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種子散布者としてのマカク属の信頼性の評価
Sengupta A, Gazagne E, Albert‐Daviaud A, 辻大和, Radhakrishna S.
概要

種子散布は、森林の更新に欠かせない生態学的プロセスである。果実食者の種子散布に関する従来の研究の多くは、ある地域・時期における種子の処理方法、散布距離、発芽率を評価するというものだった。対照的に、果実食者の信頼性−ある果実食者の散布者としての役割が、地域や季節に拠らず維持されるか―に関する知見は非常に乏しい。本論文では、種子散布者としての果実食者の信頼性を評価する実践的な枠組みを提案する。 この枠組みでは、ある科・属の果実が、(a) ある属の果実食者の多くに食物として利用され、(b)多くの生息地で共通して採食され、(c)その果実の供給が安定し、かつ好まれる場合に、その果実食者の信頼性が高いと評価する。この手法を用いて、アジア地域(熱帯・温帯)のマカク属複数種の果実食をレビューし、種子散布者としての信頼性を評価した。マカク属は、少なくとも82種(11科・5属)の果実の種子を共通して散布した。種間での果実選好性の違いは、生息地の植物組成の違いに起因した。マカク属の個体群を生息域全体で維持し、多様な植物種子の散布機能を維持するには、ヒトの関与を最小限に抑えることが不可欠だと考えられる。また、本研究で示した信頼性評価の枠組みは、種子散布者として他の分類群の空間的信頼性を評価するために有効と思われる。
書誌情報

American Journal of Primatology
https://doi.org/10.1002/ajp.23115

 

2020/02/26 Primate Research Institute