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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-23-022

アジア産霊長類とシカ類の間で見られる混群関係についての研究

報告者:辻 大和

期間:2011/6/15 - 2011/8/20

申請者はこれまで、宮城県金華山島に生息するニホンザル−ニホンジカ間で見られる混群現象についての研究を進めてきた。シカは食物環境の厳しい冬期に高い頻度でサルと混群を形成し、サルが樹上から落とす植物を利用する。またサルの落とす植物はシカの本来の食物である草本類よりも栄養価が高い。つまり温帯地域では、サルの存在がシカの栄養状態に利益をもたらしていると考えられる。昨年度にインドネシアで予備調査を行った際に、申請者はシルバールトンの落とす葉を同所的に生息するルサジカが利用する光景を何度も観察した。またベトナムでもドゥクラングールの落とす葉をホエジカが利用しているという情報を得た。食物環境が比較的安定していると考えられる熱帯地方では、シカにとってサルとの混群形成が、必ずしも食物環境と結びついていない可能性がある。この可能性を検証するために、現地での調査を必要とした。

ベトナムではソンチャ自然保護区を訪問した。最近の密猟の増加でホエジカの生息密度が急速に減少しており、残念ながら調査期間中にドゥクラングールとホエジカの混群を観察することはできなかった。そこで当初の計画を修正し、同所的に生息するドゥクラングールおよびアカゲザルの採食生態の観察および現地の植生調査を実施した。アシスタント一名を雇用し、アカゲザルおよびホエジカの糞サンプルの収集を行い、調査終了後にフエ大学においてサンプルの分析を行った。いっぽうインドネシアではパガンダラン自然保護区を訪問した。アシスタント一名を雇用し、シルバールトンの採食生態の観察を行うとともに、シルバールトン、カニクイザル、ルサジカの糞サンプルの収集を行った。調査期間中、シルバールトンとルサジカの間の混群現象を27回観察し、その内容を記録した。今後の調査のために、調査地内にライントランセクトを設置し、食物環境のモニタリングを開始した。ボゴール農業大学のセミナーにおいて、今回の研究成果を発表した。










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