◆ 生物科学専攻 霊長類学・野生動物系 ◆

 霊長類学・野生動物系は、霊長類研究所および野生動物研究センター内に置かれる12分科(進化形態、系統発生、社会生態、思考言語、認知学習、高次脳機能、統合脳システム、ゲノム細胞、感染症、獣医学・動物福祉学、保全遺伝学、野生動物)によって構成される。各分科の研究領域は、分子生物学から生態学まで多岐にわたる。霊長類研究所は、ヒトの由来を解き明かすには霊長類を研究することが必要であるという認識のもと、1967年に発足した。霊長類の進化とヒトへの道のり、人間性の起源を明らかにすることを目指しており、ヒトを含む霊長類を様々な観点から多様な手法を用いて総合的に研究する、国内唯一の研究教育機関である。国内外を問わずフィールドにおける野生霊長類の長期観察や化石発掘など野外調査の長い伝統をもつが、同時に、実験室での研究も盛んであり、両者をつなぐ学際的研究もおこなわれている。野生動物研究センターは、野生動物に関する教育研究をおこない、地球社会の調和ある共存に貢献することを目指して、2008年に発足した。野外の野生動物や動物園の動物を対象とした基礎研究をおこなうとともに、遺伝学や認知科学の手法を取り入れた学問領域での研究を目指している。

 霊長類・野生動物に関する総合研究を継続的に推進・発展させるためには優れた若手研究者の養成が不可欠であるが、その教育は次のような特色を持つ。第一に、修士課程から博士後期課程まで、長期的な視野に立った教育を志している。最先端の研究に学生が主体的かつ長期的に参加することによって第一線の研究者に必要な技術や思考法を身につけてほしいと願うからである。但し、多様な若い人材を受け入れ、かつ多様な社会的要請に応えるため、博士後期課程編入にも門を開いている。また、社会に出て基礎研究以外の分野で活躍する卒業生も少なくない。第二に、講義や実習を充実して、学生が専門分野の知識を深めるだけでなく、霊長類に関する広範かつ体系的な知識を身につけるよう指導している。第三に、セミナーや研究会あるいは共同研究を通じて学外の研究者に接する機会を数多く提供し、広い視野を持った人材を育成するよう努めている。第四に、海外調査や国際共同研究への学生の参加も積極的に推進し、国際的な研究交流力をもつ人材を育成することを目指している。

修士課程の修了認定について
 修士課程の修了要件は、同課程に2年以上在学し、特殊研究12単位、正指導教員が担当するゼミナール6単位及び特論1単位などを含む合計30単位以上を取得し、かつ修士論文の審査に合格することである。なお他の研究科ならびに理学研究科における生物科学専攻霊長類学・野生動物系以外の科目の単位を修了要件に含める場合は、霊長類学・野生動物系教員会議での承認が必要である。
修士論文は、各分科の研究指導内容に即して一定程度以上の成果を修め、将来を期待しうる能力を発揮しえたかどうかを判定基準として、合否判定がなされる。修士論文は、指導教員を含む数名の審査委員によって審査され、学生は修士論文発表会において論文の内容を発表する必要がある。修士論文の合否判定は、修士論文の口頭発表をもとに霊長類学・野生動物系教員会議が行う。学生は自らの修士論文の合否判定および単位認定等に異議のある場合は、霊長類学・野生動物系教員会議議長に申し立てることができ、申し立て事項は教員会議で検討される。修士課程の最終的な修了認定は理学研究科会議で決定される。

博士後期課程の修了認定について
 博士後期課程の修了要件は、理学研究科の規定どおり、同課程に原則3年以上在学し、必要な研究指導認定を受け、博士論文を提出し審査に合格することである。博士論文の提出に際しては、霊長類学・野生動物系の内部規定として下記の取り決めがある。原則として提出者が筆頭著者となっている英文オリジナル論文一編以上が、レフェリーによる審査を有する国際雑誌に掲載済みまたは掲載の内定を受けていること、および国際的な学術集会で少なくとも一回以上発表していることが必要である。審査は、5名の審査委員で行われるが、学生は審査委員を最大2名まで推薦できる。ただし審査委員の決定は霊長類学・野生動物系教員会議が行う。霊長類学・野生動物系教員会議での博士論文受理決定後、審査委員会による審査、引き続いて博士論文発表会(公開)が行われる。その後、審査委員会の報告結果に基づき、霊長類学・野生動物系教員会議が博士論文の合否を判定する。学生は自らの博士論文の合否判定等に異議のある場合は、霊長類学・野生動物系教員会議議長に申し立てることができ、申し立て事項は教員会議で検討される。博士後期課程の最終的な修了認定は理学研究科会議で決定される。