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調査・研究プロジェクト
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ミャンマー中央部のポンダウン地域に分布する中期始新世末期(約3720万年前)の地層(ポンダウン層)において、初期真猿類の化石発掘調査を行っています。1998年から開始した調査で、ポンダウンジアPondaungia、アンフィピテクスAmphipithecus、バヒニアBahinia、エオシミアスEosimiasの新標本を発見しました。さらに、新しい中型霊長類の上下歯列標本を発見し、ミャンマーピテクスMyanmarpithecusと命名しました。これらの化石標本は、全ての種が初期真猿類である可能性が強いと考えられます。また、霊長類以外にも様々な哺乳類化石が収集し,多くの固有な種で構成される哺乳動物相が存在したことを明らかにしています。 また、2001年からは、ミャンマー中部を流れるイラワジ川の両側に分布する後期中新世末期から初期更新世とみられる陸成層(イラワジ層)でも哺乳類化石発掘調査を進めています。これまで、偶蹄類,奇蹄類,長鼻類,食肉類,齧歯類の化石を収集しており、それらの化石をインド・パキスタンや中国などの周辺地域のものと比較し,中新世/鮮新世と鮮新世/更新世におけるアジアの哺乳類の移動やこの地域における古環境の推定を行っています。引き続き、霊長類化石の発見を目指しています。 このように、霊長類のみならず、それとともに産出する哺乳類化石の古生物学的分析をもとに、それぞれの時代における地球規模の環境変動と東南アジア地域の古生物地理の変遷との関連性について分析を進め、その中での霊長類進化について研究をすすめています。 |
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中国南部の広西チワン族自治区崇佐において、古生物学と生態学の面から霊長類の進化を探る学際的プロジェクトに着手しました。これは北京大学生命科学学院、中国科学院古脊椎動物古人類研究所(IVPP)、ならびに霊長類研究所の生態保全分野らとの共同研究です。 広西チワン族自治区は、カルスト地形で有名であり、白頭叶猴Presbytis leucocephalusの生息地としても知られます。特に崇佐では、1990年代から北京大学の調査隊が白頭叶猴の生態学的研究を行っています。その調査中に、崇左のカルスト地形の洞窟堆積物の中から多数の遊離歯と骨片化石が発見されました。2007年に、私たちの調査隊は、金昌柱教授らとともに古霊長類学的研究に着手しました。後期鮮新世(約200万年前)から後期更新世(1万年前)にかけての洞窟堆積物からは、マカクMacaca、ラングール?Presbytis?、キンシコウRhinopithecus、ギガントピテスGigantopithecus、オラウータンPongo、ヒトHomoなどが産出します。 今後、それらの化石記録の分析を行い、中国南部における霊長類を含む哺乳類の進化史を再構築しようとしています。 |
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1970年代末から南米コロンビア南部のラ・ベンタ地域に分布する中期中新世(約1500万年前)の地層において、現代型広鼻猿類の化石発掘調査を行ってきました。この調査により、スタートニアStirtonia(現生のホエザルの祖先種)、ケブピテキアCebupithecia(現生のサキの祖先種)、ネオサイミリNeosaimiri(現生のリスザルの祖先種)、アオトゥス・ディンデンシスAotus dindensis(現生のヨザルの祖先種)、ミコドンMicodon(化石マーモセット類)、マイオカリセブス・ビジャビエハイMiocallicebus villaviejai(ティティ類)など、多数の広鼻猿類化石の発見に成功しました。また、1992年からは、南米ボリビア北部のサジャ地域に分布する後期漸新世(約2500万年前)の地層において、最古の化石広鼻猿類と考えられているブラニセラBranisellaの発掘を行ってきました。これらの発見をもとに、初期広鼻猿類の起源と進化に関する考察を発表しています。 現在、南米でのこれらの発掘調査は中断しているが、条件が整えば再開したい。 |
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| ヨーロッパやロシア、日本を含む東アジア地域で見つかっているオナガザル上科化石の比較分析から、その進化プロセスついて研究を行っています。肉眼や実体顕微鏡による観察はもとより、走査型電子顕微鏡(SEM)やコンピューター断層画像法(CT)などをも使って、歯や骨の詳細な形態学的分析を進めています。 最近では、所属系統に議論のあったParadolichopithecusについて、その頭蓋内部構造をCTで分析し、ヒヒ系統よりマカク系統に近いことを明らかにしました。また、シベリア地域から見つかる化石コロブス類Parapresbytesの系統分析や、ヨーロッパ産化石コロブス類Dolichopithecusと神奈川県産化石コロブス類の系統関係について再検討を行っています。 |
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後氷期の東アジア地域のマカクザルの分布の変遷や形態の時代的変化についての研究を、本研究所の集団遺伝分野、形態進化分野や、他の研究機関と共同で行っています。系統発生分野では、ニホンザルやタイワンザルの歯骨の形態の時代変化の研究を分担しています。東アジア地域から得られたマカク類の歯列サイズの統計学的解析から、更新世のニホンザル(Macaca fuscata)は、現生の東アジアのマカク類より大型であったことがわかりました。同時代の東アジア大陸からM. robustus、M. andersoniといった大型のマカクが報告されており、これらとの近縁性が示唆されます。そのような研究から、ニホンザルの起源や渡来時期を解明しようとしています。 また、現在多くのマカク種が生息している東南アジア地域におけるマカクの進化史に関する古生物学的研究も推進しています。現在、CTを用いて、後期更新世?ベトナム産マカク化石M. speciosa subfossilisの頭蓋骨内部構造の分析を進めており、他のマカクとの系統関係について検討しています。 |
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ユーラシア大陸における霊長類を中心とした陸生哺乳類の拡散経路に関する研究を行っています。ロシアとその周辺の旧ソ連の国・地域では、鮮新世の地層から複数の霊長類化石が見つかっており、中新世以降、ユーラシア大陸を横断する形で起きた霊長類の拡散イベントに関して他の陸生動物相と比較しながら古環境の変遷の観点から検討しています。 現在は、トランスバイカル地域の鮮新世の地層から見つかったウドゥンガ哺乳動物相の研究が中心となっています。 |
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現生霊長類の音声器官の形態比較を通じて、ヒトの話しことばの形態学的基盤の進化プロセスに関する研究を行っています。標本の肉眼解剖学的分析のみならず、本研究所の行動発現分野や思考言語分野、器官調節分野、人類進化モデル研究センターの研究者と共同で磁気共鳴画像法(MRI)やCTを用いた比較分析も進めています。 さらに、本研究所の多様性保全分野や認知学習分野や他の研究機関と共同で、霊長類の音声の発声メカニズムに関する分析も進めています。 |
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