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サルの食性の地域変異の決定要因
辻大和・伊藤健彦・和田一雄・渡邊邦夫
概要

ニホンザルの食性をかたちづくる生態学的な要因を明らかにするため、全国29か所の調査地のサルの食性と、地理的変数(緯度、標高)、環境変数(年間降水量、平均気温、雪の特性、標準化差植生指数:NDVI)を関連付けるとともに、モデル選択を行って各変数の相対的な重要性を評価した。

サルの主要な採食部位は(1)果実・種子、(2)葉、(3)樹皮+冬芽の三つで、(3)の割合は冷温帯地域で高かった。果実と葉の割合については、従来考えられていたような地域差は認められず、食物多様性にも地域差がなかった。環境変数の影響については、NDVIの高い(すなわち森林の生産性の高い)場所、および降雪の少ない場所に住むサルは果実・種子食性が強く、また食物の多様性が高かった。いっぽう雪深い地域では、標高の低い調査地では葉の、標高の高い調査地では樹皮・冬芽の割合が高かった。すなわち、「雪」と「森林の生産性」の二つの要因が、各調査地のサルの食性を形作る主要因だということがわかった。食性の地域差を理解しようとする時は、地理的要因と環境要因の双方を合わせて考慮することが必要である。さらに、霊長類に限らず温帯の野生動物の地域変異を研究する際には、雪の特性が与える影響の考慮を重視すべきである。


書誌情報

Mammal Review DOI: 10.1111/mam.12045
2015/09/17 Primate Research Institute