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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-24-028

タンザニアの疎開林に棲息する野生動物の行動と生態に関する研究

報告者:飯田 恵理子

期間:2012/8/6 - 2012/10/15

 タンザニア西部のミオンボ疎開林は、熱帯雨林からアカシア・サヴァンナに移行する位置にあり、両地域に近縁な動植物が混在する特異的な環境である(Kano, 1971、 Moore, 1994)。この地域はアフリカ大陸におけるチンパンジー分布域の東限であることから、チンパンジーの研究が盛んに行われてきた。その一方で、チンパンジー以外の哺乳類の生息実態やその生態についてはほとんど調査されていない。しかし近年、ミオンボ疎開林は農耕や伐採などの人間活動により、本来の生態環境が急速に縮小しつつある(Abbot and Homewood, 1999)。こうした理由から、疎開林という生態系を理解し保護する上でこの地域に生息している哺乳動物相や植生を把握することは重要である。そこで本研究では、チンパンジーが棲息するタンザニアの疎開林(ウガラ地域)おいて哺乳類が多く生息する岩場周辺を中心に哺乳動物相の基礎的なデータを収集するとともに、とくに岩場の主要な生息動物であるブッシュハイラックス(Heterohyrax brucei)の行動と生態を明らかにすることを目的とした。これまでの申請者の研究からウガラ地域において生息が報告されていなかった哺乳類が19種確認されている。また、ブッシュハイラックスは昼行性であるが、調査地域の疎開林では夜間も活動を行っていることや、他の哺乳類と巣穴を共有することが明らかとなっている。疎開林の哺乳動物相を調べ、さらにブッシュハイラックスの生態について詳細に調べるためには、実際に対象動物が生息している派遣先での現地調査が不可欠であった。

 申請者は、2012年8月〜10月にウガラ地域において調査を行った。 哺乳動物相の全体的把握のために、週に1度の糞センサスをおこない、トランセクト上の哺乳動物の糞の位置を記録した。直接観察についても可能な限り行った。また岩場に自動センサーカメラを設置し生息する哺乳動物相の把握を試みた。これらの結果から、ウガラ地域においてこれまで生息の確認されていなかった哺乳類種さらに4種確認した。 ブッシュハイラックスの調査ではラジオテレメトリーを用いて夜間の個体追跡調査を行った。また、巣穴・ため糞の場所の特徴を調べ、乾燥糞サンプルを採取した。またGPSを用いて巣穴やため糞場などの位置情報を集め、各岩場周辺の詳細な植生調査をおこなった。巣の出入り口に自動センサーカメラを設置し、巣を利用する個体や活動時間、その他の哺乳類の有無を調べた。その結果、ブッシュハイラックスはこれまで昼行性と言われていたが、夜間に活発に活動していることが明らかになった。また、複数種の哺乳類と巣穴を共有していることを確認した。現在、さらに詳細な分析を進めている。


ウガラ地域のブッシュハイラックス


夜間活動中のハイラックスの様子


ハイラックスとマングースの巣穴共有

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