozaki Y, Miyachi S, Miyachi CM, Yomogida Y, Akimoto Y, Kuraoka K, Sugiura M, Kawashima R, Nakamura K (2011) Different contributions of frontal, parietal, and temporal cortices to working memory of rhythm. 41th Annual meeting, Society for Neuroscience (2011/11, Washington, DC).

2) Kuraoka K, Nakamura K (2011) Categorical representation of social information in the central nucleus of monkey amygdale. 41th Annual meeting, Society for Neuroscience (2011/11, Washington, DC).

3) Nejime M, Inoue M, Saruwatari M, Nakamura K, Miyachi S (2011) Prefrontal neuron activities in short-term memory-based and long-term memory-based decision processes. 5th International Symposium of the Biodiversity & Evolution Global COE (2011/07, Kyoto).

4) Nejime M, Inoue M, Saruwatari M, Nakamura K, Miyachi M (2011) Differential activities of monkey lateral prefrontal neurons between decisions based on short-term and long-term memories. 41th Annual meeting, Society for Neuroscience (2011/11, Washington, DC).

5) 菊池瑛理佳,中村克樹 (2011) 「コモンマーモセットのヒト用おもちゃに対する選好性の性差」. 第27回日本霊長類学会 (2011/07/16-18, 犬山市).

6) 鯉田孝和,横井功,岡澤剛起,郷田直一,平松千尋,三上章允,カンティ・アラム・ウィダヤティ,宮地重弘,戸川森雄,高木正浩,小松英彦 (2011) 二色性マカクザルの行動実験による色覚テスト. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/14-17, 横浜).

7) 倉岡康治,中村克樹 (2011) サルの扁桃体と腹外側前頭前皮質で異なる表情情報表現の時間的変化. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/14-17, 横浜).

8) 宮地重弘,平田快洋,檜垣小百合,黒田呈子,宮部貴子,高田昌彦,大石高生 (2011) 幼若マカクサル外側前頭前野への皮質―皮質入力. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜市).

9) 中村克樹,竹本篤史,木場礼子,三輪美樹,山口智恵子 (2011) コモンマーモセットにおける視覚的遅延見本合せ課題. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/14-17, 横浜).

10) 脇田真清 (2011) コモンマーモセット(Callithrix jacchus)における分節の聴覚弁別. 日本動物心理学会(第71回)(2011/09/08-11, 東京都).

11) 脇田真清 (2011) コモンマーモセットにおける聴覚系列弁別. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/14-17, 横浜).

12) 脇田真清 (2011) 左下前頭領域は運動の時間的制御にも関わる. 日本心理学会第75回大会 (2011/09/15-17, 東京都).

13) Nejime M, Inoue M, Saruwatari M, Nakamura K, Miyachi S (2012) Neuronal activities of the monkey lateral prefrontal cortex reflect difference of memory source in the memory-based behavioral choice. Kyoto University and The University of Tokyo Global COE Joint Symposium (2012/01, Tokyo).

14) Nakamura K, Takemoto A, Koba R, Miwa M (2012) Characteristics of serial order learning in Common Marmosets. International Symposiums "Frontiers in Primate Neuroscience Research" (2012/02/22-24, Tokyo).

講演

1) Nakamura K (2011/06/07) "Neural mechanisms of nonverbal communication." The 15th annual meeting of the Association for the Scientific Study of Consciousness (ASSC) Social Neuroscience Satellite, Joint Tamagawa Caltech, Lecture Course 2011 Kyoto University, Kyoto.

2) 中村克樹 (2012/02/01) 「"気になる子"と発達障害(自閉症を中心とした)の子どもたちの理解と支援 〜KUMONとの共同研究から見えてくる子育てと教育〜」 北海道エリア障害児指導フォーラム. 札幌.

3) 中村克樹 (2012/03/28) 「"気になる子"と発達障害(自閉症を中心とした)の子どもたちの理解と支援 〜KUMONとの共同研究から見えてくる子育てと教育〜」 九州沖縄エリア障害児指導フォーラム. 福岡.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分子生理研究部門

統合脳システム分野

<研究概要>

A) 神経路選択的な活動抑制とトレーシングによる大脳ネットワークの構築と機能の解明
高田昌彦,井上謙一
神経路選択的活動抑制法の確立と応用については、認知過程を含む眼球運動課題および上肢運動課題の2種類の行動課題を訓練したサルにおいて、テタヌストキシン軽鎖フラグメントの選択的導入による神経活動抑制が行動に及ぼす影響の解析を進めている。具体的には、眼球運動課題では前頭葉眼球運動関連領野(前頭眼野や補足眼野)からの出力系に、上肢運動課題では線条体および前頭前野領域(特に背外側部と背内側部)への入力系に着目して、行動学的解析や電気生理学的記録実験を行う。また、近年発表された神経活動抑制系であるGluCl-ivermectin抑制系やCNO-DREADDs抑制系などの新規抑制系についても積極的に導入を検討し、霊長類において最も実用的な神経路選択的活動抑制システムを確立するための実験計画を策定した。神経路選択的な逆行性越シナプス的トレーシングの実現と応用についても、蛍光タンパク質を用いた越シナプス的多重トレーシング法により、前頭葉眼球運動関連領域(前頭眼野や補足眼野)および前頭前野領域(特に背外側部と背内側部)への多シナプス性入力様式の解析を進めるとともに、抗狂犬病ウイルス細胞内抗体を発現するアデノ随伴ウイルスベクターを用いて、特定の神経路を選択的にマスクするOFF制御型逆行性越シナプス的トレーシングシステムを確立するための実験計画を策定した。また、Cre-loxPあるいはTet-On/Off遺伝子発現制御システムを応用して、特定の神経路を選択的にラベルするON制御型逆行性越シナプス的トレーシングシステムをサルにおいて確立するため、ベクター改良に伴う最適化検討実験を実施するための実験計画を策定した。

B) 遺伝子改変霊長類モデルの開発と高次脳機能の解析
高田昌彦,大石高生,松本正幸,井上謙一,二宮太平,高原大輔,檜垣小百合,宮地重弘(高次脳機能)
神経路選択的遺伝子操作法を用いた大脳基底核の情報処理機構と機能的役割の解析(高田,井上,松本)

(1) イムノトキシン神経路標的法を用いたハイパー直接路の選択的除去
 イムノトキシン神経路標的法を用いて、ハイパー直接路を選択的に除去したモデルザルを作製し、運動野刺激に対する淡蒼球内節ニューロンの早い興奮性応答がハイパー直接路を経由することを明らかにした。本研究成果に関する原著論文を投稿し、現在、査読者のコメントに従って改訂中である。

(2) イムノトキシン神経路標的法を用いた皮質上丘路の選択的除去
イムノトキシン神経路標的法を用いて、眼球運動制御に重要な役割を担っていると考えられる皮質上丘路を選択的に除去したモデルザルを作製することに成功した。現在、複数の眼球運動課題をモデルザルに遂行させて、反応時間やエラー率の変化などを解析しており、これまでに皮質上丘路が外部情報に基づくattentionに関与することを示唆する結果を得た。

(3) Cre-loxP神経路選択的遺伝子発現制御法を用いた黒質線条体神経路の選択的除去
Cre-loxP神経路選択的遺伝子発現制御法を用いて、線条体に投射する黒質ドーパミンニューロンにその変性を誘導するアルファシヌクレインを発現させることによって、黒質線条体神経路を選択的に除去したパーキンソン病モデルザルを作製することに成功した。現在、行動学的および組織学的な解析をおこなっている。

神経路選択的活動制御法を用いた霊長類モデルの作製(高田,井上)
(1) Tet-On神経路選択的遺伝子発現制御法を用いた黒質線条体神経路の選択的活動阻害
導入遺伝子としてテタヌストキシン軽鎖を用いたTet-On神経路選択的遺伝子発現制御法により、黒質線条体神経路の活動を選択的に阻害し、薬剤誘導的かつ可逆的に運動障害を誘発するモデルザルを作製することに成功した。

(2) 逆行性感染型レンチウイルスベクターの改良とサル脳への遺伝子導入
福島県立医科大学との共同研究により、サル脳において高い逆行性遺伝子導入効率とともに優れたニューロン特異性を有する逆行性感染型レンチウイルスベクター(FuG-C型)を開発し、その成果を原著論文として発表した。

実行機能の脳内メカニズムの研究(大石,宮地,檜垣)
背外側前頭前野が関与する実行機能に背外側前頭前野への複数の入力がそれぞれどのように寄与しているかを進めている。自己行動のモニター、物体認識、空間認識のうち、特定のもののワーキングメモリーが必要な3つの行動課題を全て訓練した個体を作成した。訓練完了個体のうち1頭はドキシサイクリン投与依存的に特定の神経路のシナプス伝達を抑制するためのベクター注入を行った。

霊長類脳の遺伝子発現パターンとその加齢に関する研究(大石,檜垣)
マカク脳内の遺伝子発現の加齢変化を網羅的遺伝子発現解析で検討した。機能遺伝子群の発現の増減を比較したところ、雌雄・部位を問わず免疫、炎症反応関連遺伝子発現が増加し、ミトコンドリア関連遺伝子の発現は減少していた。シナプス伝達に関わる遺伝子群の発現は雄よりも雌で、前頭前野より海馬で低下が著しかった。

C) サルモデルによる皮質脊髄路の可塑性制御機構の検討
高田昌彦,二宮太平
 サルを用いて片側脊髄損傷モデルを作製し、行動学的および形態学的解析を実施した。具体的には、脊髄損傷の前後に精密把持課題を遂行させた結果、損傷後数日で機能回復が始まり、1〜3ヶ月後には損傷前とほぼ変わらない程度にまで回復することを確認した。このようなモデルザルで皮質脊髄路の順行性神経路トレーシングを行い、損傷した脊髄の支配側と反対側の大脳半球において、一次運動野から脊髄motor neuronsに向かって神経軸索が新たに伸長していることを見出した。さらに、反発性軸索誘導因子であるephrin B3が脊髄正中付近に強く発現していることを霊長類で初めて明らかにした。来年度は、狂犬病ウイルスを用いた逆行性越シナプス的神経路トレーシングにより、脊髄損傷モデルにおいて、一次運動野を含む前頭葉運動関連領野から脊髄(propriospinal neurons, segmental interneurons, motor neurons)、さらに筋肉に至る多シナプス性神経路の形態学的解析を行うとともに、神経回路再編成に関わる機能分子の発現とその役割について詳細に検討する。

D) 霊長類の大脳―小脳―基底核ネットワークにおける運動情報処理の分散と統合
高田昌彦,大石高生,松本正幸,井上謙一,高原大輔,木村活生

(1) 順行性トレーシング法による構造解析
順行性トレーサーであるBDAをマカクザルの運動前野背側部の上肢領域に注入し、一次運動野においてラベルされた線維終末の層特異的分布様式を解析した。今後は、2種類の順行性トレーサー(BDAとWGA-HRP)を運動前野背側部と補足運動野の上肢領域に注入し、ラベルされた線維終末の一次運動野における層特異性について検討する予定である。

(2) 神経路選択的操作モデルサルの作製
小林グループと共同開発した高頻度逆行性遺伝子導入(HiRet)ベクターを用いたイムノトキシン神経路標的法やイムノテタヌス神経路標的法により、大脳、小脳、基底核を繋ぐネットワークを構成する個別の神経路を選択的に除去あるいは活動抑制した遺伝子改変サルモデルの作製を計画中である。

E) 運動障害と認知障害を切り分けるパーキンソン病のサーキットパソロジー
高田昌彦,井上謙一

(1) α-synuclein 発現ウイルスベクターの作製
発現制御ベクターとして、AAV-floxed/stop-GFPベクターのGFP配列を、wild-type human α-synucleinに加えて、A53P変異型α-synucleinの配列に置換したベクターを作製した。

(2) α-synuclein誘導性パーキンソン病モデルザルの作出
CreリコンビナーゼとGFPを発現する逆行性レンチウイルスベクターをサルの線条体全体に注入し、その数週間後に、wild-type α-synucleinや変異型α-synucleinを発現するAAV-floxed/stop-α-synucleinを黒質に注入したサルを作製した。これらのサルに前もってトレーニングしておいた採餌運動課題を実行させて、運動障害の程度を解析するとともに、チロシン水酸化酵素(TH)およびα-synucleinの免疫染色により黒質ドーパミンニューロンの変性・脱落の程度を解析した。その結果、変異型α-synucleinの方がwild-type α-synucleinよりも効果的に細胞死を誘導できることを確認した。

(3) パーキンソン病関連行動課題のトレーニング
パーキンソン病に関連する行動課題として、採餌運動課題に加えて到達運動課題、さらに、Wisconsin Card Sorting Test(WCST)やギャンブル課題などの認知課題をサルにトレーニングすることを開始した。

F) アイカルディ・ゴーティエ症候群等のビオプテリン代謝異常を伴う疾患の診断方法確立および治療法開発のための横断的研究
高田昌彦,一瀬宏(東京工業大学)
 本研究の目的は、パーキンソン病の発症過程におけるビオプテリンおよびその代謝産物の量的変化を解析することにより、黒質ドーパミン細胞死とビオプテリン代謝の相互関係を明らかにすることであり、一瀬グループと連携して、MPTP投与によって作製したパーキンソン病モデルザルから、運動障害の発現をモニターするとともに、経時的に脳脊髄液を採取し、ビオプテリン等の含有量とドーパミン細胞の変性・脱落の程度を調べた。

G) 霊長類脳の転写因子遺伝子発現とその発達に関する研究
大石高生,檜垣小百合
大脳新皮質の7領野、海馬、被殻および小脳の発達における転写因子遺伝子発現解析を行っている。どの部位でも発現が非常に低いもの、発現変動がほとんどないもの、どの部位でも発達過程で同様な発現変化を示すもの、部位間で発現変化パターンが異なるもの、同一部位の複数サンプルで発現が安定しないものがあった。

H) 意欲を生み出す神経メカニズムの解明:前頭前野への中脳ドーパミン入力の役割
松本正幸,高田昌彦
目標を達成して報酬を得よう、あるいは罰を避けようという「意欲」は前頭前野の働きの一つである。最近の研究は、前頭前野に報酬や罰に対して応答する神経細胞(ニューロン)が存在し、これらのニューロン応答が意欲のコントロールに関与することを示唆している。しかし、意欲に関連した前頭前野の神経活動がどのようなメカニズムによって生じるのかという根源的な問題は未解明のままである。
本研究では、そのメカニズムを明らかにするため、中脳ドーパミンニューロンから前頭前野に伝達される神経シグナルに注目する。ドーパミンニューロンは報酬や罰に関連した情報をコードしており、そのシグナルを前頭前野に伝達することによって、意欲に関連した前頭前野の活動を形成する基盤となっている可能性がある。そこで本研究では、ドーパミンニューロンから前頭前野にどのようなシグナルが伝達されているのか調べることを目的とし、前頭前野が発達したマカク属のサルを実験動物として用いた電気生理実験を計画している。具体的には、認知課題をサルに行わせ、ドーパミンニューロンと前頭前野ニューロンの活動を記録する。認知課題では、課題の難易度や報酬量をパラメータとして操作し、サルの意欲をコントロールする。そして、ドーパミンニューロンと前頭前野の活動を比較することにより、意欲に関わる難易度や報酬量の信号がドーパミンニューロンから前頭前野に伝達されているのか検証する。
平成23年度は、サルが上述の認知課題をおこなえるように訓練し、ドーパミンニューロンから神経活動を記録した。


<研究業績>

原著論文

1) Kato S, Kuramochi M, Takasumi K, Kobayashi K, Inoue K, Takahara D, Hitoshi S, Ikenaka K, Shimada T, Takada M, Kobayashi K (2011) Neuron-specific gene transfer through retrograde transport of lentiviral vector pseudotyped with a novel type of fusion envelope glycoprotein. Hum Gene Ther 22:1511-1523.

2) Masuda M, Miura M, Inoue R, Imanishi M, Saino-Saito S, Takada M, Kobayashi K, Aosaki T (2011) Postnatal development of tyrosine hydroxylase mRNA-expressing neurons in mouse neostriatum. Eur J Neurosci 34:1355-1367.

3) Matsumoto M, Hikosaka O (2011) Electrical stimulation of the primate lateral habenula suppresses saccadic eye movement through a learning mechanism. PLoS ONE 6(10):e26701.

4) Ninomiya T, Sawamura H, Inoue K, Takada M (2011) Differential architecture of multisynaptic geniculo-cortical pathways to V4 and MT. Cereb Cortexl 21:2797-2808.

5) Tachibana Y, Iwamuro H, Kita H, Takada M, Nambu A (2011) Subthalamo-pallidal interactions underlying parkinsonian neuronal oscillations in the primate basal ganglia. Eur J Neurosci 34:1470-1484.

6) Takara S, Hatanaka N, Takada M, Nambu A (2011) Differential activity patterns of putaminal neurons with inputs from the primary motor cortex and supplementary motor area in behaving monkeys. J Neurophysiol 106:1203-1217.

7) Yasuda T, Hayakawa H, Nihira T, Ren Y-R, Nagai M, Hattori N, Miyake K, Takada M, Shimada T, Mizuno Y, Mochizuki, H (2011) Parkin-mediated dopaminergic neuroprotection in an MPTP-minipump mouse model of Parkinson's disease. J Neuropath Exp Neurol 70:686-697.

8) Yumoto N, Lu X, Henry T, Miyachi S, Nambu A, Fukai T, Takada M (2011) A neural correlate of the processing of multi-second time intervals in primate prefrontal cortex. PLoS ONE 6(4):e19168.

9) Nagano M, Oishi T, Suzuki H (2011) Distribution and pharmacological characterization of primate NK-2 tachykinin receptor in the central nervous system of the rhesus monkey. Neuroscience Letters 503(1):23-26.

10) Shinomiya K, Matsuda K, Oishi T, Otsuna H, Ito K (2011) Flybrain neuron database: a comprehensive database system of the Drosophila brain neurons. Journal of Comparative Neurology 519(5):807-833.

11) Tohno Y, Tohno S, Sato H, Hayashi M, Oishi T, Minami T, Mahakkanukrauh P (2011) Gender differences in the phosphorus content of the sino-atrial nodes and other cardiac regions of monkeys. Biol Trace Elem Res. 143(2):871-881.

12) Higaki S, Takumi K, Itoh M, Watanabe G, Taya K, Shimizu K, Hayashi M, Oishi T (2012) Response of ERβ and aromatase expression in the monkey hippocampal formation to ovariectomy and menopause. Neurosci Res 72(2):148-54.

13) Hiraoka M, Inoue K, Kawano H, Takada M (2012) Localization of papillofoveal bundles in primates. Anat Rec 295:347-354.

14) Hiraoka M, Inoue K, Ninomiya T, Takada M (2012) Ischaemia in the Zinn-Haller circle and glaucomatous optic neuropathy in macaque monkeys. Br J Ophthalmol 96:597-603.

15) Ninomiya T, Sanada TM, Ohzawa I (2012) Contributions of excitation and suppression in shaping spatial frequency selectivity of V1 neurons as revealed by binocular measurements. J Neurophysiol 107:2220-2231.

総説

1) 大石高生 (2011) 脳とこころ−脳の進化から考える−椙山人間学研究 7:82-92.

2) 木村活生,山本光利 (2012) 抗Parkinson病薬によるrestless legs syndromeの治療(解説/特集)神経内科(0386-9709) 76(1):67-74.

書評

1) 高田昌彦 (2011) "アクション"の作動原理を解き明かす前頭葉レビューの傑作. 週刊医学会新聞等.

著書(分担執筆)

1) Kato S, Kuramochi M, Kobayashi K, Inoue K, Takada M, Kobayashi K (2011) Viral Gene Therapy (ed. Ke Xu) p.450 Intech, Croatia.

2) 大石高生 (2011) 「マカクの脳、ためつすがめつ, 生き物たちのつづれ織り, 第四巻」 p.29-34 京都大学グローバルCOEプログラム.

3) 高田昌彦 (2011) 「今、遺伝子改変サルがホット! 生き物たちのつづれ織り, 第五巻」 p.18-24 京都大学グローバルCOEプログラム.

学会発表

1) Bromberg-Martin ES, Matsumoto M, Hikosaka O (2011) A pallidus-habenula-dopamine pathway transmits both motivational and visuospatial signals. 41th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2011/11/12-16, Washington DC, USA).

2) Inoue K, Kato S, Kobayashi K, Takada M (2011) Development in pathway-selective gene delivery and neuronal ablation with enhanced retrograde transfer of a modified lentiviral vector in primate brain. The 8th IBRO World Congress Of Neuroscience (2011/07/14-18, Florence, Italy).

3) Kimura K, Yokochi F, Okiyama R, Aoki Y, Kawasaki T, Taniguchi M (2011) A case of Myoclonus-Dystonia (DYT-11) improved by bilateral pallidal stimulation. 5th International dystonia symposium (2011/10/20-22, Barcelona, Spain).

4) Kimura K, Yokochi F, Okiyama R, Aoki Y, Kawasaki T, Taniguchi M (2011) First report of a patient with Myoclonus-Dystonia (DYT-11) improved by bilateral pallidal stimulation in Japan. 15th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders (2011/06/05-09, Toronto ON, Canada).

5) Matsumoto M, Takada M (2011) Midbrain dopamine neurons represent behavioral relevance in a working memory task. 41th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2011/11/12-16, Washington DC, USA).

6) Ninomiya T, Sawamura H, Inoue K, Takada M (2011) Organization of multisynaptic top-down pathways from frontal cortex to visual areas MT and V4 in macaques. 41th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2011/11/12-16, Washington DC, USA).

7) Uesaka M, Nishimura O, Uno K, Ueda HR, Oishi T, Imai H, Agata K, Imamura T (2011) Species-specific pseudogene insertions generate cis-acting RNA for promoter demethylation in the macaque. 第34回日本分子生物学会年会 (2011/12/16, 横浜).

8) 畑中伸彦,金子将也,高良沙幸,高田昌彦,南部篤 (2011) 運動課題遂行中のサルにおける淡蒼球ニューロン活動のグルタミン酸および GABA 作動性調節. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/15, 横浜).

9) 平田快洋,宮地重広,大迫俊二,今西美知子,黒田呈子,高田昌彦 (2011) ラット皮質線条体路の電気刺激によって直接路および間接路ニューロンにc-fos 発現が誘導される. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/15, 横浜).

10) 今村拓也,上坂将弘,西村理,大石高生,今井啓雄,阿形清和 (2011) マカクザルにおける偽遺伝子由来promoter-associated noncoding RNA (pancRNA) による種特異的転写活性化. 第152回日本獣医学会大会 (2011/09/20, 堺).

11) 井上謙一,纐纈大輔,加藤成樹,小林和人,南部篤,高田昌彦 (2011) イムノトキシン神経路標的法によるサル大脳基底核ハイパー直接路の選択的除去. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/15, 横浜).

12) 伊佐正,小島俊男,肥後範行,大石高生,尾上浩隆 (2011) マカクザル運動関連皮質領野における遺伝子発現のマイクロアレイ法による網羅的解析. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

13) 伊藤哲史,高田昌彦 (2011) ニホンザル聴覚神経核におけるグルタミン酸、GABA、グリシン作動性ニューロンの分布. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/15, 横浜).

14) 木村活生,横地房子,沖山亮一,青木寧子,谷口真,川崎隆,磯尾綾子,石井一彦,熊田聡子 (2011) ミオクローヌスに対するDBSの効果. 第5回日本パーキンソン病・運動障害疾患コングレス (2011/10, 東京).

15) 宮地重弘,平田快洋,檜垣小百合,黒田呈子,宮部貴子,高田昌彦,大石高生 (2011) 幼若マカクサル外側前頭前野への皮質―皮質入力. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

16) 村田弓,肥後範行,西村幸男,林拓也,杉山容子,大石高生,塚田秀夫,伊佐正,尾上浩隆 (2011) 第一次運動野損傷後の把握動作回復に対する運動前野腹側部の関わり. 包括脳ネットワーク夏のワークショップ (2011/08/23, 神戸).

17) 高田昌彦 (2011) サル脳への遺伝子導入手法の開発:遺伝子治療への応用. 第28回日本医学会総会 (2011/04/10, 東京).

18) 高田昌彦 (2011) ドーパミン細胞死と抑制する機能分子の遺伝子導入によるパーキンソン病克服のためのアプローチ. 第26回日本大脳基底核研究会 (2011/07/02, 箱根).

19) 塚元葉子,礒村宜和,今西美知子,塚田稔,高田昌彦 (2011) ラット海馬/大脳皮質におけるprototypic afterdischarge 発現の領域特異性. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/15, 横浜).

20) 木村活生 (2012) 認知症の薬物治療:エビデンスから考える. 第11回高松パーキンソン病シンポジウム (2012/02/13, 高松).

21) 高田昌彦 (2012) 前部帯状皮質への上行性痛覚伝導路の構築. 第117回日本解剖学会総会・全国学術集会 (2012/03/27, 甲府).

22) 村田弓,肥後範行,林拓也,西村幸男,杉山容子,大石高生,塚田秀夫,伊佐正,尾上浩隆 (2011) Plastic changes in the ventral premotor area after primary motor cortex lesion in macaque monkeys: possible involvement in functional compensation of manual dexterity. 41st annual meeting of Society for Neuroscience (2011/11/12-16, Washington DC, USA).

23) 二宮太平,澤村裕正,井上謙一,高田昌彦 (2011) マカクザル前頭葉からMTおよびV4への多シナプス性入力様式. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

24) 松本正幸,高田昌彦 (2011) 作業記憶課題におけるドーパミンニューロンの課題関連性応答. 34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

25) 小林和人,加藤成樹,倉持真人,小林憲太,井上謙一,高田昌彦 (2011) 高頻度逆行性遺伝子導入ベクターの霊長類脳科学への応用. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

26) 倉持真人,加藤成樹,小林憲太,高住賢司,高原大輔,井上謙一,島田隆,高田昌彦,小林和人 (2011) 脳機能研究のための神経特異的な高頻度逆行性遺伝子導入ベクターの開発. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

27) 高原大輔,平田快洋,二宮太平,高田昌彦 (2011) アッサムモンキー(Macaca assamensis)における運動野の身体部位局在. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/16, 横浜).

28) 上坂将弘,西村理,大石高生,今井啓雄,阿形清和,今村拓也 (2011) マカクザルにおける偽遺伝子由来promoter-associated noncoding RNA (pancRNA) による種特異的転写活性化. 第104回日本繁殖生物学会大会 (2011/09/16, 盛岡).

講演

1) 木村活生 (2011/07/01) パーキンソン病の原因と外科治療について. 香川県立中央病院神経内科. 高松.

2) 松本正幸 (2011/10/14) 脳の報酬系:外側手綱核とドーパミンニューロンの役割. 平成23年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会. 名古屋.

3) 松本正幸 (2011/12/01) 脳の報酬系:外側手綱核とドーパミンニューロンの役割. 総合研究大学院大学全額教育事業「生命科学リトリート」. 掛川.

4) 高田昌彦 (2011/07/08) 遺伝子導入技術によるパーキンソン病の霊長類モデルの開発と遺伝子治療に関する基礎的アプローチ. 北海道大学大学院薬学研究院. 札幌.

5) 高田昌彦 (2011/10/08) Novel strategies for primate brain research with neurotropic viruses and viral vectors. 第59回国際歯科研究学会日本支部(JADR)総会・学術集会. 広島.

6) 大石高生 (2011/06/04) サルを学ぶ、サルで学ぶ. 灘高等学校. 神戸.

7) 大石高生 (2011/07/12) サルモデルを用いた脳脊髄損傷からの運動機能回復の研究. 青丹学園関西学研医療福祉学院看護学科. 奈良.

8) 大石高生 (2011/10/4) 脳とこころ −脳の進化から考える−. 椙山女学園大学椙山人間学研究センター. 名古屋.

9) Takada M (2012/02/22)"Frontiers in Primate Neuroscience Researches", Novel approaches to pathway-selective neuronal manipulation in the primate brain. 霊長類脳科学シンポジウム. 東京.

10) 井上謙一,高田昌彦 (2012/01/14) 霊長類パーキンソン病モデルの作製と同モデルを用いた遺伝子治療研究. 神経疾患のモデル動物研究会. 大阪.

11) 木村活生 (2012/01/31) PDとMovement Disorderにおける姿勢異常:基礎医学と臨床をつなぐ最近の知見. 横浜パーキンソン病治療研究会(YPD). 横浜.

12) 二宮太平 (2012/01/06) マカクザルのMTおよびV4への多シナプス性入力様式. 自然科学研究機構生理学研究所. 岡崎. 平成23年度生理学研究所研究会.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺伝子情報分野

<研究概要>

A) ゲノム不毛遅滞(RCRO)の進化と意義
平井啓久,古賀章彦(ゲノム多様性分野),平井百合子(技能補),鵜殿俊史(熊本サンクチュアリ),松林清明(名誉教授)
RCROの構成要素のひとつであるサブターミナルサテライト(StSat)をクローン化し、詳細なFISH解析をおこなった。チンパンジー43個体の染色体を解析し、変異の状況を明らかにした。減数分裂精母細胞の染色体ブーケとの関連からRCROの存在意義を議論し、論文としてまとめた。

B) テナガザル類の多様性と系統生物地理学
平井啓久,スダラス・バイチャロエン(タイ動物園協会,カセサート大学),イスラト・ジャハン(大学院生),古賀章彦(ゲノム多様性),平井百合子(技能補),松井淳(人類進化モデル研究センター研究員)
ミトコンドリアゲノム全塩基の解析から、Hoolock hoolock を加えてテナガザル4属の分子系統分岐を明らかにした。シアマンの染色体末端に存在するヘテロクロマチンのDNAを解析し、4属においてそれぞれ特異的な染色体上分布パターンを呈することを明らかにした。セントロメアとテロメア周辺のヘテロクロマチンの形成に関わるDNAの関連性について解析した。

C) マンソン住血吸虫の性染色体(Z、W)の進化
平井啓久,平井百合子(技能補),フィリップ・ロベルデ(テキサス大学)
BAC mappingによって明らかになったクローンの存在様式から、ZおよびW性染色体の進化が4回の逆位によって生じたことを推定した。また、全染色体の彩色プローブを作成し、ZとW染色体の相同および非相同部位を明らかにした。論文としてまとめた。

D) チンパンジー苦味受容体の多型解析
早川卓志,菅原亨(現 成育医療センター),鵜殿俊史,森村成樹(以上,熊本サンクチュアリ),友永雅己(思考言語),大東肇(福井県立大学),郷康広,平井啓久,今井啓雄
国内施設飼育チンパンジーを対象にTAS2R遺伝子群の種内多型を解析した。約50個体を対象にした西チンパンジーでは平衡選択的な傾向がみられた(Sugawara et al.,2011)。一方、動物園等から集めて解析した東・中央チンパンジーについては、西チンパンジーと異なった傾向を示すことが明らかになった。進化的・生態的な意義について、研究を進めている。

E) マカク類の苦味受容体の多型解析
鈴木南美,菅原亨(現 成育医療センター),松井淳(人類進化モデル研究センター),松川哲也(近畿大学),郷康広,平井啓久,今井啓雄
各地のニホンザルについて苦味受容体TAS2Rの遺伝子多型解析を行った。特にTAS2R38について多くの遺伝子多型が発見され、紀伊半島出身の群で特異的に機能を欠損していることが分かった。この変異が生じた年代推定とそれに関連したかんきつ類の植生等について解析を進めている。

F) マカク類の苦味受容体の発現解析
今井啓雄,鈴木南美,伯川美穂(グローバルCOE),桜井敬展,石丸喜朗,三坂巧,阿部啓子(以上東大院農生科)
細胞レベルでカルシウムイメージング法によりヒトとマカクの苦味受容体の比較機能解析を行った。また、対応する行動実験を行った。その結果、マカクではヤナギの樹皮に含まれるサリシンに対する苦味感受性がヒトよりも10倍以上低いことが明らかになった(Imai et al.,2012)。この結果は、ニホンザルが冬季にヤナギ等の樹皮を食べることと関係がある可能性を示唆している。

G) コロブス類の苦味受容体と採食の関係
鈴木南美,小泉敬彦(理学部学部生),村上央弥(農学部学部生),Yin Lijie,Pan Wenshi(以上北京大学),伯川美穂(グローバルCOE),今井啓雄
 中国広西チワン族自治区崇左市で観察されているwhite-headed langurについて、採食活動と味覚の関係を検討するために共同研究を進めている。昨年度に引き続き、採食植物の調査とフンからのDNA分析を行った。

H) 消化器に発現する味覚情報伝達系の探索
権田彩,松村秀一(以上岐阜大学),郷康広,今井啓雄
 霊長類の消化器に発現している味覚情報伝達関連タンパク質について、半定量的RT-PCR法により検討した。その結果、腸管系での発現パターンについて種差が観察された。

I) 脳機能に関わる遺伝子の多型解析
伯川美穂(グローバルCOE),橋本亮太(大阪大学),今井啓雄
 脳機能と自然発生的遺伝子変異との関連を検討するため、様々な脳機能に関わる遺伝子の多型解析に着手した。今年度はカテコールメチル基転移酵素遺伝子(COMT)の多型解析を主に行った。

J) チンパンジーの比較ゲノム・比較トランスクリプトーム解析
郷康広,豊田敦(遺伝所),辰本将司(遺伝研),藤山秋佐夫(遺伝研),黒木陽子(理研),平井啓久,友永雅己(思考言語),松沢哲郎(思考言語),西村理(京大理・グローバルCOE),阿形清和(京大理・生物物理)
ヒトの進化を考える上で、最も近縁種であるチンパンジーのゲノム解析およびトランスクリプトーム解析は必須である。霊長類研究所のチンパンジー親子トリオの白血球細胞およびヒトのセルラインを用いて次世代シーケンサーによる発現定量化を行なった。また国立遺伝学研究所との共同研究により親子トリオの全ゲノム解析をすすめており、異なる次世代シーケンサー(SOLiD4とHiSeq2000)による親子3個体の全ゲノム解析を行っている。

K) 霊長類における脳比較オミックス研究
郷康広,井上謙一(統合脳),大石高生(統合脳),渡我部昭哉(基生研),重信秀治(基生研),山森哲雄(基生研),那波宏之(新潟大脳研),柿田明美(新潟大脳研),高田昌彦(統合脳),平井啓久
ヒトらしさを支える脳ゲノム基盤の解明を目指して、ヒト、チンパンジー、ゴリラ、テナガザル、マカクザルの死後脳より大脳新皮質を中心に複数領野からDNAおよびRNAを機能領野あるいは機能ニューロン単位で取得し、次世代シーケンサーによる網羅的トランスクリプトーム解析およびメチローム解析(ゲノムワイドメチル化解析)を行っている。

L) マカクザルにおけるエクソーム解析
郷康広,豊田敦(遺伝所),今井啓雄,山森哲雄(基生研),伊佐正(生理研),平井啓久
マカクザルの実験動物化に向けた最初の試みとして、実験に供与される個体群の遺伝的バックグラウンドを把握する必要がある。ニホンザルおよびアカゲザル48個体を用いて、ヒト用にデザインされたエクソームキットを用いたエクソーム解析を行っている。

M) 特殊な環境に適応したほ乳類の嗅覚受容体遺伝子群の適応進化
郷康広,新村芳人(東京医科歯科大),颯田葉子(総研大),久野香(総研大),高畑尚之(総研大)
 進化の過程で特殊な環境に適応した生物には、その環境に応じた表現型の特殊化がしばしば観察される。この特殊化に際して起きる分子レベルの変化を探るために、海棲適応もしくは飛翔能力を獲得したほ乳類における嗅覚受容体遺伝子の適応進化の過程を調べた。

N) イルカの苦味受容体遺伝子のゲノム解析
郷康広,浅川修一(東大),清水厚志(慶応大),佐々木貴史(慶応大),清水信義(慶応大)
 海棲適応したイルカ類における味覚受容体遺伝子の遺伝子進化を調べるために、イルカBACライブラリーよりT2R遺伝子群が存在するBACクローンを同定し、配列解析を行なった。また、同時に解析が進行している全ゲノム配列を利用したin silico解析も行い、実験で得たデータと比較を行なった。その結果、同定した配列すべてが機能を喪失(偽遺伝子化)していることが分かった。

O) ショウジョウバエにおける比較トランスクリプトーム解析
郷康広,P Fontanillas (Broad Institute),D Hartl (Harvard大)
種や性における表現型の違いを生み出すRNAレベルでの機構を調べるために、エクソン特異的なマイクロアレイを作成し、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)とその近縁2種における遺伝子発現変化を調べた。その結果、性特異的な遺伝子発現パターンを示す遺伝子を多数検出した。


<研究業績>

原著論文

1) Katoh I, Mirova A, Kurata S, Murakami Y, Horikawa K, Nakakuki N, Sakai T, Hashimoto K, Maruyama A, Yonaga T, Fukunishi N, Moriishi K, Hirai H (2011) Activation of the long terminal repeat of human endogenous retrovirus K by melanoma-specific transcription factor MITF-M. Neoplasia 13(11):1081-1092.

2) Koga A, Notohara M, Hirai H (2011) Evolution of subterminal satellite (StSat) repeats in hominids. Genetica 139:167-175.

3) Lawton SP, Hirai H, Ironside JE, Johnstone DA, Rollinson D (2011) Genomes and geography: genomic insights into the evolution and phylogeography of the genus Schistosoma. Parasites & Vectors 10:131 doi:10.1186/1756-3305-4-131.

4) Nagai H, Terai Y, Sugawara Y, Imai H, Nishihara H, Hori M, Okada N (2011) Reverse evolution in RH1 for adaptation of cichlids to water depth in Lake Tanganyika. Mol. Biol. Evol. 28:1769-1776.

5) Takaki A, Yamazaki A, Maekawa T, Shibata H, Hirayama K, Kimura A, Hirai H, Yasunami M (2011) Positive selection of Toll-like receptor 2 polymorphisms in two closely related old world monkey species, rhesus and Japanese macaques. Immunogenetics DOI:10.1007/S00251-011-0556-2.

6) Yoshida K, Terai Y, Mizoiri S, Aibara M, Nishihara H, Watanabe M, Kuroiwa A, Hirai H, Hirai Y, Matsuda Y, Okada N (2011) B chromosomes have a functional effect on femal sex determination in lake Victoria cichlid fishes. PLoS Genetics 7(8):e1002203.

7) Katayama K, Furutani Y, Imai H, Kandori H (2012) Protein-Bound Water Molecules in Primate Red- and Green-Sensitive Visual Pigments. Biochemistry 51:1126-1133.

著書(分担執筆)

1) Hirai H (2012) Evolution and biological meaning genomic wastelands (RCRO): Proposal of hypothesis. (Post-Genome Biology of Primates.) (ed. Hirai H, Imai H, Go Y) p.227-240 Springer.

2) Sugawara T, Imai H (2012) Post-Genome Biology of Primates Focusing on Taste Perception. (Post-Genome Biology of Primates) (ed. Hirai H, Imai H, Y. Go) p.79-92 Springer.

編集

1) Hirai H, Imai H, Go Y (2012) Post-Genome Biology of Primates, Primatology Monographs. p.286 Tokyo, Dordrecht, Heidelberg, London, New York: Springer.

学会発表

1) Go Y (2011) Comparative transcriptome and genome analysis in a chimpanzee trio. International Symposium of Developmental Systems Biology on Gene Regulation and Aging (2011/10/13, Shanghai, CHINA(招待講演)).

2) Go Y (2011) Comparative transcriptome and genome analysis in a chimpanzee trio. Young Researchers Conference on Evolutionary Genomics (2011/08/02, Tokyo).

3) Imai H (2011) Functional evolution of primate TAS2Rs, シンポジウム「環境適応の最前線:感覚受容体の機能進化」Adaptive molecules: functional evolution of sensory receptors. 日本進化学会第13回大会 (2011/07/30, 京都).

4) Suzuki N, Matsui A, Go Y, Ishimaru Y, Misaka T, Abe K, Hirai H, Imai H (2011) Region specific dysfunction of bitter taste receptor TAS2R38 in Japanese macaques. The 9th International Symposium on Molecular and Neural Mechanisms of Taste and Olfactory Perception (2011/11/06, Fukuoka).

5) 郷康広 (2011) ゲノムを通して我が身を知る〜ヒトとチンパンジーの間にあるもの〜. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/18, 犬山).

6) 郷康広,豊田敦,会津智幸,今井啓雄,藤山秋佐夫,平井啓久 (2011) ニホンザルエクソーム解析〜実験動物化にむけた遺伝的バックグラウンドの解明〜. 第13回日本進化学会大会 (2011/07/30, 京都).

7) 郷康広,豊田敦,会津智幸,今井啓雄,藤山秋佐夫,平井啓久 (2011) ニホンザルエクソーム解析〜実験動物化にむけた遺伝的バックグラウンドの解明〜. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/18, 犬山市).

8) 早川卓志,菅原亨,郷康広,鵜殿俊史,平井啓久,今井啓雄 (2011) チンパンジー3亜種における苦味受容体遺伝子ファミリーの分子進化. 日本進化学会第13回大会 (2011/07/30, 京都).

9) 早川卓志,菅原亨,郷康広,鵜殿俊史,平井啓久,今井啓雄 (2011) チンパンジーの味覚に地域差はあるか? 〜分子遺伝学からの考察〜. SAGA14 (2011/11/12, 熊本).

10) 早川卓志,菅原亨,郷康広,鵜殿俊史,平井啓久,今井啓雄 (2011) チンパンジー3亜種における苦味受容体遺伝子ファミリーの分子進化. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/17, 犬山).

11) 平井啓久,平井百合子,古賀章彦,鵜殿俊史 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:(1) 存在様式変異から推測される非相同染色体間末端組換え. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

12) 平井啓久,平井百合子,古賀章彦,鵜殿俊史 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:存在様式変異. 第62回染色体学会 (2011/11/11-13, 平塚).

13) 今井啓雄,郷康広,平井啓久 (2011) 霊長類ゲノムスクリーニングによる自然発生的遺伝子変異モデルの探索. 第34回日本神経科学会大会シンポジウム (2011/09/18, 横浜).

14) 今井啓雄,鈴木南美,松井淳,郷康広,石丸喜朗,三坂巧,阿部啓子,平井啓久 (2011) 苦味受容体TAS2R16 感受性の種間差と分子機構. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/17, 犬山).

15) 古賀章彦,平井百合子,平井啓久 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:(2) 培養細胞を用いた組換えの検出. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

16) 松井淳,Jahn I,Islam MA,Rahman ZMM,平井啓久 (2011) ミトコンドリアゲノムによるテナガザルの分子系統進化. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

17) 鈴木南美,松井淳,郷康広,石丸喜朗,三坂巧,阿部啓子,平井啓久,今井啓雄 (2011) ニホンザルにおける地域特異的な苦味感受性変異. 日本進化学会第13回大会 (2011/07/30, 京都).

18) 鈴木南美,松井淳,郷康広,石丸喜朗,三坂巧,阿部啓子,平井啓久,今井啓雄 (2011) ニホンザルにおける苦味受容体TAS2R38の地域特異的な感受性変異. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/17, 犬山).

19) 今井啓雄,鈴木南美,早川卓志,菅原亨,松井淳,郷康広,櫻井敬展,石丸喜朗,Lijie Yin,Wenshi Pan, 阿部啓子,三坂巧,平井啓久 (2012) 霊長類味覚受容体の進化. 日本生理学会大会第89回大会シンポジウム (2012/03/31, 松本).

講演

1) 今井啓雄 (2011/10/12) 「霊長類バイオリソースの現状と展望」. 熊本大学第16回遺伝子実験施設セミナー「バイオリソース最前線」. 熊本.

2) 今井啓雄 (2011/11/19) 「ゲノム多型の機能解析:霊長類」. 第二回脳表現型の分子メカニズム研究会 (招待講演).

3) 平井啓久 (2012/03/19) Chimpanzee chromosomes and gibbon oversea project. Linconl University, UK.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄附研究部門

比較認知発達(ベネッセコーポレーション)研究部門

<研究概要>

A) チンパンジーの知覚認知能力の比較認知科学的研究
伊村知子
チンパンジーとヒトを対象に、物体の質感知覚に関する能力、形態情報と運動情報の統合能力を直接比較する研究をおこなった。

B) ヒトとニホンザル乳児の知覚発達の比較
伊村知子
ヒトの乳児とニホンザル乳児を対象に、不可能図形などを用いた奥行き知覚の能力の発達や、形態情報と運動情報の統合能力の発達について、注視時間を指標に調べた。

<研究業績>

原著論文

1) Goto K, Imura T, Tomonaga M (2012) Perception of emergent configurations in humans (Homo sapiens) and chimpanzees (Pan troglodytes). Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 38:125-138. doi: 10.1037/a0026899.

学会発表

1) Imura T (2011) Visual temporal integration on object recognition in chimpanzees and humans. 34th European Conference on Visual Perception (2011/09, Toulouse, France).

2) 伊村知子 (2011) チンパンジーとヒトにおけるスリット視条件下の物体認識. 第27回日本霊長類学会 (2011/07, 愛知).

3) 伊村知子,白井述 (2011) スリット視条件における形態と運動の統合能力の初期発達. 日本基礎心理学会第30回大会 (2011/12, 東京).


 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

附属施設

人類進化モデル研究センター

人類進化モデル研究センターは所内の各種研究の支援やナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)へのサルの供給のために、施設整備、各種母群の維持、飼育・繁殖、健康管理をおこなうとともに、これらのサルについての種々の研究を推進している。
2011年度は、WISH事業の一環として、チンパンジー飼育エリア内の東西のサンルームの改修を行うとともに第3放飼場にチンパンジー飼育ケージを新設した。そのうち、東側のサンルームについては、年度末より共用を開始した。また、飼育エリアの拡大に伴って、非常勤職員1名を新規で配置した。
近年、霊長類研究所のニホンザルにおいて、全身からの出血を伴って死亡する病気(ニホンザル血小板減少症)が発生していたが、2010年度に外部機関の協力のもと精力的に研究を進めた結果、本症の原因は、サルレトロウイルス4型(SRV-4)であることが明らかとなった。2011年度は、前年度末に設置した検査管理部が中心となって所内のマカク属サル全頭のSRV検査を実施し、感染の疑いのある個体は、すべて隔離棟、検疫棟に隔離した。その結果、2011年度以降、新規の発症は1例も見られていない。また、8月よりNBRP経費にて特定助教を雇用し、同症の発症機序解明に取り組むとともに、検査部が中心となって、SRVの検査法の改良を行った。
NBRPのニホンザルに関しては、「血小板減少症」の発生に伴い母群は228頭にまで減少したが、育成群の繁殖は順調に進んでおり、現在合計350頭のNBRプロジェクト用ニホンザルを飼養している。
人類進化モデル研究センターの技術職員の居室はセンター棟に設置されていたが、本館1階の旧特別会議室に移設された。これにより、教員、技術職員、パート職員、研究員の居室は全て本棟内に配置されることとなった。
人事面では2011年8月1日に特定助教の佐藤英次が就任した。特定研究員として齊藤暁、東濃篤徳を6月から採用。非常勤職員には以下の異動があった。2011年4月より教務補佐員に生駒智子、杉本太郎を採用。サル飼育担当として5月川添智香、荻野奈美、6月前田布美子、長谷川夕美子、7月江口聖子、2012年2月高木朋子、武藤久美、坂井尚美、3月夏目尊好、藤森唯を技能補佐員に採用。4月実験補助担当として安江美雪(技術補佐員)を採用。4月大堀美佳(研究支援推進員)研究助成から配置換。5月吉田美千子、6月江口聖子、2012年3月伊藤和子、石田恵津子、大竹公子(技能補佐員)、古橋保志(研究支援推進員)が退職した。

<研究概要>

A) ゲノム不毛地帯(RCRO)の進化と意義
平井啓久,古賀章彦(ゲノム多様性分野),平井百合子(技能補),鵜殿俊史(熊本サンクチュアリ),松林清明(名誉教授)
RCROの構成要素のひとつであるサブターミナルサテライト(StSat)をクローン化し、詳細なFISH解析をおこなった。チンパンジー43個体の染色体を解析し、変異の状況を明らかにした。減数分裂精母細胞の染色体ブーケとの関連からRCROの存在意義を議論し、論文としてまとめた。

B) テナガザル類の多様性と生物地理学
平井啓久,スダラス・バイチャロエン(タイ動物園協会,カセサート大学),イスラト・ジャハン(大学院生),古賀章彦(ゲノム多様性),平井百合子(技能補),松井淳(人類進化モデル研究センター研究員)
ミトコンドリアゲノム全塩基の解析から、Hoolock hoolock を加えてテナガザル4属の分子系統分岐を明らかにした。シアマンの染色体末端に存在するヘテロクロマチンのDNAを解析し、4属においてそれぞれ特異的な染色体上分布パタンを呈することを明らかにした。セントロメアとテロメア周辺のヘテロクロマチンの形成に関わるDNAの関連性について解析した。

C) マンソン住血吸虫の性染色体(Z、W)の進化
平井啓久,平井百合子(技能補),フィリップ・ロベルデ(テキサス大学)
BAC mappingによって明らかになったクローンの存在様式から、ZおよびW性染色体の進化が4回の逆位によって生じたことを推定した。また、全染色体の彩色プローブを作成し、ZとW染色体の相同および非相同部位を明らかにした。論文としてまとめた。

D) テニア科条虫幼虫感染家畜個体の識別に有用な新しい技術開発とリスク評価への応用
岡本宗裕
ヒトを終宿主とするテニア科条虫には、有鉤条虫、無鉤条虫、タイワンテニアの3種が知られている。平成23年度は、インドネシア・バリ島の流行地で調査を実施したところ、バリ島の北部の小村は有鉤条虫の濃厚汚染地域であることが確認できた。現地で実施したELISAにより、有鉤嚢虫に対する抗体を保有しているヒトおよびブタを確認した。このブタを剖検したところ、多数の有鉤嚢虫の寄生が確認できたことから、バリ島において有鉤条虫の生活環が成立していることが明らかとなった。また、我々の開発したELISAは特別な機器のない流行地でも十分有効であることが明らかとなった。

E) 難治性寄生虫病に関する遺伝子診断法の開発
岡本宗裕
近年我々の研究グループは、無鉤条虫とアジア条虫交雑体が存在することを発見した、これらの交雑体は従来の遺伝子診断法では診断できないため、それらの遺伝子を解析し、新しい診断法を開発する必要がある。平成23年度は、これらの地域のうちタイと中国四川省で疫学調査を実施し、ヒトに寄生している成虫およびヒトへの感染源となる家畜に寄生している幼虫を採取した。これらの虫体について、ミトコンドリアと核の遺伝子をできるだけ網羅的に調べるとともに、新たに開発したLAMP法がフィールドでの診断に利用できることを確認した。さらに、患者の居住地と感染家畜の飼育場所の関係を、GIS(地理情報システム)を利用して解析した。

F) 多包虫症に関する非開腹的治療法への挑戦と評価法の開発
岡本宗裕
 ラットの肝臓の所定の位置に多包虫症病巣を作製する方法について検討した。全身麻酔下で、腹部正中を開腹後、肝臓の一部を体外に露出した。メスで肝臓に約5mmの切開創を作製し、あらかじめ準備しておいた多包虫のシストを切開創に移植した。止血とシストの腹腔内流出阻止のために、止血シートで切開創を被覆した。全例に於いて、移植部位でのシストの生長をMRIで経時的に追跡できた。本法は所定の位置に多包虫症病巣を作製する上で極めて有用な方法であることを確認した。そこで、このモデルラットを使って、病床除去後のEm18抗原に対する抗体価の推移を調べた。

G) カニクイザル/human immunodeficiency virus type-1 (HIV-1) 感染モデルの開発に関する研究
齊藤暁,明里宏文
 本研究では近年確立された、サル細胞で増殖可能なサル指向性HIV-1クローン(macaque-tropic HIV-1: HIV-1mt)を用いてこれまで不可能とされてきたモデル動物である実験用サル類/HIV-1感染・発症システムを確立することが目的である。高馴化型第3世代HIV-1mtであるMN4Rh-3は、カニクイザルPBMCおよび個体ともに第2世代HIV-1と比較してウイルス増殖効率が10倍向上した(105 viral RNA copies/ml)。またウイルス増殖に伴い、一過性ではあるが顕著なCD4陽性T細胞の減少が確認された。ウイルス血症はウイルス接種後6週で検出限界以下となったが、ウイルス接種後17週の時点でCD8特異抗体を投与しCD8陽性T細胞除去を行なったところHIV-1mt再活性化が生じウイルスRNAが検出された。このことから、MN4Rh-3はカニクイザルにおいて長期潜伏感染が可能であることが示された。

H) カニクイザルにおけるmacaque-tropic human immunodeficiency virus type-1 (HIV-1mt) 増殖の個体差を規定する宿主内因性因子TRIM5に関する分子遺伝学研究
齊藤暁,明里宏文
 我々はこれまでに、HIV-1mt増殖動態が接種カニクイザル個体によって顕著に異なること、TRIM5遺伝子アリルがその主な規定要因であることを示唆する知見を得た。そこで、TRIM5のHIV-1mtへの機能的意義を検討したところ、TRIMCyp(TRIM5αの一部領域にcyclophilin Aの一部が挿入された変異型アリル)を有するカニクイザル個体では野生型であるTRIM5αアレル保有個体と比較して、HIV-1mt感染における血中ウイルス量が約50倍高いことを見出した。興味深いことに、TRIM5α/TRIMCyp頻度はカニクイザルの原産地によって大きく異なっており、フィリピン由来個体群におけるTRIMCypアリル頻度(87.0%)はインドネシア及びマレーシア由来個体群のアリル頻度(34.8%、48.9%)と比較して有意に高かった。HIV-1感受性に関するサル個体差をTRIM5遺伝子型が規定していることをin vitroのみならずin vivoでも実証し、HIV-1サルモデル確立に向けてフィリピン産カニクイザル個体の有用性が遺伝子レベルで実証されたことは特筆すべき成果である。さらにカニクイザルのTRIMCypアリル頻度における地理的多様性が強く示唆され、今後この多様性を生み出した外的要因を明らかにしていきたい。

I) C型肝炎ウイルス治療・予防ワクチンの安全性・有効性評価に関する研究
東濃篤徳,明里宏文
 C型肝炎ウイルス(HCV)は世界的に蔓延しており、1億7千万(世界人口の約3%)がキャリアと見られている。日本での持続感染者は190万人〜230万人存在すると推定されているが、自覚症状がないことが多く、肝硬変や肝癌へ移行する感染者が多く存在することが問題となっているため、抗ウイルス剤や治療用ワクチン開発が急務である。本研究では、脇田らが発見した培養可能なHCVであるJFH-1株を大量精製、不活化することでC型肝炎の予防・治療ワクチンとしての実用化を目指している。これまでの研究によりマウスへの接種により免疫原性が示唆された新規不活化HCV粒子ワクチンについて、今年度はアカゲザルにおける同ワクチンの安全性・有効性を評価した。その結果、HCVに対する特異的抗体誘導能および接種個体における安全性が確認された。また誘導された抗体はHCVに対する感染阻害活性が得られた。以上の成果は、不活化HCV粒子による予防・治療ワクチン開発に向けて新たな進歩であると考えられた。

J) 霊長類免疫不全ウイルスによる免疫抑制機構に関する分子構造生物学的研究
飯島沙幸,明里宏文
霊長類免疫不全ウイルスは宿主免疫応答を特異的に制御することで、生体内において長期持続感染することが知られている。この機序として、同ウイルスの調節蛋白の一つであるNef蛋白が抗原提示分子であるMHCクラスI(MHC-I)の発現を抑制することが報告されていたが、その詳細な分子機構はこれまで未解明であった。本研究では、MHC-I発現制御に必須であるNef蛋白と、輸送蛋白の一つであるAP-1複合体mu-1Aサブユニットによる特異的結合に関する分子構造学的なメカニズムを明らかにすることに成功した。この成果は、Nef蛋白を持つ霊長類免疫不全ウイルスの宿主免疫制御機構を解明した重要な発見である。

K) サル類のストレス定量および動物福祉のための基礎研究
鈴木樹理
 飼育環境でのストレス反応を定量することとその軽減策の検討のために、マカクおよびチンパンジーの糞中コーチゾル測定を行った。長期ストレス定量に有効な毛髪中コーチゾル測定系の確立を引き続き行っている。

L) ニホンザルの痛みの表情に関する予備的研究
宮部貴子,釜中慶朗,G Tzimiropoulos,H Zulch,D Mills (Universityof Lincoln, UK),平井啓久
 ニホンザルの痛みの表情を探ることを目的に、表情に関する予備的な研究をおこなった。痛みがないと思われるニホンザルの顔写真を2397枚と、ビデオクリップを6つ撮影した。これらの写真から、解析に適したものを選択し、コンピュータ解析モデルを作成しているところである。今後、様々な調整をおこない、方法を洗練させていく予定である。(頭脳循環プログラムで実施)

M) ヒト系統におけるシアル酸受容体Siglec-11、Siglec-16の進化
早川敏之,X Wang(カリフォルニア大学サンディエゴ校),N Mitra(カリフォルニア大学サンディエゴ校),N Varki(カリフォルニア大学サンディエゴ校),A Varki(カリフォルニア大学サンディエゴ校),安形高志(理化学研究所)
シアル酸は、細胞膜表面の糖鎖の末端にある酸性単糖であり、細胞間認識機構や宿主-病原体相互作用においてリガンドとして働き、免疫などで重要な役割を果たしている。Siglec-11とSiglec-16は、シアル酸を認識し細胞内シグナル伝達をおこなう受容体である。Siglec-11遺伝子はヒト系統でSiglec-16遺伝子による遺伝子変換を受け、ヒト特異的に脳での発現を獲得し、シアル酸認識能を変化させている。このSiglec-11のヒト系統での進化のさらなる知見を得るため、ヒト脳での発現細胞の特定、ヒト脳内でのリガンドの検出、および遺伝子変換の詳細な解析をおこなった。その結果、ヒトSiglec-11は脳のミクログリアで発現しており、脳内にリガンドが確認され、脳内免疫に関わっていることがわかった。また、Siglec-11遺伝子はSiglec-16遺伝子の不活性化アリールにより遺伝子変換されており、その遺伝子変換はSiglec-11遺伝子の偽遺伝子化を回避する複雑なものであることを見いだした。このことは、遺伝子変換によるSiglec-11の発現と機能の変化に、進化的選択が働いていることを示唆している。さらに遺伝子変換の年代推定から、ヒトSiglec-11の発現と機能の変化は約100万年前におこったと考えられた。以上のように、Siglec-11はホモ属出現後に脳内免疫に関わるようになり、それがヒトの進化に重要であったことを示す結果を得ている。

N) 霊長類におけるシアル酸受容体Siglec-11、Siglec-16の進化
早川敏之,安形高志(理化学研究所)
 Siglec-11遺伝子はヒト系統特異的にSiglec-16遺伝子による遺伝子変換を受け、ヒト特異的に脳での発現を獲得し、シアル酸認識能を変化させている。このSiglec-11のヒト特異的な変化の特殊性を知るため、ヒト以外の霊長類のSiglec-11とSiglec-16の解析をおこなっている。

O) 霊長類におけるシアル酸受容体Siglec-13の進化
早川敏之,X Wang(カリフォルニア大学サンディエゴ校),N Mitra(カリフォルニア大学サンディエゴ校),A Varki(カリフォルニア大学サンディエゴ校)
Siglec-13は、シアル酸を認識し細胞内シグナル伝達をおこなう受容体であり、その遺伝子座はヒト特異的に欠失している。この欠失の原因と欠失の進化的な意味を知るため、霊長類のSiglec-13のゲノム配列、発現、シアル酸認識能の解析をおこなっている。

P) 霊長類マラリア原虫をはじめとした現生マラリア原虫の起源
早川敏之,橘真一郎(大阪大学),彦坂健児(大阪大学),有末伸子(大阪大学),松井淳,堀井俊宏(大阪大学),田邉和裄(大阪大学)
マラリア原虫は、霊長類やげっ歯類といった哺乳類や鳥類、爬虫類を宿主として感染し、マラリアを引き起こす。ミトコンドリアゲノムの解析から、現生マラリア原虫の起源において、宿主の多様化にともなった宿主転換による急速な多様化を見いだし、"マラリアビッグバン仮説"を提唱している。マラリアビッグバン仮説の検証のため、核ゲノムにコードされた遺伝子(エネルギー代謝に関わる遺伝子群)の進化解析をおこない、現生マラリア原虫の共通祖先は漸新世の時期に出現したことを見いだしている。この共通祖先の出現年代は、マラリアビッグバン仮説を支持する。

Q) アフリカ野生大型類人猿におけるIgA抗体スクリーニングによる人獣共通感染症の実態調査
吉田友教,竹元博幸,佐藤英次,坂巻哲也,宮部貴子,生駒智子,渡邉朗野,兼子明久,渡邉祥平,前田典彦,早川敏之,鈴木樹理,岡本宗裕,松沢哲郎,古市剛史,明里宏文
 近年、認知研究あるいは心の研究等さまざまな研究にて注目される野生大型類人猿が、未来にわたって存続可能な状態で生息することが非常に困難な状態にある。その主な理由の一つは、特にヒトに似た遺伝子構成を持つ類人猿では、他の動物種と異なり「人獣共通感染症」のアウトブレークが地域個体群の存続に大きな脅威となっているからである。最近我々は、ヒト由来人獣共通感染症の実態把握を行なうため、野生類人猿糞便中から原因病原体特異的IgA抗体を検出できる系を確立した。そこで今年度は、本法を用いて、野生大型類人猿における人獣共通感染症の原因病原体の実態解明を行なうため、野生ボノボにおいて呼吸器感染症を引き起こす病原体に対する抗体のスクリーニングを行なった。その結果、生息域の広範囲に渡り複数の個体群で、インフルエンザA、B、とrespiratory syncytial virus (RSV) A、B、Parainfluenza type1~3、MumpsあるいはRhinovirusに対する抗体を保有していることが明らかになった。これらの情報は、病原体に対する抗体を保有している個体が多数いること、そうしてこうした感染歴を持つと推測される個体が必ずしも重篤な疾病を呈するとは限らないことが示唆された。こうした新知見は、野生類人猿における人獣共通感染症のアウトブレークを予測する上で、貴重な情報源となると期待できる。

R) ニホンザルにおいて血小板減少症を引き起こすサルレトロウイルス4型(SRV-4)の定量法の開発
佐藤英次,吉川禄助(ウイルス研究所),宮沢孝幸(ウイルス研究所),吉田友教,岡本宗裕
 霊長類研究所内で発生した「ニホンザル血小板減少症」の病原体はサルレトロウイルス4型(SRV-4)であることが判明した。この発症要因の解明を目的として病原性とウイルス量の相関性を調べるため、我々はSRV-4ゲノムであるRNAをスタンダードとして用いたreal time RT-PCR法を開発した。SRV-4感染ニホンザルの血漿において発症個体と非発症個体のウイルス量を比較し、また発症個体において血小板数とウイルス量の経時的変化を調べたところ、血小板数が少ないとウイルス量が多い傾向にあるという予備的知見が得られた。今後は検体数の増加および検出方法の改善を行い、より正確な解析を進める予定である。

S) ミトコンドリアゲノムによるテナガザルの分子系統進化
松井淳,I Jahan(遺伝子情報),Md A Islam (University of Dhaka and Wildlife Trust of Bangladesh),ZM Rahman (Bangabandhu Sheikh Mujib Safari Park),平井啓久(遺伝子情報)
全ミトコンドリアゲノム配列を用いて、テナガザル4属間の関係を分子系統解析した。分岐年代の推定から、テナガザルは極めて短い期間に属レベルの放射的な種分化がおこり、このことが属間の系統関係を不明確にしていると考えられる。生息地域である東南アジアの半島・島々で、古代のテナガザル類が分布を広げながら種分化していった様相を生物地理学的に考察した。

T) 霊長類の嗅覚受容体遺伝子レパートリーの進化
松井淳,新村芳人(東京医科歯科大学)
嗅覚受容は、嗅覚受容体(OR)が環境中のにおい物質を分子認識することにより開始される。視覚的な生物とされる霊長目では、進化の過程で嗅覚の相対的な重要性が低下し、嗅覚機能が大きく失われたといわれる。霊長目5種と、他の哺乳類8種のOR機能遺伝子の相同遺伝子を同定し、OR遺伝子のレパートリーを比較解析した。霊長目5種の共通祖先段階で、他の現生哺乳類8種と同程度にまでOR遺伝子のレパートリーを減少させており、現生霊長目ではそれぞれの系統でさらに、遺伝子のレパートリーを失っていることがわかった。また、霊長目におけるOR遺伝子の重複は他の哺乳類に比べて非常に少なく、レパートリーに加えて、霊長目で新たにうみだされるOR遺伝子が極端に少なくなっていることが示唆された。

U) SRV-5の全ゲノム配列決定とSRV-5特異的PCR検査法の開発
松井淳,杉本太郎,吉川碌助(ウイルス研究所),宮沢孝幸(ウイルス研究所),岡本宗裕
血小板減少症の原因と考えられるサルレトロウイルス4型(SRV-4)に感染したマカク個体を検出するため、末梢血由来のDNAを用いたPCR検査法を確立し、霊長類研究所の全飼育個体のスクリーニングを行ってきた。新たに、検査対象をサルレトロウイルス5型(SRV-5)にも拡げるため、SRV-5の全ゲノム配列を決定し、SRV-5感染個体のみを検出するPCR法を開発した。また、これまでのSRV-4を対象とする検査はSRV-5を検出することはなく、それぞれのSRVタイプに特異的な検査法であることを確認した。リアルタイムPCR法による簡易的な感度計算によると、どちらのPCR検査法も極めて高感度であることが推測された。また、SRV-4、SRV-5感染個体を一度に検出するPCR検査法も開発し、これらを組み合わせることで、簡便な検査と必要に応じてSRVタイプの特定を行うことが可能な検査システムを確立した。

V) ミトコンドリアゲノムのアミノ酸組成と代謝効率についての研究
北添康弘(高知大学),岸野洋久(東京大学),長谷川政美(復旦大学、統計数理研究所),松井淳,Nick Lane (University College London),田中雅嗣(東京都老人総合研究所)
生物の体の大きさ、寿命、代謝率の相関はよく知られているが、これらと、脊椎動物のミトコンドリアのタンパク質のうち膜貫通領域の疎水性・親水性のアミノ酸組成の変化が強く相関していることを見出した。

<研究業績>

原著論文

1) Ito M, Katakai Y, Ono F, Akari H, Mukai RZ, Takasaki T, Kotaki A, Kurane I (2011) Serotype-specific and cross-reactive neutralizing antibody responses in cynomolgus monkeys after infection with multiple dengue virus serotypes. Archives of Virology 156:1073-1077.

2) Iwasaki Y, Mori K, Ishii K, Maki N, Iijima S, Yoshida T, Okabayashi S, Katakai Y, Lee Y-J, Saito A, Fukai H, Kimura N, Ageyama N, Yoshizaki S, Suzuki T, Yasutomi Y, Miyamura T, Kannagi M, Akari H (2011) Long-term persistent GBV-B infection and development of a progressive chronic hepatitis C-like disease in marmosets. Frontiers in Microbiology 2:240.

3) Katoh I, Mirova A, Kurata S, Murakami Y, Horikawa K, Nakakuki N, Sakai T, Hashimoto K, Maruyama A, Yonaga T, Fukunishi N, Moriishi K, Hirai H (2011) Activation of the long terminal repeat of human endogenous retrovirus K by melanoma-specific transcription factor MITF-M. Neoplasia 13(11):1081-1092.

4) Kitazoe Y, Kishino H, Hasegawa M, Matsui A, Lane N, Tanaka M (2011) Stability of mitochondrial membrane proteins in terrestrial vertebrates predicts aerobic capacity and longevity. Genome Biology and Evolution 3:1233-1244.

5) Knapp J, Nakao M, Yanagida T, Okamoto M, Saarma U, Lavikainen A, Ito A (2011) A. Phylogenetic relationships within Echinococcus and Taenia tapeworms (Cestoda: Taeniidae): An inference from nuclear protein-coding genes. Molecular Phylogenetics and Evolution 61(3):628-638.

6) Koga A, Notohara M, Hirai H (2011) Evolution of subterminal satellite (StSat) repeats in hominids. Genetica 139:167-175.

7) Lawton SP, Hirai H, Ironside JE, Johnstone DA, Rollinson D (2011) Genomes and geography: genomic insights into the evolution and phylogeography of the genus Schistosoma. Parasites & Vectors 4:131 doi : 10.1186 / 1756 -3305 -4-131.

8) Naruse TK, Okuda Y, Mori K, Akari H, Matano T, Kimura A (2011) ULBP4/RAET1E is highly polymorphic in the Old World monkey. Immunogenetics 63:501-509.

9) Ohtani H, Nakajima T, Akari H, Ishida T, Kimura A (2011) Molecular Evolution of immunoglobulin superfamily genes in primates. Immunogenetics 63:417-428.

10) Omatsu T, Moi ML, Hirayama T, Takasaki T, Nakamura S, Tajima S, Ito M, Yoshida T, Saito A, Katakai Y, Akari H, Kurane I (2011) Common marmoset (Callithrix jacchus) as a primate Model of dengue virus infection: development of high levels of viremia and demonstration of protective immunity. Journal of General Virology 92:2272-2280.

11) Saito A, Nomaguchi M, Iijima S, Kuroishi A, Yoshida T, LeeYJ, Hayakawa T, Kono K, Nakayama EE, Shioda T, Yasutomi Y, Adachi A, Matano T, Akari H (2011) Improved capacity of a monkey-tropic HIV-1 derivative to replicate in cynomolgus monkeys with minimal modifications. Microbes and Infection 13:58-64.

12) Sakai T, Mikami A, Tomonaga M, Matsui M, Suzuki J, Hamada Y, Tanaka M, Miyabe-Nishiwaki T, Makishita H, Nakatsukasa M, Matsuzawa T (2011) Differential prefrontal white matter development in chimpanzees and humans. Current Biol 21:1397-1402. Epub 2011 Aug 11. Erratum in: Curr Biol. 2012 Jan 24;22(2):171.

13) Takaki A, Yamazaki A. Maekawa T, Shibata H, Hirayama K, Kimura A, Hirai H, Yasunami M (2011) Positive selection of Toll-like receptor 2 polymorphisms in two closely related old world monkey species, rhesus and Japanese macaques. Immunogenetics DOI:10.1007/S00251-011-05556-2.

14) Yoshida K, Terai Y, Mizoiri S, Aibara M, Nishihara H, Watanabe M,Kuroiwa A, Hirai H, Hirai Y, Matsuda Y, Okada N (2011) B chromosomes have a functional effect on femal sex determination in lake Victoria cichlid fishes. PLoS Genetics 7(8):e1002203.

15) Hailemariam Z, Nakao M, Menkir S, Lavikainen A, Yanagida T, Okamoto M, Ito A (2012) Molecular identification of unilocular hydatid cysts from domestic ungulates in Ethiopia: Implications for human infections. Parasitology International 61(2):375-377.

16) Iijima S, Lee YJ, Ode H, Arold ST, Kimura N, Yokoyama M, Sato H, Tanaka Y, Strebel K, Akari H (2012) A non-canonical mu-1A-binding motif in the N-terminus of HIV-1 Nef determines its activity to down-regulate MHC-I in T lymphocytes. Journal of Virology 86:3944-51.

17) MacIntosh AJJ, Huffman MA, Nishiwaki K, Miyabe-Nishiwaki T (2012) Urological screening of wild Japanese macaques: investigating trends in nutrition and health. International Journal of Primatology 33(2):460-478.

18) Saito A, Kono K, Nomaguchi M, Yasutomi Y, Adachi A, Shioda T, Akari H, Nakayama E (2012) Geographic, genetic and functional diversity of antiretroviral host factor TRIMCyp in Cynomolgus macaque (Macaca fascicularis). Journal of General Virology 93:594-602.

19) Saito Y, Naruse TK, Akari H, Matano T, Kimura A (2012) Diversity of MHC class I haplotypes in cynomolgus macaques. Immunogenetics 64:131-141.

20) Sato E, Yoshikawa R, Miyazawa T (2012) Comparison of two quantitative assays for xenotropic murine leukemia virus-related virus. J Vet Med Sci 74:255-258.

21) Sugimoto T, Nagata J, Aramilev VV, McCullough DR (2012) Population size estimation of Amur tigers in Russian Far East using noninvasive genetic samples. Journal of Mammalogy 93(1):93-101.

22) Swastika K, Dewiyani CI, Yanagida T, Sako Y, Sudarmaja M, Sutisna P, Wandra T, Dharmawan NS, Nakaya K, Okamoto M, Ito A (2012) An ocular cysticercosis in Bali, Indonesia caused by Taenia solium Asian genotype. Parasitology International 61(2):378-380.

23) Takeuchi H, Ishii H, Kuwano T, Inagaki N, Akari H, Matano T (2012) Host cell species-specific effect of cyclosporine A on simian immunodeficiency virus replication. Retrovirology 9:3.

24) Yamane K, Suzuki Y, Tachi E, Li T, Chen X, Nakao M, Nkouawa A, Yanagida T, Sako Y, Ito A, Sato H, Okamoto M (2012) Recent hybridization between Taenia asiatica and Taenia saginata. Parasitology International 61(2):351-355.

25) Yoshida T, Omatsu T, Saito A, Katakai Y, Iwasaki Y, Kurosawa T, Hamano M, Nakamura S, Takasaki T, Yasutomi Y, Kurane I, Akari H (2012) CD16 positive natural killer cells play a limited role against primary dengue virus infection in tamarins. Archives of Virology 157:363-368.

総説

1) Ito A, Okamoto M, Li T, Wandra T, Dharmawan NS, Swastika K, Dekumyoy P, Kusolsuk T, Davvajav A, Davaasuren A, Dorjsuren T, Mekonnen1 SM, Negasi ZH, Yanagida T, Sako Y, Nakao M, Nakaya K, Lavikainen AJ, Nkouawa A, Mohammadzadeh T (2011) The first workshop towards the control of cestode zoonoses in Asia and Africa. Parasites & Vector 4:1.

2) Wandra T, Sudewi AAR, Swastika K, Sutisna P, Dharmawan NS, Yulfi H, Darlan DM, I Kapti N, Samaan G, Sato MO, Okamoto M, Sako Y, Ito A (2011) Taeniasis/Cyaticercosis in Bali, Indonesia. Southeast Asian Journal of Tropical Medicine and Public Health 42(4):793-802.

3) 鈴木樹理,明里宏文,岡本宗裕,吉田友教,岡林佐知 (2012) SRV-4の関与が疑われるニホンザルの血小板減少症. オベリスク 17:5-10.

報告

1) 喜多正和,岡本宗裕 (2011) 実験動物感染症の現状 サルレトロウイルス4型(SRV-4) 実験動物ニュース 60:32-34.

2) 岡本宗裕 (2011) ニホンザル血小板減少症の原因究明について. 実験動物医学 36:18-19.

3) 岡本宗裕 (2011) 京都大学霊長類研究所で発生したニホンザル血小板減少症とその病因. 関西実験動物研究会会報 33:36-40.

著書(分担執筆)

1) 鈴木樹理 (2011) サル類の疾病カラーアトラス. (サル類の疾病と病理のための研究会編) p.204 社団法人予防衛生協会発行.

2) Hayakawa T, Varki A (2012) Human-specific Changes in Sialic Acid Biology. (Post-Genome Biology of Primates, Primatology Monographs) (ed. Hirai H, Imai H, Go Y) p.123-148, Springer.

3) Hirai H (2012) Evolution and biological meaning genomic wastelands (RCRO): Proposal of hypothesis. (Post-Genome Biology of primates, Primatology Monographs.) (ed. Hirai H, Imai H, Go Y) p.227-240, Springer.

4) Matsui A, Hasegawa M (2012) Molecular Phylogeny and Evolution in Primates. (Post-Genome Biology of Primates, Primatology Monographs) (ed. Hirai H, Imai H, Go Y) p.243-267, Springer.

編集

1) Hirai H, Imai H, Go Y (2012) Post-Genome Biology of Primates, Primatology Monographs. p.286 Tokyo, Dordrecht, Heidelberg, London, New York: Springer.

学会発表

1) Akari H, Iwasaki Y, Mori K, Ishii K, Maki N, Iijima S, Yoshida T, Okabayashi S, Katakai Y, Young-Jung Lee, Saito A (2011) Long-term persistent GBV-B infection and development of a progressive chronic hepatitis C-like disease in marmosets. International Union of Microbiological Society 2011 Congress (2011/09/11-16, Sapporo).

2) Kusolsuk T, Dekumyoy P, Chaisiri K, Sanguankiat S, Okamoto M, Yanagida T, Sako Y, Komalanisra C, Ito A (2011) Taenia and Taeniasis: Epidemiological survey and molecular identification in Tha Song Yang district, Tak Province Thailand. Joint International Tropical Medicine Meeting 2011 (2011/12, Bangkok, Thailand).

3) Li T, Long C, Nakao M, Chen X, Okamoto M, Giraudoux P, Craig PS, Xiao N, Huang L, Ito A (2011) Usefulness of pumpkin seeds combining areca nuts in treatment of community-based screened taeniasis carreiers, China. Joint International Tropical Medicine Meeting 2011 (2011/12, Bangkok, Thailand).

4) Matsui A, Niimura Y (2011) Comparative evolutionary analyses of olfactory receptor gene repertoires among five primates and eight non-primate mammal. The 5th International Symposium of the Biodiversity and Evolution Global COE project "Evolutionary Consequences of Biological Interactions -genome to ecosystem-" (2011/07/09-10, Kyoto, Japan).

5) Niimura Y, Matsui A (2011) Diversity of Olfactory Receptor Gene Repertoires among 38 Mammals SMBE annual meeting (2011/07/26-30, Kyoto, Japan).

6) Okamoto M (2011) Hybridization between Taenia asiatica and Taenia saginata and taxonomici status of T. asiatica. Joint International Tropical Medicine Meeting 201 (2011/12, Bangkok, Thailand).

7) Saito A, Nomaguchi M, Kono K, Nakayama EE, Shioda T, Yoshida T, Yasutomi Y, Takahashi N, Matano T, Adachi A, Akari H (2011) Susceptibility of cynomolgus monkeys to monkey-tropic HIV-1 infection is determined by TRIM5α genotypes. 29th Annual Sympojium on Nonhuman Primate Models for AIDS (2011/10/25-28, Seattle).

8) Saito A, Nomaguchi M, Kono K, Nakayama EE, Shioda T, Yoshida T, Yasutomi Y, Matano T, Adachi A, Akari H(2011) Genotypic variation of cynomolgus monkey TRIM5α determines the susceptibility to monkey-tropic HIV-1 infection. International Union of Microbiological Society 2011 Congress (2011/09/11-16, Sapporo).

9) Suda-Hashimoto N, Kaneko A,Kamanaka Y, Okamoto M (2011) Introduction of Management in Open Enclosure and Case Reports in Group Cage Enrichment for Captive Japanese Macaques. 10th International Conference of Environmental Enrichment (2011/08/20, Portland US).

10) Swastica K, Wandra T, Sudarmaja M, Dharmawan NS, Sako Y, Yanagida T, Okamoto M, Sutisna P, Ito A (2011) Current situation of taeniasis and cysticercosis in Bali, Indonesia. Joint International Tropical Medicine Meeting 2011, (2011/12, Bangkok, Thailand).

11) Yoshida T, Okamoto M, Akari H, Suzuki J, Miyabe-Nishiwaki T, Hayakawa T, Imai H, Matsui A, Watanebe A, Kaneko A, Hirai H (2011) Simian retrovirus-4-associated infectious thrombocytopenia in Japanese macaques. International Union of Microbiological Society 2011 Congress (2011/09/11-16, Sapporo).

12) Yoshida T, Okamoto M, Akari H, Suzuki J, Miyabe-Nishiwaki T, Hayakawa T, Imai H, Matsui A, Watanebe A, Kaneko A, Hirai H (2011) Simian retrovirus-4-associated infectious thrombocytopenia in Japanese macaques. The Unlimited World Microbes International Union of Microbiological Societies 2011 Congress XV International Congress of Virology. (2011/09, Sapporo, Japan).

13) 明里宏文,鈴木樹理,岡本宗裕,宮部貴子,渡邉朗野,兼子明久,熊崎清則,阿部政光,釜中慶朗,前田典彦,森本真弓,渡邉祥平,須田直子,平井啓久,松沢哲郎 (2011) 京大霊長研で見られたニホンザル血小板減少症(1):概要報告. 第58回日本実験動物学会 (2011/05, 東京).

14) 明里宏文,鈴木樹理,岡本宗裕,宮部貴子,渡邉朗野,兼子明久,阿部政光,釜中慶朗,前田典彦,森本真弓,渡邉祥平,須田直子,平井啓久,松沢哲郎 (2011) ニホンザル血小板減少症の発生に関する経過概要. 第152回日本獣医学会大会 (2011/10, 堺,大阪).

15) 郷康広,豊田敦,会津智幸,今井啓雄,藤山秋佐夫,平井啓久 (2011) ニホンザルエクソーム解析〜実験動物化にむけた遺伝的バックグラウンドの解明. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

16) 早川敏之,Mitra N,Wang X,Varki N,Varki A (2011) ヒト系統におけるシアル酸受容体Siglec-11の進化. 日本進化学会第13回大会 (2011/07, 京都).

17) 平井啓久,平井百合子,古賀章彦,鵜殿俊史 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:(1) 存在様式変異から推測される非相同染色体間末端組換え. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

18) 平井啓久,平井百合子,古賀章彦,鵜殿俊史 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:存在様式変異. 第62回染色体学会 (2011/11/11-13, 平塚).

19) 兼子明久,渡邉朗野,須田(橋本)直子,鈴木樹理 (2011) 体毛により指に絞扼創を生じたニホンザル乳児の症例.Digit strangulation by hair wrapping in infant Japanese macaques (Macaca fuscata). 第17回日本野生動物医学会 (2011/09/29-10/02, 東京).

20) 古賀章彦,平井百合子,平井啓久 (2011) チンパンジーにあってヒトにない染色体端部ゲノム不毛地帯:(2) 培養細胞を用いた組換えの検出. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

21) 前田典彦 (2011) 「マーモセット飼育室の整備」一般実験室からの転換(事例報告). 日本実験動物技術者協会第45回総会 (2011/09/30-10/01, 盛岡).

22) 松井淳,Jahan I,Ialam MA,Rhman ZMM,平井啓久 (2011) ミトコンドリアゲノムによるテナガザルの分子系統進化. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

23) 松井淳,新村芳人 (2011) 霊長類の嗅覚受容体遺伝子のレパートリーは少ないのか? 日本進化学会第13回大会 (2011/07/30-31, 京都).

24) 岡本宗裕,小野文子,藤本浩二,高野淳一郎,濱野正敬,森川茂,永田典代,水谷哲也,酒井宏治,堀井俊宏,中屋隆明,中村昇太,宮沢孝幸,吉川禄助 (2011) 京大霊長研で見られたニホンザル血小板減少症(2):原因ウイルスの同定と解析. 第58回日本実験動物学会 (2011/05, 東京).

25) 岡本宗裕,小野文子,藤本浩二,高野淳一郎,濱野正敬,森川茂,永田典代,水谷哲也,酒井宏治,堀井俊宏,中屋隆明,中村昇太,宮沢孝幸,松井淳 (2011) ニホンザル血小板減少症の原因ウイルスの同定. 第152回日本獣医学会大会 (2011/10, 堺,大阪).

26) 齊藤暁,河野健,中山英美,足立昭夫,野間口雅子,保富康宏,俣野哲朗,塩田達雄,明里宏文 (2011) サル指向性HIV-1への感受性に影響を与えるマカクサルTRIM5遺伝子の多様性. 第25回日本エイズ学会学術集会 (2011/11/30-12/2, 東京).

27) 須田(橋本)直子,夏目尊好 (2011) 飼育下ニホンザルにおける死児運搬と死児食いの事例. SAGA14 (2011/11/12, 熊本).

28) 鈴木樹理,明里宏文,岡本宗裕,吉田友教,岡林佐知 (2011) SRV-4の関与が疑われる血小板減少症. 第20回サル疾病ワークショップ (2011/07/02, 麻布大学(神奈川県)).

29) 高橋尚史,齊藤暁,野間口雅子,松岡佐織,足立昭夫,明里宏文,俣野哲朗 (2011) サル指向性HIV-1感染慢性潜伏期のカニクイサルからの感染性ウイルスの回収. 第25回日本エイズ学会学術集会 (2011/11/30-12/2, 東京).

30) 竹内昌男,東濃篤徳,竹内喜久子,牧野初音,田沼玲子,足立淳,高橋一朗,朝長毅,梅澤明弘,亀岡洋祐 (2011) ヒト間葉系幹細胞株(UE6E7T-3)の形質転換過程におけるmRNA発現解析. 第34回日本分子生物学会年会 (2011/12/13-16, パシフィコ横浜).

31) 東濃篤徳,坂手龍一,高橋一朗,足立淳,朝長毅,保富康宏,亀岡洋祐 (2011) カニクイザル白血球における細胞外カルレティキュリンによる遺伝子発現の変化. 第34回日本分子生物学会年会 (2011/12/13-16, パシフィコ横浜).

32) 渡邉朗野,兼子明久,宮部貴子,西脇弘樹(よしざき動物病院),鈴木樹理,磯和弘一(日本生物科学センター蝓 (2011) 「腎臓に多数の嚢胞が認められた慢性腎不全のアカゲザルの1例について,A case of chronic renal failure with multiple cysts in a rhesus macaque」. 第17回日本野生動物医学会 (2011/09/29-10/02, 東京).

33) 渡邉朗野,兼子明久,宮部貴子,西脇弘樹(よしざき動物病院),鈴木樹理,磯和弘一(日本生物科学センター蝓 (2011) 「腎臓に多数の嚢胞が認められた慢性腎不全のアカゲザルの1例について,A case of chronic renal failure with multiple cysts in a rhesus macaque」. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山市).

34) 吉田友教,岡本宗裕,明里宏文,今井啓雄,松井淳,早川敏之,生駒智子,伯川美穂,齋藤波子,渡邉朗野,兼子明久,宮部貴子,鈴木樹理,平井啓久 (2011) 京大霊長研で見られたニホンザル血小板減少症(4):疫学調査. 第58回日本実験動物学会 (2011/05, 東京).

35) 吉川禄助,佐藤英次,岡本宗裕,鈴木樹理,吉田友教,宮沢孝幸 (2011) ニホンザル血小板減少症発症ザルからのサルレトロウイルス4型の分離. 第152回日本獣医学会大会 (2011/10, 堺,大阪).

36) 伊藤亮,岡本宗裕,迫康仁,柳田哲矢,中尾稔,中谷和宏 (2012) アジアにおける人獣共通寄生虫病、嚢虫症対策に向けた国際共同研究. 第81回日本寄生虫学会大会 (2012/03, 西宮,兵庫).

37) 岡本宗裕 (2012) ニホンザル血小板減少症の全体像. 第1回 ニホンザル血小板減少症シンポジウム (2012/02, 京都).

38) 岡本宗裕 (2012) 霊長研のマカク類に見られる変異・行動異常とモデル系統の作製. 平成23年度京都大学霊長類研究所 共同利用研究会 行動特性を支配するゲノム基盤と脳機能の解明 (2012/03, 犬山,愛知).

39) 齊藤暁,河野健,中山英美,日柳章彦,足立昭夫,野間口雅子,保富康宏,俣野哲朗,塩田達雄,吉田友教,東濃篤徳,生駒智子,川本芳,鳥居隆三,明里宏文 (2012) カニクイザルTRIM5遺伝子アリルの地理的多様性とその機能的意義. 第153回日本獣医学会学術集会 (2012/03/27-29, 大宮).

40) 佐藤英次,吉川禄助,宮沢孝幸,吉田友教,岡本宗裕 (2012) SRV-4感染ザルにおけるウイルス核酸の定量. 第1回ニホンザル血小板減少症シンポジウム (2012/02/16, 吉田泉殿, 京都).

41) 吉田友教 (2012) ニホンザル血小板減少症における病理組織解析. 第1回 ニホンザル血小板減少症シンポジウム (2012/02, 京都).

42) 吉川禄助,佐藤英次,岡本宗裕,鈴木樹理,吉田友教,明里宏文,三浦智行,宮沢孝幸 (2012) ニホンザル血小板減少症の原因ウイルスの探索. 第153回日本獣医学会学術集会 (2012/03/27-29, 埼玉).

講演

1) Kaneko A (2011/05/18-20) Care-taking and veterinarian's job in KUPRI. Workshop Healthy management for non-human primates. Faculty of Science, Chulalongkorn University, Bangkok.

2) Kaneko A (2011/05/18-20) Medication, anesthesia and analgesia in nonhuman primates in KUPRI. Workshop Healthy management for non-human primates. Faculty of Science, ChulalongkornUniversity, Bangkok.

3) Maeda N (2011/05/18-20) Handling of Non-human Primates. Workshop Healthy management for non-human primates. Faculty of Science, Chulalongkorn University, Bangkok.

4) Maeda N (2011/05/18-20) Housing and Housing condition. Workshop Healthy management for non-human primates. Faculty of Science, Chulalongkorn University, Bangkok.

5) Okamoto M (2011/05) Bidirectional disease transmission between humans and monkeys and the prevention. Workshop: Healthy Management for Non-human Primeates. Bangkok, Thailand.

6) Okamoto M (2011/05) Why and how to quarantine the nonhuman primates. Workshop: Healthy Management for Non-human Primeates. Bangkok, Thailand.

7) 明里宏文 (2011/06/22) エイズウイルスの宿主適合戦略. 京都大学ウイルス研究所・ウイルス研究の潮流シリーズセミナー. 京都.

8) 明里宏文 (2011/10/7) 霊長類モデル動物を用いたウイルス感染症研究. 東京医科歯科大学・難治疾患共同研究拠点研究集会. 東京.

9) 岡本宗裕 (2011/07) サルの寄生虫とヒトの寄生虫:共進化と宿主転換. 平成23年度 京都大学霊長類研究所 犬山公開講座 「霊長類学の愉しみ」. 犬山, 愛知.

10) 岡本宗裕 (2011/12) SRV感染症対策について?報告とこれからの課題. 第8回公開シンポジウム「本ザルバイオリソースプロジェクト?第2期の成果と将来展望?」. 東京.

11) 岡本宗裕 (2011/12) ニホンザル血小板減少症の病態とその病因. 第4回サルシンポジウム. 大津, 滋賀.

12) 平井啓久 (2012/03/19) Chimpanzee chromosomes and gibbon oversea project. Linconl University, UK.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国際共同先端研究センター

<研究概要>

A) Comparative Wildlife Biology, Conservation, and the Evolution of Social Systems
FB Bercovitch
Our analysis of koala population size, density, and distribution revealed that ecological mathematical models estimating population abundance were making assumptions that conflict with the available data, so presented erroneous conclusions. The analysis of giraffe social systems revealed that kinship and sex of giraffe had a significant impact on herd composition.

B) Behaviour, Ecology and Conservation of Forest Bats
DA Hill
Research activity focussed on the development and application of the Autobat acoustic lure for surveying forest bat diversity at various sites, including Aichi-ken, Yakushima, South Korea, Malaysia and Thailand. I completed two experiments: an assessment of the effect of trap location (Yakushima) and effectiveness of the lure for enhancing surveys of tropical rain forest bat diversity (Bukit Panchor, Malaysia). I also made preliminary surveys in South Korea and in rain forest fragments in southern Thailand. In South Korea we captured five individuals of Murina ussuriensis at three sites. There was only one previous record of this species for Korea, made in 1956.

C) チンパンジーの比較認知発達研究
足立幾磨
チンパンジー、マカクザル乳児を対象に、社会的認知能力、とくに顔知覚様式・個体情報の視聴覚統合にかかわる比較発達研究をおこなった。訓練型のコンピュータ課題による成績評価および、各種の視覚刺激提示時の注視行動の分析視線の計測をおこなった。

D) 動物園のチンパンジーの知性の研究
足立幾磨
名古屋市の東山動物園のチンパンジー1群5個体を対象に、屋外運動場での社会行動を観察記録した。また、「パンラボ」と名づけられたブースにおいて、道具使用やコンピュータ課題をとおして彼らの知性を分析した。

E) Captive Chimpanzee Group Formation and Integration of Individuals into Existing Social Groups
M Seres
Continue working at the Kumamoto Sanctuary where I have been assisting in several ongoing group formation projects. Collecting behavioral data using tablet PC on these newly formed and assembled groups. Additionally to our ongoing Sanctuary projects, I have been acting as an adviser at various Zoo projects keeping and reassembling their Chimpanzee groups in Japan as well as on International level in the U.S.A., the Netherlands, Spain, Poland and in Hungary.

F) Sources of Variation across Individual Primate Hosts in Parasite Infection
AJJ MacIntosh
I visited Yakushima in September, 2011, to collect fecal samples and have since begun testing for variation in infection in relation to social network position, fecal cortisol, fecal testosterone, and fecal antibodies specific to nematode species infecting Japanese macaques.

G) Fractal Analysis of Behavior as an Indicator of Individual and Environmental Quality
AJJ MacIntosh
I visited the Institut Pluridisciplinaire Hubert Curien of the Centre National de la Recherche Scientifique at the Universite de Strasbourg, France, to conduct collaborative research analyzing penguin behavior using fractal techniques.

H) ブータンに関する調査研究
西澤和子
ブータン王国のNational Referral Hospitalにて新生児診療に携わり、現地の新生児医療の現状と課題につき調査研究を行った。


<研究業績>

原著論文

1) Adachi I, Hampton RR (2011) Rhesus monkeys see who they hear: Spontaneous cross-modal memory for familiar conspecifics. PLoS ONE 6(8):1-8, doi:10.1371/journal.pone.0023345.

2) Ellis W, Bercovitch FB (2011) Body size and sexual selection in the koala. Behavioral Ecology and Sociobiology 65:1229-1235.

3) Ellis W, Bercovitch FB, FitzGibbon S, Roe P, Wimmer J, Melzer A, Wilson R (2011) Koala bellows and their association with the spatial dynamics of free ranging koalas. Behavioral Ecology 22:372-377.

4) Higgins AL, Bercovitch FB, Tobey JR, Andrus CH (2011) Dietary specialization and Eucalyptus species preferences in Queensland koalas. Zoo Biology 30:52-58.

5) Ludwig V*, Adachi I*, Matsuzawa T (2011) Can you see sounds? Chimpanzees associate high auditory pitch with visual lightness. Proceedings of the National Academy of Sciences 108(51):20661-20665, doi:10.1073/pnas.1112605108. * These authors contributed equally to this work and co-corresponding authors of the paper.

6) MacIntosh AJJ, Alados CL, Huffman MA (2011) Fractal analysis of behavior in a wild primate: behavioral complexity in health and disease. Journal of the Royal Society Interface 8(63):497-509.

7) Rothwell ES, Bercovitch FB, Andrews J, Anderson MJ (2011) Estimating daily walking distance of captive African elephants using an accelerometer. Zoo Biology 30:579-591.

8) MacIntosh AJJ, Huffman MA, Nishiwaki K, Miyabe-Nishiwaki T (2012) Urological screening of a wild group of Japanese macaques (Macaca fuscata yakui): investigating trends in nutrition and health. International Journal of Primatology 33:460-478.

9) 西澤和子 (2012) ブータン王国における新生児医療の現状と課題:重症新生児3例の治療経験を通して. ヒマラヤ学誌 13:254-264.

著書(分担執筆)

1) Huffman MA, MacIntosh AJJ (2012) Plant-food diet of the Arashiyama Japanese macaques and its potential medicinal value. (The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama) (ed. Leca JB, Huffman MA, Vasey P) p.356-432 Cambridge University Press.

その他の執筆

1) 西澤和子 (2012) 新生児科医師,雷龍の国へ 幸せの国ブータンで赤ちゃんと生きる. ネオネイタルケア 25(1) p.102-103 メディカ出版.

2) 西澤和子 (2012) 新生児科医師,雷龍の国へ 幸せの国ブータンで赤ちゃんと生きる. ネオネイタルケア 25(2) p.64-65 メディカ出版.

3) 西澤和子 (2012) 新生児科医師,雷龍の国へ 幸せの国ブータンで赤ちゃんと生きる. ネオネイタルケア 25(3) p.54-55 メディカ出版.

学会発表

1) Bercovitch FB, Berry PSM (2011) Social associations and kinship in the Thornicroft's giraffe of Zambia. 1st 'Wild' Giraffe Indaba (2011/07/04-07, Etosha, Namibia).

2) Fukui D, Hill DA, Matsumura S (2011) Roosting behaviour of nursing females in the Ussurian tube-nosed bat Murina ussureinsis. 2nd International South-East Asian Bat Conference (2011/06/06-09, Bogor, Indonesia).

3) Hill DA (2011) Application of an acoustic lure to enhance forest surveys of bats. 2nd International South-East Asian Bat Conference (2011/06/06-09, Bogor, Indonesia).

4) MacIntosh AJJ, Jacobs A, Huffman MA, Hernandez AD (2011) Parasite transmission through social networks of Japanese macaques: a cost of grooming? The 27th Congress Primate Society of Japan (2011/07/16-18, Inuyama).

5) Seres M (2011) Chimpanzee introductions and group formations. The past, the present, with suggestions for the future. SAGA14 (2011/11/12-13, Kumamoto).

6) 足立幾磨 (2011) チンパンジーにおけるサッチャー錯視. 日本心理学会第75回大会 (2011/09/15-17, 日本大学).

7) 足立幾磨 (2011) ヒトとチンパンジーにおける"共感覚"の比較分析2. ANIMAL2011 (2011/09/08-11, 慶應義塾大学).

8) 足立幾磨,友永雅己,松沢哲郎 (2011) ニホンザルにおける顔全体処理の発達. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07/16-18, 犬山国際観光センターフロイデ).

9) 足立幾磨,友永雅己,松沢哲郎 (2011) ニホンザルにおける顔知覚様式の発達. 日本赤ちゃん学会第11回学術集会 (2011/05/07-08, 中部学院大学).

10) 木村元大,櫻庭陽子,市野悦子,島田かなえ,鈴木健太,渡邊みなみ,近藤裕治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 東山動物園のチンパンジータワー利用状況の継続調査. SAGA14 (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

11) 水野佳緒里,足立幾磨 (2011) 日本におけるゾウの域外保全の今後〜全国の飼育下ゾウの分布図から〜. SAGA14 (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

12) 島田かなえ,櫻庭陽子,市野悦子,木村元大,鈴木健太,渡邉みなみ,近藤祐治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 小型展示施設"パンラボ"の評価−チンパンジーの利用率・行動の変化を通して−. SAGA14 (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

13) 鈴木健太,櫻庭陽子,市野悦子,木村元大,島田かなえ,渡邉みなみ,近藤祐治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 東山動物園のチンパンジーにおける認知実験参加率の変動. SAGA14 (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

14) 渡邉みなみ,市野悦子,木村元大,櫻庭陽子,島田かなえ,鈴木健太,近藤祐治,木村幸一,足立幾磨 (2011) 東山動物園でのチンパンジーの知性展示. SAGA14 (2011/11/12-13, 熊本市動植物園).

講演

1) Hill DA (2011/11/09) Applications of an acoustic lure for surveying and studying bats in woodlands. Wildlife Research Center, Kyoto University, Kyoto.

2) MacIntosh AJJ (2011/06/11) Epidemiology of nematode parasite infection among wild Japanese macaques: heterogeneity in the external and internal environments. The 12th Annual Japanese Macaque Symposium, Primate Research Institute Inuyama.

3) MacIntosh AJJ (2011/09/04) Of worms and monkeys: the secret struggle for health in the wild. "Yakushima Kenkyuu Koza", Yakushima.

4) Seres M (2011/11/22) Chimpanzee (Pan troglodytes) introductions and group formations in captivity. Yerkes National Primate Research Center, Emory University Atlanta, USA.

5) Adachi I (2012/01/06) Social recognition in nonhuman primates. International Conference Looking Within: Interdisciplinary Approaches to Consciousness, National Institute of Advanced Studies, Bangalore, India.

6) Bercovitch FB (2012/03/16) Giraffe society and human evolution. The City University of New York New York, USA.

7) MacIntosh AJJ (2012/02/02) A fractal ethos for ethology: revealing behavioral stereotypies in stress and disease. German Primate Center, Gottingen, Germany.


 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 


















白眉プロジェクト

<研究概要>

A) 表情コミュニケーションについての実験心理学的研究
佐藤弥
表情や視線による対人コミュニケーションにおける情報処理過程を、反応記録・ビデオ録画・筋電図計測などにより検討した。定型発達者および発達障害者を対象とした。

B) 表情コミュニケーションについての神経科学的研究
佐藤弥,河内山隆紀,澤田玲子
表情や視線による対人コミュニケーション課題を遂行中の神経活動を、fMRI・深部脳波などを用いて計測した。


<研究業績>

原著論文

1) Sato W, Kochiyama T, Uono S, Matsuda K, Usui K, Inoue Y, Toichi M (2011) Rapid amygdala gamma oscillations in response to eye gaze. PLoS One 6:e28188.

2) Uono S, Sato W, Toichi M (2011) The specific impairment of fearful expression recognition and its atypical development in pervasive developmental disorder. Social Neuroscience 6(5-6):452-463.

3) Fujimura T, Sato W, Okanoya K (2012) Subcategories of positive emotion. Psychologia 55(1):1-8.

4) Okada T, Sato W, Kubota Y, Toichi M, Murai T (2012) Right hemispheric dominance and interhemispheric cooperation in reflexive attentional shift by gaze. Psychiatry and Clinical Neurosciences 66(2):97-104.

5) Sato W, Kochiyama T, Uono S, Matsuda K, Usui K, Inoue Y, Toichi M (2012) Temporal profile of amygdala gamma oscillations in response to faces. Journal of Cognitive Neuroscience 24(6):1420-1433.

総説

1) 河内山隆紀 (2011) 機能的磁気共鳴画像法による領域間結合分析. 神経心理学 27(1):35-46.

2) 佐藤弥 (2011) 顔を処理する脳活動の時空間パタン. 基礎心理学研究 29(2):171-175.

3) 佐藤弥 (2011) 身体運動知覚における後部上側頭溝のふるまい. ベビーサイエンス 10:19-20.

報告

1) 河内山隆紀,田邊宏樹 (2011) 計算論的解剖学を利用した化石脳頭蓋骨から脳実質の再構成. Proceedings of the 5th Conference on the Replacement of Neanderthals by Modern Humans (RNMH) project: 88-89.

2) 河内山隆紀,田邊宏樹 (2011) 計算論的解剖学を利用した化石脳頭蓋骨から脳実質の再構成の試み. Proceedings of the 3rd Conference on the Replacement of Neanderthals by Modern Humans (RNMH) project: 56-57.

3) 河内山隆紀,田邊宏樹 (2011) 計算論的解剖学を利用した化石脳頭蓋骨から脳実質の再構成の試み. Proceedings of the 4th Conference on the Replacement of Neanderthals by Modern Humans (RNMH) project: 134-136.

4) 田邊宏樹,河内山隆紀 (2011) 現代人脳機能地図の化石脳への写像法への第一歩. Proceedings of the 2nd Conference on the Replacement of Neanderthals by Modern Humans (RNMH) project: 56-57.

学会発表

1) Aizawa E, Kochiyama T, Sato Y, Morishita J, Sekiguchi A, Kotozaki Y, Miyazaki A, Kano M, Kanazawa M, Sugiura M, Kawashima R, Mushiake H, Fukudo S (2011) Increased Activation of ventromedial Prefrontal Cortex during Decision. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

2) Aizawa E, Sato Y, Kochiyama T, Morishita J, Kano M, Kanazawa M, Hongo M, Fukudo S (2011) Neural Substrates of Decision Making in Irritable Bowel Syndrome. Digestive Disease Week 2011 (2011/05/07, Chicago, USA).

3) Kitada R, Okamoto Y, Sasaki AT, Kochiyama T, Miyahara M, Lederman S, Sadato N (2011) Brain network involved in the recognition of facial expressions of emotion in the early blind. 12th International Multisensory Research Forum (2011/10/19, Fukuoka, Japan).

4) Okamoto Y, Kosaka H, Kitada R, Tanabe HC, Munesue T, Ishitobi M, Hayashi JM, Saito DN, Yanaka HT, Kochiyama T, Omori M, Wada Y, Okazawa H, Sadato N (2011) The EBA dysfunction in the ASD; as a " comparator " of self and other's action during reciprocal imitation. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

5) Sato W (2011) Temporal profile of amygdala activities in response to faces and emotional facial expressions. International Workshop on "Perception and Expression of Emotions" (2011/07/25, Kyoto, Japan).

6) Sato W (2011) Temporal profile of amygdala activity in response to emotional facial expressions. International Society for Research on Emotion 2011 (2011/07/28, Kyoto, Japan).

7) Yanaka H, Saito DN, Kochiyama T, Fujii T, Kosaka H, Shimada T, Asai T, Okazawa H (2011) Inhibition load changes the brain activation irrespective of attentional differences: a functional magnetic resonance imaging study. 第34回日本神経科学大会 (2011/09/17, 横浜).

8) 佐藤弥 (2011) 動的表情を処理する心理・神経メカニズム. 第75回日本心理学会 (2011/09/15, 東京).

9) 岡本悠子,小坂浩隆,北田亮,田邊宏樹,棟居俊夫,石飛信,林正道,齋藤大輔,河内山隆紀,谷中久和,大森晶夫,和田有司,岡沢秀彦,定藤規弘 (2011) 自閉症スペクトラムにおけるEBAの機能低下−相互模倣時の自他の動作の比較に関わる神経基盤. 第13回日本ヒト脳機能マッピング学会 (2011/09/02, 京都).

10) 佐々木章宏,河内山隆紀,杉浦元亮,田邊宏樹,定藤規弘 (2011) 視覚運動的な動作表象を担う脳内ネットワーク. 第13回日本ヒト脳機能マッピング学会 (2011/09/01, 京都).

11) 吉田優美子,田邊宏樹,林正道,河内山隆紀,定藤規弘 (2011) 予告効果における補足運動前野を中心とするネットワーク:機能的MRI研究. 第13回日本ヒト脳機能マッピング学会 (2011/09/01, 京都)

講演

1) 河内山隆紀 (2011/07/23) SPM による脳機能画像データ解析. 第14回日本光脳機能イメージング研究会. 東京・星陵会館.

2) 河内山隆紀 (2011/10/30) 脳を調べる新技術〜脳活動の場所を特定しよう. 第26回国民文化祭・京都2011・明日の暮らしの文化展. 京都・けいはんなプラザ.

3) 河内山隆紀 (2011/11/20) 生体計測データの時系列解析. 東北大学大学院肢体不自由学分野セミナー. 仙台・東北大学.

4) 河内山隆紀 (2011/12/05) 機能的磁気共鳴画像法と嗅覚・味覚研究への応用. 応用脳科学コンソーシアム. 東京・アサヒビール吾妻橋ビル.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 
































ボノボ(林原)研究部門:2011年8月まで

ヒト科3種比較研究プロジェクト:2011年9月〜

<研究概要>

A) 野生チンパンジーの行動調査
松沢哲郎,山本真也
ギニア共和国ボッソウ村にて、野生チンパンジーの行動と生態を調査した。道具使用行動、祖母による子育て協力、集団での協力・役割分担、植物の薬用利用行動などを記録し、解析をおこなった。

B) 野生ボノボの行動調査
山本真也
コンゴ民主共和国ワンバ村にて、野生ボノボの行動と生態を調査した。食物分配を含む個体間関係、過保護事例を含む母子発達、集団での協力・役割分担などを記録し、解析をおこなった。

C) 野生ゴリラの行動調査
松沢哲郎,平田聡
ルワンダ共和国ヴォルカン国立公園にて、野生ゴリラの行動を調査した。単雄複雌の構成である計3群を追跡観察し、個体間交渉や採食行動について記録すると同時に、エコツーリズムの現状について情報収集した。

D) 飼育チンパンジーを対象とした比較認知科学的研究
松沢哲郎,平田聡,山本真也
霊長類研究所の14個体、林原類人猿研究センターの8個体、熊本サンクチュアリの51個体のチンパンジーを対象に、タッチパネルモニターを用いた認知研究、非拘束型アイトラッカーを用いた視線パターンの記録、道具使用行動の実験・観察、個体間社会交渉の実験・観察などをおこなった。

E) 日本へのボノボ導入に向けた準備、資料収集、海外飼育ボノボ個体群の観察
平田聡,山本真也
日本での飼育ボノボを対象にした認知研究を立ち上げる準備として、導入手続きの調査、海外でのボノボ飼育・実験研究の現場視察、飼育ボノボ個体にかんする情報収集をおこなった。

<松沢哲郎の業績については思考言語分野を参照>


<研究業績>

原著論文

1) Hirata S, Fuwa K, Sugama K, Kusunoki K, Takeshita H (2011) Mechanism of birth in chimpanzees: humans are not unique among primates. Biology Letters 7:686-688 (doi: 10.1098/rsbl.2011.0214).

2) Hirata S, Matsuda G, Ueno A, Fuwa K, Sugama K, Kusunoki K, Fukushima H, Hiraki K, Tomonaga M, Hasegawa T (2011) Event-related potentials in response to subjects' own names: A comparison between humans and a chimpanzee. Communicative & Integrative Biology 4(3):321-323(doi: 10.4161/cib.4.3.14841).

3) Kano F, Hirata S, Call J, Tomonaga M (2011) The visual strategy specific to humans among hominids: A study using the gap-overlap paradigm. Vision Research 51:2348-2355(doi: 10.1016/j.visres.2011.09.006).

4) Bril B, Smaers J, Steele J, Rein R, Nonaka T, Dietrich G, Biryukova E, Hirata S, Roux V (2012) Functional mastery of percussive technology in nut-cracking and stone-flaking actions: experimental comparison and implications for the evolution of the human brain. The Philosophical Transactions of the Royal Society B: Biological Sciences, 367:59-74(doi: 10.1098/rstb.2011.0147).

5) Myowa-Yamakoshi M, Scola C, Hirata S (2012) Humans and chimpanzees attend differently to goal-directed actions. Nature Communications 3:693 (doi: 10.1038/ncomms1695).

6) Yamamoto S, Humle T, Tanaka M (2012) Chimpanzees' flexible targeted helping based on an understanding of conspecifics' goals. Proceedings of the National Academy of Sciences USA 109(9):3588-3592 (doi: 10.1073/pnas.1108517109).

総説

1) 山本真也 (2011) 利他・協力行動のメカニズムと社会の進化. 霊長類研究 27(2):95-109.

その他の執筆

1) 平田聡 (2011) チンパンジーのメタ認知実験. p.128:96-104 発達.

2) 山本真也 (2011) チンパンジー・ボノボにみる「徳」の起源. p.7:20-23 こころの未来.

学会発表

1) Yamamoto S (2011) Evolution of altruism, reciprocity, and cooperation: suggestions from chimpanzees and bonobos. The 27th Annual Meeting of Japanese Society of Population Ecology. Symposium "The evolution of animal societies: generality and specificity of the systems" (2011/10/16, Okayama).

2) Yamamoto S (2011) Nature in Bhutan and its environmental education. Welcome Meeting for The Honorable Chairperson of the National Council of Bhutan and His Delegation (2011/09/30, Kyoto).

3) 平田聡 (2011) チンパンジーのメタ認知:自身の知識状態の認知に関する実験的研究. 日本心理学会第75回大会 (2011/09/17, 東京).

4) 平田聡 (2011) 大人チンパンジーはどのくらいナッツ割りを覚えられるか. 第14回SAGAシンポジウム (2011/11/12-13, 熊本).

5) 山本真也 (2011) 野生ボノボにおける果実分配〜食物分配の進化・メカニズムにかんする再検討〜. Animal 2011 (日本動物心理学会(第71回)・日本動物行動学会(第30回)・応用動物行動学会/日本家畜管理学会 (2011/09/11, 東京).

6) 山本真也,松沢哲郎 (2011) チンパンジー・ボノボにおける道渡り時の集団協力行動. 第4回日本人間行動進化学会 (2011/11/19, 札幌).

7) Yamamoto S (2012) Mechanisms of cooperation in our evolutionary relatives. The 3rd meeting of International Institute of Advanced Studies (2012/01/29, Kyoto).

講演

1) 平田聡 (2011/05/09) チンパンジーの心と行動. 京山長寿生きがいセミナー. 岡山県岡山市・京山公民館. 聴衆約30名.

2) 平田聡 (2011/07/18) チンパンジーの知性を探る. 第27回日本霊長類学会大会 公開シンポジウム「人とチンパンジーの間」. 愛知県犬山市・フロイデ.聴衆約200名.

3) 山本真也 (2011/10/15) 協力社会の進化 国際高等研究所研究プロジェクト「心の起源」2011年度第2回研究会 京都府相楽郡精華町・国際高等研究所. 聴衆約30名.

4) 山本真也 (2012/03/17) 要求に応えるチンパンジー、自発的に助けるヒト 〜利他行動のおける他者理解とその進化〜. 北海道大学グローバルCOE「心の社会性に関する教育研究拠点」総括シンポジウム 心は「なぜ」、「どのように」社会的か?〜フロンティアとアジェンダ〜. 東京都千代田区・学術総合センター. 聴衆約200名.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会

 




























長期野外研究プロジェクト

<研究概要>

A) 東南アジア熱帯林の霊長類の社会生態学的研究
松田一希,半谷吾郎(生態保全),大谷洋介(生態保全)
2005年より、マレーシアサバ州のスカウ村を拠点としたテングザルの長期観察プロジェクトを行っている。本プロジェクトでは、テングザルの社会生態、採食生態、行動生態の観点から研究を進めている。また、テングザルと同所的に生息している他の昼行性霊長類(オランウータン、テナガザル、カニクイザル、ブタオザル、シルバーラングール)や地上性哺乳類(ヒゲイノシシ、サンバー、マメジカなど)の基礎的な生態・社会の研究も同時に行っている。
食物資源量の変動を調べる目的で、スカウ村近郊にあるキナバタンガン川の支流マナングル川に設置している植生調査区で、毎月一回の植物フェノロジー調査を行った。また、テングザルを含む霊長類6種の個体群動態を明らかにするために、ボートによる霊長類センサスを毎週一回行った。今まで行ってきたスカウ近郊の川辺林とは異なる植生である、マングローブ林に生息するテングザルの予備調査も行った。スカウ村のブタオザルの基礎的な生態、社会を明らかにする目的で、ボートセンサスを用いた予備調査を行った。

B) カリンズ森林保護区に棲息する野生霊長類の研究
伊左治美奈,橋本千絵(生態保全),江島俊(生態保全),古市剛史(社会進化),岡本宗裕(人類進化モデル研究センター)
ウガンダ共和国カリンズ森林保護区に生息する野生チンパンジー2集団を対象に、集団間の出会いの交渉、社会行動の違い、採食行動についての長期的データを収集した。果実量についても月1回データをとった。人獣共通感染症の研究を進めるために、糞試料による寄生虫の調査を行ったほか、感染の履歴を調べるための糞・尿試料を収集した。さらに、エコツーリズムの影響を調べるために、観光客に対するチンパンジーの行動のデータを収集した。

C) 野生ボノボの集団構造の生成についての研究
坂巻哲也,古市剛史(社会進化)
野生ボノボの毛づくろい交渉、集団メンバーの出会いの交渉、移入メスの社会関係の変遷に関するデータ収集と分析、結果の公表を進めた。集団間関係をテーマに、新たな調査集団の追跡観察、人づけ、個体識別を継続した。行動の多様性をテーマに、隣接個体群の調査も継続した。


<研究業績 >

原著論文

1) Bernard H, Matsuda I, Hanya G, Ahmad AH (2011) Characteristics of Proboscis Monkey (Nasalis larvatus) Night Sleeping-trees in Sabah, Malaysia. International Journal of Primatology 32:259-26.

2) Bernard H, Matsuda I, Hanya G, Ahmad AH (2011) Effects of river width on the selection of sleeping-site by proboscis monkeys (Nasalis larvatus) in Sabah, Malaysia. Journal of Tropical Biology and Conservation 8:9-12.

3) Matsuda I, Tuuga A, Bernard H (2011) Riverine refuging by proboscis monkeys (Nasalis larvatus): implications for adaptive benefits in riverine habitat. Mammalian Biology 76:165-171.

4) Matsuda I, Murai T, Clauss M, Yamada T, Tuuga A, Bernard H, Higashi S (2011) Regurgitation and remastication in the foregut-fermenting proboscis monkey (Nasalis larvatus). Biology Letters 7:786-789.

5) Matsuda I, Tuuga A, Bernard H, Furuichi T (2012) Inter-individual relationships in proboscis monkeys: a preliminary comparison with other non-human primates. Primates 53:13-23.

6) Sakamaki T (2011) Submissive pant-grunt greeting of female chimpanzees in Mahale Moutains National Park, Tanzania. African Study Monographs 32:25-41.

総説

1) 松田一希 (2011) テングザルから紐解くコロブス亜科の多様な生態と社会. 霊長類研究 27:75-93.

著書(分担執筆)

1) Furuichi T, Idani G, Ihobe H, Hashimoto C, Tashiro Y, Sakamaki T, Mulavwa BN, Yangozene K, Kuroda S (2011) Long-term studies on wild bonobos at Wamba, Luo Scientific Reserve, D.R. Congo: towards the understanding of female life history in a male-philopatric species. (Long-term field studies of primates) (ed. Kappeler P, Watts D) p.413-433, Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg.

2) Sha J, Matsuda I, Bernard H (2011) The Natural History of Proboscis Monkey. (Natural History Publications. Kota Kinabalu) p128.

著書(単著)

1) 松田一希 (2012) テングザル―河と生きるサル. 東海大学出版会. p.146.

学会発表

1) 松田一希,Tuuga A,Bernard H,古市剛史 (2011) テングザル社会の特徴:メスの移籍様式と個体間関係. 第27回日本霊長類学会大会 (2011/07,犬山).

2) 松田一希,村井勅裕,Clauss M,山田朋美,Tuuga A,Bernard H,東正剛 (2011) 霊長類の反芻行動の発見:テングザルの事例. 2011年度日本哺乳類学会大会 (2011/09, 宮崎).

講演

1) Matsuda I (2011/05) Evolution of Primate Society. Lecture - Studying and Monitoring Primate Behavior: A Workshop for Asian Conservation Professionals. シンガポール.

2) 松田一希 (2011/07) フィールドワークの可能性−テングザル研究と私−. 第27回日本霊長類学会大会 高島賞受賞講演. 犬山.

3) 松田一希 (2011/11) ラボからフィールドへ:ボルネオのジャングルでテングザルを追う. 同志社大学無機化学研究室 修紫会. 京都.

4) Matsuda I (2011/12) Proboscis Moneky -Big Nose of Borneo. University of Zurich主催Lecture series on "Indonesian wildlife". チューリッヒ.

 

 

もどる

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会