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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > Vol.46  > . 研究教育活動


. 研究教育活動

1. 研究部門及び附属施設

 

長期野外研究プロジェクト

<研究概要>

A) 東南アジア熱帯林の霊長類の社会生態学的研究
松田一希, 半谷吾郎 (生態保全分野), 大谷洋介 (生態保全分野)
2005年より、マレーシアサバ州のスカウ村、アバイ村を拠点とした霊長類(特にテングザル)の長期観察プロジェクトを行っている。本プロジェクトでは、テングザルの社会生態、採食生態、行動生態の観点から研究を進めている。特にテングザルの群れ内、群れ間の血縁度推定に関するプロジェクトを今年度は推進した。同時に、テングザルでみられる鼻の性的二型の要因を究明するためのプロジェクトを新たに立ち上げ、野生、飼育下の個体で研究を進めた。テングザルとは別の霊長類(オランウータン、テナガザル、カニクイザル、ブタオザル、シルバーラングール)や地上性哺乳類(ヒゲイノシシ、サンバー、マメジカなど)の基礎的な生態・社会の研究も昨年度に引き続き実施している。昨年度から開始した、霊長類の腸内細菌叢と食性の関係性を探る研究については、野外におけるサンプリング活動を終えて実験を開始した。腸内細菌叢の研究に関連して、特にテングザルにおいては前胃内の微生物叢の同定とその起源を探る研究も実施してきたが、全ての実験を終えてデータ解析を現在行っている。

B) カリンズ森林保護区に棲息する野生霊長類の研究
松田一希,橋本千絵(生態保全分野),古市剛史(社会進化分野),岡野玲子
 ウガンダ共和国カリンズ森林保護区に生息する霊長類の研究を行った。グエノン類3種の行動学的データ、遺伝学的試料、植物試料を収集した。2012年より行っているゲレザの生態調査と、対象群の移動範囲内の植物フェノロジー調査を本年も継続して行った。今年度は特に、ゲレザが樹皮を摂取する特定の木に着目し、自動撮影カメラを用いてその詳細行動に関するデータ収集を実施した。また、その樹種の栄養分析を行った。また、チンパンジー2集団を対象に、集団間の出会いの交渉、社会行動の違い、採食行動についての長期的データを収集した。果実量についても月1回データをとった。人獣共通感染症の研究を進めるために、糞試料による寄生虫の調査を行ったほか、感染の履歴を調べるための糞・尿試料を収集した。さらに、エコツーリズムの影響を調べるために、観光客に対するチンパンジーの行動のデータを収集した。

C) ボノボの社会構造・集団間関係と地理的行動変異の研究
坂巻哲也, 古市剛史(社会進化分野)
コンゴ民主共和国、ルオー学術保護区、ワンバ地区のボノボ調査を継続した。個体識別された隣接する2集団を連日追跡し、社会関係、活動時間配分、採食、遊動、集団間交渉、個体の移籍などの中長期データの収集を継続した。これら対象2集団に隣接する集団の調査を継続した。とくに今年度は、4集団を含む個体群の構造解明を進めた。個体の分散と父子判定のための遺伝子サンプルの収集を進めた。ルオー学術保護区と隣接するイヨンジ・コミュニティ・ボノボ保護区においては、1集団の人づけを継続した。ワンバ地区のボノボと比較する、行動の地理的変異の調査を継続した。環境の差異の一つとして、哺乳類相の調査を進めた。

<研究業績 >

原著論文

1) Kalousova B, Hasegawa H, Petr?elkova KJ, Sakamaki T, Kooriyma T, Modry D (2016) "Adult hookworms (Necator spp.) collected from researchers working with wild western lowland gorillas." Parasites & Vectors 9:75. DOI 10.1186/s13071-016-1357-0

2) Matsuda I, Sha JC, Ortmann S, Schwarm A, Grandl F, Caton J, Jens W, Kreuzer M, Marlena D, Hagen KB, Clauss M (2015) Excretion patterns of solute and different-sized particle passage markers in foregut-fermenting proboscis monkey (Nasalis larvatus) do not indicate an adaptation for rumination. Physiol Behav 149: 45-52. DOI: 10.1016/j.physbeh.2015.05.020

3) Matsuda I, Otani Y, Bernard H, Wong A, Tuuga A (2016) Primate Survey in a Bornean Flooded Forest: Evaluation of Best Approach and Best Timing. Mammal Study 41: 101-106. DOI: 10.3106/041.041.0201

4) Sakamaki T, Maloueki U, Bakaa B, Bongoli L, Kasalevo P, Terada S, Furuichi T (2016) Mammals consumed by bonobos (Pan paniscus): new data from the Iyondji forest, Tshuapa, Democratic Republic of the Congo. Primates, DOI 10.1007/s10329-016-0529-z

5) Sakamaki T, Nakamura M (2015) "Intergroup relationships." In: Nakamura M, Hosaka K, Itoh N, Zamma K (eds.), Mahale Chimpanzees: 50 Years of Research. Cambridge University Press, Cambridge, pp. 128-139.

6) Sakamaki T, Hayaki H (2015) "Greetings and dominance." In: Nakamura M, Hosaka K, Itoh N, Zamma K (eds.), Mahale Chimpanzees: 50 Years of Research. Cambridge University Press, Cambridge, pp. 459-471.

7) Sakamaki T, Behncke I, Laporte M, Mulavwa M, Ryu H, Takemoto H, Tokuyama N, Yamamoto S, Furuichi T (2015) "Intergroup transfer of females and social relationships between immigrants and residents in bonobo (Pan paniscus) societies." In: Furuichi T, Yamagiwa J, Aureli F (eds.), Dispersing Primate Females: Life History and Social Strategies in Male-Philopatric Species. Springer, Tokyo, pp. 127-164.

8) Toda K, Sakamaki T, Tokuyama N, Furuichi T (2015) Association of a young emigrant female bonobo during an encounter with her natal group. Pan Africa News 22(1): 10-12.

9) Zamma K, Hanamura S, Sakamaki T (2015) "Chimpanzee distribution: accumulation of survey reports." In: Nakamura M, Hosaka K, Itoh N, Zamma K (eds.), Mahale Chimpanzees: 50 Years of Research. Cambridge University Press, Cambridge, pp. 33-47.

学会発表

1) Matsuda I, Hummel J , Sha JCM, Tuuga A, Clauss M.「Ruminant-Like Primate, Proboscis Monkey in Borneo: Physiological Similarity and Difference from Functional Ruminants」Vth International Wildlife Management Congress 札幌2015年7月

2) 松田一希、Physilia CYS、Sha JCM、Clauss M「霊長類の休息姿勢:なぜコロブス類は垂直姿勢を好むのか?」第31回日本霊長類学会 京都 2015年7月

3) 松田一希「どうやって論文をまとめるか―効率の良い書き方」第31回日本霊長類学会 企画自由集会(より充実した研究を目指して―若手霊長類研究者へのエール) 京都 2015年7月

4) 松田一希、John Sha、Ismon Osman、Sen Nathan、清野悟、香田啓貴「テングザルの鼻はなぜ長い?」第63回日本生態学会 仙台 2016年3月

5) 松田一希「テングザル研究:パワーエコロジーに未来はあるか?」第63回日本生態学会 仙台 2016年3月(宮地賞受賞講演)

6) 坂巻哲也、Ulrich Maloueki、Batuafe Bakaa、2015. 「ボノボ(Pan paniscus)が住む二つの保護区、ルオーとイヨンジにおける中型・大型哺乳類センサスと保全活動の展開」日本アフリカ学会第52回学術大会、愛知県犬山、2015年5月23~24日