研究目標Our Mission

私たちの研究室のミッションは、国内外の共同研究を含め認知神経科学の研究を推進すること、そして有能な研究者を育てることです。

知覚・記憶・情動・コミュニケーションなどの精神機能の神経基盤を理解するためにヒトやサル類を対象にさまざまな手法を用いて脳研究を行っています。

* 単一ニューロン記録や脳波記録など脳の電気活動を記録解析します
* 種々のトレーサーを用いて神経解剖学的に結合様式を調べます
* 神経伝達物質やホルモンが脳機能や行動にどう作用するのかを調べます
* ヒトやサルの複雑な行動を解析します


社会生活の中で働く脳

さまざまな動物の脳を比較すると、魚類・爬虫類・両生類より哺乳類・鳥類の脳が大きく進化・発達してきたことがわかります。その中でもより複雑な社会を築き、複雑なコミュニケーションをとっていると考えられる動物ほど、体の割に脳が大きく進化しているのです。社会の中で仲間と相互にやり取りをすることが脳の進化の大きな圧力になったと考えられます。

脳の比較
脳の比較(同じ縮尺)
体重と脳の大きさとの相関
体重と脳の大きさとの相関



なぜ霊長類なのか?!

これまでにさまざまな動物を対象とした脳研究が行われてきました。例えば、ハエやマウスなどは遺伝子をさまざまに操作できるということで、記憶研究などが盛んに行われ、さまざまな研究成果が発表されています。しかし、私たちは「脳とこころ」の関係を調べるには、特にヒトの脳の働きを念頭において研究するには、脳・神経系の構造や機能が大きく異なるハエやマウスでは十分ではないと考えています。また、ヒトにみられるさまざまな疾患の原因を解明したり、効果的な薬物や治療法を開発したりするためにも、神経系だけではなく免疫系もヒトに近い霊長類を対象とした研究が不可欠だと考えます。


バナースペース

京都大学
ヒト行動進化研究センター
高次脳機能分野