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Allele Frequency of Antiretroviral Host Factor TRIMCyp in Wild-caught Cynomolgus Macaques (Macaca fascicularis)

齊藤暁、川本芳、東濃篤徳、吉田友教、生駒智子、須崎百合子、網康至、塩田達雄、中山英美、明里宏文

背景と目的
我々はこれまでに、抗レトロウイルス作用を持つカニクイザルTRIM5遺伝子には、野生型アリルTRIM5αのみでなく、TRIM5αの一部領域に対して外来遺伝子cyclophilin Aの一部が挿入された変異型アリルTRIMCypが高率に存在すること、さらに、TRIMCyp頻度はカニクイザルの原産地によって大きく異なっており、フィリピン由来個体群におけるTRIMCypアリル頻度はインドネシア及びマレーシア由来個体群のアリル頻度と比較して有意に高いことを報告している(Saito et al, 2012)。
同様のTRIM5遺伝子における地理的多様性が複数の研究グループから報告されているものの、我々を含むこれらの遺伝学的解析は霊長類飼育施設で飼育されている個体由来のサンプルで行われているため、これらの知見がカニクイザル本来の遺伝学的プロファイルを反映しているかどうかは不明なままであった。そこで今回、カニクイザルTRIM5遺伝子の本来の遺伝学的、地理学的分布を明らかにするため、上記3カ国において捕獲された野生カニクイザル由来の検体を用いて詳細な解析を行った。

結果および考察
 上記3カ国の野生個体におけるTRIMCyp頻度は飼育個体における頻度とほぼ同程度であり、霊長類飼育施設で得られた結果は概ね野生を反映していることが示唆された。一方で、TRIMCypにはメジャーなハプロタイプTRIMCyp(DK)に加えてマイナーなハプロタイプTRIMCyp(NE)が一定の割合で存在するが、今回の解析の結果、フィリピン由来の野生個体と飼育個体を比較すると、野生個体においてTRIMCyp(NE)頻度が有意に低いことを明らかにした。
 我々はこれまでに、TRIMCyp(DK)とTRIMCyp(NE)は抗レトロウイルス作用に大きな違いがあることを報告していることから、今回明らかにされたTRIMCyp頻度における顕著な地理的多様性の存在は、カニクイザルが生息域を拡大していく過程で何らかの環境要因が選択圧として作用した可能性を示している。今後は、これら地理的多様性を生じさせた外的要因の同定を目的として、各種ウイルスに対するTRIM5αおよびTRIMCyp(DKおよびNE)の抑制作用に関して比較検証を行い、カニクイザルの環境要因への適合戦略について解明していきたい。

 

Frontiers in Microbiology. 3:314. doi: 10.3389/fmicb.2012.00314

 

 A recent study showed that the frequency of an antiretroviral factor TRIM5 gene-derived isoform, TRIMCyp, in cynomolgus macaques (Macaca fascicularis) varies widely according to the particular habitat examined. However, whether the findings actually reflect the prevalence of TRIMCyp in wild cynomolgus macaques is still uncertain because the previous data were obtained with captive monkeys in breeding and rearing facilities. Here, we characterized the TRIM5 gene in cynomolgus macaques captured in the wild, and found that the frequency of the TRIMCyp allele was comparable to those in captive monkeys. This suggests that the previous results with captive monkeys do indeed reflect the natural allele frequency and that breeding and rearing facilities may not affect the frequency of TRIM5 alleles. Interestingly, the prevalence of a minor haplotype of TRIMCyp in wild macaques from the Philippines was significantly lower than in captive ones, suggesting that it is advantageous for wild monkeys to possess the major haplotype of TRIMCyp. Overall, our results add to our understanding of the geographic and genetic prevalence of cynomolgus macaque TRIMCyp.

AUG/28/2012

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