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2012/3/28

齊藤暁特定研究員(人類進化モデル研究センター)が第153回日本獣医学会学術集会にて大会長賞を受賞しました

 

課題名:カニクイザルTRIM5遺伝子アリルの地理的多様性とその機能的意義

研究概要

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)はカニクイザルなどの実験用マカク属サル類(以降、マカクとする)で増殖しないため、HIV-1感染を再現できる実用的な霊長類モデルが長年求められていました。現在、我々は世界に先駆けて、マカクで増殖可能なサル指向性HIV-1クローン(HIV-1mt)の構築を進めているが、感染実験の過程で、HIV-1mtが効率よく増殖する個体(感受性個体)と、ほとんど増殖しない個体(抵抗性個体)が存在することを見いだしました。また、その感受性の違いはサルの原産地に依存する傾向が認められました。この感受性の違いに何らかの遺伝的背景が関与しているとの作業仮説に基づき、TRIM5遺伝子に着目して遺伝学的解析を行いました。

その結果、(1)本研究に用いた個体群には、野生型アリルTRIM5αだけでなく、変異型アリルTRIMCypを持つ個体が高率に存在しており、(2)それぞれのTRIM5遺伝子型とHIV-1mt増殖の関連性を検討したところ、in vitro, vivoともにTRIM5α homozygoteはHIV-1抵抗性、TRIMCyp homozygoteはHIV-1感受性を示しました。また(3)TRIMCyp頻度には顕著な地域差が認められ、HIV-1mt感受性における地域差はTRIM5遺伝子型に起因することが明らかとなりました。

これら一連の結果は、TRIM5遺伝子型がHIV-1mt感染への感受性に関する個体差を規定する主要な宿主因子であることを示すものです。また本TRIMCyp頻度における顕著な地理的多様性の存在は、カニクイザルが生息域を拡大していく過程で何らかの環境要因が選択圧として作用したことを示しており非常に興味深い知見です。