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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-23-005

動物福祉の観点からの野生チンパンジーの行動とストレスに関する研究

報告者:山梨 裕美

期間:2011/12/11 - 2012/3/15

 飼育チンパンジーの環境エンリッチメントをおこなう際に、時に予期しないストレスを与えてしまうことがある。たとえば、新奇環境に適応する際に受けるストレスや、群れ生活をする上での社会的なストレスなどである。従来、動物福祉の研究においては、ストレスの減少が福祉を向上させると考えられてきた。しかし、ストレスと福祉の関係は議論の対象となってきている。 野生チンパンジーの生活は飼育チンパンジーの福祉を考える上で、具体的な目標のひとつである。しかし野生チンパンジーも日々さまざまなストレスを受けている。それゆえ、野生チンパンジーのストレスとその対処を検討することは、飼育チンパンジーの福祉を考える上で、有益であると考えられた。そこで今回、チンパンジーの行動が詳細に観察できるギニア共和国にあるボッソウを調査地として選び、チンパンジーの観察およびサンプル収集をおこなった。

 2011年12月18日より現地入りし、野生チンパンジーを終日追跡し、ストレス関連行動(自己指向性行動)と糞を採取した。チンパンジーの自己指向性行動は主にスクラッチ(ひっかく行動)とノーズジェスチャー(鼻をこする行動)に着目した。採取した糞は、シリカゲルで乾燥させて保存した。また、危険な状況でのストレス行動とその個体差を記録するために、チンパンジーが道を渡る行動をビデオで撮影した。 結果、ボッソウのチンパンジー13個体のうち12個体の自己指向性行動が記録できた。そこには個体差があり、親子で共通した特徴ある行動が含まれた。また、左手が麻痺した老齢個体は、右手をひっかくために木の幹などを利用していた。今後、こうした行動のパターンや頻度に、物理的・社会的な要因がどう影響を与えるのかを詳細に分析していく予定である。また、収集した糞からはストレス関連のホルモン(コルチゾル)を分析する予定である。その他、滞在中にはボッソウではまれな、肉食行動や糞食行動なども観察した。


体を大きくひっかくチンパンジーのコドモ


道を渡るチンパンジー

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