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共同利用報告

共同利用番号 H25-A7

ゲノムによる霊長類における脳機能の多様性の解明

橋本 亮太 , 安田 由華, 山森 英長

統合失調症、双極性障害、うつ病などの精神疾患に関連することが知られているリスク遺伝子であるCOMT(catechol-o-methyltransferase gene)についての検討を行った。COMTは,ドーパミンの代謝酵素であり,COMTには機能的遺伝子多型(Val158Met)があることが知られている。Val多型はMet多型と比較してドーパミンを代謝する酵素活性が高いことから,ヒトの前頭葉においてVal多型ではMet多型よりドーパミンが多く代謝され,ドーパミン量が低下することが想定される。そこで,統合失調症において障害されていることが知られている前頭葉課題であるWCSTを行い,Val多型を持つとMet多型を持つものよりWCSTの成績が低く、さらに,前頭葉機能効率をfMRIにて測定し,Val多型を持つものではその効率が悪いことが報告された。最後に,遺伝子関連解析により,Val遺伝子多型は統合失調症のリスクとなることを報告している。すなわちCOMT遺伝子のVal多型はMet多型と比較してCOMT酵素活性が高く,その結果,前頭葉のドパミン量が低下し,前頭葉機能効率が悪くなり,統合失調症のリスクとなるということである。昨年度までに、マカク類において、エクソンシークエンスを行い、COMTのミスセンス変異を発見した。次に、大規模にこのミスセンス変異をタイピングする必要があるため、タックマン法を用いて、大量タイピング法を確立した。
本年度は、霊長研におけるニホンザル、アカゲザル、カニクイザル、台湾サル、ブタオザル、ボンネットザル、チンパンジーのPro265Ser多型のタイピングを行った。その結果、ニホンザルとカニクイザルのみにおいてこの多型が存在することがわかった。また、ヒトには、この多型は存在せず、サルの進化と行動様式の違いに関与している可能性が示唆された。
 ヒトにおいても、脳表現型コンソーシアムにおいて多数の脳表現型を測定し、ゲノム多型との関連の検討を行っており、有望な遺伝子については、霊長類における検討を行うストラテジーで進めている。