霊長類学・野生動物系は、霊長類研究所と野生動物研究センターの研究者が、協力講座として加わって、大学院教育を行なっています。霊長類研究所および野生動物研究センター内に置かれる12分科によって構成されます。各分科の研究領域は、分子生物学から生態学まで多岐に渡ります。

 霊長類研究所(愛知県犬山市)は、ヒトの由来を解き明かすには霊長類を研究することが必要であるという認識のもと、1967年に発足しました。霊長類の進化とヒトへの道のり、人間性の起源を明らかにすることを目指しており、ヒトを含む霊長類をさまざまな観点から多様な手法を用いて総合的に研究する、国内唯一の研究教育機関です。国内外を問わずフィールドにおける野生霊長類の長期観察や化石発掘など野外調査の長い伝統を持ちますが、同時に、実験室での研究も盛んであり、両者をつなぐ学際的研究も行なわれています。

 野生動物研究センター(京都市)は、野生動物に関する教育研究を行い、地球社会の調和ある共存に貢献することを目指して、2008年に発足しました。野外の野生動物や動物園の動物を対象とした基礎研究を行うとともに、遺伝学や認知科学の手法を取り入れた学問領域での研究を行なわれています。



協力講座

進化形態 >

ヒトを含む霊長類の身体形態特徴を、ロコモーション、成長、社会生態、ライフサイクルなどと関連させて、適応と系統発生の観点から研究しています。
系統発生  >

古生物学や地質学、生物地理学、地球化学、機能形態学などの広範な知見を統合して、霊長類の進化プロセスを明らかにしようとしています。霊長類のみならずさまざまな哺乳類化石を対象として、国内外での発掘調査や形態比較、同位体比分析による古環境復元、CTなどを用いた画像分析、工学的な手法を取り入れた機能形態学的分析など、多様なアプローチで研究を進めています。

社会生態

国内外のフィールドで、野生霊長類の生態学的研究と、生息地での保全のための基礎研究を推進しています。霊長類社会の進化とホミニゼーションの課程を解明するために世界の様々な調査地で霊長類の行動と生態に関する研究を進めています。
社会生態研究部門に属する2つの分野からなる分科です。

生態保全分野 >
社会進化分野 >

認知学習 >

ヒトの脳とこころの進化の理解にむけて、サルのみならず、ヒトや様々な動物まで幅広く対象とした、行動心理学、神経科学、認知科学研究を展開しています。

思考言語 >

チンパンジーなどの大型類人猿を主な対象として思考や言語などヒトを特徴づける高次認知機能の進化を 比較認知科学的視点から研究し、その脳内機構を非侵襲的な手法で研究しています。
高次脳機能 >

脳とこころの関係を解明することを目的としてヒトや他の霊長類を主な対象として研究しています。特に、電気生理学的な手法を用いて脳の電気活動を記録解析したり、さまざまな脳の働きに神経伝達物質やホルモンといった化学物質がどのように作用するのかを調べたり、ヒトやサルの複雑な行動そのものを解析したりしています。
統合脳システム >

霊長類の中枢神経系の特性を解明することを目的とし、神経ネットワークの構造と機能ならびに、その発達や学習にともなう変化に関する研究を推進しています。パーキンソン病をはじめとする神経疾患や、今後の飛躍的な研究進展が期待される精神疾患の病態解明と新規治療法開発に向けた研究を展開しています。
ゲノム細胞

霊長類の特性を、主に分子や細胞レベルの視点に基づき、総合的に解明することを目標に研究を進めています。
ゲノム細胞研究部門に属する2つの分野からなる分科です。
ゲノム進化分野 >
細胞生理分野 >
感染症 >

ヒトおよびアフリカに住む霊長類に広く感染している霊長類免疫不全ウイルスについて研究しています。
獣医学・動物福祉学 >

飼育・健康管理を担う技術職員と連携して、サル類の獣医学、動物福祉に関する研究をおこなっています。
野生動物 >

霊長類にかぎらずさまざまな野生動物に関する研究をおこなっています。おもに絶滅の危惧される野生動物を対象とした基礎研究、フィールドワークとライフサイエンスの統合、地域動物園や水族館等との協力による人間を含めた自然についての理解などを目指しています。
保全遺伝学 >

集団遺伝学や分子系統学の手法に基づき、野生個体群や飼育個体群を対象に、霊長類の保全に必要な遺伝学的研究を行っています。