比較免疫微生物領域は、ヒトを含む霊長類の病原微生物および感染免疫に関する研究を行なうことを目的として平成２１年度より新たに設立されました。特に実験用サル類を用いて、病原ウイルスの感染発症に関わる分子機構および宿主免疫応答を明らかにすることを主眼において研究を進めていきたいと思います。

明里宏文　Hirofumi AKARI　　教授

　

略歴

1987年 鹿児島大学農学部獣医学科　卒業
1989年 鹿児島大学大学院農学研究科獣医学専攻　修了（農学修士）
1989年 京都大学ウイルス研究所　研究生（?1990年３月）
1994年 山口大学大学院連合獣医学研究科　修了（獣医学博士）
1994年 - 1995年 エイズ予防財団リサーチレジデント（国立感染症研究所・協力研究員）
1995年 - 1997年 科学技術庁（新技術事業団）特別研究員（国立感染症研究所・協力研究員）
1997年 - 2002年 徳島大学医学部ウイルス学教室・助手
1999年 - 2002年 National Institute of Allergy and Infectious Diseases (USA); Research Fellow
2002年 - 2005年 国立感染症研究所　筑波医学実験用霊長類センター・主任研究官
　　　　　　　　（併任：エイズ研究センター、バイオセーフティ管理室）
2005年 - 2009年 独立行政法人医薬基盤研究所　霊長類医科学研究センター・疾患制御研究室長
2009年 - 現在 京都大学霊長類研究所　教授
　　　　　客員研究員（医薬基盤研究所、国立感染症研究所、名古屋医療センター）

ウイルスと霊長類　-はじめに-

ウイルスの生存戦略

ウイルスにはその種維持に必要な最低限度の仕組み、すなわち遺伝情報と若干の酵素などがその小さな粒子内にパッケージされています。宿主細胞へウイルスが感染すると、宿主の様々な機構を利用してその遺伝情報に基づいた子孫ウイルスが産生されていきます。従って宿主なしでは種を維持することすら出来ません。また宿主との共存のためには、強力かつ多様な免疫システムから逃れるためのテクニックが不可欠です。このように、ウイルス種の存続は宿主とウイルスの蛋白・遺伝子間の密接な相互作用があって始めて成り立っています。一方ウイルスの宿主はバクテリアから動植物、霊長類と多様です。ウイルスはその宿主の進化に伴い、それぞれの環境に応じた適合戦略を獲得してきました。

病原ウイルス

ウイルスといえば、危険なものといった印象が一般的でしょう。病原性を持つウイルスは確かに多数知られています。しかしウイルス自体にとっては、宿主に病気を起こさず共存共栄を図ることが有益のはずです。事実、ウイルスの中でも宿主に病原性を示すものはごく一部ですし、宿主を殺してしまうような病原ウイルスは通常種として維持できません。動物種の中で最も高度に進化した霊長類と、必要最低限度の物質からなる機能体として最も進化したウイルス、この２者のせめぎ合いの結果、偶然、病原性を持つウイルスが出現するのです。私達はヒトを含む霊長類に大きな被害を与える病原ウイルスについてその感染・発症機序を知るとともに、霊長類の抗ウイルステクニック＝免疫機構について探りたいと考えています。

霊長類を知り、ウイルスを知る

ウイルスと霊長類の関係を考える上で、ウイルスのみでなく霊長類のことも知る必要があるのは当然です。霊長類と言っても、ヒト、チンパンジー・ゴリラなど類人猿を始めとしてアフリカ、アジア、アメリカ大陸に生息する多種多様なサル類がいます。霊長類とウイルス種の組み合わせによって、感染したりしなかったり、また感染はしても病気になる場合とならない場合が出てきます。すなわち霊長類の種類ごとに異なる遺伝的背景がそれぞれのウイルスへの感受性を決定づけているのです。こうしたウイルス感受性を決定する遺伝的背景を比較検討しながら、霊長類を知り、またウイルスを知りたいと思います。

これまでの研究概要

C型肝炎ウイルスに関する基礎・応用研究

本邦におけるC型肝炎ウイルス(HCV)キャリアは約200万人とされています。慢性Ｃ型肝炎患者の多くが肝硬変・肝細胞癌へと移行し、年死亡者は３万人を数えることから、保健医療上その克服は急務です。これに対して、PEGインターフェロン・リバビリンを基軸とした現行治療法ではそのウイルス排除率は50%程度であり、半数の患者は肝癌発症のリスクから逃れることはできないことから、新規のコンセプトに基づく画期的な治療法の開発が不可欠な状況となっています。一方WHOの調査では、世界におけるHCV感染者は１億７千万人とされ、HIVと同様にアジア・アフリカ諸国を中心として今も感染拡大が進んでいる状況です。こうした国々のC型肝炎患者は、その大多数が経済的な背景から上記のような多額の費用が必要な医療を受けることが困難であることから、有効な予防ワクチンの開発が求められています。
　ところでこうした新規治療法や予防ワクチンの開発に当たり、実験室レベルの基礎的研究結果を臨床医学の現場に反映させる（いわゆるトランスレーショナルリサーチ）ためには、その有効性や安全性を評価するためのモデル動物が不可欠となります。しかしHCVに感染しC型肝炎を発症する唯一の動物であるとされるチンパンジーは、絶滅が危惧されている類人猿であることなどから実験動物としての使用が困難な状況にあります。このことはC型肝炎のトランスレーショナルリサーチを行なう上での大きな障害となっています。

GB virus-B (GBV-B)は新世界サルの一種であるタマリンから分離されたウイルスです。GBV-BはHCVに最も近縁なウイルスであり、GBV-B, HCV共にフラビウイルス科のヘパチウイルス属に分類されています。我々は、本邦で初めてタマリン/GBV-B 感染によるＣ型肝炎様症状の発症モデルを確立しました。すなわち、GBV-Bをタマリンに接種２週後から顕著なウイルス血症が認められるとほぼ平行して、肝炎マーカーであるALT値の上昇が見られました。このような急性肝炎時における肝組織について検討したところ、HCVによる急性肝炎に酷似した病理組織像が観察されます。さらに最新のデータでは、これまで困難とされてきたGBV-B長期慢性化例が複数の個体において確認されています。こうしたことから、GBV-B/タマリン感染・発症モデルはC型肝炎のサロゲートモデルとして創薬やワクチン開発のみならず、ヒトでは困難なウイルス感染初期における病態や慢性化に至る免疫回避機序の解明にも大いに有用であるものと期待されています。現在すでに国立感染症研究所や先端生命科学研究所、東京医科歯科大学と共同で、慢性肝炎発症機序の解析やワクチン・新規治療法の開発などの研究に取り組んでいます。

　

エイズウイルスの新規病態モデル動物確立に向けた基礎・応用研究

ヒト免疫不全ウイルス1型（HIV-1）は後天性免疫不全症候群（AIDS）の原因ウイルスです。１９８０年代にAIDS発症例が報告されて以来、アフリカ、欧米諸国を中心に急激に感染が広がり、現在もアフリカ・東南アジア圏を中心として感染者数が増加しています。しかしながら、これまでの幾多の研究にも関わらず有効な予防ワクチンはまだ開発されていません。一方これまでウイルスの持つ逆転写酵素やプロテアーゼを標的とする治療薬開発が進み、抗ウイルス戦略はある程度成功しつつあります。しかしながらこれらの治療薬は強い副作用を示す場合が多いことや、抵抗性を持つ変異体が出現するなどの問題が残されています。このような状況を鑑み、保健医療上これまでとは異なるアプローチによる新規抗HIV-1戦略が必要です。　

近年、徳島大の足立昭夫教授らのグループは、カニクイザル細胞で増殖可能な「サル指向性HIV-1クローンの開発に成功しました（PNAS 103, 16959-64, 2006）。サル指向性HIV-1は、HIV-1ゲノムをベースにサルエイズウイルスであるSIVmac由来vif遺伝子およびgag遺伝子の一部のみを組み込んだもので、ほとんどの遺伝子がHIV-1由来です。この結果からこれまで不可能とされてきた、HIV-1を用いた実験用サル類への感染モデル系の確立に新たな道が開かれました。我々は足立教授および俣野哲朗教授（東京大学医科学研究所）の研究グループと共同で、マカク属ザルに効率良く感染し病原性を有する馴化型HIV-1 の開発研究を精力的に進めています。この霊長類モデルはサルAIDSモデルの最終進化型とも言えるものであり、これによりHIV-1の基礎研究面のみならず、抗HIV-1ワクチンや新規治療法の有効性評価に関する前臨床試験が大きく進展するものと期待されています。

HIV-1には他のレトロウイルスには見られない「アクセサリー遺伝子」と呼ばれる調節遺伝子群が存在し、ウイルスの感染・増殖のみならず免疫機能の抑制などに影響を及ぼすことが徐々に解明されてきました。特にNef蛋白はMHC-I発現を、Vif蛋白はApobec3G/F発現を制御することで自然・獲得免疫を制御し生体内での長期持続感染に寄与しています。我々はこれらの作用に関わる分子機構の解明を進めており、こうした未知の部分を明らかにしていくことでウイルス学の発展のみならず新たな治療法の開発や前述の動物モデル確立にも繋がるものと期待しています。

　

　

その他の感染症病態モデルによる基礎・応用研究

以上の他に、マラリアやデング熱といった世界的規模で蔓延している感染症の霊長類モデル開発、およびそれを利用した病態解析、ワクチン開発評価研究等も鋭意進行中です。

　

霊長類細胞株ライブラリーの構築に関する研究

さまざまなサル類を用いた研究を行なう上で、それぞれの研究に応じたサル種の試料は不可欠です。しかし一般的にはサルの資料入手は容易ではありません。またサル個体を用いることが不可欠な研究において、特にこれまで報告や前例のない新規研究では、どのようなサル種が最適なのか判断に苦慮する場合が見受けられます。こうした状況で非常に重要となるのは細胞レベルでの解析ですが、これまでサル細胞といえばアフリカミドリザル腎臓由来くらいしか入手できず、これではとてもサル種ごとの比較検討など不可能です。私達は、独自の手法によりさまざまなサル種（現在１１種）のリンパ球細胞株を樹立することに成功しました。このように同一の細胞由来、同一の手法で樹立された、多様なサル種の「霊長類細胞株ライブラリー」の樹立例は世界的にも例を見ない貴重なものです。すでに数種類の細胞株については理化学研究所細胞バンク、ヒューマンサイエンス研究資源バンクや米国ハーバード大学Nonhuman Primate Reagent Resourceに寄託されており、無償での供与が受けられるようになっています。このような試みにより霊長類研究の基盤が整備されたのみならず、不必要な動物実験を回避する代替法としても非常に有効と考えられます。

一緒に研究してくれる仲間を待っています

当研究領域で一緒に研究しませんか？

現在助教を公募しています。条件等は霊長類研究所の教員、職員公募のページに掲載されています（〆切：９月１１日）。病原微生物の感染発症霊長類モデルを用いた基礎・応用研究を意欲的に推進して下さる方の応募をお待ちしています。

当研究領域に参画して下さる大学院生を募集しています。所属は京都大学大学院理学研究科・生物科学専攻の修士課程もしくは博士課程となります。これまでの研究分野は問いません、当領域の研究を精力的に進めてくれる方であれば大歓迎です。興味のある方はまずはE-mailにてお気軽に御連絡下さい。
連絡先：明里宏文 akari＠pri.kyoto-u.ac.jp（スパム対策のため＠は全角になっています。）

　

研究業績

研究論文リスト（*; corresponding author）

2000年-2009年　1990年-1999年

　

2000年-2009年　　

Kuroishi A, Saito A, Shingai Y, Shioda T, Nomaguchi M, Adachi A, Akari H, Nakayama EE: Modification of a loop between a-helices 6 and 7 of virus capsid protein improves human immunodeficiency virus type 1 replication in cynomolgus monkey cells. Retrovirology, in press.

Hassan R, Suzu S, Hiyoshi M, Takahashi-Makise N, Ueno T, Agatsuma T, Akari H, Komano J, Takebe Y, Motoyoshi K, Okada S: Dys-regulated activation of a Src tyrosine kinase Hck at the Golgi disturbs N-glycosylation of a cytokine receptor Fms. Journal of Cellular Physiology, in press. (July 7, 2009; Epub ahead of print)

Iwasaki Y, Akari H*, Murakami T, Kumakura S, Dewan MZ, Yanaka M, Yamamoto N: Efficient inhibition of SDF-1a-mediated chemotaxis and HIV-1 infection by novel CXCR4 antagonists. Cancer Science 100, 778-781, 2009. (Feb 24, 2009; Epub ahead of print)

Akari H*, Iwasaki Y, Yoshida T, Iijima S: Non-human primate surrogate model of hepatitis C virus infection. Microbiology and Immunology 53, 53-57, 2009.

Izumi T, Takaori-Kondo A, Shirakawa K, Higashitsuji H, Itoh K, Io K, Matsui M, Iwai K, Kondoh H, Sato T, Tomonaga M, Ikeda S, Akari H, Koyanagi Y, Fujita J, Uchiyama T: Mdm2 is a novel E3 ligase for HIV-1 Vif. Retrovirology 6, 1, 2009.

Hohjoh H, Akari H, Fujiwara Y, Hirai H, Wada K: Molecular cloning and characterization of the common marmoset huntingtin gene. Gene 432, 60-66, 2009. (Nov 24, 2008; Epub ahead of print)

Nakajima T, Ohtani H, Satta Y, Uno Y, Akari H, Ishida T, Kimura A: Natural selection in the TLR-related genes in the course of primate evolution. Immunogenetics 60, 727-735, 2008. (Sep 23, 2008; Epub ahead of print)

Kawada M, Tsukamoto T, Iwamoto N, Kurihara K, Takeda A, Moriya C, Takeuchi H, Akari H, Matano T: Gag-specific cytotoxic T lymphocyte-based viral containment in a macaque AIDS model. Journal of Virology 82, 10199-10206, 2008.

Sato H, Leo N, Katakai Y, Takano J, Akari H, Nakamura S, Une Y: Prevalence and molecular phylogeneic characterization of Trypanosoma (Megatrypanum) minasense in the peripheral blood of amsll neotropical primates (Saimiri sciureus and Saguinus midas) after a quarantine period. Journal of Parasitology 94, 1128-1138, 2008.

Hiyoshi M, Suzu S, Yoshidomi Y, Hassan R, Harada H, Sakashita N, Akari H, Motoyoshi K, Okada S: Interaction between Hck and HIV-1 Nef negatively regulates cell surface expression of M-CSF receptor. Blood 111, 243-250, 2008.

Yokota T, Iijima S, Kubodera T, Ishii K, Katakai Y, Ageyama N, Chen Y, Lee Y-J, Unno N, Nishina K, Iwasaki Y, Maki N, Mizusawa H, Akari H*: Efficient regulation of viral replication by systemically administered siRNA with cationic liposome in a non-human primate surrogate model for hepatitis C. Biochemical and Biophysical Research Communications 361, 294-300, 2007.

Hara M , Kikuchi T, Sata T, Nakajima N, Ami Y, Sato Y, Tanaka K, Narita T, Ono F, Akari H, Terao K, Mukai R. Detection of SRV/D shedding in body fluids of cynomolgus macaques and comparison of partial gp70 sequences in SRV/D-T isolates. Virus Genes 35, 281-288, 2007.

Ishii K, Iijima S, Kimura N, Lee Y-J, Ageyama N, Yagi S, Yamaguchi K, Maki N, Yoshizaki S, Machida S, Suzuki T, Iwata N, Sata T, Terao K, Miyamura T, Akari H*: GBV-B as a pleiotropic virus: Distribution of GBV-B in extrahepatic tissues in vivo. Microbes and Infection 9, 515-521, 2007.

Shirakawa K, Takaori-Kondo A, Kobayashi M, Tomonaga M, Izumi T, Fukunaga K, Sasada A, Abudu A, Miyauchi Y, Akari H, Iwai K, Uchiyama T: Ubiquitination of APOBEC3 proteins by the Vif-Cullin5-ElonginB-ElonginC complex. Virology 344, 263-266, 2006.

Fujita M, Akari H, Sakurai A, Yoshida A, Chiba T, Tanaka K, Strebel K, Adachi A: Expression of the HIV-1 accessory protein Vif is controlled uniquely to be low and optimal by proteasome-degradation. Microbes and Infection 6, 791-798, 2004.

Uda A, Tanabayashi K, Yamada YK, Akari H, Lee YJ, Mukai R, Terao K, Yamada A: Detection of Fourteen Alleles Derived from MHC Class I A Locus in Cynomolgus Monkeys. Immunogenetics 56, 155-163, 2004.

Akari H, Fujita M, Kao S, Khan MA, Shehu-Xhilaga M, Adachi A, Strebel K: High level expression of Human immunodeficiency virus type 1 Vif inhibits viral infectivity by modulating proteolytic processing of Gag precursor at the p2/NC processing site. Journal of Biological Chemistry 279, 12355-12362, 2004.

Nguyen KL, Llano M, Akari H, Miyagi M, Poeschla EM, Strebel K, Bour S: Codon optimization of the HIV-1 vpu and vif genes stabilizes their messenger RNA and allows for highly efficient Rev-independent expression. Virology 319, 163-175, 2004.

Lee WW, Nam KH, Terao K, Akari H, Yoshikawa Y: Age-related increase of peripheral CD4+CD8+ double positive (DP) T lymphocytes in cynomolgus monkeys: Longitudinal study in relation to thymic involution. Immunology 109, 217-225, 2003.

Ueno F, Shiota H, Miyaura M, Yoshida A, Sakurai A, Tatsuki J, Koyama AH, Akari H, Adachi A, Fujita M: Vpx and Vpr proteins of human immunodeficiency virus type 2 up-regulate the viral infectivity by a distinct mechanism in lymphocytic cells. Microbes and Infection 5, 387-395, 2003.

Bour SP, Akari H, Miyagi E, Strebel K: Naturally-occurring amino acid substitutions in the HIV-2 ROD envelope glycoprotein regulate its ability to augment viral particle release. Virology 309, 85-98, 2003.

Fujita M, Yoshida A, Sakurai A, Tatsuki J, Ueno F, Akari H, Adachi A: Susceptibility of HVS-immortalized lymphocytic HSC-F cells to various strains and mutants of HIV/SIV. International Journal of Molecular Medicine 11, 641-644, 2003.

Sugimoto C, Tadakuma K, Otani I, Moritoyo T, Akari H, Ono F, Yoshikawa Y, Sata T, Izumo S, Mori K: Nef gene is required for robust productive infection of simian immunodeficiency virus in T-cell-rich paracortex in lymph nodes. Journal of Virology 77, 4169-4180, 2003.

Kao S, Akari H, Khan MA, Dettenhofer M, Yu X-F, Strebel K: Human immunodeficiency virus type 1 Vif is efficiently packaged into virions during productive but not chronic infection. Journal of Virology 77. 1131-1140, 2003.

Khan MA, Akari H, Kao S, Aberham C, Davis D, Buckler-White A, Strebel K: Intravirion processing of the human immunodeficiency virus type 1 Vif protein by the viral protease and its possible correlation with Vif function. Journal of Virology 76, 9112-9123, 2002.

Tomiyama H, Akari H, Adachi A, Takiguchi M: Different effects of Nef-mediated HLA class I down-regulation on HIV-1-specific CD8+ T cell cytolytic activity and cytokine production. Journal of Virology 76, 7535-7543, 2002

Akari H, Bour S, Kao S, Adachi A, Strebel K: The HIV-1 accessory protein Vpu induces apoptosis by suppressing the NF-kB dependent expression of anti-apoptotic factors. Journal of Experimental Medicine 194, 1299-1311, 2001

Fujita M, Yoshida A, Miyaura M, Sakurai A, Akari H, Koyama AH, Adachi A: Cyclophilin A-independent replication of a human immunodeficiency virus type 1 isolate carrying a small portion of simian immunodeficiency virus SIVmac gag capsid region. Journal of Virology 75, 10527-10531, 2001.

Khan MA, Aberham C, Kao S, Akari H, Gorelick R, Bour S, Strebel K: Human immunodeficiency virus type 1 Vif protein is packaged into nucleoprotein complex through an interaction with viral genomic RNA. Journal of Virology 75, 7252-7265, 2001.

Bour S, Perrin C, Akari H, Strebel K: The human immunodeficiency virus type 1 Vpu protein inhibits NF-kB activation by interfering with bTrCP-mediated degradation of IkB. Journal of Biological Chemistry 19, 15920-15928, 2001.

Akari H, Yoshida A, Fukumori T, Adachi A: Host cell-dependent replication of HIV-1 mutants with deletions in gp41 cytoplasmic tail region is independent of the function of Vif. Microbes and Infection 2, 1019-1023, 2000.

Fukumori T, Akari H, Yoshida A, Fujita M, Koyama AH, Kagawa S, Adachi A: Regulation of cell cycle and apoptosis by human immunodeficiency virus type 1 Vpr. Microbes and Infection 2, 1011-1017, 2000.

Nam KH, Akari H, keiji Terao, Shibata H, Kawamura S, Yoshikawa Y: Peripheral blood extrathymic CD4+ CD8+ T cells with high cytotoxic activity are the same lineage with CD4+ CD8- T cells in cynomolgus monkeys. International Immunology 12, 1095-1103, 2000.

Yoshida A, Miyaura M, Sakurai A, Fukumori T, Fujita M, Akari H, Adachi A: MHC-I expression in HTLV-1-positive and -negative cells. International Journal of Molecular Medicine 6, 83-86, 2000.

Akari H*, Fukumori T, Adachi A: Cell-dependent requirement of human immunodeficiency virus type 1 gp41 cytoplasmic tail for Env incorporation into virions. Journal of Virology 74, 4891-4893, 2000.

Akari H*, Arold S, Fukumori T, Okazaki T, Strebel K, Adachi A: Nef-Induced major histocompatibility complex class I down-regulation is functionally dissociated from its virion incorporation, enhancement of viral infectivity, and CD4 down-regulation. Journal of Virology 74, 2907-2912, 2000.

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1990年-1999年

Otani I, Mori K, Sata T, Terao K, Doi K, Akari H, Yoshikawa Y: Accumulation of MAC387+ macrophages in paracortical area of lymph nodes in rhesus monkeys (Macaca mulatta) acutely infected with SIVmac239. Microbes and Infection 1, 977-985, 1999.

Fujii Y, Akari H, Machida M, Kojima E, Murakami K, Yoshikawa Y: Effective delivery of a lipophilic 6-chloro-2',3'-dideoxyguanosine (6-Cl-ddG) into rat lymphoid tissues. Experimental Animals 48, 241-246, 1999.

Akari H*, Uchiyama T, Fukumori T, Iida S, Koyama AH, Adachi A: Pseudotyping human immunodeficiency virus type 1 by vesicular stomatitis virus G protein does not reduce the cell-dependent requirement of Vif for optimal infectivity: functional difference between Vif and Nef. Journal of General Virology 80, 2945-2950, 1999.

Akari H, Fukumori T, Iida S, Adachi A: Induction of apoptosis in Herpesvirus saimiri-immortalized T lymphocytes by blocking interaction of CD28 with CD80/CD86. Biochemical and Biophysical Research Communications 263, 352-356, 1999.

Sakai K, Iida S, Fukumori T, Akari H, Adachi A: Mutational analysis of human immunodeficiency virus type 1 vif gene. Virus genes 18, 179-81, 1999.

Iida S, Yamamoto Y, Fukumori T, Akari H, Adachi A: Compatibility of Vpu-like activity in the four groups of primate immunodeficiency viruses. Virus genes 18, 183-187, 1999.

Akari H*, Nam KH, Mori K, Shibata H, Otani I, Adachi A, Terao K, and Yoshikawa Y: Effects of SIVmac infection on peripheral blood CD4+CD8+ T lymphocytes in cynomolgus macaques. Clinical Immunology 91, 321-329, 1999.

Fukumori T, Kagawa S, Iida S, Oshima Y, Akari H, Koyama AH, Adachi A: Rev-dependent expression of three species of HIV-1 mRNAs. International Journal of Molecular Medicine 3, 297-302, 1999.

Adachi A, Iida S, Fukumori T, Tamaki M, Inubushi R, Shimano R, Oshima Y, Akari H, Koyama AH: Exchangeability of accessory Vif and Vpu proteins between various HIV/SIVs. International Journal of Molecular Medicine 3, 193-197, 1999.

Koyama AH, Akari H, Adachi A, Goshima S, Nishiyama Y: Induction of apoptosis in HEp-2 cells by the infection with herpesvirus simplex virus type 2. Archives of Virology 143, 2435-2441, 1998.

Shimano R, Inubushi R, Tamaki M, Akari H, Koyama AH, Adachi A: The non-env tropism of HIV/SIV. International Journal of Molecular Medicine 2, 541-544, 1998.

Nam KH, Akari H, Terao K, Itagaki S, Yoshikawa Y: Age-related alterations of major lymphocyte subsets in cynomolgus monkeys. Experimental Animals 47, 159-166, 1998.

Tokunaga K, Kojima A, Kurata T, Ikuta K, Akari H, Kawamura M, Inubushi R, Shimano R, Adachi A: Enhancement of human immunodeficiency virus type 1 infectivity by Nef is producer cell-dependent. Journal of General Virology 79, 2447-2453, 1998.

Shimano R, Inubushi R, Amano K, Ogasawara T, Akari H, Kawamura M, Adachi A: Complete inhibition of SIVmac replication by its capsid mutants. Virus Genes 17, 43-48, 1998.

Koyama AH, Irie H, Fukumori T, Hata S, Iida S, Akari H, Adachi A: Role of virus-induced apoptosis in a self-defense mechanism against virus infection. The Journal of Medical Investigation 45, 37-45, 1998.

Tokunaga K, Kojima A, Kurata T, Ikuta K, Inubushi R, Shimano R, Kawamura M, Akari H, Koyama AH, Adachi A: Producer cell-dependent requirement of the Nef protein for efficient entry of HIV-1 into cells. Biochemical and Biophysical Research Communications 250, 565-568, 1998.

Inubushi R, Shimano R, Koyama AH, Akari H, Adachi A: Functional roles of HIV accessory proteins for viral replication. International Journal of Molecular Medicine 2, 429-433, 1998.

Otani I, Akari H, Nam KH, Mori K, Suzuki E, Shibata H, Doi K, Terao K, Yoshikawa Y: Phenotypic changes in peripheral blood monocytes of cynomolgus monkeys acutely infected with simian immunodeficiency virus. AIDS Research and Human Retroviruses, 14, 1181-1186, 1998.

Kawamura M, Shimano R, Inubushi R, Akari H, Adachi A: Early function of HIV-1 Gag proteins is cell-dependent. Biochemical and Biophysical Research Communications 248, 899-903, 1998.

Fukumori T, Akari H, iida S, Hata S, Kagawa S, Aida Y, Koyama AH, Adachi A: The HIV-1 Vpr displays strong anti-apoptotic activity. FEBS Letters 432, 17-20, 1998.

Nam KH, Akari H*, Terao K, Ohto H, Itagaki S, and Yoshikawa Y: Age-dependent remodeling of peripheral blood CD4+ CD8+ double-positive T lymphocytes in cynomolgus monkeys. Developmental and Comparative Immunology, 22, 239-248, 1998.

Kawamura M, Shimano R, Ogasawara T, Inubushi R, Amano K, Akari H and Adachi A: Mapping the genetic determinants of human immunodeficiency virus type 2 for cell tropism and replication efficiency. Archives of Virology, 143, 513-521, 1998.

Akari H*, Mori K, Otani I, Terao K, Ono F, Adachi A and Yoshikawa Y: Induction of MHC-IIDR expression on circulating CD8+ lymphocytes in macaques infected with SIVmac239 nef-open but not with its nef-deletion mutant. AIDS Research and Human Retroviruses, 14, 619-625, 1998.

Akari H*, Yagita H, Nishida T, Nakamaru K, Terao K, Yoshikawa Y, Adachi A: Selective induction of b7 integrin expression on lymphoid tissue lymphocytes undergoing apoptosis. Biochemical and Biophysical Research Communications 244, 578-582, 1998.

Akari H, Yamamoto Y, Hiwada H, Saito Y, Takayanagi N, Koyama AH, Adachi A: Suppression of HIV-1 replication in peripheral blood mononuclear cells by fasudil. The Journal of Medical Investigation, 44, 211-214, 1998.

Fujii Y, Mukai R, Akari H, Machida M, Mori K, Takasaka M, Kojima E, Murakami K and Yoshikawa Y: Anti-viral effects of 6-chloro-2',3'-dideoxyguanosine (6-Cl-ddG) in rhesus monkeys acutely infected with simian immunodeficiency virus. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 9, 85-92, 1998.

Akari H*, Ono F, Sakakibara I, Takahashi H, Murayama Y, Hiyaoka A, Terao K, Otani I, Mukai R, Adachi A and Yoshikawa Y: Simian T-cell leukemia virus type 1-induced malignant adult T cell leukemia-like disease in a naturally infected African green monkey: implication of CD8+ T cell leukemia. AIDS Research and Human Retroviruses 14, 367-371, 1998.

Akari H*, Terao K, Nam KH, Adachi A and Yoshikawa Y: Comparative analysis of human and macaque monkey CD4: differences in formaldehyde lability and conformation. Experimental Animals 47, 23-27, 1998.

Kawamura M, Shimano R, Inubushi R, Amano K, Ogasawara T, Akari H and Adachi A: Functional domain mapping of HIV-1 Gag proteins. Biochemical and Biophysical Research Communications 241, 317-320, 1997.

Fujii Y, Mukai R, Mori K, Akari H, Otani I, Kojima E, Takasaka M, Machida M, Murakami K and Yoshikawa Y: Efficacy of 6-chloro-2',3'-dideoxyguanosine (6-Cl-ddG) on rhesus macaque monkeys chronically infected with simian immunodeficiency virus. Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes and Human Retrovirology 16, 313-317, 1997.

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