研究(ヒト)

ヒトを対象とした研究

認知学習分野では、ヒトを対象として、以下のテーマについての研究を行っています。

●色がヒトの知覚や行動に及ぼす影響についての研究
色がヒトの知覚や行動に及ぼす影響に関して実験的に検討し、その結果について進化心理学的観点から考察を行っています。成人から子どもまで幅広く対象としています。

●読み能力と記憶の干渉の関連性の研究
日本語の読みの習得をする児童期に、読み能力と記憶の干渉の関係はどうなっているのか、また発達に従い、その関係性はどのように変化するのかを明らかにすることを目的としています。また、第二言語の習得についても研究をしています。

●自閉症児の認知特性の解明
自閉症児の認知特性、特に、表情認知や情動知覚に着目して研究を行っています。また、認知特性に合わせた支援方法の構築も試みています。

●読み書き障害の特性検討と、それに合わせた支援方法の構築
読み書きに困難さのある発達障害児を対象に、その困難さをもたらす認知特性を検討し、それに応じた支援を試みています。

【過去に取り組んだテーマ】
・ ヒトの色覚認知とその発達に関する研究
・ 幼児の会話と社会的文脈に関する研究
・ 話者の確信度理解の発達
・ 絶対音感保有者における視聴覚統合時の情報処理
・ 脳機能画像法(近赤外分光法:NIRS)によるヒトの高次脳機能の解明
・ 脳波計測による社会的認知の検討
・ 対人相互作用の心理・神経メカニズムの解明
・ 自閉症児における知識・記憶の汎化の検討
・ 自閉症児の心の理論・社会的認知の検討
・ 発達障害児の学習支援とそれに伴う認知機能・脳機能の変化
・ 外国人児童の特殊拍知覚の検討
・ 外国人児童の音韻意識発達

 

発達障害児を対象とした研究について

発達障害をテーマに研究活動を行う院生は、以下に述べる「発達障害児への学習支援の実践」に参加する等して、実験以外に発達障害児と関わり、ラポールを形成するようにしています。これは特に発達障害児の場合、十分な信頼関係が樹立されていないと、実験や検査の途中で放棄する可能性があるといった側面だけではなく、緊張などにより本来の実力を発揮できない可能性が高いためです。

1.なぜ発達障害を研究対象とするのか?
現在、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能自閉症、アスペルガー症候群、など発達障害と推定される児童生徒は、約6.3パーセント程度の割合で通常の学級に在籍している可能性があります(文部科学省,2002)。これらの発達障害では、脳の機能的な異常が、それぞれ想定されています(厚生労働省,2004)。しかし、発達障害の認知的特性は未だ明らかになっておらず、支援方法も確立していません。本研究室では、発達障害児の認知的特性の解明と支援方法の確立を目指して活動を行っています。

2.発達障害児への学習支援の実践
本研究室では、発達障害の子ども達を対象に継続的に学習支援を行い、それぞれの参加者・保護者と信頼関係を築くようにしています。これにより、基礎的な実験研究への理解をいただいて、研究を行っております。

発達障害児を対象とした個別の学習支援は、以下の流れで行っています。
1) 対象児童の特徴の評価
心理検査や言語関係の検査(e.g. WISC,RCPMレーヴン色彩マトリックス検査,PVT-R絵画語い発達検査,SCTAW標準抽象語理解力検査,フロスティッグ視知覚発達検査,小学生の読み書きスクリーニング検査)、また独自に開発した課題を用いて、児童の学習に関する到達度や特徴を把握しています。

2) 特徴に合わせた学習支援の実践
上述した検査結果から、それぞれの児童の学習到達度や特徴に合わせて学習課題を選択・作成し、実施しています。また、保護者の方からの聞き取りも大事にし、保護者と共に学習支援内容を考えて行っています。

ryouiku
写真1: 児童のへ学習支援の様子

現在、これらの実践で得られた知見から、発達障害の特徴とそれに対応した適切な学習支援方法について検討しています。

■本研究室では、以下の研究機関・公共機関と連携して、発達障害児への学習支援の実践を行っています(注:各機関において、現在、対象児童の募集は行っておりません)。
・京都大学こころの未来研究センターとの連携(2007年11月~継続中)
ž -発達障害児を対象とした個別の学習支援

・愛知県名古屋市児童福祉センターとの連携(2008年4月~2011年3月)
ž -発達障害児を対象とした個別の学習支援

・岐阜県可児市教育委員会との連携(2008年9月~2012年3月)
ž -学校現場における外国人児童への学習支援

・特定非営利活動法人発達障害療育センターとの連携(2010年2月~継続中)
ž -発達障害の特性に合わせた教材の開発

・広島市教育委員会との提携(2010年4月~2013年3月)
ž -学校現場における学習支援ノウハウの応用