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2011/7/27

山本真也が2011年度日本霊長類学会高島賞
(第20回学術奨励賞)を受賞しました。

 

山本真也が7/16-7/18にかけて開かれた第27回日本霊長類学会大会において、日本霊長類学会より高島賞を授与された。

選考対象となった論文は以下の6編である。

l. Yamamoto S, Tanaka M (2009) How did altruistic cooperation evolve in humans? Perspectives from experiments on chimpanzees (Pan troglodytes). Interaction Studies 10 (2): 150-182.

2. Yamamoto, S., Tanaka, M. (2009) Do chimpanzees (Pan troglodytes) spontaneously take turns in a reciprocal task? Journal of Comparative Psychology 123 (3): 242-249

3. Yamamoto, S., Tanaka, M. (2009) Selfish strategies develop in social problem situations in chimpanzee (Pan troglodytes) mother-infant pairs. Animal Cognition 12 (S1): 27-36.

4. Yamamoto, S., Humle, T., & Tanaka, M. (2009) Chimpanzees help each other upon request. PLoS ONE, 4 (10): e7416.doi:10 1371/journal.pone007416.

5. Yamamoto, S., Tanaka, M. (2010) The influence of kin relationship and reciprocal context on chimpanzees' other-regarding preferences. Animal Behaviour 79 (3), 595-602.

6. 山本真也 (2010) 要求に応えるチンパンジー: 利他・互恵性の進化的基盤. 心理学評論 53(3), 422‐433.

受賞選考理由の要約

利他行動は、ヒ トの社会特性を代表するもののひとつであり、 ヒトの営みを支える基盤である。 しかし、その生物学的基盤とその背後にある認知メカニズムについては、実証の難しさもあり未解明なままであつた。山本真也氏は,チンパンジーを対象とした綿密な統制実験を通じて、これらの難問に果敢に取り組み、独自の視点でその解明を目指 してきた。

チンパンジーの利他性・互恵性についての山本氏の一連の研究成果は、以下の3点にまとめられる。

1)チンパンジーは、自分に直接利益がなくても他個体を援助する。

2)自発的援助はほとんどみられないが、相手からの要求には応えることがある。

3)相手からの要求内容(意図)を理解して援助する。

山本氏は,これらの成果を「要求に応えるチンパンジー、自発的に助けるヒト」と称し、ヒ トの利他性・互恵性の進化と認知メカニズムについて新たな見方を示した。

山本氏による業績は,霊長類学,心理学にとどまらず,経済学,社会学といった異分野にも大きな影響を与えている。検証困難だと思われてきたヒトの行動、社会の進化史的基盤に関する知見を丹念に積み重ね、それらを論理的にまとめあげ展望する力量は、山本氏の卓越した能力と努力を如実に示しており、高島賞受賞対象者として高く評価された。ヒ トの心のはたらき、行動、社会特性とその生物学的基盤は、山本氏を中心に今後大いに解明されることが期待される。

日本霊長類学会高島賞:http://primate-society.com/takasima.html