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平成23年度共同利用研究会
「サルが二足で歩くとき」
  
発表要旨


 3月17日(土)13:10〜13:40
 体幹運動の捕捉方法とその機能的意義
 熊倉 博雄(大阪大学 人間科学研究科)


体幹筋としての固有背筋について、その機能形態学的研究を進めてきた。とはいえ、現実には記載形態学的研究と限られた資料についての筋電図学的研究である。筋電図データを併用した場合でも、体幹筋の「機能解析」には至っていない可能性がある。これは、「体幹運動」を定量的に捕捉することがきわめて難しいからである。今回は、解剖所見と筋電図所見を同時に得ているニホンザルとテナガザルの例を用いて、体幹運動計測における問題点を検討する。これに加えて、共同研究者の犬飼康人が健常者と脳卒中患者について試みた、側腹筋筋厚の姿勢による変化に関する超音波画像計測の所見を提示し、今後のこの領域における研究展開について展望する。 



 3月17日(土)13:40〜14:20
 サルからヒトの二足歩行を考える
 木村 賛(東京大学 名誉教授)


直立二足歩行はヒト固有の特徴である。その系統発達上の獲得過程を知ることはヒトの理解に重要な意味を持つ。サルをモデルとしたこの問題の運動学・運動力学的検討を紹介したい。話題は次の5題である。1.なぜサルをモデルとするか:この研究会の課題であり、詳しくは述べない。2.サルの四足歩行:二足歩行の前に、現生サルは四足歩行において一般哺乳類とは異なる特徴がみられ、その二足歩行との関連を示す。3.サルの二足歩行:現生サルの二足歩行の特徴を示し、サルの歩行のなかにもヒトの歩行と近い特徴、遠い特徴を認める。4.二足歩行発達過程:視点を変えて、チンパンジーを例として個体発達における二足歩行の獲得過程をみる。5.ヒト二足歩行獲得過程モデル:最後に、これら現生の資料から考えられるヒト祖先型の二足歩行獲得過程について検討を加える。検討結果は、近年発見されてきた化石の証拠から見てかなりの妥当性があると考えている。



 3月17日(土)14:20〜15:00
 足圧と足形態からみたサルの二足歩行
 平崎 鋭矢(京都大学 霊長類研究所)
 


通常は四足歩行を行う霊長類が二足で歩くと、足の動きにはどのような変化が生じるのだろうか。それは二足歩行を継続することによってどのように変わるのだろうか。足の形態はその動きにどのように反映しているのだろうか。我々はヒトの足の形と動きに見られる特徴が形成された機序について明かにすることを目的として、霊長類の足底部の筋配置、および歩行時の足の動態に関する分析を継続中である。今回の発表では、まず、ヒトとサルの足部形態の違いのひとつである「機能軸」(歩行時に足のテコの梁として働き得る仮想の軸)に注目し、サル類では第3趾や第4趾を通っていた足の機能軸が、ヒトと一部の類人猿では第1趾と第2趾の間を通るようになったその機序について、形態的側面から考察を加える。さらに、ニホンザルの足底圧分布を二足歩行時と四足歩行時、および二足訓練前と後で比較した結果を紹介し、二足歩行に要求される足の動きについて考える。



 3月17日(土)15:10〜15:50
 歩行の神経生理学
 高草木 薫(旭川医科大学 脳機能医工学研究センター)


歩行には3つのプロセスがある.第一は,正確な制御を必要とする随意的プロセスであり,大脳皮質から脳幹・脊髄への投射系により実現される.第二は捕食や逃避,逃走など情動的プロセスであり,辺縁系や視床下部から脳幹への投射系が関与する.第三は歩行動作や姿勢反射・筋緊張の調節など無意識に遂行される自動的プロセスであり,脳幹-脊髄下行路と脊髄CPGの活動によって齎される.歩行のみならず,全ての運動には,これに最適な姿勢制御が先行する.この予測的姿勢制御には「運動前野や補足運動野で生成される運動プログラム」と「リアルタイムの感覚信号によって後頭頂皮質に刻み込まれる身体地図」が必要であると考えられる.



 3月17日(土)15:50〜16:30
 トレッドミル歩行に関連したサル一次運動野の神経細胞活動
 中陦 克己(近畿大学 医学部)


 我々はヒト二足歩行制御における大脳皮質−基底核ループの機能解明を目指して、流れベルトの上を無拘束の状態で二足歩行するニホンザルの運動領野ならびに大脳基底核から単一神経細胞活動を導出し、体幹・四肢の筋活動も同時に記録している。現在までに得られた結果から、各記録領域に特異的な歩行中の細胞活動様式が明らかとなってきた。また一次運動野では、下肢筋群を支配する運動細胞に対して直接投射する皮質細胞(cortico-motoneuronal cells, CM cells)も同定されている。本研究会では主として一次運動野に焦点を当て、CM cellsを含めた神経細胞の活動様式から、同領域に内在する歩行制御機能を考察する。



 3月17日(土)16:30〜17:10
 ニホンザルの二足歩行学習
 森 大志(山口大学 農学部)


ニホンザルは運動学習により二足歩行能力を獲得する。その過程では、体幹軸動揺の減少、単関節および隣接二関節運動の安定化、さらに伸展化が観察される。このことは、サルが二足性に必須な起立姿勢と肢運動制御機序を経時的に成熟させたことを示唆する。二足性を獲得したサルを対象に、糖代謝を指標とした陽電子断層撮影法により四足および二足歩行時の脳活動を比較した。両者で皮質運動野の活動が観察された。これらの領域からの運動出力は最終的に脊髄運動細胞に伝達され、骨格筋を収縮する。そこで、二足性獲得サルと二足性未獲得サル間の脊髄運動細胞の興奮性の相違をH反射(脊髄伸張反射のアナログ)で検証した。前者では刺激強度の増強に伴うH反射振幅の減少が観察され、脊髄運動細胞の興奮性の低下が示唆される。これらの結果は歩行運動に関する中枢神経系機能の重点化が歩容に依存する可能性を示唆する。



 3月18日(日)9:00〜9:40
 チンパンジーとボノボのロコモーション:樹上移動と地上移動の種間比較
 古市 剛史(京都大学 霊長類研究所)
 


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 3月18(日)9:40〜10:20
 オランウータンのロコモーションの多様性と、多様性を生み出す要因
 久世濃子(京都大学 野生動物研究センター)

 


東南アジアの熱帯雨林に生息するオランウータンは、大型類人猿の中で最も樹上生活に適応している。オランウータンのロコモーションは、Quadrupedalism(四足移動)、Oscillation(振幅移動)、Orthograde suspend(体幹が直立したぶら下がり)、Pronograde suspend(体幹が水平なぶら下がり)、Vertical climb/descent(垂直木登り/下り)に分類され、スマトラでの観察頻度は図1のようになっている。本発表では、オランウータンのロコモーション関する既往の研究をレビューし、野生オランウータンのロコモーションの多様性を映像を交えて紹介する。また、オランウータンが利用する樹高の、性・年齢による違いを示し、それらの違いを生み出す要因について考察する。



 3月18日(日)10:30〜11:00
 柔軟かつロバストな直立姿勢の神経制御戦略
 野村 泰伸(大阪大学 基礎工学研究科)
 


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 3月18日(日)11:00〜11:40
 ニホンザル二足歩行運動の順動力学・逆動力学シミュレーション
 荻原 直道(慶応義塾大学 理工学研究科)
 


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 3月18日(日)11:40〜12:20
 初期人類の二足歩行
 中務 真人(京都大学 理学研究科)


人類の系統において、直立二足歩行がどのように獲得されてきたかを直接示す証拠は未だない。しかし、近年、アルディピテクス・ラミダスの研究により大きな進展が二つあった。第一は、直立二足歩行にいたる運動進化モデルとして、体幹水平型樹上はい登り(pronograde arboreal clambering)が新たに提唱されたことである。第二は、「アウストラロピテクス段階」よりも、より原始的な二足歩行の様式が明らかにされたことである。これまで、数種の直立二足歩行前の運動進化モデルが提唱されているが、それらも含め、こうした研究の現状についてレビューする。


 
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