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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > Vol.45  > . 研究教育活動


. 研究教育活動

1. 研究部門及び附属施設

神経科学研究部門

高次脳機能分野

<研究概要>

A) 情動情報処理における前部帯状回の役割の解明
鴻池菜保,岩沖晴彦,中村克樹
情動情報の処理におけるサル前部帯状回の役割を明らかにするため、アカゲザルの前部帯状回から単一ニューロン活動を記録し、他個体の表情などの刺激に対する応答性を調べた。本年度は、ニューロン記録の終了したサルを用いて記録部位を組織学的に同定し、更なる検討をした。

B) 顔弁別能力の霊長類種間比較研究
禰占雅史,竹本篤史,中村克樹
同種他個体の顔弁別の能力を霊長類の種間で比較する目的で、コモンマーモセットとアカゲザルで弁別課題を実施し、その成績を比較している。

C) 情動行動に関わる脳領域の神経結合様式の研究
中村克樹,宮地重弘,鴻池菜保,禰占雅史,金侑璃,酒多穂波
情動行動に関わる神経回路を解明することを目的に、ニホンザルの脳の前部帯状回に複数の神経トレーサーを注入し、扁桃核や視床、側頭葉皮質を中心とした各領域における標識神経細胞の分布を解析した。

D) コモンマーモセットの認知機能計測
中村克樹, 竹本篤史, 三輪美樹, 鈴木比呂美, 櫻井彩華
コモンマーモセットの認知機能(知覚・記憶等)を調べるために,遅延見本合せ課題を用いてマーモセットの視覚認知地図を調べた。図形弁別課題および逆転学習課題におけるマーモセットの学習の特徴を解析した。

E) 遺伝子改変マーモセットを用いた尾状核におけるドーパミンの役割の解明
中村克樹,竹本篤史,山森哲雄(基礎生物学研究所),渡我部昭哉(基礎生物学研究所),高司雅史(基礎生物学研究所),
尾上浩隆(理化学研究所),横山ちひろ(理化学研究所)
ウィルスベクターを用いマーモセットの尾状核のD1受容体とD2受容体を別々にノックダウンし、行動変化等を調べた。D2受容体をノックダウンした場合、顕著な行動変化が観察された。

F) 発達初期のサイトカイン暴露に誘導される行動異常の検討
中村克樹,三輪美樹,竹本篤史,鴻池菜保,那波宏之(新潟大学)
発達初期のマーモセットをサイトカインに暴露し、発達とともにどのような行動異常が出現するかを検討している。活動量や認知機能に異常が見られることが分かってきた。また、本年度はコントロール個体およびサイトカイン暴露個体での脳MRI撮像を行った。今後、経時的にMRI撮像することで脳構造および神経連絡の変化を比較・解析していく。

G) マーモセットにおける集団内の音声情報伝達にかかわる神経基盤の解明
鴻池菜保,三輪美樹,中村克樹
警戒音による情報伝達に関わる神経基盤を解明することを目的で、マーモセット個体を隔離し、他個体の警戒音声を呈示する音声プレイバック実験を行った。本年度は、音声解析および3次元の移動重心解析ができるように実験室システムを構築し、予備実験を実施した。

H) マーモセット疾患モデルを用いた神経回路障害ならびに分子病態の解析および治療法の開発
中村克樹,鴻池菜保,三輪美樹,竹本篤史,岡澤均(東京医科歯科大学),田川一彦(東京医科歯科大学),陳西貴(東京医科歯科大学),田村拓也(東京医科歯科大学),藤田慶大(東京医科歯科大学)
神経変性認知症の疾患モデルマーモセットにおいて分子、神経細胞および神経回路の病態を解析することを目的して、2頭のマーモセットに神経変性原因物質を脳内局所注入し、疾患モデルの作出を試みた。また、別個体で認知機能評価のための逆転学習課題・場所記憶課題を訓練した。

I) 自由判断の神経機序の研究
酒多穂波,竹本篤史,中村克樹,伊藤浩介(新潟大学),五十嵐博中(新潟大学)
自由判断に関わる神経メカニズムを解明することを目指して、自由なタイミングで運動を行う課題を開発し実施した。課題遂行中の被験者の脳活動をMRIを用いて計測し、分析を行った。

J) 競合条件下での行動選択における前頭前野の機能解析
禰占雅史, 宮地重弘
競合条件下での行動選択時にサル前頭前野がどのような役割を果たしているのかを明らかにするため、競合条件下におけるマカクザル前頭前野の神経活動を解析した。その結果、内側前頭前野は競合条件のモニタリングに関与している可能性が示唆された。また、内側前頭前野の競合条件関連細胞は背外側前頭前野のそれらよりターゲット選択により深く関与している可能性が示された。

K) 自動的および随意的運動リズム制御の神経メカニズムの解明
宮地重弘
随意的および不随意的(自動的)な運動リズム制御の神経メカニズムを明らかにする目的で、健常成人を対象に行動実験を行なった。また、運動リズム制御の神経基盤を明らかにする目的で、サルに行動課題を訓練し、行動データを収集した。

L) サルにおける音列知覚機構の解明
脇田真清
コモンマーモセットを用いて聴覚弁別訓練を行った。新たな個体を用い、要素は共通であるが配列の異なる二つの音列の弁別課題を行い、これまでに得られた結果を追試した。結果、先行研究と同じく、音列の変化を検出することはできても、規則性を知覚したり長期記憶に貯蔵したりできないことを明らかにした。

M) 新型SSVEP-BCI開発のための基礎研究
竹本篤史
フリッカー光に対する定常的視覚誘発電位を利用したSSVEP-BCIの欠点は、フリッカー光のちらつきが不快な点である。最近の脳研究によると、ちらつきが感じられないほど高い明滅頻度のフリッカー光に対しても、視覚応答するニューロンの一部が明滅変化に対応した活動を行っている。本研究では、さまざまな条件のもとで、この意識に上らない神経活動を脳波で測定し、新型BCI開発の可能性を検討した。

N) 幼児虐待の連鎖-サルを対象とした不適切養育行動の世代伝達の研究
三輪美樹,中村克樹
幼児虐待の世代間伝達を解明することを目的に、家族単位で生活しているコモンマーモセットを対象として、幼児期に受けた不適切養育行動の次世代への伝達状況について検討した。また、被害個体の発育についても検討した。

O) ニホンザルにおける母から子へのアクティブ・フードシェアリングに関する観察研究
中村克樹,鈴木比呂美
放飼場にて、子に対し積極的にイモを食べさせようとする行動が観察された母サルの行動が再現されるか否かを確認するため、新たなパートナーと同居させ繁殖を試みた。確認されれば、ニホンザルで非常に珍しいアクティブ・フードシェアリングの確認例となる。3月にオス1頭を出産したため、今後行動観察をおこなっていく。

P) 眼球運動を指標とした顧問マーモセットの認知機能の研究
池田琢朗,中村克樹
コモンマーモセットの認知機能とその神経基盤を明らかにすることを目的に、眼球運動の測定系を開発し行動実験課題を設計した。測定と訓練が進行中である。

Q) サルにおける観察恐怖学習の検討
岩沖晴彦,中村克樹
社会生活を送る動物にとって他個体の行動から学習することは生存確率を高める重要な能力である。ある生物や物体が恐怖の対象であるか否かを、ヒトは観察のみから学習し避けることができる。マカクザルにこの能力があるか否かを検討することを目標に実験の準備を進めた。

<研究業績>

原著論文

1) Kuraoka K, Konoike N, Nakamura K. Functional differences in face processing between the amygdala and ventrolateral prefrontal cortex in monkeys. Neuroscience. 2015 Jul 21;304:71-80.

2) Koda H, Tokuda I, Wakita M, Ito T. and Nishimura T. (2015) The source-filter theory of whistle-like calls in marmosets: acoustic analysis and simulation of helium-modulated voices. Journal of Acoustic Society of America 137 (6):3068-3076.

3) Konoike N, Kotozaki Y, Jeong H, Miyazaki A, Sakaki K, Shinada T, Sugiura M, Kawashima R, Nakamura K. Temporal and Motor Representation of Rhythm in Fronto-Parietal Cortical Areas: An fMRI Study. PLoS One. 2015 Jun 15;10(6):e0130120.

4) Itoh K, Nejime M, Konoike N, Nakada T, Nakamura K. Noninvasive scalp recording of cortical auditory evoked potentials in the alert macaque monkey. Hearing Research 2015 May 30;327:117-125.

5) Shimazawa M, Masuda T, Nakamura S, Miwa M, Nakamura K and Hara H. An Experimental Model for Exudative Age-related Macular Degeneration with Choroidal Neovascularization Using the Common Marmoset.Current Neurovascular Research, 2015;12(2):128-34.

6) Takemoto A, Miwa M, Koba R, Yamaguchi C, Suzuki H, Nakamura K. Individual variability in visual discrimination and reversal learning performance in common marmosets. Neurosci Res,2015 Apr;93:136-43.

著書(分担執筆)

1) 脇田真清「絵はわかる?」藤田和生(著,編集)日本動物心理学会(監修)『動物たちは何を考えている?』技術評論社,pp.70-74.

その他執筆

1) 中村克樹「脳を鍛えたい 皆伝!新あたま道場」問題作成.毎日新聞,2015-2016

2) 中村克樹「中村克樹のDo you 脳?」(隔週連載).毎日新聞,2015

学会発表

1) Ikeda T, White BJ, Munoz DP. Race model of saccadic target selection in a color-singleton selection task. The 38th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society (July 28-31, 2015, Kobe)

2) Masahiko Takada, Ken-ichi Inoue, Shigehiro Miyachi, Recruitment of Calbindin into Nigral Dopaminergic Neurons Prevents From MPTP-induced Parkinsonism, 2nd World Congress on Neurotherapeutics: Dilemmas, Debates, Discussions,64-65, (September 3-6, 2015, Prague, Czech Republic).

3) Katsuki Nakamura, Misako Akashi, Rie Itabashi, Takeo Sasaki, Ryuta Kawashima, Development of Kana reading in Japanese -four developmental stages revealed by eye tracking-. The 3rd Annual Flux Congress. (September 17-19, Leiden, The Netherlands).

4) Katsuki Nakamura, Miki Miwa, Reiko Koba, Chieko Yamaguchi, Atsushi Takemoto, Low ability to discriminate faces in common marmosets. 45th Annual meeting, Society for Neuroscience, (Oct 17-21,2015,McCormick Place Convention Center, Chicago, IL, USA)

5) M. Nejime, M. Inoue, M. Saruwatari, A. Mikami, S. Miyachi, Conflict between different task rules influences the prefrontal neuronal activities during behavioral choice. 45th Annual meeting, Society for Neuroscience, (Oct 17-21, 2015, Chicago, USA).

6) 宮地重弘, 連続ボタン押し課題における引き込み現象:音楽経験及び年齢の影響, 第9回Motor control研究会(2015年6月25-27日, 京都市)

7) 三輪美樹, 森本真弓, 夏目尊好, 中村克樹「コモンマーモセットにおける尾食い」第31回日本霊長類学会大会(2015年7月18-20日, 京都市)

8) 宮地重弘, 連続反応時間課題遂行中の予期しないリズムへの運動の同調, 日本心理学会第79回大会(2015年9月22-24日, 名古屋市)

9) 中村克樹「欧米におけるマーモセットの飼育環境の実際」第5回日本マーモセット研究会大会(2016年1月28日,東京慈恵会医科大学)

10) 三輪美樹,鈴木比呂美,石割桂,中村克樹「コモンマーモセットにおける脳脊髄液採取法」第5回日本マーモセット研究会大会(2016年1月27-28日,東京慈恵会医科大学)

11) 宮部貴子,三輪美樹,鴻池菜保,兼子明久,石上暁代,夏目尊好,中村克樹「マーモセットにおけるアルファキサロン―ケタミン、アルファキサロン―メデトミジン―ブトルファノールの麻酔効果」第5回日本マーモセット研究会大会(2016年1月27-28日,東京慈恵会医科大学)

講演

1) 中村克樹:「コモンマーモセットの飼育環境 ─日本と欧州の比較─」第62回日本実験動物学会総会,ランチョンセミナーLS-03京都テルサ(2015年5月28日,京都市,京都府)

2) 中村克樹:「何歳でも脳は鍛えられる!」岐阜大学・十六銀行連携プロジェクト「くるる情報大学 〜脳科学研究最前線〜」, 岐阜会場(十六ビル)(2015年8月26日,岐阜市,岐阜県)

3) 中村克樹:「おじいちゃん、おばあちゃんの役割は?」岐阜大学・十六銀行連携プロジェクト「くるる情報大学 〜脳科学研究最前線〜」, 岐阜会場(十六ビル)(2015年9月2日,岐阜市,岐阜県)

4) 中村克樹:「何歳でも脳は鍛えられる」 第9回これからの健康と栄養を考えるシンポジウム「自分の体はジブンで守る 〜脳機能活性から未来の健康を考える〜」産経新聞社主催(2016年2月2日,大阪市,松下IMPホール)

5) 中村克樹:「マーモセットの認知機能」〈神経回路の全容解明は認知機能の理解にどう役に立つのか?─革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト〉日本認知科学学会サマースクール2015( 2015年9月1日,箱根湯本富士屋ホテル,箱根市, 神奈川県)