最終更新日
2025/01/07

動物福祉

 動物福祉とは、科学的な視点にもとづいた動物の心身の健康状態のことを指します。非ヒト霊長類(以下、サル類)は生命科学や医科学研究の発展に欠かせない存在としてさまざまな研究に貢献しており、動物福祉を向上させることは研究精度や再現性を高める点でも重要です。当センターでは、保有しているサル類の適正飼養に努め、安定的な供給と実験従事個体の健康管理の役割を担っています。動物福祉の向上のため、管理者(教員)、獣医師、実験動物管理者、飼養者などが連携し、疾病予防を含む獣医学的ケアや個体の生活の質QOLに配慮した飼育管理に努めています。

繁殖母群では遺伝的背景のモニタリングに加え、安定した社会的な群の維持管理に努めています。寿命が長く高次脳機能を有するサル類にとって、幼齢期の経験も重要です。長期的な目線で飼育環境の構築やケアが必要です。

実験に従事する期間も生活の質QOLを高める工夫をしています。動物がよりポジティブな情動状態で過ごせるよう、動物のニーズに応じた環境づくりや手技の洗練に努めています。