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研究内容

現在研究室では、主にゲノムを基盤とした次のような研究を進めている。

これらの現在進行中の研究は、ゲノム情報をどう利用するのかという
ポストゲノム時代を見据えた内容ではあるが、ゲノム情報を基盤としたヒト
を含めた霊長類の進化・多様化の解明のためには、さらに新しい視点に立った
遺伝子・非遺伝子領域の機能解明が必須である。ゲノム情報を基にしたヒトや
類人猿・その他霊長類の進化・多様化の軌跡を明らかにする、これまでは夢物語
であったテーマも実現できる時代に来ていることを強調したい。

分野紹介ポスター

最新論文
2019/6/5
糸井川壮大ら「苦味物質が苦味を抑えることを発見 -キツネザルにおける苦味受容の進化-
2018/8/15
仲井理沙子ら「ニホンザルのiPS細胞の作製と神経幹細胞への分化誘導
2017/1/25
L.H.P.Purbaら「葉食ザルの苦味感覚
2016/12/26
西栄美子ら「ニホンザル甘味受容体の麦芽糖に対する高感受性
2016/10/13
筒井圭ら「新世界ザルの苦味受容体機能の種間比較
2016/01/14
今村公紀ら『マーモセット精原細胞のSphere形成培養』
Primates 57(1): 129-135. doi:10.1007/s10329-015-0500-4
2015/07/23
鈴木-橋戸南美ら『紀伊半島におけるニホンザル苦味感覚の進化 -野菜や柑橘類の苦味をわからないサルが急速に拡散した-』
PLoS One 10(7): e0132016. doi:10.1371/journal.pone.013201
2015/01/23
今村公紀ら『マーモセット精子形成動態の分子発生生物学』
Developmental Biology, in press. doi:10.1016/j.ydbio.2015.01.014
2014/09/17
平井啓久『住血吸虫における染色体の変化』
frontiers of GENETICS 5:301. doi:10.3389/fgene.2014.00301
2012/08/17
早川卓志ら『チンパンジー亜種間における苦味受容体遺伝子多様化の生態地理』
PLoS ONE 7(8): e43277. doi:10.1371/journal.pone.0043277
2012/03/07
今井啓雄ら『霊長類種間での苦味受容体TAS2R16の機能多様性』
Biology Letters, Published online before print March 7, 2012, doi: 10.1098/rsbl.2011.1251
2011/02/28
菅原亨ら『ニシチンパンジーにおける苦味受容体遺伝子の多様性解析』
Mol. Biol. Evol., 2011 Feb;28(2):921-31. Epub 2010 Oct 20.

霊長類の感覚に対する分子・細胞・個体・生態レベルの研究

霊長類の研究でもゲノム解析が進み、代表種についてゲノム配列が公開されてきたが、そこから生物学的な意義付けができている遺伝子・配列はまだ少ない。私たちは、主に環境応答に関わる感覚受容体遺伝子(視覚・味覚・嗅覚等)をターゲットとして、個体ごとに異なる配列の意義、遺伝子発現の機構、タンパク質の性質、末梢や脳内の情報処理機構など、各種霊長類が示す表現型へのゲノムベースの新たな研究を展開することを進めている。
最近では、味覚の個人差や地域差に与える遺伝子の影響がヒトだけでなく、様々な動物種でも存在することがわかってきたため、採食植物等を含めた環境との対応を解明することを目指している。たとえば、特定の苦味がわからないニホンザルが紀伊半島にのみ存在することを発見した(Suzuki et al., 2010)。現在、このサルの味覚の進化(退化?)と、苦味成分を持つ柑橘類など周辺環境との関連について、有機化学などの専門家とともに研究を進めている。
また、個体レベル・地域レベルの変異が固定したものが、種の差になるため、カルシウムイメージングなどによるタンパク質レベルで種間の化学感覚の違いを発見し、行動実験で確かめ、生態観察との関係を考察する方法で、研究を進めている(Imai et al., 2012)。海外の霊長類にも注目しており、現在、野生チンパンジー(熱帯アフリカ)、 野生ラングール(中国)などの苦味受容体と食物環境の調査も展開している。多様な世界環境に生息する霊長類を比較することで、味覚進化のゲノム基盤を明らかにすることを目標としている
[ 今井啓雄糸井川壮大林美紗Yan Xiaochan杉山宗太郎]

iPS細胞を用いた進化生物学/医学および霊長類の分子発生生物学/エピゲノム

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